認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークに67万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。2023年1月は「遠い」をテーマに推薦を募集し、「独立行政法人国立文化財機構」「認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワーク」「NPO法人全国自死遺族総合支援センター」の3候補があがり、古川哲さん、河原塚有希彦さんの推薦した認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

この法人は税理士・公認会計士といった専門家が「自発的に様々な社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、人々から共感され、活発になる社会を目指」して活動しています。

(https://npoatpro.org/about.html)

ここ最近SNSを中心に、非営利法人の会計に関する話題がニュース性を持って流れています。

話題となる背景として政治的側面なども言及されていますが、根底にあるのは「①非営利法人への不信感」「②公費を使うことに対する市民感情」というのがあると私たちは考えました。

今回の贈与テーマ「遠い」に沿って考えると、①については、非営利法人の存在自体が身近ではなく「遠い」ため、知らぬものへの忌避感情があり、②については、公費の性質として国民から税金が徴税されてから使われるまでが直接的ではなく「遠い」ため、会計監査や数字上で清廉さを示すことでしか公費を伴う活動に関する説明責任を果たせない点に課題があると考えました。

私(推薦人の一人)も公的機関で働く一人の人間として高い倫理観をもって、経費執行に当たらねばならない責任感を重く受け止めて業務に取り組んでいます。現場で働いている人間の実感として、会計の透明性の観点において、公的資金の中には使途が厳重に制限されている予算も多く、説明責任を果たすため、本来、直接期待されている業務以外の事務手続きの負担も大きいです。

NPO法人の活動に目を向けてみますと、公費の使用によらず上述の公的機関同様の説明責任を求められるため本質業務を圧迫してしまうことすらあるようです。

例えば、「NPO法人は、年に1回(毎事業年度はじめの3ヶ月以内)、事業報告書などを作成して行政庁に提出しなければなりません。また、それらの書類は事務所に常に備え付ける必要があり、閲覧を求められた場合には応じなければならないのです。このため、NPO法人の事務は、他の任意団体や法人に比べて煩雑になりやすく、理事等の負担は大きくなりがち」と言われています(https://blog.canpan.info/npotokyo/ より引用)。

以上からNPO法人では
・市民からの信頼を獲得すること
・本質業務に集中しながら、きちんと会計業務を行う実務力の向上
の両方が必要になるといえます。

こうしたNPO法人の課題に対してNPO@PROでは各種サポートを提供しています。信頼獲得に対しては、共通の会計ルールを設計することで市民にわかりやすい会計を導入する活動を行っており、会計実務力の向上については会計の専門家がNPOの活動に則した教育啓蒙活動をされています:

信頼を得るための「NPO法人会計基準」の策定:

「NPO法制定以来、NPO法人には会計基準がなく、各団体が作成する計算書類はバラバラで、比較検討もできませんでした。NPOが情報公開を行って周囲から賛同を得るためには共通の会計ルールが不可欠であるとして、市民にとってわかりやすいこと、信頼性の向上に資することを基本的理念」としたガイドラインを策定されています。

会計実務力を高めるための 書籍出版・啓蒙活動:

「NPO法人における日常の会計業務をより簡便に行い、また、NPO法人会計基準に準拠した会計書類の作成」のための「NPO法人向け会計ソフトの紹介」を行っているほか、「NPO法人実務ハンドブック」の出版や、専門家による無料電話相談の窓口のなどを設置されています。

このような活動を通じ、NPO法人がよりその業務に集中しながら社会から信用されることで、交付金や助成金、寄付を含む外部からの支援が獲得しやすくなり、よりNPO法人の活動が社会に広がっていくことが期待されます。

 今回の寄付を通じて、非営利法人が今まで以上に社会から信用され、市民との距離が縮まり、社会的課題に取り組む活動がより広がってほしいという願いを込めて、本法人を推薦いたします。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • NPOが社会で担う役割の重要さを踏まえて、NPO会計税務専門家ネットワークさんは社会のペインのど真ん中に直球を投げているような存在ではないかと思いました。(松木耕)

  • NPOの会計に関するガイドラインの制定など今後の非営利団体にとって重要な取り組みをされていると感じたため。(清水絵理)

  • 今回の推薦文を拝見して、あらためてNPOは遠い存在ということを感じました。そんな中で、会計、それに伴う情報開示で説明責任を果たすことで、NPOがより身近な存在となるように活動をしているNPO会計税務専門家ネットワーク(NPO@PRO)という視点は、なるほどと思いました。ここを第1位として投票しました。今回も、社会問題とは「遠い」テーマだったので、推薦団体もそれぞれ全く違う視点で選ばれていて、勉強になりました。(山田泰久)

  • NPO ではありませんが、自分自身も非営利団体の運営に関わっており、意義があることと理解しつつも、プライベートのほとんどを費やしながらの会計事務処理が負担にならないといえば嘘になります。よってここの活動は多くの団体の助けになるのだろうな、と感じました。(白川みちる)

  • 今回は、テーマに沿って、自分から一番遠そうなものの順番で投票してみます。何かしようとしたときにどのようにお金を集めて回すか。それは社会や他者とコミュニケーションすることでもあるのだろうけど、難しいなと思ってしまいます。そういう経済の事だけに留まらずにまるごと支援してくれそうなNPO会計税務専門家ネットワークに投票します。(阿曽祐子)

  • 今月も素晴らしい推薦先ばかりでした。悩みました。推薦人の皆さんありがとうございます。結果、NPO会計を第一希望としました。活動がNPOの諸領域を横断し、かつ会計・税務という分野に特化している点に興味を惹かれました。また、専門家としてNPO活動をアシストするだけではなく、税理士・会計士側へのNPOに関する研修やサポートなども行っているとのことです。「私たちは、自発的に様々な社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、人々から共感され、活発になる社会を目指します」というビジョンを専門家ならではの見識と立ち位置で具体化されているように感じました。「遠い」というテーマにも触発されて、直接社会課題を扱う活動よりも、一階梯抽象的な活動に投票することとします。(本間盛行)

  • 行政や民間企業が取り組めない社会課題の受け皿として、NPOの存在は欠かせないものだと感じています。そんなNPOの本来の主たる取り組みとは異なる「会計税務」業務のコスト負担をミニマムにすることができれば、本来の取り組みの加速に繋がると考えます。社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、もっと活発になる社会作りを応援したく、寄付させていただきます。(疋田裕二)

  • NPO法人には会計基準がない、とは知りませんでした。非営利団体が支援をうけるための正当性を示していくことは重要です。同時に、公的支援を受けるための手続きそのものが業務負荷を増やす一因になっていると聞きますので、その両面で支援をされている「NPO@PRO」に投票したいと思います。(森康臣)

  • 寄付や公金を原資にした活動を確実にドライブしていくために、会計などの業務支援を非営利で行うことの意義は大きいと思います。組織は時に「やらざる得ないこと」をやり通すために、目的ではないものを目的化するケースがよくあると思います。手段が目的になり、目的が二の次になることは良くあると思います。こういうケースで社会を改善させる可能性のある原資を無駄にしてしまうことは良くない事だと思います。活動するエンジンを空回りさせないために、税金や寄付者からの資金を無駄にしないための、ほんの1つかもしれませんが、有益な活用だと思いました。(福原寛重)

  • 「NPO会計」の推薦人の方の「NPO法人では・市民からの信頼を獲得すること・本質業務に集中しながら、きちんと会計業務を行う実務力の向上の両方が必要になるといえます」に全く賛同します。大阪での肌感覚ですが、巷では、「NPOって何してんの?」「ボランティア?お金なくて大変やなー」で終わっちゃう。「儲からへんやろ、な! まぁがんばりやー」NPOはなぜここまで清貧を求められるのか。遠いんです。なんとか今の固定観念を変えていってほしいです。(藤岡達也)

  • 寄付先に正解はないということを多面的に認識できた議論でしたが、そう考えると、寄付を堂々と主観的に行いたくなりました。NPOが説明責任を果たすということに必要以上の労力をとられていることはもっとも実感に近いことと、それも含む監視社会のようなものへのNoのメッセージとして、この寄付先を選びたいと思います。(中村雅之)

  • 相変わらずNPOへの不信は根強くありますが、その最たるものはお金にまつわるものと思います。法人の会計は極めて重要であるにもかかわらず、敷居や専門性が高く、団体起業や運営の大きな足かせにもなりかねません。NPOが気軽に立ち上げられる社会の実現に向け、こうした団体の支援が極めて重要だと思います。(桂大介)

  • 推薦文に賛同いたします。私はNPOで働いており、NPO@PROの存在に支えられていることを実感しています。
    NPOの現場で働く者としては、もっと受益者と向き合う時間をとりたいのに、報告や会計などにかなり手間をとられてしまい、ストレスがたまる毎日です。報告や会計は、信頼を獲得するために大切なことだと理解してはいますが、本来かけるべきところに力をさけなくなるので、できるだけ省力化したいのです。新しい贈与論のメンバーでの議論の中で、「最近は監査社会になってきている。NPO@PROに寄付することは、この流れを肯定してしまうことにつながるのではないか」という意見が出て、NPO@PROを選ぶかどうか迷った瞬間もありました。
    もし、NPO@PROが存在せず、様々な団体がバラバラに悩みながら会計をしていたとしたら、今よりもっと無駄が多い社会になっていたかと思うので、NPO@PROに投票いたします。(鈴木亜香里)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人心に響く文集・編集局へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、NPO法人心に響く文集・編集局に対し65万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。2022年12月は「待つ」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人心に響く文集・編集局」「公益財団法人日本骨髄バンク」「NPO法人日本移植者協議会」の3候補があがり、中村タカさん、高野冬馬さんの推薦したNPO法人心に響く文集・編集局が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

推薦人の一人が、「待つとは時間軸が必要な、一時点では完結しない行為」と話してくれました。

今月のテーマである「待つ」は、必然的に時間がかかります。そしてそれは、待つ人が来たる何らかの可能性を信じ続けている証拠でもあると思うのです。

今回推薦するNPO法人心に響く文集・編集局は、長らくの間、そんな「待つ」という行為を続けてきた団体です。

2022年、社会福祉を特徴づけることを一つ挙げるとすれば、アウトリーチでしょう。行政や病院をはじめ既存の福祉では、一歩踏み出す勇気や気力がある方、症状が出た方にしか、必要な支援を届けることができていませんでした。
しかし近年では潜在的に困難を抱えている方、困難を抱えているが支援につながっていない方に、支援者側からアプローチする「アウトリーチ」という手法が積極的に取られるようになってきました。

しかしどんなに手を伸ばしても、届かない人や場所、時間は必ず生み出されます。
支援が届く前に限界が訪れることも。

NPO法人心に響く文集・編集局は、2021年には東尋坊で45人を保護し、この数字は前年度に比べて36%も自殺企図者との遭遇が増えたことを意味します。無論、2021年はコロナ禍が2年目を迎えた年です。

では、代表の茂さんをはじめこの団体の人々は、ただひたすらに自殺を止めているだけなのでしょうか。私自身はそれ自体にも意味があると思っていますが、ここで考えたいのは、団体の方々が「何を待っているのか」ということです。

茂さんは2010年のインタビューで、こんなことを話しています。

.”..この様に多くの自殺企図者から話を聞いて分かったことは、全員が「まだ、死にたくない・・」「誰か、助けて欲しい」「出来るものなら、もう一度人生をやり直したい」と叫んでいたのです。[...]彼らは常に、「支えてくれる人」「頼れる人」「逃げ場所」を求めています。しかし、それが叶わないために天国を目指してしまうのです。[...]最終的には、「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」の実現に向けて今後もこの活動を続けていきたいと思っています。”

世の中の課題は、常に現在進行形で生み出されていくオープンエンドな営みと言っても過言ではありません。どれだけ細分化されたとしても、課題と認識される前の社会の欠陥、自分だけにとっての悲しみなど、「逃げ場所」が用意されない人々は複合的に生まれていきます。

2021年8月に東尋坊にきて声をかけた、「逃げ場所」がない方々の声(自殺企図の動機)を抜粋します。

①関東在住の30代男性:職場の仲間内からのパワハラを受けそれを苦に
②福井県内の若年層女性:かねてからのうつ病を苦に
③中京の20代女性:長年の同棲生活にピリオドを付けるために
④関東在住の40代男性:500万円の借金を苦に
⑤関西在住の20代女性:転職を希望しているのに両親に反対され転職出来ないため
⑥甲信越在住の30代男性:サザエさんのマスオさん的生活に疲れて
⑦九州在住の20代男性:上司との折り合いが悪くなり
⑧九州在住の20代男性:就活したが働き口が見付からないため

茂さんをはじめ団体の方が待っているのは、自殺を企図している人であるのに加え、その人々が抱えている痛みであり、同時に、「まだ、死にたくない」という意思と願いです。

それは翻って、「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」なのかもしれません。
団体は自殺を止めるだけでなく、その後の生活の自立まで伴走支援をしています。

この活動に寄付することで、何か社会がよくなるかはわかりません。ただこの活動は、「社会より前」の課題に困難を抱える人々を待つ場所として、そしてその人々の願いを信じ続ける、「待つ」という営みとして、必要な活動であると思うのです。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 福井の東尋坊といえば自殺の名所として知られているわけですが、この団体が長年活動を続けてきたことにより、この地が「本当は死にたくない人」が最後に駆けつける拠り所になって来ているようにも感じています。孤立が大きな社会問題となっている今だからこそ、この団体を応援する意義があるのではないでしょうか。(宮本聡)

  • 「社会的な理由」で死に追いやられることがない世の中を夢見ます。戦争による死や生活苦による自死がない世界。今回はどの団体も「生きること」に直結していましたが、「心に響く文集・編集局」に投票します。HPのストレートさや、この活動をはじめてから東尋坊での自殺者が1/3に減ったという事実に信頼感を覚えたからです。東尋坊の「美しい」と一言ではくくれない厳しい風景を思い出しました。(本間盛行)

  • 個人的にだが、今年はとくに自死の話を聞いた。生きたいのに生きられない。なんてつらいんだ。でもこうして、当事者じゃなくて第三者として、ぎりぎりの場所で話を聞いてくれる人がいる。そんな茂さんに、頭が下がる。ほんとうは、東尋坊に観光以外で行く人の数を、私たちが減らさないといけないのだけれど。ただ、いつ自分も崖を目指すことになるかもしれないわけで。それでも、それでも、死んだら終わりなのだ。(藤岡達也)

  • 非常に難しい選択でしたが、記憶の中にある東尋坊の景色の中に、今この瞬間にも待っている人がいるということに心を動かされました。今回の贈与が、自殺企図者の「誰か、助けて欲しい」という叫びを、知ってもらうきっかけとなればと願います。(吉見新)

  • 6-7年前ですが、福井で仕事の際に知人にこちらのお店に連れて行っていただいたことがあります。東尋坊は美しい絶景の観光地でもあり、荒れる日本海と断崖絶壁は恐怖も感じさせる場所でした。そんな場所に、行き先のない悩める人たちが全国から来て吸い寄せられていくのも分かると思いましたが、まだ迷いのある、誰かが止めてくれることを待っている人に声をかけてくれるパトロール隊がいてくれることに心救われました。声をかけて思いとどまらせるだけでなく、その後いじめを受けている職場まで一緒に乗り込んでいった話や、うまくいかない家庭へのサポートまでする話も伺いました。お店でいただいたお茶とお餅は温かく、追い詰められてここまで来た人たちがたどり着く場所がこのお店であって欲しいと心から願ったことを思い出します。この活動を続けてくださっていることへの感謝を込めて、一票を投じます。(浅井美絵)

  • 推薦文に「この活動に寄付することで、何か社会がよくなるかはわかりません」とありました。私もそう思います。この活動も声をかけたからといって何か見返りが返ってくる、そういうものではないと思います。
    そういう期待の外側にあるような贈与があってもいいなと思いましたし、私も彼らの活動またその活動によって救われる人を、「こうあって欲しい」という期待なしにケアしているというメッセージを送りたいと思い、第一希望とさせていただきました。
    寄付という活動自体の意味にも関わってくるとは思うのですが、待つという行為には何かしらの期待をはらんでいるものの、わたしはこの寄付を通じて、「こうして欲しい」とか「こうなって欲しい」とかいう期待せずにただただ何かが起きるのを待ってみたいです。(古川哲)

  • 北陸に住んでたことがあるので東尋坊での活動は縁を感じました。私も苦しい時期にじっと待つような経験をしましたし、今思うとたくさんの方に手を差し伸べてもらいました。NPO法人心に響く文集・編集局さんの活動を応援したいと思いました。(大政勇作)

  • 本来であれば自然の素晴らしさや豊かさを体感できる場所が、誰かが命を捨てる場所になってしまっていること、人間の想像力の残酷さに胸が痛みます。
    NPO法人心に響く文集・編集局は、ある特定の場所で起こってしまう自死を止める最後の砦としての活動。「自殺防止」と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、彼らにとって、自殺志願者がその場所に来ることを断ち切る術はなく、そのひとが現れるまで「待つ」ことしかできない。いつか誰も待たなくていい日が来るまで、活動を継続し続けていてほしいという思いを込めて。(姜花瑛)

  • 活動の中身のみならず、団体名の「心に響く文集・編集局」が素敵。刺さりました。自殺を止めることだけではない、きっと大事にしている部分が表れた名前なんだなと思いました。(掛川悠矢)

  • いつ来るかわからない人をパトロールをして待ち続ける活動。待っていること自体が自殺を減らすことにつながっているのだと思います。推薦文にある「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」、その実現を私も一緒に待ちたいと思います。(鈴木亜香里)

  • 「自殺の名所」と言われるほど有名になってしまった身投げが頻繁に行われる東尋坊を、持ち回りでパトロールを実施し怪しい動きをする人物がいれば声をかけ話を聞き、適切な支援を施すという活動を長らく続けていることがまず素晴らしいと感じています。
    また、そういった極端な選択を企てる人々の事例を書籍にまとめ、東尋坊以外で困窮している方々にも極端な選択を避ける道を指し示す(いわばレバレッジを効かせた)活動も素晴らしいと思っています。(中村祥眼)

  • 逃げ場がないと感じる状況に置かれることには自分自身にも覚えがあります。この団体の活動である自殺抑止にフォーカスすることはちょっと特殊に思えましたが、周りが見えなくなってしまう状況に陥る怖さを思い出すと、ごく身近な価値を感じられました。形式的な活動では成り立たないと思える活動を、何か応援できればと思います。

    (中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
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連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

映画「いまダンスをするのは誰だ?」へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、映画「いまダンスをするのは誰だ?」 https://imadance.com/ に対し136万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年11月は「気まぐれ」をテーマに推薦を募集し、「アーティスト飯山由貴さん」「映画『いまダンスをするのは誰だ?』」「日本高次脳機能障害友の会」の3候補があがり、山田泰久さん、宮崎あおなさんの推薦した映画『いまダンスをするのは誰だ?』が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

先に、このチームで候補先を選出した、気まぐれの軌跡を紹介します。

今回のテーマが「気まぐれ」ということで、最初の打合せは「まずは気まぐれなアイデアや候補などを適当に持ち寄りましょう!」という軽い感じで実施しました。

その中で、キマグレン、猫、臨機応変、柔軟、しなやか、普段選ばない、定着しない、消えてしまう、期限や時期があるものなどのキーワードが出てきました。また、今回は2回分の資金で大きな金額になるので、新しい贈与論として、なるべく純粋の贈与となるようなもの、つまり、寄付者と最終的な受益者との関係性が遠くなるものだったり、気まぐれで選ぶからこそ、選ぶことや支援することに責任を持たない、希薄な関係性となるものを選びたいねという話しにもなりました。

さらに「気まぐれ」をテーマにディスカッションをしていき、

①気まぐれらしく、これまでの「新しい贈与論」で選ばれないようなものを
②例えば、クラウドファンディングで、締切間際で達成が少し難しそうなものを探したり、
③寄合で選ばれたら、そのままクラファンを支援をする
④それが達成できるかどうか、わからないというのも、気まぐれらしく一興
⑤NPOが行う継続的な活動ではなく、イベントやプロジェクトベースの気まぐれ感を
⑥例えば、年末までに行われるイベントなど、そのまま無くなってしまうもの、寄付がすぐに使われるもの

という方向性で選んでいこうとなりました。

打合せの後は、それぞれが気になったプロジェクトを選んで、そこから候補を絞っていくことになりました。
それぞれが気になるプロジェクトを複数見つけた後は、Slackベースで打合せをして、チームとしての最終候補4プロジェクトを選定しました。
そして、二人だけの決戦投票です。各自、第1位から第4位までのランキングをつけました。その結果、第1位1票、第2位1票が入ったプロジェクトが最上位となり、今回推薦するプロジェクトが選ばれたわけです。

候補の選び方は気まぐれでしたが、決め方はだいぶシステム的になってしまいましたね。

【プロジェクトの紹介】

今回、推薦したものは、映画のスポンサーです。
映画「いまダンスをするのは誰だ?」https://imadance.com/sponsor/

最初に、このプロジェクトを候補に挙げた推薦人Aからの紹介です。

『気まぐれとは程遠い堅物な中間管理職の主人公がパーキンソン病を患ったことをきっかけに自分らしさや家族や仲間との絆を強める物語。テーマは「自己受容」。贈与も、受け取られることによって贈与となる。受け取ることができるようになるきっかけは、神様の気まぐれとも、運命とも言えるかもしれない。映画を多くの方に届けて、らしく生きることがより自然になっていくといいなと、思いました!監督は、推薦人両方とつながりがあることも、推薦の後押しとなりました。縁を感じ、のっかった所存です。よろしければ、あなたも、乗っかってみませんか?気まぐれOKです。』

次に、もう一人の推薦人Bからの推薦コメントです。

『映画のスポンサーというのは、今までの「新しい贈与論」にないような気まぐれです。クラウドファンディングで映画の制作支援をするプロジェクトは結構あり、支援した経験のある方もいらっしゃると思います。でも、100万円オーバーのスポンサーを経験する機会はかなり貴重です。100万円以上の支援ということで、シルバースポンサーになります。これで、新しい贈与論の名前がチラシやエンドロールに載るのも一興ですね。映画のスポンサーの寄付は、一義的に映画の製作陣が受益者となりますが、最終的には映画の鑑賞者が受益者となります。映画というメディアを通じてより多くの受益者を生み出す仕組みに寄付するというのも乙なものだと思います。また、新しい贈与論のメンバーが、この映画を鑑賞することで、自らが受益者になることもできます!映画を見ることで、利他が利己になる瞬間を一緒に味わってみませんか?』

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 推薦人です。そして、推薦文のまま、推薦先を第一候補にしています。私たちがいちばん『気まぐれ』さがあると、自負しています!(←そういう話じゃない笑)最終受益者は映画を観る人という遠いところに届ける感覚が、とても気に入っています。(宮崎あおな)

  • 映画で表現として選ばれている「ダンス」も、今ではもちろん様々な型があるとはいえ、根源的には気まぐれなものから生まれたような印象があり、選び方も含め、全体からいい意味での「気まぐれさ」を感じ、投票させていただきます。(上西雄太)

  • 病は突然やってきますね。パーキンソン病はこの映画の主人公のような「堅物な中間管理職」的な性格の方に多く発症すると言われているようです。気まぐれからは程遠そうな人がこの病になって、どう向き合っていくのがとても興味が湧き、映画を観たいと思いました。(白川みちる)

  • 人生へ少し悲観的になる問題を乗り越えてきたとき、その問題の捉え方とか人生観を調整して消化してきた覚えがある。だからこの映画のテーマである「自己受容の大切さ」には想像が及ぶ。でも、自分だけでは消化が難しいような問題に接したときにどうなるのか、経験ではよく分からない。この映画で、もっと想像力を高めてみたい。そして寄付先としても、たまにはインパクト重視というのも面白いと思う。(中村雅之)

  • 迷いましたが、新しい贈与論らしくない「きまぐれ」ということで、いまダンスを選びました。「スポンサーとしてパンフレットに掲載されるのは、贈与ではなくて広告枠の購入だ!」と思いますが、きまぐれにこういうことをしてもいいのかな・・・と。(鈴木亜香里)

  • 「選ぶことや支援することに責任を持たない」という一文に面白みを感じました。贈与/寄付のハードルが高い要因の一つは、支援対象を選んだあと自分自身が納得できるか?という点であると考えています。今回は「気まぐれ」に第一希望を選んでみました。(今田公基)

  • イベントベースのもので、締切が近く「うまくいってほしい」という思いを乗せる事ができればと思い「いまダンス」に投票しました。(松木耕)

  • 今回は推薦人なので、純粋に、自分で推薦したものを第1位にしました。気まぐれでは人を楽しませることも、傷つけることもあると、あらためて思った各推薦候補でした。その中で、人を楽しませる気まぐれに一票を投じました。(山田泰久)

  • 新しい贈与論として映画をスポンサードする、という点におかしみを感じました。こういってしまうとアレですが、内容に対する評価は棚上げして(面白そうですが笑)、クラウドファンディングにコミットするという経験は、おそらく個人ではなかなかしないもので、まさに今回のテーマにピッタリという感じがします。(森康臣)

  • 正直選ぶのはしんどい。2か月分だから3等分したい気持ち。ただ、いまダンスは、作品を作るところからの話なので、そこを応援したい。(藤岡達也)

  • 最近映画制作に関わって、これくらいのサイズの映画制作がいかに大変かということを知りました。今回はそういうご縁に託し、「いまダンスをするのは誰だ?」に投票したいと思います。インターネットを中心に情報が莫大に溢れかえる今日において、「映画」というメディアの力を信じたいと思います。(桂大介)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、おれんじドア実行委員会(一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎ)」に対し71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年9月は「忘れる」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人みなと計画」「震災遺構中浜小学校(宮城県山元町)」「おれんじドア実行委員会(一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎ)」の3候補があがり、広井健一郎さん、澤正輝さんの推薦した認知症当事者ネットワークみやぎが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは、丹野智文さんが代表を務める「おれんじドア実行委員会」を推薦します。

おれんじドアは、認知症当事者が自分らしく、生き生きと生活できる「安心して認知症になれる社会」を目指し、認知症の人のための相談窓口を開いています。
代表の丹野さんは、39歳で若年性認知症を発症した当事者でもあり、ご自身の経験を元に、おれんじドアを立ち上げ、現在は自動車販売会社で働きながら、全国各地で認知症に関する講演活動も行なっています。

今回の推薦にあたって「忘れる」というテーマから、「刻を忘れる」「風化」などの方向も検討しましたが、身近で聞くことも多い「認知症」という病気に対して取り組む団体を選びました。

認知症は、一般的に高齢者が発症することが多く、物忘れなどで意思疎通を行なうことが難しくなるため、「社会生活が営めなくなる」というイメージがあります。
しかし、65歳未満で発症する「若年性認知症」の場合、平均発症年齢は 51歳で、働き盛りで家計を支えていることも多く、発症したからといって、会社を辞めて介護を受けるわけにもいかないという現実があります。
また、身体は健康なので今まで通りの生活を続けたいという希望を持った場合にも、認知症に関する情報は予防や介護に関するものが多いため、当事者やその家族はどこに相談すればいいのかわからないという問題も存在しています。

おれんじドアでは、このような問題に対して、若年性認知症に限らない認知症当事者のための相談窓口や講演によって、当事者や支援者をサポートする活動を行なっています。

今回、私たちがおれんじドアを推薦した大きな理由のひとつは、「認知症当事者への優しさが、自立を奪っている」という、丹野さんの言葉でした。

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認知症になると、周りの人は少しでも症状の進行を遅らせたいと思う。でも周囲の優しさが、本人を陥れているところもあるんです。 当事者同士で話していると、『財布を持つのを禁止された』『一人で出かけるのを禁止された』という人がとても多いんですよ。なぜかというと、周りが失敗しないように先回りをするから。それは優しさなんだけど、結果的に当事者の自立の機会を奪っている。何もできない人にしているのは、周りの人たちでもあるのではないかと思います。
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当事者同士が話す場を作って、たくさんの人と会うと、本当に皆、よく話すんですよ。家族は、当事者に対して『この人話せないんです』などと言いますが、確実に話せます。できるのにできないと言われて、できなくなっているだけ。支援者はボールを転がしたりするレクリエーションが当事者を笑顔にすると思っているけれど、自分は『普通に誰かと話すこと』が、当事者を笑顔にすると思うんですよね。でもそれも、たくさんの当事者に会って気づいたことで、会わなかったら気づかなかったと思います
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周りが良かれと思って行なっていることが、本人の意思とは違っている。
さらに、支援者の間では、それが当たり前のこととして受け入れられている。
こういったことは、認知症に限らず、他の病気や障害でも起きているように思います。

丹野さんは「支援者はレクリエーションが当事者を笑顔にすると思っているけれど、自分は『普通に誰かと話すこと』が、当事者を笑顔にすると思う」と語っており、おれんじドアの活動は、当事者にしかわからない悩みや情報交換ができる場として大きな価値をもっていると感じています。

現在のおれんじドアの活動は、相談会などを中心に活動する他の団体と同じく、コロナ禍によって、対面での活動に制限を受けるなどの影響を受けていますが、当事者同士が会えないことのマイナス面を憂慮し、感染対策やオンライン開催などを続けています。

また、おれんじドアの活動モデルは、丹野さんの地元である仙台から始まり、現在は、東京、名古屋、岡山、徳島など、他の地域にも広がってきています。
2023年には、丹野さんをモデルとした映画の公開も予定されており、このタイミングでの寄付は、この問題を知る機会を増やす一助になるとも考えています。

丹野さんは当事者としての経験を持ちながら、支援者としても活動してきたからこそ、当事者同士がサポートし合うことで相乗効果が生まれ、それが彼らを支える家族のケアにもつながるという、新しい支援の形を展開できています。このことは、おれんじドアが目指す「安心して認知症になれる」社会にとどまらず、さらなる希望の連鎖を生み出す可能性も持っています。
おれんじドアの活動は、安心して病気になることができ、衰えられる、人生100年時代において誰もが生きやすい社会づくりのヒントにもなるように思い、本団体を推薦します。

【参考記事】

「自分で決めて、自分で動く」ことが当事者や家族の笑顔に
https://www.sompo-egaoclub.com/articles/topic/845

39歳で認知症になったパパと家族の9年間を描く「オレンジ・ランプ」23年公開
https://eiga.com/news/20220920/4/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 当事者にとって同じ境遇の先輩と繋がれることは、直ぐに役立つことも知れるし、励みになると思いました。当事者のお悩みは想像するくらいしかできずもどかしいですが、寄付の形で今回は関われたら嬉しいです。(宮崎あおな)

  • 急激な高齢化が進行する中で、認知症の方に制約を課し結果的に社会から隔絶するのではなく、社会として受け入れていく方策を考える必要性が高まっている中で、このような活動をされていることに非常に共感し、投票させていただきます。(上西雄太)

  • 子育てをしていると、子供の思いを後回しにして、禁止や過剰な予防によって先回りをすることで、失敗の機会を奪ってしまいたくなることが本当に良くあります。自分で考えてやってみて、失敗も含めて経験して、またやってみて、という日々の繰り返しが、人の生きる楽しみを生み出すサイクルの1つなのだろうと思います。忙しい日常を過ごしていると、ついついそういったことも忘れてしまいがちなのですが…。認知症の当事者でつながりながら、禁止や予防ではなく自分で決めて過ごしていくことを応援している、おれんじドアさんに投票します。(大政勇作)

  • 個人的に認知症に関心がありますが医療系の会社のソリューションばかり知っていたので、NPOとしての活動は初めて拝見し、応援したいと感じました。(中村タカ)

  • 認知症は今後日本社会の大きな問題になっていくと思う。おれんじドアは当事者が運営を行っており、当事者にとって本当に必要な支援が行われることが期待できると思う。また、今後は認知症に限らず、他の希少な病気に対してもおれんじドアのような支援を行う団体が増えていき、当事者が安心して暮らせる社会ができていったらいいなと思って投票します。(高城晃一)

  • 認知症の方が自分で訪ねられる相談窓口、そしてその応対をするのも認知症当事者というコンセプトを知り、今まで自分が持てていなかった視点に気付かされました。このような取り組みにこそ、寄付という形で支援を行いたいと感じました。(朝野椋太)

  • なかなか理解されにくい若年性認知症。どこにも欲しい情報がないことはどれだけ不安だったか。自分の居場所が世界に無いにようなものでもあったかと推測しました。他者と繋がってしか人は生きられないことを改めて突き付けてくれました。(阿曽祐子)

  • 今回は「おれんじドア」に投票させていただきます。周囲が優しさから行動を制限する事が、当事者の自由や尊厳を奪う事にも繋がりかねないという話は特に共感しました。この辺りのバランスは難しい問題だと思いますが、両親が高齢となった自分にとっても決して他人事ではないのもあり、こちらにいたしました。(三上遼)

  • おれんじドア実行委員会の推薦人です。認知症に取り組む団体は数多くある中で、おれんじドアに着目したきっかけは、前回の推薦時に知った、以下の言葉でした。
    > 障害者の周りにはさまざまな「利他的」な行為が行われているが、一見「利他的」な行為が本人のためになっていない、ということがたくさんある。
    推薦を重ねることが、贈与したいと思う団体選びにも影響するというのは面白い体験でした。本団体の活動意義はもちろん、個人的には前回の推薦とのつながりも感じたため、おれんじドアに投票したいと思います。(広井健一郎)

  • 今年70歳になった母が、認知症になることが怖いと口にするようになりました。私はそれを聞いて、そうか、記憶を失うというのは怖いことなんだと改めて感じるようになりました。それがまだ働き盛りの世代で仕事や家庭を抱えていれば尚更なことかもしれません。どの病いでも同じように、付き合い方や乗り越え方があるのだと思います。それを実践されている方の存在がなによりも勇気になるでしょうし、同じ当事者同士でしか分かり合えない事もたくさんあるでしょう。
    おれんじドアさんの活動は、当事者同士が、自分たちで生き方を選ぶ方法を分かち合える貴重な場なのだろうと感じました。わたしも「安心して病気になれる、衰えられる」社会を願っていますので、応援の一票を投じます!(浅井美絵)

  • 今回はどの団体も自分に引き寄せられる身近で重要な課題を扱われていて、出会えて嬉しかったです。その中でも認知症はいつ遭遇するのかわからないし、そうなった時にどうすれば良いのかわからないまったく手に負えないもののように感じられて、そんな状況の助けになってもらえるおれんじドアを応援したい気持ちになりました。(藤原麻耶)

  • 「安心して認知症になれる」というコピーに驚きましたが、誰もが抱える「忘れてしまうことへの恐怖」に応えたいなと思いました。。」(姜花瑛)

  • 若年認知症の方への支援をこえた、「忘れる」ことへの恐怖や不安という「呪い」から人々を解き放つ可能性を感じました。出会いに感謝です。(澤正輝)

  • 寄付金の使途や団体へのインパクトの大きさ、社会への広がりの大きさと寄付をする上でも軸が様々にあることを感じられた、よい初参加回でした。最初と順位は変わりませんでしたが、いくつもの判断軸が入り込んだ結果この順位になりました。特にどれだけ身につまされるかというところが大きいと感じました。自分もある日突然会社の同僚の名前が思い出せなくなったら…と思うとゾッとします。今回どの団体に寄付がされることになるか、分かりませんが、どんな広がりを持っていくのかに期待を膨らませています。(掛川悠矢)

  • 若年性認知症というものをなんとなく耳にしたことはありながら、これまでリアルに考えたことはありませんでした。代表の丹野さんが発症された39歳までわたしもあと少し。当時の体験談を拝読しながら、自分にもこういうことが起こりえるんだということを想像しました。もし自分がそうなったときには、同じ若年性認知症の方と話し合いたくなるだろうと思いました。丹野さんの活動に大きな敬意を表するとともに、今後さらにこうした活動を広げ、当事者をつないでいって欲しいと願います。(桂大介)

  • 認知症の当事者が自立して社会参加し続けられる、という取り組みの支援に価値を感じ、資金を投じたいと思いました。(志賀響子)

  • 誰かとの大切な思い出や、大切な誰かの存在そのものを忘れてしまうことの怖さ、ひるがえって、誰かに忘れられることの悲しさ。今月の「忘れる」というテーマを目にしたときに真っ先に思い浮かんだのがそのことでした。正直なところ「おれんじドア実行委員会」様の理念にまっすぐに共感できているわけではなく、「安心して認知症になれる社会に暮らしたい」よりも「認知症にならずにいたい」気持ちの方が強いです。でも、目を背けていた、先送りにしていた問題に対して、このような活動をされている団体があるのだと知れたことは、とてもありがたく、投票先として選びたいと思いました。(加藤めぐみ)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

観森へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、「観森」に対し71万円の寄付を行ないました。

観森

森を観ること。 それは美しい造形や巧妙な戦略の世界へ、畏敬の念と共にアクセスすることを意味します。 森を観て、感性を磨き洞察を深める。 そして自然の美しさをネイチャーガイドやプロダクト、様々なメディアへと加工し発信する。 こうして「観る時を増やす」ことをミッションに、北海道白老町を中心として活動しています。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年8月は「匙」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人グリーンウッドワーク協会」「特定非営利活動法人おりづる広島」「観森」の3候補があがり、阿曽祐子さん、東詩歩さんの推薦した「観森」が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。なお推薦文および投票理由では、「観森」にかわって当時の名称である「野だて」が用いられています。

●「匙」とは

 私たちは日常の中で「匙」という言葉を使うことはほとんどない。たいていはスプーンという言葉で済ませている。改めて「匙」について考えを巡らせてみた。
 『銀の匙』という中勘助の小説を、手元に持っていながらずっと積読状態にしてしまっていると推薦人Aが吐露した。この小説は、なかなか開かなかった古い茶箪笥の引き出しから見つけた銀の匙をきっかけに幼い頃の思い出を辿る話のようだ。
 そうなのだ、匙は懐かしいと推薦人Bが吐露する。子どもの頃に風邪をひくとお医者さんが甘い飲み薬を処方してくれた。この時とばかりに兄弟から母を独占して、匙で薬を飲ませてもらう喜びを感じたものだった。苦さと甘さ、相反する気持ちが交錯する時間だった。
 手が届きそうで、届かないような非日常のもの。憧れと同時にもどかしさも内包している、それが私たちにとっての「匙」だ。

●「野だて」について

北海道・白老町に佇む「野だて」。
野草民泊というキーワードは、全国の探求者を惹きつける。
私(推薦人A)は、この場所に通う中で「美しさ」とは何かというシンプルな問いを突きつけられた。
野だては、宿泊事業、自然ガイド、白老の自然を生かしたプロダクトづくり、町で唯一の移動本屋さんを運営している20代3人のユニット活動。
森を観る、五感で森を体験する。山椒を食べてみる。まだ若くてすごく辛い。木の裏をじっと見る。あまりにも身近で普段見ているはずなのに観ていないことに気付く。美しさについて互いに語り合う。森を出る頃には、世界が全く違って見える。美しいとは何かという問いが止まらなくなる。そんな自然体験を得た。
宿に帰ると、森で採れた野草でお茶を振る舞ってくれる。家主同居型の民泊で、ぼーっとしていると、なんだか懐かしい気分になる。近所のコンビニは0:00で閉店する。
居候本屋さんのまたたび文庫は、鮭の木箱を背負って町のお店や施設を日々転々とする。ここにはベストセラーは並ばない。店主の一癖ある選書が光る。
季節と共に移ろう生命体のような「野だて」、知っているという意識のおぼつかなさに手を伸ばしたくなる、そんなユニット、空間を含めて推薦します。

▼野だて HP:https://nodateyasou.life/

●「見ていく」生き方

 私たちにとって森こそ近くて遠い存在ではないだろうか。『森のくまさん』や『赤ずきんちゃん』など、幼い頃に親しんだ歌や話には森を舞台にしたものも多い。なのに、実は私たちは森にはそれほど親しんだことがない。
 「野だて」のHPに掲載された写真、そこにはたくさんの森の姿がある。私たちはいかようにでも森の姿を見ることができる。見ていないだけだったのだ。本当は大切なもの、見るべきものがあることを、私たちは知っている。なのに、積んであった小説をいつしか無かったものにする、母を独占する私の裏で寂がる妹の姿を見えなかったことにする。
 喜びと後ろめたさ、甘さと苦さ。私たちは、相反するもののなかで引き裂かれそうになると、つい忘れてしまう。推薦人Aが「野だて」で体験したのは、そういう相反をゆっくりと見ていくという生き方ではなかったか。そういう人と場所がこの世界にあること、私たちにも作れるかもしれないこと、それが私たちを生かしてくれる。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 長い期間都会に住んいることもあり、自分自身が一番実感の沸かないゆえに、面白く感じたのが野だてさんでした。推薦人の方が様々な気づきを得た自然体験は、逆に言えばそれだけ日常的に得られない経験なのだと思います。またウェブサイトやインスタで上げられている写真は綺麗で目を引くものでした。非日常な自然に接すれば必ず美しく前向きな体験を得られるか?といえば当然そんなことはなく、そこにはある種の加工が入るものだと思います。野だてさんは運営側の選び取るセンスも良いなと思いました。(河原塚有希彦)

  • これまで寄附先を選ぶ際、多くはその活動の社会的意義に共感して多かったのですが、今回の「野だて」についてはアーティストを応援するような発想で選ばせて頂きました。北海道白老町という舞台と、自然というテーマを軸に持ちつつ、プロダクト・本屋・民泊など変幻自在に活動されているこのユニットのこれからに興味を惹かれました。(朝野椋太)

  • 自然と触れ合う野だての雰囲気がよかったのでこちらに投票させていただきました。(三上遼)

  • 自然の面白さを知るということは、人の助けがないとなかなか難しいなというのを時々感じています。そうしたことを知る機会の創出を、詳しい方が体を張って民泊という形でやっているのは面白いと思いました。(中村雅之)

  • さて、今月も悩みましたが、「野だて」に1票投じます。「匙」がテーマでしたが、匙のようなシンプルで小さな方法で、自然という大きな存在の一部分をそっと掬い取り、誰かに届けるような活動に感じられました。推薦人の皆様、熱い推薦文をありがとうございました!(浅井美絵)

  • もう1名の推薦人と「匙」について語らう中で出てきた「野だて」でした。彼女の体験談を聞きながら「野だて」のホームページの言葉と写真を見たら、私の心は白老町に飛んでしまいました。その場所に身を置いて、恐いけれども、見ずに済ませてきたものを見たいと思いました。他の二つの候補も素晴らしい。折鶴のもつ二面性にはハッとしました。グリーンウッドワークの推薦文の「「知らない」ことほど、罪深いものはありません。」。これだと思います。(阿曽祐子)

  • webサイトを見て、とても魅かれたので投票します。いつか行ってみたいです。(鈴木亜香里)

  • とにかく写真と文章が美しい。推薦文を読み野だてのホームページを見ながら、もしこの場所にわたしが滞在することができたらと、思いを巡らせてみました。温かくてとろっとしたスープが匙でやさしく口の中に運び込まれて、日々せわしなく都市で暮らしている自分の身体中にじんわり染み込んでいる様を想像して幸せな気持ちになりました。地球環境との共存や、大切さについて学ぶ機会は数あれど、自ずと清らかで厳かな気持ちになれそうな雰囲気が伝わってきます。野だてでの体験が、またはじまる日々を少し変えてくれそうな気がします。いつか行きたいリストに加えました。(姜花瑛)

  • 森と一緒に生きていく、というところに美しさを感じました。厳しい大地である北海道ですが、美しさとともに豊かになって欲しいと思い、投票しました。(白川みちる)

  • これほど森にある美しさを探求できるフォーマットが揃っていることにおどろきました。自分もですがたくさんの方に体験してもらいたいなあと思います。(中島真)

  • 推薦先なので、やはり第一希望にしました。これまで、団体/企業などが続いてきましたが、ユニットのような生命体のような彼らに寄付をしてみることで、何が起きるのかが気になり、推薦してみました。また、推薦文にも書きましたが、文章だけでは分かりづらい活動だからこそ、彼らから贈られた「美しさとは何か」というシンプルですが、奥深い問いについて語り合うきっかけになればいいなと思いました。(東詩歩)

  • 「匙を投げる」という言葉には、悔しさとうしろめたさが強く含まれているように思います。本当は、小さな道具の先端に願いを掬って、対象と関わり続けたい。本当は投げたくない。そういったある種のあきらめの悪さ、愛情、雨垂れ石を穿つことへの執念のようなものを、推薦先のいずれもが持っているように思いました。今回は、その愛着への共感のままに順位をつけます。(加藤めぐみ)

  • いつもは「どこに寄付すべきか」を考えていましたが、今月は寄付を募集していない団体が多く、「ここに寄付することはどんな意味を持つのか」ということを考えました。たいした目論見も持たず、欲してもいない人にただ贈り物をする。そういう贈与の純粋さに戯れてみたいと思いました。他の二つも素晴らしい団体で、いつもと違う角度で、よく悩んだ月でした。(桂大介)

  • シンプルにどうやってこの寄付を使ってくださるのか、とても気になりました。 推薦文を読んでいるだけで、森の中にいるような感覚になりました。(成田好)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人ろう教育を考える全国協議会へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人ろう教育を考える全国協議会に対し69万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年5月は「音」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人ろう教育を考える全国協議会」「特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス」「一般社団法人森と未来」の3候補があがり、前原祐作さん、三上遼さんの推薦したNPO法人ろう教育を考える全国協議会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

今回我々は「音」に関わる団体として「NPO法人ろう教育を考える全国協議会(以下、本協議会)」を推薦します。

本協議会はろう、難聴教育に関する討論集会や書籍物販売、学校支援、普及啓発等をしている団体です。

「音」と「ろうあ」という事で若干ストレート過ぎるかもしれないとも思ったのですが、今回色々と寄付先を調べていく中でこちらの団体を推薦したいと強く思いました。

本協議会の活動内容の一例として、「ろう学校の専門性向上のために」という提言を紹介させてください。

本提言ではろう教育の専門性の必要性が説かれ、現在の機械的な異動ではその専門性が損なわれてしまうという事の問題点が指摘されています。ここで私が驚いたのは、「なぜろう教育に専門性が必要なのか」という事に関連するのですが、「日本語と手話は別言語である」という点です。

言われてみればその通りなのですが、手話は我々が普段使用している日本語とは別の言語ですので、ろう者の母国語はあくまで手話であり、日本語は彼らにとっては第二言語という事になります。ですから、それを教える教育者の側にも「手話(という別言語)に精通している」ことと「日本語を教える事に精通している」ことが求められるとの事でした。

このようにろう教育をとりまく環境にはまだまだ問題があり、自分も今回初めて知ったことがたくさんありました。ろう教育には「9歳の壁」という言葉もあり、第二言語にあたる日本語の学習が充分でなかったため、抽象的思考が十分にできない、あるいは文章能力を含めてコミュニケーションのレベルが小学3、4年程度で停滞してしまうような方も多くいらっしゃるそうです。そしてこれが原因仕事で昇進できない等のハンディキャップを抱えている。

先天的なろう、難聴とは別に、後天的な教育の問題によって読み書き等に不自由を抱えてしまうことは、社会によって解決できる課題であると思います。本協議会の活動がこの様な課題を解決する事を祈って推薦させていただきます。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • たまたま、今、聴覚障害に関する本を読んでいました。ろう教育、手話教育の必要性も出てきました。あらためて、NPO法人ろう教育を考える全国協議会という団体があり、こういった活動を行っているのを初めて知りました。やはり教育はとても大切です。障害があっても適切な教育を受けられるような取り組みは本当に大事だと思いますので、NPO法人ろう教育を考える全国協議会に投票しました。(山田泰久)

  • 子供の教育ほど重要な投資はないと考えていますが、それはろう教育も例外ではないなと思いました。そして、聞こえない・聞こえにくい子どもが、教育によって得るものの1つが「ある種の高度な言語スキル」だと理解すると、それは専門学校であり、教え手に専門性が必要なことは明らかだなと感じました。(中村雅之)

  • ろう教育に関して、ろう学校や聴覚障害者団体の存在は前から知っていましたが、より良いろう教育のために出版や集会を行うこのような団体があるということは今回初めて知りました。HPを拝見すると、コロナ禍で全国集会が中止となり、これまでのような活動ができていない様子が見て取れます。歴史のある団体の活動継続の助けになればと、今回はこちらの団体を選ばせて頂きました。(朝野椋太)

  • 調べてみたところ日本には聴覚障害者が約30万人いるとのこと。彼らが社会から取り残されないよう、このようなNPOを支援していく必要がある。(太田睦)

  • 手話言語条例が各地の自治体で制定されつつあります。手話の認知度はかつてに比べれば深まっていると思われますが、肝心の中身はあまり知られていないのが実情でしょう。少子化の時代は、子供一人一人にかけられる資本を増やせるはずの時代でもある、と聞いたことがあります。(経産省の若手官僚のプロジェクトで取り上げられていた気がします)障害児を人生の長きにわたって不利な状態におとしめるきっかけが、社会の側の不備にあるとするなら、それはあまりにも勿体無い。教育の充実は全てに優先すると思います。(福本大吾)

  • NPO法人ろう教育を考える全国協議会に投票します。好きな写真家に齋藤陽道さんというろうの方がいるのですが、その方が「働くろう者を訪ねて」という連載をしています。

    https://co-coco.jp/series/hataraku/harumichi_saito/

    これが面白く、それをきっかけにろうについて知りました。一言にろうと言っても、症状の程度も違えば、教育を受ける外的要因によって各人様々な状況があることがわかります。補聴器をつけて話す方や、「手話ネイティブ」の方。手話一つとっても、象形文字のような表現もあれば、表意文字のような表現もあり、更に国ごとに違う、、、。そんな中で、当団体のような活動に意味があると思いまして、こちらに投票いたします。(河原塚有希彦)

  • 日本語と手話は別言語で、専門的な教育が必要であるということは、日本語中心で考えていた自分は気づかなかったことでした。ろう教育を考える全国協議会の取り組みを応援したいと思いました。(大政勇作)

  • 「音」というテーマに対しストレートであると同時に、私を含めまだまだ認識が足りていない分野なのだということにハッとさせられました。「9歳の壁」や抽象的思考に直結することもお恥ずかしながらこの寄合で初めて知りました。今回みなさまのお話を聞き、ろうの深刻さに対して解像度が上がったことは大きな学びでした。少しでも「NPO法人ろう教育を考える全国協議会」さんの活動を通じ、私の今日のような学びが増えて欲しいということも選ばせていただいた大きな理由です。(横山詩歩)

  • 今回挙げられた候補について、問題が問題として認知されにくいと思ったものから、寄付先の希望順序を決定しました。推薦者の方が紹介いただいた「ろう教育の専門性の必要性」について、なかなか触れる機会が個人的にも少なかったこともあり、新しい贈与論を通じてつながりたいと思い希望いたしました。(古川哲)

  • 5感の中で、ふだんあまり重視していない聴覚がない世界は、実は目が見えないよりも辛いらしい。とどこかの本でヘレンケラーが語っているのを知り、関心がむいていたところでした。深刻さでいうと、命にかかわる地雷を取り扱うテラ・ルネッサンスの方が深刻かもしれませんが、すでに不自由さを抱えている耳の聞こえない人たちの、見えづらいもう一つの不自由さにより重要さを感じたので、第一希望をろう教育とします。(市村彩)

  • 音というテーマからストレートに心に響いたのはこの団体でした。ろう教育の抱える課題をこれまで知らずに来ました。教育の専門性がないがしろにされがちなのは何故なんでしょう。という憤りと共に。(本間盛行)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人風テラスへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人風テラスに対し73.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年7月は「逃げる」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人風テラス」「NPO法人スウィング」「日本脱カルト協会」の3候補があがり、白川みちるさん、今田公基さんの推薦したNPO法人風テラスが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは「NPO法人 風テラス」を推薦します。

「逃げる」という言葉単体にはマイナスイメージが付きがちです。
しかし、「問題がある現状から助けを求める」ことを「逃げる」と表現する事が多々あります。

多くのひと(成人)は想定外の出来事にあっても、「逃げる」手段を自分で調べ、ある程度適切な支援先(行政・福祉・法律家等)に相談することができます。

しかし、逃げる手段を想像できない、「逃げる方法が分からないひとたち」もいます。
では、「逃げる方法が分からないひとたち」は最終的にどこへ行きつくのでしょうか。

やはり、男性は路上生活、女性は性風俗等へという流れがあることは、論文等でも指摘されています。
参照:自治体問題研究会 月刊『住民と自治』 2017年8月号掲載
https://www.jichiken.jp/article/0055/

ここには、軽度知的障害があったり、育った環境から行政、福祉、法律と繋がり支援を受けられるということに思い当たることがない人たちが含まれています。

※必ずしも性風俗等で働いている人全員が「逃げ先」・「逃げ方が分からないひとが行き着く先」として性風俗等を選んでいる訳ではなく、矜持を持って働いている方も多くいらっしゃいます。

この「逃げる方法が分からないひとたち」の支援先として想定したのが、「NPO法人 風テラス」でした。

この団体は、性風俗業で働く人に、ソーシャルワーカーと弁護士での相談会をお店で開き、福祉と法律に繋がれるように支援をして、社会的に孤立してしまうことを防ぐ活動をしています。

「性風俗にかかわる部分」はアンタッチャブルと考える方々もいますし、新しい贈与論の支援先としてもこの領域を推薦する方は、(私たちが調べた限り)これまでいなかったのですが、だからこそ、「逃げる」という様々な支援先が想定できるテーマで、この領域に支援する意味があると思っています。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 先日、”たとえ正しく納税していたとしても、性風俗ではコロナの持続化給付金が給付対象外” というルールに対する裁判が行われ、東京地裁で判決が下りました。曰く「大多数の国民の性的道義観念に照らし相当でないとの理由と解される」とされ、問題ないとされたとのことです。”大多数の国民の性的道義観念”とされる、ふわっとしたものでルールが決められ排除するのは、はたして道義的なのでしょうか。また、この問題は性風俗業の従事者だけの問題でしょうか。これがまかり通るならば、他のマイノリティも同じロジックで排除されることにつながらないでしょうか。などと考えつつ、風テラスに入れました。(河原塚有希彦)

  • 自立とは、ちっちゃな逃げ場所をたくさんつくることだ。そんな言葉を最近目にしました。私は昔から、なんかあったらここに逃げよう、と、何もないのに逃げることばっかり考えているので、テーマ「逃げる」は共感ワードでした。「あしたの嬢」なんて、嫉妬するくらいのネーミングセンスのある、そして為になる、愛のある、マンガの連載など、性風俗で働く方への支援を行う、風テラスを第一希望にしました。「助けたい」「応援したい」と思ったとき、方法は無限にある、と感じさせてもらい、前向きな気持ちになれました。(宮崎あおな)

  • 問題/現状(性風俗で働く困窮の女性)と活動(ソーシャルワーカー)が明確でイメージしやすかった。ソーシャルワーカーについて日頃考えることはほとんどないのですが、こういった人たちの活動が必要なのだろうと思った。(Sho T)

  • 坂爪さんの書籍を読んだことがあり、とても素晴らしい活動をされていると思っていたため、風テラスを第一希望にしました。(鈴木亜香里)

  • 現代の「駆け込み寺」として1番ふさわしい団体がどこなのかを基準に考えてみました。場所を用意するのでは無く逃げ方を伝える、というところに現代らしさを感じました。(福本大吾)

  • 風俗店に勤務していてトラブルにあった人が「だけど、自分から働きにきたわけだし…」というように自責の念にかられて自分が被った損害を主張しきれなかったという記事をよんだことがあって、そうやって明らかに被害を受けた人が虐げられてしまうことがこの世に存在することがシンプルに不快だった。性風俗は名目上自由恋愛をしていることになっていたりいろいろグレー極まりないことは確かだが、それ以前に、他者を見下しぞんざいに扱おうとすればそれ相応の結果は免れないというごくごくあたりまえのことが常識であることを、ありつづけることをねがって、風テラスさんへの寄付を希望します。(根本真吾)

  • コロナにより収入が苦しくなり性風俗に流れる人が多いと聞きました。このような団体を支援することで、そこで悩む方々に少しでも希望を与えたいです。(太田睦)

  • 「逃げる方法がわからない」という言葉が響きました。逃げればいいじゃんと言うのは簡単だけど、当事者はどうしてよいかわからないケースはどこにでもありそうだなと思いました。(中西晶大)

  • わたしは当人の気付けなさ、構造として根深そう、対処可能性の3点で検討しました。風テラスを第一にしたのは、女性の選択肢が少ないという問題が最もプリミティブで、早く解消されるべきと考えたためです。(chokushanikko)

  • 風テラスの代表坂爪さんの「観念的な是非論や道徳論を唱えていても意味はない」というスタンスで、目の前の困っている人たちの相談に乗りながら課題を解決しようとしている姿が印象的で応援したくなりました。(大政勇作)

  • 風俗は社会課題の集積地というキーワードにハッとさせられました。こういった取り組みが必要になると思います。(海野慧)

  • 本人が逃げたいのにどうしていいのかわからない、そんな時に他者が適切に導くことが重要なのではないかと感じました。そのナビゲーションが明確であり、逃げることにこそ価値があると感じさせる団体を選びました。(成田好)

  • 活動内容が明確で、非常に多くの方の支えになる活動だと思ってので、風テラスに1票。
性風俗は決して楽にお金を稼ぐ手段などではなく、最後の手段として勤めている人が多くいると思う。
そんな人たちが他の逃げ道(手段)を知れたり、次の一歩を踏み出すきっかけになるといいなと思いました。(高城晃一)

  • 割と全てが重要な活動だと思ったので、直感です(高野冬馬)

  • 「風テラス」の " 風俗ではたらいている方へ " ページ末尾に<生活に困っている方に、食品を無料でお送りします>という支援の呼びかけがあります。そこに注記がありました。「現在風俗で働いている方(キャスト・内勤・ドライバー・店長)が対象になります。」この一文で決めました。(本間盛行)

  • 最後の最後まで揺れ動きましたが、風テラスがもともとデッドボールから始まったというエピソードにガツンとやられました。性風俗は楽に稼げると思われていますが、実は様々な困難があり、複合的な課題が交わる点であると感じています。性風俗産業の問題は、ある程度は知られるようになりましたが、投票日の対話を通じて、まだまだ一般的には語りづらい問題なんだなと感じました。風テラスのような団体が、もっと明るみに出ていき、当事者が頼りやすい状態になるといいなと感じました。 (東詩歩)

  • 「誰にも・どこにも相談できない」「逃げる手段を想像できない」という問題は、深刻だと思いつつ、それでいて実はつい目を背けてしまっているのかもしれないと感じた。これは、当事者以外の、社会の問題でも、自分自身の問題でもあるのかもと初めて思った。(中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人POSSEへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人POSSEに対し73.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年6月は「点」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人体験型安全教育支援機構」「一般社団法人暮らしランプ」「NPO法人POSSE」の3候補があがり、鈴木亜香里さん、山田泰久さんの推薦したNPO法人POSSEが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

POSSEでは、相談へのアドバイス、権利行使のサポートに加え、メディアでの発信などをつうじて、労働・貧困の現場から社会に影響を与えていく活動を行っています。特に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に取り組むNPO法人です。

https://www.npoposse.jp/

問題や課題、秀逸、良い・悪い、美しい・汚れ、利益。
これら、状態を表す言葉に「点」をつけると、問題点、課題点、秀逸点、良い点、悪い点、美点、汚点、利点になる。
「点」をつけることで、抽象的だったものが一気に解像度が上がり、具体的なものとなる。

NPOの活動はまさにこの「点」をつけることである。社会問題に「点」をつけ、具体的な問題点を発見することである。問題がより具体的なものとなり、問題を解決するための糸口が見つかる。課題解決につながる「点」をつけることがソーシャル・イノベーションの始まりかもしれない。

今回推薦するNPO法人POSSEは、労働問題という社会問題の中でも、若者の労働にスポットをあてて、問題点を可視化して、活動を行っている。

労働問題は、明治の近代化以降、労働者が誕生するとともに発生した、長年続いている社会問題である。明治30年代に労働運動家や社会主義者の取り組みにより、労働組合の元となる組織が結成され、当事者である労働者自身がこの問題に取り組んできた。しかしながら、労働争議は常に政府や警察から弾圧されてきた歴史がある。戦後、昭和24年に労働組合法が施行されたことにより、労働組合が結成され、労働問題の解決に取り組んできた。

一方で、労働組合にアクセスが出来ない労働者もいる。ブラック企業や非正規雇用などの若い人たちの労働者だ。制度の枠からはみ出してしまっている、これまでに注目されていないなど、労働組合だけでは零れ落ちてしまうような若者の労働問題にいち早く着手したのが、POSSEである。

そもそも、労働組合ではなく、NPO法人が労働問題そのものに取り組むことは珍しい。ホームレス支援や貧困問題、青少年の引きこもりなどで就労支援に取り組んでいる団体は多いが、労働問題をメインテーマに取り組んでいるPOSSEは、ある意味、一点ものの存在である。

明治から続き、時代とともに変わる労働問題について、若者の立場で問題点をあぶりだし、活動を行っている。ブラック企業など、労働問題で悩んでいる若者は以前から存在している。それぞれの若者が抱えている悩みや苦労は、えてして個人の問題だと捉えられてしまう。しかし、POSSEは、点在した個々の問題をつなぎあわせ、可視化することで、個人の問題ではなく、社会の問題として捉え直し、活動に取り組むとともに周知啓発も行っている。それは、点を面にするというよりは、点描画のように個々の問題を集め並び替えることで、労働問題を問題点として表出させているわけである。

ブラック企業、派遣切り、非正規雇用、残業未払、ハラスメントなど、労働問題そのものが重要な社会問題として認識されている。こういった問題に対して、無料の労働・生活相談や青少年の労働法教育などに取り組んでいる。相談へのアドバイス、権利行使のサポートに加え、メディアでの発信などをつうじて、労働・貧困の現場から社会に影響を与えていく活動を行っている。その他に、労働問題に関する様々な調査研究や実態調査などを行い、問題の可視化を行うとともに、メディアへの働きかけや定期雑誌の発行など、周知啓発の取り組みも積極的である。取り組んでいる社会問題だけではなく、NPO法人としての手法にも注目して、寄付先として推薦したい。

最後に、NPO法人POSSEにたどり着いた経緯を紹介したい。世間からあまり注目されていない社会問題に「焦点を当てたい」と考え、「焦点を当てる NPO」で検索した結果、こちらの記事がヒットした。

「大人食堂」はなぜ必要か?「大人」も支援や居場所を求めている

https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20190519-00126400

全国各地で行われている子ども食堂。それ自体は素晴らしい活動である。が、共感を集めやすい「子どもの貧困」に焦点を当てることで、大人の貧困が見えなくなってしまう。それは、「子どもの貧困は可哀そうだが、大人の貧困は自己責任だ」というメッセージを、無意識に発してしまっている。

POSSEは、「大人食堂」を開くことで、働いても食うに困る大人の存在に焦点を当てた。社会の中で点のように孤立していた大人たちが相談できる場を作った。残念ながら、新型コロナウィルスの流行のため、大人食堂は一時休止しているが、様々な取り組みを通じて目立ちにくい労働問題に焦点を当てるNPO法人POSSEを推薦する。

なお、世の中によいことを行なっているNPOでも、度々、労働問題になることがある(残業代の不払いやパワハラなど)。その中で、労働問題を切り口に活動を行っているPOSSEの存在はNPOにとっても労働問題が別世界のものではないということを伝える機会となっている。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • POSSEは代表の今野さんの記事や寄稿が多数あり、それらを読むことでとても共感を持ちました。POSSE単体に対してというよりも、そういう視座で活動を行なっている代表やスタッフの一つの形の表れとしての「POSSE」という意味で選択しました。
    POSSEの活動は社会課題の解決であり、また、その社会課題は何か1つを達成すれば終わる様なものではなく、課題解決のための要件が複雑で同時平行に解決させないと根治できない、まさに「社会の課題」だと改めて思いました。就労環境が悪くなる理由は大別すると2つあるかと思っています。1つは理念でどういう理念でビジネスを行なっているか、2つめはお金かなと思っています。つまり、言い方は悪いですが視座の低い理念にもとづいて、支出をできるだけ圧縮しようとすると、必然的にブラックな傾向になるのではないかと思います。社会への還元や、共創し、学び合う、社会を1歩でもよくしよういう理念や精神が少しでもあれば、人件費もできる限りで最大化し、人材を大切にし、働きやすい環境に転じていくと考えます。ただ、これは理想論であり、そういう綺麗事で世の中は回っていないのは重々承知しています。ただ、そういう課題に向き合うためのエネルギーの大きさ、大変さは想像できます。贈与という形でしか私は参加できないですが、この様な形でも社会課題解決に参加したいと感じました。(福原寛重)

  • 元若者や若者の労働環境・貧困に課題を感じているからです。これは会社個別の問題というよりも社会問題だと考えています。書いてあるとおり、NPO法人がこの社会課題に取り組むケースはとてもめずらしいことです。ぜひ応援したいです。(白川みちる)

  • POSSEは、外国人労働者の相談窓口を持っていることに、評価をいたしました。暮らしランプは、多様性が重要ないま、実際に現場で格闘されていることに敬意を表します。体験型安全教育支援機構は、外国人児童へのケアまで行っておられるのが素晴らしいです。どうしてこんな安全に気をつけなければならない社会になったのか、振り返り、啓発する活動にも力を入れていただけるなら、と思います。(藤岡達也)

  • 労使問題って綺麗事じゃないな、というのが労働問題の労使双方の意見を身近で聞く機会があって感じるところです。一般論としては労働側の立場が弱いとされますが、歴史ある労働組合なんかを見ると、そんなことないなと、、。(むかしは労働問題を突き詰めてプロレタリア革命主義に至るなどした影響だと思うのですが)
    メーカー勤務時代は大きな労働組合がありましたが、一労働者としては自分を守ってくれるのが誰かよくわからなかったです。入社時に労働組合の指定金融機関で口座を開いて給与天引きで組合費を払ったり、仕事に関係ない組合夏祭りに駆り出されたり、その上日々の残業時間は長くて、、。否定的というよりはピンとこなかったんですよね。
    POSSEさんのように現代的に労使問題の解決を図る取り組みはいいなと思った次第です。(河原塚有希彦)

  • 若者、成人の労働問題という、個人の意志や責任の結果として扱われ、共感されづらい課題に対して、一人ひとり事情が異なる労働環境の問題をすくい、問題を提起し、行政とは違う立場で支援を行うPOSSEの活動が、より一人ひとりが生きやすい社会への実現に繋がればという想いを込め投票しました。(古川哲)

  • 若者のうちに得た就労機会は、この先の労働する人生に大きな影響がある。若者の労働問題の解決を支援することは、即ちその先の長い(若くなくなってからの)労働人生における問題の解決にも及ぶと考え、POSSEを選びます。(志賀響子)

  • 自分ごとである課題を扱っているNPO法人POSSEを一番に選びました。「焦点を当てる NPO」で検索したというエピソードもユニークだと思いました。この場合、タイトルに「焦点を当てる」を用いたライターさんの勝利ということですね。(市村彩)

  • 子どもの貧困はフォーカスが当たりやすいというのは、まさにそうで、しかしながら、その子どもの貧困を生み出しているのは、大人の貧困が源流にあることは忘れられがちです。特に、今回の投票で、最後の決め手になったのは、普段はあまり見ないのですが、事業報告書を拝見したところ、近年、かなりサポートを必要としている方がいるはずですが、経常収益が約4000万円だったことは、衝撃的でした。新しい贈与論の寄付が、お金はもちろん、それ以上の何か、この事業をドライブするものにつながればいいなという願いも込めました。(東詩歩)

  • 労働環境や低賃金に悩む人が数多くいる中、なかなか相談先は見つからない。コロナの影響もあり、こういった若者が増えている印象がある。POSSEの活動が継続され、一人でも多くの若者の心が楽になり、前向きに生きれる社会になれば良いと思い投票します。(高城晃一)

  • 3つの候補とも、思いのこもった推薦文で本当に選ぶのが難しいですね。。特に「子供の貧困だけでない大人の貧困にも」という点が最後心に残ったので選びました!(藤原麻耶)

  • POSSEは実が伴う活動です。リサーチも充実しています。声を出せない人のために闘ってくれます。(阿曽祐子)

  • 労働って何なのだろうと。昭和に労働を開始した自分は資本家⇄労働者というフレームの中で考えることができたものが、今、何を軸に「働くこと」を考えればいいのか。相対的に長期間働く若い人達の、現実の課題に向き合うことで新たな労働論の誕生することを期待します。(本間盛行)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

WAKUWAKU入学応援給付金へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、WAKUWAKU入学応援給付金に対し72.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年4月は「水」をテーマに推薦を募集し、「流域治水を核とした復興を起点とする持続社会 地域共創拠点」「WAKUWAKU入学応援給付金」「water.org」の3候補があがり、高野冬馬さん、丸山央里絵さんの推薦したWAKUWAKU入学応援給付金が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

「社会の水の流れにくいところへ」

この社会を大きな水脈になぞらえるのならば、その末端には細く入り組んで、なかなか水が流れてはゆかない場所がある。毛細血管の先端に血が巡りにくいように、水の流れが行き届かなくなるようなところにこそ、水は必要ではないか。

今回、ろ組の私たちが贈与先として推すのは、「さまざまな事情で経済的に苦しい思いをしている家庭の中で、進学を迎えた子どもたちを支援する」プロジェクトです。

具体的には、この春、小中学校と高校に入学した新入学生のいる家庭に給付金を届けて、制服やカバン、ランドセル、辞書などの購入を手助けする支援プロジェクトです。

最近は都立高校でもタブレットを家庭で用意しなくてはならないといいます。一億総中流社会の名残もあるのでしょうか。親は学費だけではなく、さまざまな学校指定の道具を購入するお金を工面しなくてはなりません。

新しい学校への入学にあたって、もし必要なものが準備できずに、そのために晴れやかな気持ちになれない子どもたちがいるとするならば、それはその子の人生にショックな出来事として記憶されるだろうと思います。引け目から学校でその能力を十分に発揮できなくなるかもしれません。

だからこそ、新入学のタイミングを見て見ぬふりをしてやり過ごすことはできないと考えた人たちがいます。すでにこの春、その支援団体は適切な審査を行い、145世帯に給付金を直接、家庭に手渡しています。けれども団体によれば、企業や個人から集まる寄付は給付した額にまだ足りず、今は団体の持ち出し状態になっているのだそうです。

そこで、今回の新しい贈与論の寄付をそこにぜひ充てられないかと考えました。

過去に給付を受けた親御さんのコメントを紹介します。

「三男は勉学が苦手で、都立校への進学は難しく、私立でも支援制度で授業料が軽減されると知りそちらに進学することにしました。とはいえ、入校時の物品購入出費は予想以上で、給付金はとてもありがたかったです。

学校では冬のコートは希望者のみに販売するとしながらも、学校指定のコート以外は着用不可とのことでした。給付金が無ければ買わない選択をしなければいけなかったかもしれません。(中略)つらい思いもさせましたが、少しずつ成長していく息子たちの姿が、親としてとても嬉しいです。」

このプロジェクトから生まれた水脈は給付後も続きます。支援をきっかけに、地域とつながり、人と人との交流が生まれ、困った時には頼ってくれるようにもなります。それは、「全国」ではなく、「東京都豊島区」というニッチで活動を行うことの可能性です。

善意や贈与がもし“水”だとしたら、そのまま放っておいては干上がってしまうかもしれない、私たちの社会をめぐる水脈が十分に行き届いていないところに注ぎたいと考えました。

「水はまた新たに湧くと信じて」

次に視点を変えて、別様の持続可能性 ーニッチで、半人格的で、コレクティブなものー の観点からもお伝えします。

今回、ろ組で候補を検討をしていた際、「この国では贈与先を考えるときに、その組織自体の持続可能性を必要以上に気にしている気がする。いつか水が尽きるところに水を与えても意味がないというような意識を感じる」、「資本主義的な考えにより、誰にでもわかる成果やコスパに私たちが囚われすぎているのではないだろうか」、というような話が出ました。

私たちが組織の持続可能性を考える時、大抵の場合、「経営=お金」の持続可能性が論じられます。たしかにここで配られる現金は、消費財に消え、組織に還元されることはありません。しかし、支援を受けた親子の中には、団体の他の支援の場にも顔を出してくれるようになったり、自分も支援する側になれるようにと学びを始めたりする方もいるそうです。この現象は、別様の持続可能性への重要な示唆を与えてくれるものではないでしょうか。

本プロジェクトの支援の特徴は、すべての寄付を「手渡し」で行なっていることにあります。お困りごとを聞き、内容次第でお金以外のリソース提供も行うためだそうです。

行政による税金の再分配も、市場における交換も、非人格的な営みとして行われています。しかしここでの「寄付金+手渡し」という半人格的な支援は、お金以外のケアまでを提供すること、そしてケアを受けた当人がいずれケアを行う担い手となる、“地域”と“人”との持続可能性までを有しています。

さらに、この支援の最も大きな可能性は、持続可能性を一つの組織から、ネットワークのものへと変容しうることだと思います。たとえこの支援団体が直近に存在しなくなったとしても、支援を受けた子どもたちはこれからも成長して、そこからまた新たな水はこんこんと湧き出てきます。支援団体に顔を出してくれる人はもちろん、組織とは直接関係ない場所で、別の文脈で水脈をつないでいる人もいるかもしれません。その世界の豊穣さを信じられるかどうかは寄付者に問われています。

地域のNPOが担う、細い水脈に水を行き渡らせる責任(responsibility)を果たすためにはきっと、太い水脈に住む第三者に対しての「説明する能力(accountability)」ではなく、目の前の人の声に「応答する能力(response-ability)」が必要です。

認定NPOとしての自分たちの組織の収益や後先を考えるよりもまず、今この瞬間、そこに必要があるから支援に動いた。お金の工面は後から考える。その差し出すおせっかいの手のためらいのなさも、私たちがこのプロジェクトと支援団体を推薦する理由です。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 「寄付を手渡しで行なっている」という部分と「水はまた新たに湧くと信じて」という考えの部分が最も響きました。豊島区限定の活動であることに、はじめ少し躊躇しましたが、逆にいえば限定した活動だからこそ、推薦してみて良いかとおもうようになりました。個人的には、贈与や寄付について考える事も多くなり、その結果として「選択の自由」と「ギブンコンディション」のバランスについて考える様になりました。(福原寛重)

  • WAKUWAKUに関して、すべてのこどもの学ぶ権利を、地域にとって持続可能になる仕組みで支える取り組みだと思いました。毎年新入生毎に新しく買い替えられる学用品はものによっては一回しか使われず捨てられるものもあり、特定の地域の取り組みが実は、地球にとっても優しいプロジェクトなのではないかと感じました。WAKUWAKU。湧く湧く。こどもの笑顔や学び、ひととひととのつながり、環境意識…いろんなものが水のように湧いてくることを期待できます。応援しています!私のすんでいる地域でもほしーい!(宮崎あおな)

  • 贈与を水と考えるアプローチが素敵だと思いました。水に対して寄付するのではなく、自分たちが水になるということですね。循環を意識しつつ、長いスパンで寄付を考えたいと思います。さいきん池袋の近くに引っ越したことも決めての一つでした。(伊藤亜紗)

  • 乾き(渇き)、という身体性と強く結びついた推薦文に惹かれました。人の生死に関わるわけではない、それだけに水が行き届きにくい部分について考えさせられました。(加藤めぐみ)

  • 水というテーマが子どもたちへの支援につながっていく推薦プロセスに共感しました。入学という学びの源流ともなるタイミングへの支援と実直な印象のホームページに共感しました。(阿曽祐子)

  • 寄附先それ自身の活動を支援するとともに、寄附先から支給を受ける子どもたちや親へと寄附の力が繋がっていくことを信じる推薦文に共感してWAKUWAKUを選びました。(朝野椋太)

  • 「新しい学校への入学にあたって、もし必要なものが準備できずに、そのために晴れやかな気持ちになれない子どもたちがいるとするならば、それはその子の人生にショックな出来事として記憶されるだろうと思います。」この一文が胸に刺さりました。晴れやかな気持ちで子どもたちが過ごせるといいなあという想いで一票を投じます。(中西晶大)

  • かなり迷いましたがこちらにしました。生活の困窮を気にせず進学できる、させられる世界になって欲しいなと強く思います。(三上遼)

  • 「善意や贈与がもし“水”だとしたら、そのまま放っておいては干上がってしまうかもしれない、私たちの社会をめぐる水脈が十分に行き届いていないところに注ぎたい」この一文に共感しました。第一希望の団体のカバー範囲は広くありませんが、持続可能性に目を向けているところが素敵だと思いました。ぜひ支援を受けられる方々の未来が明るいものであることを願います。(白川みちる)

  • ニッチなエリアでしっかりと顔の見える困りごとに対して向き合われている団体を応援させてください。以前の推薦枠の中に本団体が運営されている池袋プレイパークも紹介されていたことをきっかけに実際に足を運んでみてさまざまな工夫がなされておりました。こういった草の根の動きから、新たな一歩が生まれると思います。(海野慧)

  • WAKUWAKUに投票いたします。給付1万円、給付にあたって、手渡しを通じて包括支援のきっかけを作っている点の、バランスの良さが素晴らしいと思いました。中学・高校に入学すると制服一式だけで10万円近くかかることも珍しくありません。その金額感からすると、1万円程度というのは小額と言えますが、その分少ない運営費で多くの方との接点を作ることができます。他方、給付金を必要とされる方にとっても、国や自治体ではなく相談できるのは生活上の困難解決への糸口になるように思いました。(河原塚有希彦)

  • つい最近、都立高校の授業を見学する機会がありました。授業の中で、当たり前のように私物のスマホが使われ、もうすぐ各家庭でタブレットの準備が必須になるという話にモヤモヤした思いで帰ってきました。どのような社会システムにも、その前提から漏れ落ちる「想定外」の人達が存在します。今回の寄付が、彼らにいたる水の流れを、厚く、あたかくするものとなることを願います。(吉見新)

  • 「たまたまその地域に住んでいるから」「たまたまその人目の前に現れたから」というような偶然によっておかれた環境における贈与に加えて、それらの当事者から離れたところからの贈与が認められてもいいと思い、新しい贈与論を通じてその地域から少し離れた人からのゆるやかな交流から、いっときの同情を超えた繋がりが生まれたらいいなと思いました。(古川哲)

  • 子供の教育ほど重要な投資はないと思っていますが、そのテーマのなかで、 使途と効果がわかりやすいプロジェクトだなと思いました。 特定地域の団体ですが、この活動で実際に助かる人がいて、 その気持ちが繋がっていく可能性には、 特定地域だからこそのリアリティがあって、応援したい気持ちになります。(中村雅之)

  • 渡されたばかりのランドセルの匂いと手触りを思い出しながらWAKUWAKUとします。(本間盛行)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人二枚目の名刺へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人二枚目の名刺に対し69万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年3月は「傷」をテーマに推薦を募集し、NPO法人SALASUSU、NPO法人二枚目の名刺、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「ウクライナ危機 緊急子ども支援」の3候補があがり、太田睦さん、疋田裕二さんの推薦したNPO法人二枚目の名刺が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たち、い組(太田・疋田)は「傷」というテーマを受けて、個別一つ一つの傷ではなく、「社会全体の傷」に着目してみました。それはつまり、社会課題。日本には5万を超えるNPO法人があると言われ、日々何かしらの社会課題の解決と向き合っています。そんなNPO法人を後方支援する団体がないか探していたところ、今回推薦する「二枚目の名刺」に出会いました。

NPO法人 二枚目の名刺 https://nimaime.or.jp/

二枚目の名刺では、さまざまな業種・職種の社会人がチームを組み、新しい社会を創ることを目指している団体(NPO等)と共に、団体の事業推進に取り組む有期のプロジェクトを実施しています。取組みの分野に制限はなく、パートナー団体やチーム編成によってプロジェクトテーマを柔軟に設定。これまで2009年の設立から数多くの団体を支援しており、最近ではこの新しい贈与論でも支援をした「NPO法人 となりのかいご」のプロジェクトも進行中です。

NPO法人 となりのかいご プロジェクト https://nimaime.or.jp/projects/2752

二枚目の名刺のもう一つの特徴は、参加する社会人側の人材育成・組織開発の一環としても機能している点です。「社会の役に立ちたい」と思いながらも、なかなか本業でそれを実感できている社会人が少ない中で、自分が本業の中で培った専門知識やスキル、ノウハウを活かして"プロボノ"や"ボランティア"の機会を「二枚目の名刺」として提供。これは自社の従業員の育成を果たしながら会社のSDG'sの活動の一環として支援したい企業側のニーズにもマッチしています。

コロナにより一層「副業」に対しての注目が集まる中、単にお金を得ることを目的としたものだけでなく、このような社会課題を支援する取り組みに深く共感しました。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 複数の軸や観点で社会に参画することは、その個人のみならず、社会課題の解決に向けては非常に重要だと思います。また、それを通じNPO等の支援はもちろん、そこで得られた観点やスキルによって本人や元の会社に新たな価値をもたらす効果もあると思います。これから日本でもっと増えてほしい活動だと感じ、「二枚目の名刺」を希望します。(上西雄太)

  • 二枚目の名刺はそこはかとなく商社っぽいなあと思っていたら、本当に商社の方でした。業界を深く知るわけではないですが、商社界にはインタービジネスというかメタビジネス的な思考をお持ちの方が多いという印象があります。「2枚目の名刺」というネーミングが示唆的です。0枚~n枚、任意の枚数の名刺が活躍する社会となりますよう。(本間盛行)

  • 今まさに大きな世界の課題であるウクライナ問題の支援と悩みましたが、今回はその世界を長期的に変えていくための活動の一つであろう「二枚目の名刺」に投票します。(藤原麻耶)

  • 二枚目の名刺に投票します。代表の廣さんの書かれていた『自分や組織のことだけではなく「社会」をどうしていきたいかという視点』を持てることは個人的にも重要だと考えます。一方で、日常の仕事ではどうしても日銭を稼ぐためのヨゴレ仕事もしないといけない。そんな中で、「二枚目の名刺」という直球キーワードで、組織を作られているのは興味深く、共感するものでした。(河原塚有希彦)

  • 私は長らく会社人間になろうと頑張り過ぎました。生きるってもっと多色多彩でよい。そんなことを早くから知っておけばよかった。そんな思いを込めます。(阿曽祐子)

  • 普段から寄付が集まりづらい中間支援団体。世の中がこんな時だからこそあえて、このタイミングでここに寄付したいと思いました。(宮本聡)

  • 私自身、過去にパラレルキャリアとして、民間のIT企業に所属しつつ、災害被害を少しでも少なくするために防災事業を立ち上げて活動していた時期があり、それが現在の本業になっております。このような経験から複数枚の名刺を持って自分自身の価値を高めることや、本当にやりたい活動をすること、また社会へ貢献することを実践していくことの重要性などは個人的にも強く感じており、2枚目の名刺さんの活動に強く共感しました。私たちが住む社会が、より良い社会になるように、また様々なキャリアのあり方が生まれ、もっとワクワクした社会になるように、活動を応援しています。(疋田裕二)

  • 二枚目の名刺さんの活動は以前聞いたことがあり、素晴らしい活動をされていると思っていました。ウクライナなどの緊急性が高く、強い共感を集める寄付先がたくさんある今の状況ですが、今だからこそ、普段からなかなか寄付が集まりづらい中間支援団体に支援する意義があるのかなと思い選びました。(鈴木亜香里)

  • 今回は共感されづらい、寄付の集まりづらい団体に投票しようと思いました。SDGsと副業のブームがこれだけ吹き荒れるにもかかわらず、プロボノをされている人はまだまだ多くありません。NPOの役割がますます重要となる今日の日本において、二枚目の名刺さんのような団体が活躍されることを願っております。(桂大介)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

任意団体Inter7へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、原田正治さんが共同代表を務める任意団体Inter7に対し67万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年2月は「事故」をテーマに推薦を募集し、任意団体Inter7、NPO法人日本スペースガード協会、一般財団法人あしなが育英会の3候補があがり、嶋田康平さん、吉見新さんの推薦した任意団体Inter7が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは、犯罪被害者と加害者が対話できる場を作る取り組みを行っている原田正治さんと、原田さんが昨年11月に立ち上げた任意団体「犯罪に巻き込まれた人々の支援(仮称)」を推薦します。

「事故」ということばから、まず最初に「偶発性」や「誤配」を連想しました。

そこから、「それでも、生きてゆく」というドラマを思い出しました。14歳の少年が7歳の少女を殺す事件から15年後、殺された少女の兄と、加害者少年の妹のふとした出会いから、事件と向き合うことになる被害者家族と加害者家族の姿を描いています。終盤、被害者の母親が加害者の母親にこう言います。

「私たちは被害者家族と加害者家族だけど、同じ乗り物に乗っていて、一生降りることはできない。じゃあ、行き先は、一緒に考えないと。」

被害者と加害者は一見違う世界に二分されていますが、「ふとしたきっかけ」で対話を始めると感情が溶けだしたり、世界がつながることもあるのではないかと思います。とても難しいテーマですが、贈与論の皆さんの意見も聞きたいという思いから、原田さんとその活動を推薦します。

原田正治さんは、弟を殺された被害者遺族です。

1983年、原田さんの弟(当時30歳)は保険金目的で雇い主に殺されます。事件から10年後、死刑囚となった加害者と面会すると、加害者は「申し訳ありません」と繰り返します。4回、計80分の面会を重ねるうち、原田さんの中に「気持ちが溶け出す」感覚があったといいます。絶対に許せない。でもどうして弟を殺したのかを加害者から直接聞きたい。原田さんは、死刑執行停止を求める上申書を出しましたが、2001年12月、刑が執行されます。

もっともっと話がしたかった、加害者の葬儀に出席した原田さんはそう言います。

「残ったのは、なぜ殺されたのかこれ以上なにもわからない、そして誰も助けてくれないという空しさだけでした。」

本人たちが望めば被害者と加害者が対話することを認めてもいいのではないか。死刑の執行から20年となる2021年、原田さんは加害者支援団体の代表や被害者遺族ら7人で団体を立ち上げました。

なお、原田さんたちが立ち上げた任意団体の詳細は見つかりませんでした。そのため、原田さん個人を通じて、この任意団体の取り組みを支援することを考えています。

(団体について)「加害者側も一緒に支えたい」 事件遺族らが支援団体立ち上げ
https://www.asahi.com/articles/ASPDG6RQJPDGUTIL01Z.html

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 月並みですが、原体験を持つ方を応援したいという感情が湧き上がりました。(武井浩三)

  • 原田さんの活動、まさに「本人たちが望めば被害者と加害者が対話することを認めてもいいのではないか」に同意しました。支持したいです!(太田睦)

  • 被害者と加害者の分断はとても関心のあるテーマです。対話をすることで何か変わることがあるかもしれないと思います。ミャンマーも、対立が続いて全く対話ができない状態にあります。対話をしようと呼びかけることさえもできない状況です。リンクするところがあるなと思って選びました。(鈴木亜香里)

  • 『被害に遭わないために』身を守る方法はよくみます。でも『加害を減らすために』。そのことは触れられていません。「気持ちが溶け出す」対話の場が、『加害を減らす』そして『失くす』ことの希望になると感じて原田さんの案に投票します。(宮崎あおな)

  • 犯罪の因はどこにあるのか?加害者だけにあるのだろうか?事件を報道するニュースを見るたび、犯罪者という報道を聞くたびに思う。犯罪を犯した人に起きていたことを誰が真に理解できるのだろうか。自分も同じ状況に置かれたら、私は違う選択肢を選べるのだろうか。行動の裏には意志があり、自分で選択して行動を決定している、だから如何なる行動もその人の責任である。私たちが馴染んできた価値観だ。犯罪という行動の裏にどんな悲しさ、悔しさ、酷さがあったのかなんて知ったことはない。それでいいのか。原田さんが察知した犯罪者の中の何か、そこには加害者ー被害者という分け方を超えていくものがあったのだと思う。この活動を応援したいです。(阿曽祐子)

  • 原田さまのご活動に感服致します。不慮な事故や理由を見出すのが難しいような事件で被害や苦痛を被った方が「安らぎ」につながる歓びこそ寄付の醍醐味であってほしいという、勝手な願いを込めて投票致しました。(松木耕)

  • 犯罪被害者と加害者が対話できる場を作るという、一見違和感を覚える構図が。被害者側から出てきたことに意味があるような気がしております。(海野慧)

  • どの候補先もユニークかつ大事な取り組みをされていたので悩みましたが、リンク先にある

    > 長谷川君も被害者の私も、例えるなら「崖の下」にいる。遺族の気持ちを考えれば死刑に賛成だという声は「崖の上」から投げかけられた言葉に聞こえ、「被害者と加害者は崖の下でわめいたり叫んだりしていればいい」と言われているように感じるのです。

    この文を読んで、被害者と加害者がじっくりと時間をかけて話し合い、周囲がそれを温かく見守る仕組みを作ることの大切さに共感しました。団体の詳細はまだ不明とのことでしたが、今回の贈与がきっかけにその活動の支えになってくれればと思いました。(荒川陸)

  • 被害者側と加害者側という二分構造ではなく、同じ事件に影響を受けた者同士として対話の機会を持つ、という原田さん達が立ち上げられた任意団体の姿勢にとても共感します。加害者が罰せられても、死刑になっても被害者やその家族の痛みは減らないでしょう。原田さんのご体験がそれを教えてくれていると思います。

    「スピリットベアにふれた島」という本に、「サークル・ジャスティス」という司法制度が出てきます。被害者、加害者、双方の家族、関係者、地域住民、司法担当者などが一堂に会し、それぞれが平等に発言の機会を与えられた上で事件を検証し、加害者への処罰を決めるだけでなく、加害者、被害者双方の救済をめざす制度で北アメリカ先住民の伝統にもとづくものだそうです。南太平洋の島々でも同様の風習があると聞いたこともあります。

    人間の心の傷や痛みは、人との心の繋がりでしか癒しえない。起こってしまった事件・事故・失った命は戻せませんが、影響を受けた周りの人たちの回復を支えるのは、自分の気持ちを伝えることだったり、疑問を解明することだったり、相手のことを知れることなどの交流なのだと思います。日本の死刑制度はその機会を奪っているとかねてから思っていたので、原田さん達が立ち上げられた団体の活動が世に知られ、変化につながることへの期待を込めて投票します。(浅井美絵)

  • いつも通り資本が集まりづらそうなものから選びました。(中村タカ)

  • 参考記事にある原田さんが述べられた言葉の一つ一つが、とても心に残りました。原田さんたちが目指すことは、理解を得づらく困難な道だと思いますが、「崖の上」から言葉を投げるままにならず、少しでも心を寄せたいという想いを込めて、票を投じたいと思います。(広井健一郎)

  • 原田さんの活動や背負った物語にも心を動かされました。加害と被害が同じ乗り物にのったひとつの出来事だというのはまったくそのとおりですよね。被害者やその遺族の悲しみ・苦しみの癒やしには、自分たちが背負ってしまった物語の編み直しがカギになるはずで、ある意味では加害者とともに作っていくような側面があると思います。「許せないから直ちに死刑にしてくれ」という被害者遺族も当然少なくないと思いますが、被害者救済の仕方にも一定の多様性を認める制度のあり方はたしかに望ましいと感じます。(森康臣)

  • 今回推薦文に記載された死刑制度、不思議に思っておりました。(廃止する国もあるものの、)引き続き各国で採用されている一方で、死刑執行することによるベネフィットが明確ではなく、なぜするのかが国民に丁寧に説明されていないように思います。被害者および残された方の心が晴れる効果があるのかな、とおぼろげに想像していたものの、原田氏の例ではそうではない。むしろ本件のように、対話を通じ、その事件が記憶され消化されることが大事なように思いました。(河原塚有希彦)

  • 原田正治さんが行なった加害者と被害者との間の対話についての記事を拝見し、このような圧倒的な隔たりのある立場の人々による対話が、多様な私たちが生きている社会が知らずに失っていることに気づかせてくれる重要なものであると感じ、より社会として広く考えていきたいことであると考えたため投票いたしました。(古川哲)

  • 想像し難い状況で、それでも対話を諦めない原田氏の姿勢に、感銘を受けました。一人ひとりの複雑な気持ちに向き合い、支えることを諦めたくないと思います。(姜花瑛)

  • 被害者と加害者の対話によって、「怒りや恨みしか感じないのでは?」と思われるような近しい人の死に対して、遺された人の中での捉え方に大きな変化が起きる、という事象がとても響いた為、第一希望に推薦します。(志賀響子)

  • 新しい贈与論が一定の規模と知名度を得た今、贈与論と縁があった団体や個人の方に新しい光が当たること願って選びました。(吉見新)

  • 以前に本を読んだことがあったので、そのご縁もあって決めました。被害を被った事件や事故に対して説明してもらうこと、対話をすることは、事件や事故を受け入れるための大切な手段の一つだと思います。(桂大介)

  • 今回の推薦団体を、事故自体に向きあう / 事故を未然に防ぐ / 事故による欠落を補修する、と、敢えて抽象化して考えてみたとき、今の自分の気持ちに最も近いものが「事故自体に向きあう」でした。被害者支援と加害者支援の片方を担う団体はおそらく他にも多くあり、それぞれに重要なことですが、双方の「対話」はおそらく最も難しく、同時に、その方法でしか解決(解消)し得ない痛みがあるのだろうと思います。推薦人の方の言葉にも惹かれ、原田正治様と該当の支援団体を第一希望として投票いたします。(加藤めぐみ)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

未来の人類研究センターへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、未来の人類研究センターに対し71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年1月は「生活」をテーマに推薦を募集し、特定非営利活動法人LIFE、未来の人類研究センター、日本臨床睡眠医学会の3候補があがり、阿曽祐子さん、広井健一郎さんの推薦した未来の人類研究センターが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは『未来の人類研究センター』を推薦します。
https://www.fhrc.ila.titech.ac.jp/project/

■1.「生活」とは「生き返り」

 「生活」と聞くと、まず「日常生活」や「最低限の生活を保障する」というイメージが立ちあがる。この捉え方から脱して、改めて「生活」を考えてみたかった。国語辞典を開くと、「生きていること。生物がこの世に存在していること」とある。生活は生命(いのち)そのものなのだということを再認識した。続いて「人が世の中で暮らしを立てること。暮らし」。辞書をいくつか渉猟して、仏教語大辞典に辿り着いた。「生活[しょうかつ]=生き返ること、蘇生」。推薦人それぞれに「生き返り」という言葉にハッとした。

 〇推薦人A

 「生き返り」は、自分が今この「新しい贈与論」に参加しているきっかけを思い起こさせる言葉である。
 周りの人との深い関わりに苦手意識を持つようになった高校時代、部活では、プレーの上手さがチームでの発言権に繋がっていた。チームメンバーの意識が自分の活躍のみに向いていた。チーム全体での信頼関係が築きづらかった。
 打って変わって、大学時代のサークルでは、分け隔てなく協力しあう信頼関係があった。自分のことだけを考えるメンバーがおらず、勝利という共通の目標に向かえた。自分自身も、チームが良くなることだけを目的に行動していたら、それが巡り巡って自分自身への信頼として返ってきた。
 この体験は、私にとっては、生き返るようなものだった。その後の人生の選択にも影響する大きな出来事となっている。今の自分が、「楽しい」「やりがいがある」と思えるのは、自分の選択に加えて、出会いや環境の偶然によるものと思うようになった。
 そして、今、自分がもらってきたものは、世の中に返したいと強く思っている。だからここに参加しているのだ。

 〇推薦人B

 「生き返り」という言葉を見て、自分の人生が走馬灯のように蘇った。
 「私は何のために生まれたのか」。社会人になって数年後、そんなことばかり考えていた。何をやっても意味が見出せない。周りは、悩みもなさそうな呑気面ばかり。「残りの長い人生をどう生きていけばいいのか?」かと溜息ばかりついていた。
  そんな鬱々とした日々からの脱出は不意にやってきた。それはお節介で放任な他者との出会いからだった。「生きているだけでもうけもん」「自分に起こっていることは自分に必要なこと」「人に差し出さないと何も還ってこない。人が先」。彼らが言葉を実践する姿が私を打った。
  自分の内への探索から外の世界に目を凝らす。誰もがちっぽけな存在であることを感じながら、必死で生き抜こうとしているのだった。周囲の人と自分の間に潜む共通項を見つけて繋がってみることが面白くなった。互いに繋がることで人は少し強くなれる。変わっていくことができるのだ。

■2.未来の人類研究センターの「利他プロジェクト」

 理工系の東京工業大学に設置された未来の人類研究センターは、人文社会系の性質も備えている。「利他」を最初のテーマに掲げて「利他プロジェクト」という活動に取り組んでいる。分野を超えて「利他」についての対話を重ね、書籍・ウェブ記事に留まらず、ラジオやシンポジウムも含む多様な発信をしている。

 ■2-1.「利他プロジェクト」の考える「利他」

 「利他」という言葉に、危うさを感じたことはないだろうか。
 企業は「SDGs」や「社会貢献」を銘打つ。環境への優しさの標榜、プロスポーツへの支援、自治体へコロナ支援・マスク寄付。こんなときに交わされるのは「わが社にどんなメリットがあるのか?」という会話。
 自分を振り返ると、「誰かのために」を口実に自分の行動を正当化したという経験はないだろうか。周りを見て「〇〇のために」と言いながら、結局自分のために行動しているとしか思えないことはないだろうか。

 未来の人類研究センターのセンター長であり、障害者と関わることの多い伊藤亜紗さんは、次のように語っている。

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障害者の周りにはさまざまな「利他的」な行為が行われているが、一見「利他的」な行為が本人のためになっていない、ということがたくさんある。障害を持っている人に対して周囲の人が良かれと先回りしてお世話をする。ときに、本人の挑戦する気持ちを削いでしまったり、自分でできるという自己肯定感を失わせたり、時間がかかっても自分で世界を感じたい、自力で外に出て冒険したいという気持ちを削いでしまう。結果的に、障害者という役回りを演じ続けねばとすら感じることもある。
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 上記の通り、表出される「利他」の構造を分析したうえで、次のように「利他」を定義している。 

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一般には「利他」というのは、自分から能動的に「善行をしよう」ということとして考えられがちだが、そうではない。
自分の前にいるこの人は、自分には見えていない側面を持っているんだという敬意を感じながら人と接していくこと。本当の意味の「利他」は、このように自分の中に「スペース・余白をもつ」ことをしながら目の前の人の可能性を引き出し、それに合わせて自分も変わっていくことではないか。
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 別の場では、こんなふうにも語っている。

▼▼ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目の前で倒れた人を助けようとする不意の行為、こうしたものに「利他」が宿っているのではないか。
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 その瞬間、その場で、目の前の相手との間に発生した役割、それを瞬時に察知して衝動的に動くこと。これは、計画された「よかれ」でもなく、準備を重ねた善意でもない。

 このような不意の「利他」は、与えられた相手も、受け取りやすい。なぜなら、拒否は自分の危機につながるからだ。受け取らざるをえない。また、自分も逆の立場にいたなら、必ず同じことをするであろうと想像できるから。不意の「利他」は、与える側・与えられる側という境界すらも超えていくのである。

 ■2ー2.「利他プロジェクト」から注目したフレーズ

 ここで、未来の人類研究センターのホームページから、推薦人2人の心に響いたフレーズと私たちの感想を紹介したい。  

 〇いろんな人との関わりの中で いろんなものを受け取って自分ができている(木内久美子)
  ・・・周囲からもらうことで自分が存在している。
     今度は、返す側になっていきたい。

 〇相手から来たものにどう反応するかによって何かが生まれる(中島岳志)
  ・・・他者があって自分ができているのだ。

 〇人間にしかできない創造とは「評価値の低いものの先」を探ること(羽生善治)
  ・・・計算だけでは見つからない大切なものがある。
     まだ形になっていない可能性を信じられるのが人間。

 〇利他を「利他」と呼んだ瞬間に利他がこぼれていく(中島岳志)
  ・・・意識した瞬間に利他でなくなる。認めたくないけど本当のことでは。

 〇「膜」は、分かれているんだけどつながっている、とても不思議なもの(伊藤亜紗)
  ・・・「私」という囲いを持ちながらも他者との繋がりの中でしか生きて
     いけないのが人間。「私」という境目は、守るためではなく、
     繋がるためにあるのかも。

 〇自分は器で、何かを媒介するもの。私という存在自体が贈与されたもの(中島岳志)
  ・・・自分がもらっては返す存在そのもの。
     周囲と自分の間にはもともと「何か」があって、見出されるの
     を待っているのではないか。

 私たち推薦人2人が他者によって「生き返り」を果たしたこと、これは他者からの「利他」を受けたということだったのだ。

■3.未来の人類研究センターを寄付先に推薦する理由

 「利他プロジェクト」は、困っている人や現実の問題を直接的に救える活動ではない。が、「利他」を考えることは、人間を考えることであり、「私」を考えることでもある。更に、言葉、身体を考えることでもある。
 東工大にある本センターだからこそ、この捉えどころのないテーマに、理工系・人文社会系の双方の視点を取り入れて、新しい視点を探求していくアプローチが可能である。どのような創発が生まれるのだろうか。
 即効性を脇に置いて、人類の在り方について長い目線で考える活動は、社会への種蒔きとも言える。「新しい贈与論」も同じだ。両活動は、親和性が高い。

 ■3ー1.「未来の人類研究センター」と「新しい贈与論」のコラボ提案

 不意の行為に「利他」の本質があるとしたら、「新しい贈与論」はどのように考えられるだろうか。
 「不意=思いがけないこと、意外なこと」。利他性は、意図していないこと、思ってもみなかったことのなかにある。
 毎回思ってもみなかった寄付先が提示され、自分の数寄、好奇心、共鳴に従って選ぶ。ときに、自分が投票していない団体に寄付することもある。「新しい贈与論」の活動は、思いがけなさに溢れているのだ。

 また、共同贈与は、個々の名前が表出するものではない。「新しい贈与論」に託して、表出されない寄付という活動の仕方も「利他」に通じるものがあると言えないか。
 相手と自分の可能性を引き出すのが「利他」であるなら、「新しい贈与論」でも、寄付する側も寄付される側という境界を超えて、両者の可能性を広げているはずである。  
 私たちは「新しい贈与論」と「利他プロジェクト」による会談を実現し、以下のテーマで対話をしたい。
  ・利他とは何か?寄付と利他の接点から考えてみたい。
  ・寄付する側も寄付される側の可能性が引き出される寄付とは? 

 寄付を通して人と社会と繋がっていく、寄付を通して人と社会の可能性が広がっていく。そんな捉え方を発信していきたい。

参考:「多様性と利他」(視点・論点)東京工業大学 准教授 伊藤 亜紗
     https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/443072.html

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 学生時代から今の仕事に至るまで比較的「理屈」が重視される環境にいた自分にとって、気づいたら「生活」までもがあらゆる予定や消費活動を意図的に考えて実行するものになっていました。しかしある時それが行き過ぎ、バーンアウトの形ですべてが止まるという経験をし、生活における余白の重要性を痛感しました。

    思いがけなさや偶発性を取り戻す、ということは、ますます情報過多になる現代において困難さを増していると思います。「利他」という切り口からそれを取り戻そうとしている本プロジェクトを、第1希望としたいと思います。(上西雄太)

  • 利他をここまで分析しているのが面白いと感じた。利他という言葉すらなくなるような、そんな世の中になることを願って。(前田健志)

  • あらゆることが評価社会、数値、利益、自己責任といったものに飲み込まれていく今の社会において「利他」というテーマにこれほど真剣に向き合っている団体があることに驚きました。成人してから、ずっと絶望の時代だと思って生きてきた自分にとって絶望の中にある数少ない希望のように感じました。(中西晶大)

  • 「未来の人類」は、学問的で、過去の民芸運動のように真のくらしに切り込めるのかとの疑問が湧きましたが、おそらく「未来の人類」のように利他をアカデミックに学問体系にしていく取組みは、エコノミクスや科学に偏重した学問体系に対するイノベーションであり、今後「LIFE」のような取組みがより高品質/高頻度で発生するための将来の布石たりうると考えたため、今回新しい贈与論が寄付するならば「未来の人類」が良いと思いました。(金均)

  • 利他は対象を救うだけではなくて、己に返ってくるものであると考えているため。(白川みちる)

  • 個人的に好きな類の内容だったからです。私的には「利他」というよりは「利世界(利他だけでなく自分を含む意味 ※造語)」の方が好きなのですが、利他も面白いのでこちらに投票します。(Sho T)

  • 今回は3件とも具体的で即効性のあるイシューを取り扱う団体というよりは、取扱うテーマがもう一段抽象的に思われました。その中で未来の人類研究センターを選んだのは、新しい贈与論でも話題となるテーマである「利他」が深耕できそうという理由からです。利とはなにか、他とはなにか、その境界はなにか、興味深いテーマだと思います。(河原塚有希彦)

  • 未来の人類研究センターはHPの「理工系大学の中で生まれる人文社会系の知」という言葉でジャケ買いです。理系出身者の人文知への敬意を込めて1位としました。(本間盛行)

  • 最近偶然「思いがけず利他」を読んでいたところでもあり、この活動に大変共感したので応援したい。(太田睦)

  • 「生き返り」という解釈に惹かれたのと、人類学徒の端くれとして推薦団体に興味を持ちました。(中村タカ)

  • 「自分がもらってきたものは、世の中に返したい」「鬱々とした日々からの脱出は(…)他者との出会いからだった」推薦人お二人のことばと、推薦先の団体とが重なりました。胡散臭く言われやすい「利他」というもののイメージを、アップデートしていってほしいと思い投票します。(桂大介)

  • 「お金を受け取ったら、これまでの活動に輪をかけて面白くなりそう」という軸で投票いたしました。日本において大学のいち機関というものは、寄付先としてそこまで存在感が強くないように感じます。実際、大学の財源の中で取り決められた予算の中で活動することが多いのではないでしょうか。外部企業の協賛などあれば話は別かもしれませんが、HPを見る限りそのような素振りもありません。活動自体もWEB記事の執筆といったような先行投資が必要な研究の類は確認できませんでした。そのような機関が寄付を受け取ったらどのように遣うのか気になるという興味が勝りました。(中村祥眼)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

「老いと演劇」OiBokkeShiへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、「老いと演劇」OiBokkeShiに対し75万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年12月は「老い」をテーマに推薦を募集し、メロウ倶楽部、劇団OiBokkeShi、日本医療研究開発機構の3候補があがり、中西晶大さん、古川哲さんの推薦したOiBokkeShiが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

<劇団OiBokkeShiについて>
https://oibokkeshi.net/

俳優で介護福祉士である菅原直樹さんを中心に、2014年に岡山県和気町にて設立された劇団です。
「老い」「ボケ」「死」から名前をとったこの劇団は、「老人介護の現場に演劇の知恵を、演劇の現場に老人介護の深みを」という理念のもと、高齢者や介護者と共に作る演劇公演や、認知症ケアに演劇的手法を取り入れたワークショップを実施しています。
高齢社会の課題を「演劇」というユニークな切り口でアプローチするその活動は、演劇、介護のジャンルを越え、近年多方面から注目を集めており、最近ではNHK岡山などのメディアで取り上げられたり、本劇団で作られた脚本をイギリスの地域にアレンジしたものが公演されたりしています。
過去の公演についての取材や早稲田大学で実際のワークショップの様子はYouTubeからもご覧いただけます。

・「91歳の看板俳優が熱演 介護現場の実体験を演劇に 岡山」KSB瀬戸内海放送
https://youtu.be/Ck5xjys3fmc

・「老いと演劇のワークショップ Short ver.」早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
https://youtu.be/eNEyHkG1koQ

<推薦者からのコメント1>
老いると行動を始め、あらゆることに制限がかかってくるんだろうなという漠然とした不安、恐怖感のようなものがありました。そこに人は抗えないのではないかと早くも諦めを感じる自分もいました。

オイ・ボッケ・シを見た時に最初に感じたのは老いるというのは必ずしもネガティヴなことではなく、老いたからこその楽しみが生まれる側面に自分は目がいってなかったなと感じました。社会にこのような取り組みが増えていくことで老いを楽しさだと捉え直すことができるような気がしています。

<推薦者からのコメント2>
推薦先を考えるにあたって、ネガティブなものとして捉えがちな「老いる」ことを前向きにとらえて活動されている人を探していたところ、地域でワークショップを実施しているこの団体を見つけました。そのワークショップでは「遊び」にチャレンジすることを通して、「介護を楽しむ」、「明るく老いる」ヒントを探るものでした。「老い」のための「演劇」だけでなく、「演劇」のための「老い」についても向き合うこの活動が、あらゆる人が「老いる」ことを前向きにとらえられるためのきっかけとして、広まってほしいという想いからこの団体を推薦しました。

「老い」は、生物として生きている以上生理的に起こることであり、老いを認めることは、生きることを認めることにもつながると推薦者は考えています。この団体のように「老い」が肯定されるような活動が社会に広まればいいなと思い、推薦先を考えました。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 認知症を、病とせず、常識とか、論理的とか、そういうものを超えて、人はわかりあえるし、幸せになれる、という価値観を、演劇という感情表現方法でアプローチしていることに感心しました。老いを超えて、病を超えて、普遍的な幸せの形を提示してくれている気もします。(金均)

  • サイト拝見しましたが、オンラインでの試みも手法が様々で、老いや介護の面はもちろん、これからのエンターテイメントを考える場面でも、注目に値するのではないかと大きな可能性を感じました。(宮崎あおな)

  • なるほど、「老い」をテーマで、推薦人のみなさん、まったく違った視点で選んできましたね。いずれも、まったく知らない分野、活動だったので、勉強になりました。その中で、 劇団OiBokkeShi オイ・ボッケ・シが一番面白いと感じて、投票しました。演劇という手法で、老いを前向きに捉えるのはなるほどです。推薦人の説明文にある「オイ・ボッケ・シを見た時に最初に感じたのは老いるというのは必ずしもネガティヴなことではなく、老いたからこその楽しみが生まれる側面」というのはまさにその通りですね。寄付を通じての発見、気づき、出会い、新しい贈与論らしい支援先だと思います。(山田泰久)

  • 劇団OiBokkeShiは、「老い」を高齢者だけのものとして考えるのではなく、その周りの人々をも「演劇」を通じて巻き込んで、「老い」を前向きにとらえているところに、この活動の希望を強く感じました。「老い」に関わるあらゆる人に開かれているこの活動に魅力を感じ推薦いたしました。(古川哲)

  • 演劇は、劇中のそこで起こっていることに、自分も居合わせて、一緒に思い悩んだり考えさせられてしまう力があります。OiBokkeShiさんは、劇団員・観劇者・ワークショップ参加者を巻き込んで、老人介護に向き合っていらっしゃいます。とても面白そうで私も観劇したくなりました。(大政勇作)

  • 菅原さんとおかじいのやりとり見ているとそれだけで元気になりました笑 奇を衒うわけでもなく、ある意味たまたまそこに集ったことを大切に、その自然体な姿に、高齢社会の向き合い方を教えてもらった気がします。(中島真)

  • ワークショップの動画を見て、演劇のおかげで老いをポジティブにとらえなおすことができると本当に感じられたからです。このワークショップが大きく広がるといいなと思います。実は、これまで演劇系には寄付をしたいという気持ちが湧かず、演劇系の寄付先候補が上がってきても投票したことはありませんでした。なぜなら、私自身が学生時代に演劇をやっていて、「演劇というものは、儲からなくても自分がやりたいからやるものだ」という信念を持っていたからです。小さな劇団に75万円もの金額を寄付してもうまく使えないだろうし、演劇の神聖さをお金で汚してしまうような気がしていました。今回のOiBokkeShiは、認知症の介護を明るくとらえるという点が核だと思ったので寄付したいと思いました。演劇の公演がメインではなく、アプローチの一つなんだと思います。こういう自分の価値観に気づけるのがいつも面白いです!(鈴木亜香里)

  • おもしろいアプローチだと思いました。(高橋祥子)

  • 抗うのでも、称賛するのでもなく、老いや介護と「ともにある」ためのひとつの形として、とても素敵だと感じました。今回の投票を通じ、高齢化社会が日常からは少し遠く、またやはりどこか遠ざけたい気持ちがあったことに気が付きました。恐れるよりも、ともにある方法を探していく発見をいただいたOiBokkeShiさまに投票させていただきます。(稲垣景子)

  • 今回は自分が推薦人だったということもあり、調べる過程で得た気づきや思い入れから投票しました。(中西晶大)

  • 介護・認知症については高齢化・少子化が進む日本にとっては喫緊の課題であり、今後ますます多くの方の理解が必要なトピックだと思っています。暗い話を演劇という明るくユニークな切り口でアプローチする姿に共感しました。(疋田裕二)

  • 「老い」というテーマをどう捉えるか、3者3様で面白かったです。中でも 劇団OiBokkeShiの活動は、長い人生を歩んできた人だからこそ出せる味が舞台で映えるという、若い人には絶対に敵わない円熟味に焦点を当てているところが魅力的だと思いました。また、その人の人生はもう終わりに向かっているかもしれないけれど、舞台に立って誰か他の人の人生を演じることで、まだ別の生き方を体験することができるなんて素敵だなと。スポットライトを浴び、観客に注目され、拍手をもらうのは刺激的だろうなと。

    誰もが病院のベットではなく自宅の布団で最後を迎えたい、と思っていると思いますが、この劇団の活躍で、最後はやっぱり舞台の上で迎えたい、というおじい、おばあが増えたら日本の高齢社会もちょっと明るくなるかなぁと思い、投票します。(浅井美絵)

  • 老いを否定するのではなく肯定することはひとつポイントになりました。特にOiBokkeShiを選んだのは、こういった文化活動がダイレクトに課題解決に結びつくことに感動したからです。(飯島拓郎)

  • 個人として演劇に関心があるため(宮本涼輔)

  • 老いに対しての負のイメージを演劇を通じて、明るく捉え、生きるパワーに変えている取り組みが素敵だと思うからです!(黒澤剛)

  • 老いと自己表現を融合させるアプローチが、よく考えると確かにとても相性がよさそうで物事の新しい見方を提示された気がしました。年を重ねる中でたくさんの喜びと悲しみを経験した皆さんが晩年に体を使って表現するもの、すごく興味が湧きます。(藤原麻耶)

  • 私は30代ですが、少しずつ変化を感じており、それは老いと表現できるのかもしれないと思います。しわが増えたり、眠りが浅くなったり、記憶の限界を感じる時もあれば、ゆっくり話せるようになったり、経験が増えることでいろんな気持ちが想像しやすくなったりすることもある。ルッキズムやエイジズムへの志向が強くなっている気がしますが、「オイ・ボッケ・シ」のような老いを楽しみにながら表現し楽しめる社会だと幸せかなと思い投票します。(嶋田康平)

  • 老いというと、弱い、終わりというイメージがつきまとう。誰にも等しく訪れる老いであるにもかかわらず、自分の老いは見せまいと渾身の努力をする姿も見受けます。あと少ししたら、私も同じことをしている恐ろしさを感じます。大胆に視点を変え、老いの特徴を活かして、固定観念の反転を試みる心意気を応援したいです。(阿曽祐子)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人数理の翼へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人数理の翼に対し77万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年11月は「幽玄」をテーマに推薦を募集し、公益財団法人世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会、一般財団法人ダイアローグジャパンソサエティ、NPO法人数理の翼の3候補があがり、荒川陸、宮本涼輔の推薦したNPO法人数理の翼が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

テーマ「幽玄」が表すもの --- 定量化できない、効果的利他主義の対象として考えることの難しいもの --- の一つは純粋な興味・好奇心だと思います。「みんながやっているから、将来役立つから」というような画一的な理由ではなく、なんでそれをやっているのか説明が難しい、好きだからとしか言えないようなこと、そういった事に自由に向き合える時間と環境が、個人の洗練された感性に繋がり、集合として「幽玄」を構築するのではないでしょうか。

NPO法人数理の翼が提供する「数理の翼夏季セミナー」は、自然科学という共通の興味をもった高校生たちがとことんその世界を探検することができる合宿形式のセミナーです。知識を学ぶのではなく、最先端の科学の考え・未解決問題を第一線の研究者から学ぶことで、参加者各々が持つ自然科学への好奇心を大きく追究することができます。高校生は、ともすれば受験勉強のような決められた土俵で、カリキュラムを機械的にやることが求められてしまいます。そういった時期に、そのような枠組みとは離れて、「自分が知りたいことを突き詰める」5日間はとても貴重な環境です。

推薦人の一人は実際、過去の参加者でした。そこで経験した、朝から晩まで自然科学をとことん考えるという体験は他では得難いものだったと思います。まず、集合場所から宿に向かうバスの中から、初対面の高校生同士、大学生のメンターが混ざり合って、量子物理学や数学基礎論などの議論があちこちで自然発生していて面食らいました。同じ部屋で布団が隣だった彼は、国際化学オリンピックで二年連続メダルを取っていて、化学が大好きで、就寝時間を超えても熱化学方程式の理論と、彼が今考えているテーマについて教えてくれました。日中は、現在ノーベル賞候補と言われる光格子時計の研究者である香取教授を初めとした先生方が、ほとんど手加減なしでその理論を説明してくださりました。到底全部は理解できませんでしたが、人類の知の最先端に触れた気がして、大きな刺激を受けました。自分は、この体験がきっかけで、研究者になって自分の好奇心を突き詰めたいと思い、今は博士課程で研究を行っています。布団が隣だった彼も同じく博士課程で研究をしていて、違う分野の同志として今でも貴重な繋がりです。

数学、化学、物理、生物など幅広い分野で強い興味を持つ高校生が、ほぼ無料で参加することができますが、NPO法人として金銭的な制約から、倍率の高い選抜を行わなくてはいけないのが現状です。一人でも多くの高校生が自由にその興味・好奇心を追究できる場 --- 「幽玄」の感性を育むことのできる貴重な場 --- を提供したいと考えて、推薦します。

以下公式ページの引用です。

『数理の翼夏季セミナー』は、数理科学に強い情熱と優れた資質を持つ若者に学年や地域の壁を越えた交流の機会を提供し、数理科学に対する意欲を育む契機を作ることを目的とし、毎年1回、全国から主に高校生の参加者を招待して、また科学の第一線で活躍する研究者を講師に迎えて開催しています。

豊かな日本の発展を継続させるために必要な高度な教育の重要性を鑑み、 フィールズ賞受賞者の広中平祐博士により創始された「数理の翼夏季セミナー」の歴史は四半世紀を超え、 セミナーの参加者自身によって当NPO法人は設立されました。 このセミナーでは、知識を習得するということよりも、最先端の科学にかかわる第一線の研究者から学ぶことにより、 自然科学に対する視野を大きく広げることを目的としております。 また、広範な専門分野で活躍する研究者や教育者となった者たちが集う同窓会(湧源クラブ)では、分野を越えた交流が進んでいます。 また、福岡でも数理の翼セミナーが開催されるようになり、東京ではワークショップなども盛んです。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • なんかすごいですね。最先端の科学にかかわる第一線の研究者から学ぶってさらっと書かれてますが、徹底的にそうなのでびっくりしました笑 単純に面白そうですし、ここまで替えの効かなそうな貴重な機会はこれからもずっと続いていてほしいです。(中島真)

  • 幽玄に向かうイメージに一番近く活動を選択しました。若年層の教育にかかる内容であること、活動実績、組織の事業報告がしっかりしていそうだったのも評価理由に含めています(前田昌太朗)

  • 今回は本当に悩みましたが、「学生を応援する」ということは、いま最も重要でありながら足りていない領域の一つだと思い、数理の翼を希望します。(上西雄太)

  • 学生のころ数学者を目指していたこともあり、数理の翼に贈与することが、過去の自分に「そういうあり方でもいいんだよ」とエールを贈るような、そういうかなり自分本位の気持ちで一位にいたしました。若い人が無心に自分の好きなことに没頭できる社会でありますように。そうそう数学の研究ってほんとうに幽玄の境地に触れる瞬間があるんです!(本間盛行)

  • 今回のテーマ「幽玄」は、投票者である私にとっても難しい問いでした。何となく選択しております。たまには偶有性に委ねて投票することも、再分配による富の均一化に寄与するのではないか、とも考えたりしましたが、言い訳の要素の方が多い気がします。(武井浩三)

  • 第一線で活躍する人から直接教わり、興味を同じくする同年代の仲間との出会いは、羨ましく魅力的な機会です。数理の翼さんの、刺激に満ちた機会の創出を応援したいです。(大政勇作)

  • 今回も全く違う方向から推薦されたもので、比較判断が難しいですね。それぞれの団体や活動に役割や意義を感じました。また、推薦人のみなさんが幽玄と団体をどう結びつけるのかもとても興味深いものでした。その上で、今回は推薦文の妙、面白さから「数理の翼」を選びました。なんだか見てはいけない世界を見てしまった気がします(笑)。数理の世界はすごいですね!そんな世界を覗ける高校生を増やす一助になると思い、第1位にしました。(山田泰久)

  • 私は大阪出身です。大阪は江戸時代には東洋のベネチアと言われたそうですが、今はほぼ見る影はないです。守りたい人も大勢居たとおもいますが、社会圧として結果的に捨てたと言えるとおもいます。本当は残しつつ発展する事ができたかもしれません。そういう行動変容を起こすにも、人が育たないとと思っています。今回は、守ってきた過去からの歴史を守るか、種を植えないと始まらないので、未来を育むかとい視点で決めました。(福原寛重)

  • 数理の翼の体験談を拝見し、その突き抜けた体験に興奮と羨ましさを覚えました。贈与論の寄付先のテーマとしては、家族に恵まれなかったり、障害をお持ちだったりする人への支援がたびたび話題になります。それは社会の「普通」からはみ出ていて「普通」の制度だけではそのギャップがあるから、NPOがそれを埋めているんだと思います。翻って考えると、優秀すぎて「普通」をはみ出た子供にもまた、ギャップを埋める存在が必要とされているのかなと思いました。(河原塚有希彦)

  • 好奇心が可視化しづらいことであるとともに、世の中の全ての課題に向き合うために知識のもとになる好奇心はとても重要なことでもあると思うので選びました。(宮本涼輔)

  • 理数は、わたし個人が苦手で無知識な分野なので、憧れがあります。笑 高校大学生が、第一線で活躍されている研究者の方から直接学べる機会は、とても貴重で得難い体験なのではと思います。最近の教育は、将来の役に立つ、立たないといったわかりやすさで評価されがちだと感じるので、こういった本質的な知を深めたり拡げたりする活動は応援したいです。(姜花瑛)

  • 「幽玄 意味」で調べると、「奥深くて、はかり知れないこと。趣が深く味わいが尽きないこと」と書かれていました。「知の幽玄」という意味で、数理の翼の活動はその熱量と可能性のはかり知れなさが想像でき、とても魅力的に感じました。子供でも大人でも、分野問わずこのような体験が自由にできる社会であってほしい、あり続けてほしい、という願いもこめて第一希望とします。(藤原麻耶)

  • いずれも優劣つけがたい、とても興味深い推薦先でしたが、、自分ではゼッタイに出会うことのできなかった団体、NPO法人数理の翼を上げてくださった推薦者の選球眼に敬意を表し、ここを第一希望とします。私や私の家族にはご縁がなさそうな団体ですが、未来を創る意義ある活動だと思います。(宮本聡)

  • 今回の投票はとても迷いました。恥ずかしながら、「幽玄」という言葉をこれまで使ったことも考えたこともなかったからです。推薦先についても全団体全く異なる活動をしており、改めて「自分は何を持って寄付したいと感じるのか」について考えることができました。(泰松美衣子)

  • 私は、人が大きく成長するためには、「才能」「努力」「環境」の3つの要素が重要だと思っています。「努力」は自分自身の意思で制御できる要素ではありますが、「環境」「才能」については、自分自身の力だけでは制御できない要素だと考えています。「数理科学」という好きなことに対して挑戦している時点で私は「才能」だと感じますし、そんな才能を持った学生たちに、教育と出会いという「環境」を用意することは非常に有意義であり、大きな未来への繋がりを感じました。応援しています。(疋田裕二)

  • 好奇心の対象をとことん考えることの楽しさ、喜びは、自分自身が大学院に進んだ理由でもあり、高校生に最先端の研究を学ぶ機会を贈る活動に共感しました。役立つか否か、意味があるか否かを問われがちな時代において、こういった機会は尊く、未来を拓く活動だと思います。また、推薦人の方自身の過去の経験談もとても素敵で、こういう経験をできる高校生が増えればいいなと思い、票を投じたいと思います。(広井健一郎)

  • 自分だったら一体なにを推薦するだろうという難しすぎるテーマに対して、三者三様の推薦先に今月も唸りました。投票理由はほとんど直感です。推薦文にある「数理の翼」のプログラムはとても魅力的で、こうした好奇心に突き動かされる場がたくさんある、そんな世界を作りたいなと共感しました。(森康臣)

  • 今回はどれも一般に開かれた活動だったため、自分が行ってみたいか、体験してみたいかという感覚的なところで考えてみました。「量子物理学や数学基礎論などの議論があちこちで自然発生して」いるバスに自分も乗ってみたいと思い選びました。(嶋田康平)

  • 第一希望を「数理の翼」にした理由は、純粋に、自然科学に興味のある高校生が集まってとことんその世界に没頭できるなんて素晴らしい!と思ったからです。日本の高校生活は、大学への進路や専攻などを考えるうえで大事な時期ではありますが、学校のカリキュラムや受験勉強に時間を占領されて、そもそも何を自分は学びたいのかに触れられる機会が狭いなと感じていました。
    きっとこの体験をした生徒たちには、第一線の研究者から得られる刺激や、同世代や先輩とかわした熱い議論がその先の未来に大きな影響になるだろうと推薦文を読みながら思いました。こういった機会がより多くの生徒に開かれることを願って、またこのような試みが知られることで自然科学以外のテーマでも機会が増え、高校生世代が自分の興味関心や学ぶ楽しさを知るチャンスが増えることも願って、1票を投じます。(浅井美絵)

  • 理科嫌いだった私ですが、このプログラムはそそられました。興味のあることにとことん浸かる時間はとびきり楽しいでしょうね。応援します!(宮崎あおな)

  • 数理の翼は、以前合宿に参加したOBOGが運営スタッフとして入るのですね。恩送りができているのがいいなと思いました。合宿場所までの交通費も補助があるようで、経済的に恵まれない子供でも参加のチャンスがあるのが良いなと思いました。(鈴木亜香里)

  • これはという芽を見いだして育む地道な活動に見受けました。対象者を絞っての濃縮体験が、見えない闘いの道を行く科学者の礎になるように思いました。(阿曽祐子)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人チャリティーサンタへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人チャリティーサンタに対し77万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年10月は「嘘」をテーマに推薦を募集。一般財団法人非営利組織評価センター、NPO法人チャリティーサンタ、子ども演劇プロジェクトN.G.Aの3候補があがり、上西雄太、本間盛行の推薦したNPO法人チャリティーサンタが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

英語に、"White lie"という表現があります。「悪意のないうそ」と訳されることが多いですが、行きたくない飲み会に誘われたときに(本当は無いが)予定があると言って断る、という場面のようなことを指します。
このようなちょっとした「嘘」が生活をうまく回すことに役立つ場面も多くあるのではないでしょうか。(友人の前で見栄を張った結果新たな能力を身に付けたり)

誰もが正直であれば「予定調和」にしか進まないところが、少し嘘をつくことで思いがけない方向に進む。結果的にそれが誤配 / 贈与的な結果につながることもあるでしょう。
そして、これがもっとも広範に実践されているのが「サンタクロース」ではないでしょうか。ここまで普及していて、かつ経済まで動かしてしまう「嘘」は類を見ません。

今回は、この「サンタクロース」に着目してチャリティ活動を行っている「チャリティーサンタ」さんを推薦したいと思います。

<HPより活動の要約です>

サンタクロースを通じて、日本と世界の子ども両方にプレゼントが届きます

〇クリスマスイブの夜にサンタクロースに扮したボランティアが、小さなお子様がいる家庭にプレゼントを届ける「サンタ活動」
〇サンタ活動の際に家庭からお預かりしたチャリティー金(寄付)で、世界中の困難な状況にある子ども達の支援を行う「チャリティー活動」

チャリティーサンタはこの「嘘」にとてもリアルに取り組まれています。

活動紹介ページ「チャリティーサンタとは」に「1万人の子どもに届けて分かったこと」という記事が掲載されています。利用者が1万人を超えたのを機に行った調査の報告です。分析をもとに「ルドルフ基金」という新たな取り組みをはじめたそうです。親子関係は良いが経済的に厳しい家庭への支援活動です。

では、親子関係が悪く経済的に厳しい家庭への支援は?と考えてしまいます。
この「考えさせてくれるところ」が素晴らしいと思います。分析とその結果の対応をわかりやすく公表する。
公表しているからこそ、報告を読んだ人は色々と考えることができます。

一団体や一個人がカバーできる範囲は有限です。しかしプロセスを開示することで活動の可能性が広がります。
誰かが、さらに先のことや、その外のことを考えることができるからです。

企業への呼びかけ方、個人の参加方法の説明、様々なプロジェクトの紹介。
どのページを見ても、チャリティーサンタの活動をわかりやすく開こうとする意思を感じます。
チャリティー活動の一つのスタンダードとなるような発信力の高さも含めて、チャリティーサンタを推したいと思います。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

見返りを求められず、与えられるだけの「愛としての嘘」がもたらす意味を考えるきっかけが、現実世界で与えられない子どもたちに、少しでも行き届けば良いと思いチャリティーサンタを選びました。(松木耕)

  • 個々人で経験は異なるとは思いますが、サンタの「嘘」を知った経験は若干の寂しさと共に「少し大人になったかな」と感じた経験の一つでした。それでもクリスマスやサンタにまつわる記憶は楽しいものばかりで、今でも来月が楽しみです。「嘘」が持つ二面性を感じることができる「サンタ」をテーマに取り組まれているチャリティーサンタさんを今回は応援したいと思います。(上西雄太)

  • チャリティサンタの活動は、個人的にも毎月支援させて頂いております。代表の清輔さんの想いに深く共感しているからです。また僕自身、三児の父として少しでも多くの子どもたちに笑顔になってもらいたいと思っております。(武井浩三)

  • 優しい嘘が人を守ることもあると思っているため。(中村タカ)

  • サンタクロースという「嘘」により、サンタ役の人も、寄付金を払ってプレゼントをもらう家庭も、支援を受ける家庭も、皆が幸せになる仕組みに感動しました。特に、「サンタの存在を信じなくなったときに渡す未来の手紙」を読んで号泣してしまいました。手紙で嘘をついていたことを告白するのですが、この手紙を読んだ子供は、たくさんの大人から愛を受け取っていたと気づくでしょう。きっとその子はペイフォワードを続けていくことになると思います。なんと幸せな嘘でしょうか。全力で「嘘」を演出する仕組みをつくったチャリティーサンタさんに票を投じます。(鈴木亜香里)

  • 悪意のないウソ、良いウソってたしかにあるよなあと思い、サンタはたしかにそうか!と思ったので第一希望にしました。最近は社会課題の解決に貢献できそうかという軸で選びがちだったなあとも思い、今回は楽しさの輪が広がりそうという軸で選んでみました。(中西晶大)

  • チャリティーサンタを選びました。実際のサンタクロースや今もヨーロッパなどの一部で行われる古いイベントとことなり、現代の「サンタクロース」というイベントそのものが、すでにギフトの形態であり、一種の贈与の形態の一つだと思っています。サンタクロースから第三者的に渡すことをサポートすることで、子供は夢を信じることもできます。親がサンタをやってバレると結局親からのプレゼントになってしまうので、それを回避することも贈与的な視点では大きいと思います。これを全国規模で実施しているのはすごいですが、それでも運営に資金的な苦労は多いと感じます。このような灯火を消さないためにも、サポートできると良いなと思いました。(福原寛重)

  • 私は幼いころクリスマスの朝に枕元に置かれたプレゼントが嬉しくてたまりませんでした。たくさんの子供たちにそんな喜びを生む、チャリティーサンタの活動を応援します。(大政勇作)

  • 「嘘」と聞いて自分ならばどういうものを推薦するかなあと考えていたのですがそれがたまたまサンタクロースだったこともあり、テーマへの共感が強かったです。HPにある動画には実際にプレゼントを子供達に手渡す瞬間が収められており、サプライズ好きな自分としては心が動かされました。チャリティーサンタに一票を投じます。(荒川陸)

  • とても素敵な取り組みだと思いました。(高橋祥子)

  • 推薦文にある通り、わたしもサンタクロースは特筆すべき「嘘」の好事例だと思います。その規模、その善意、その歴史。どれを見てもこんなにも完成された嘘は他に見当たりません。このチャリティーサンタの活動はその「嘘」を「本当」にしてしまうと同時に、本当と嘘の差分を寄付に変え、貧困家庭の支援にまわすという、素晴らしいモデルを確立していると思います。活動が拡大し、多くの人に「嘘」という「夢」を届けることを期待しています。(桂大介)

  • サンタクロースのプレゼントは書かれているようなまさに優しい嘘だと感じました。世界にはプレゼントを受け取れない子供たちもいる中で、少しだけでもその優しい嘘で喜びを与えられたら、と思い投票させて頂きました。(海野慧)

  • 今回も考えさせられました。嘘っていろいろな面を持っていることを改めて感じました。たった一夜のサンタクロースは、演じられる側も演じる側にも、違う私になれる一瞬をくれます。それは永遠の一瞬になるように思いました。クリスマスをさびしい夜でなく、思い出の夜にしてくれる取り組みです。(阿曽祐子)

  • 自分が幼かった頃、毎年クリスマスイブの夜に、サンタがやってくることにワクワクとドキドキを感じながら眠りについていたことを思い出しました。サンタには色々なモノを届けてもらっていましたが、今考えると物質的なモノ以上に、「待ち遠しさ」であったり「幸せな気持ち」を届けてもらっていたのかなと思います。チャリティーサンタさんが目指す「サンタクロースのような人であふれた社会」。そんな想いやりの気持ちを行動に移せる人であふれた社会ってすごく素敵だなあと思います。相手へ想う気持ちが社会をもっと良くしていく。チャリティーサンタはそんな仕組みだと思いました。応援しています。(疋田裕二)

  • 非日常の楽しみは人生を豊かにするのだと思っています。その意味で、特別な体験をすべての人に届けたいと活動されているチャリティーサンタさんは個人的な思いに近いところがありました。シンプルに応援したいという気持ちで第一希望に選びました。(前原祐作)

  • 素直に楽しそう、もっと届くといいなと思ったのでチャリティーサンタを一位投票にしました。宗教的な背景を超えて、「サンタクロース」という概念はプレゼント・贈与を(少なくとも私には)とてもシンプルで直感的なものにしているんだな、と改めて考える機会をいただきました。(藤原麻耶)

  • どの組織も初めて聞くもので、意義ある活動をされいますね。希望先を選ぶのに、大変悩みました。しかしその中でも、チャリティーサンタが、「嘘」をうまく活用されていると思いました。困窮家庭などにサンタを送っていらっしゃるのも、とても良いですね。2020年度のサンタ新聞(活動報告書)を拝読しましたが、収支や活動もしっかりと情報公開されているところも感心しました。コロナ禍だからこそ思い出作りが大切、サンタのひげとマスクの両立が大変など、現場での工夫が感じられました。(西山裕子)

  • チャリティーサンタさんを応援したいと思ったのは、幼少期の贈与を受けた体験が、その瞬間の喜びなどの気持ちが思い出となり、いつかは彼ら自身が贈与する立場として、贈与の連鎖として彼らの未来への贈与につながるきっかけになればいいなと思ったからでした。(古川哲)

  • 世界で一番歴史が古く、大きく、そして人を幸せにできる嘘が「サンタさん」だと思います。活動内容がわかりやすく、未来ある子どもたちに夢を与える者であることはもちろんですが、プロセスを開示して当該団体の課題を解決してくれるような次のプレイヤーを産もうとしている姿勢も素晴らしいと思いました。(大前宏輔)

新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
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連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

特定非営利活動法人ピッコラーレへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、特定非営利活動法人ピッコラーレに対し75万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年09月は「生命」をテーマに推薦を募集。一般社団法人END ALS、公益財団法人日本自然保護協会、特定非営利活動法人ピッコラーレの3候補があがり、泰松美衣子、海野慧の推薦した特定非営利活動法人ピッコラーレが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

「特定非営利活動法人ピッコラーレ」を推薦します。

今回のテーマ、「生命」を考えたとき、たくさんの言葉が浮かびました。生きる、死ぬ、出産、循環する、生態系、エコシステム、、、。生命と言っても誰の命を思い浮かべるか、人間、動物、植物、、。生命をどこからとらえるか悩みましたが、今回はわたしたち人間の生命の始まりにフォーカスし推薦先を探しました。

そんな中、特定非営利活動法人ピッコラーレさんが、新しい贈与論にご連絡をくださいました。

新しい贈与論が発足し2年と少し経ちますが、こういったご連絡は初めてのことであり新しい贈与論としての活動が少しずつ認知されてきたということかと思いとてもうれし感じましたし、今回推薦先として探していた団体そのものだと思いました。

★ピッコラーレさんの活動について

団体HP:https://piccolare.org/
活動内容は主に4つで
・妊娠葛藤相談
・居場所づくり
・研修・啓発
・調査・政策提言
を行っています。

■団体として目指すこと

多くの方々にそもそも妊婦にまつわる課題を知ってもらう必要があると考えており、お取り組みをされています。妊婦さんによっては居場所がなく、行き詰まってしまうケースもあります。
そうではなく、「にんしんをきっかけに誰もが孤立することなく自由に幸せに生きていける社会へ」となるようにチャレンジされていらっしゃいます。そして、生む生まないも含めて、「セクシャルリプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)をしっかりと当事者が持てるよう支援されています。

■妊婦にまつわる課題について

・中絶や自殺、虐待など
6.5人に1人が中絶
中絶件数15.6万人
10代の妊娠の中絶が最多で、
10代が最多で40代後半にもピークとなります。

そして驚いたのは、周産期の死亡原因は自殺が最多となっていることです。産後うつなどは話を聞くことがあれど、妊婦の自殺では妊娠に気が付く2ヶ月目での自殺が多いと伺い驚きました。

そして赤ちゃんの虐待死も年間52人発生。そしてその中でも0ヶ月0日死亡が最多となっています。この数値は病院以外での出産のみが対象となっております。
居場所がない妊婦さん
それ故仕事が続けられない
その結果寮にいられない、など。
様々な理由で病院にかかれない妊婦さんが1人で出産し結果として悲しい状況に繋がることがあるそうです。

・出産に対する社会の見方

1番の課題は妊娠中絶出産は自己責任と捉えられていることだとおっしゃっていたのが印象的でした。法律や行政の課題よりも、我々の眼差しが1番の課題と捉えていらっしゃいました。そもそも「母乳」という表現は近年出てきたものだそうです。元々は「乳」と呼ばれており、泣いている子供がいれば乳が出る人が与える、という共有財産的な考え方があったそうです。

それが、核家族化が進んできたことにより、子育てそのものが共同で行うものではなく、自己責任化してきたことが課題であり、それ故に眼差しが厳しい状況です。「セクシャルリプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)の通り、生むも生まないも権利として当たり前なことが認知されていないことが課題になります。

■展開事業

・妊娠葛藤相談について

にんしんSOS東京、にんしんSOS埼玉、にんしんSOSちばという、妊娠をだれにも相談できず一人で抱え込み社会から孤立することを防ぐための、相談・支援窓口の運営。さまざまな状況にある相談者に対応できるよう、医療・福祉系国家資格保有者で構成されたチームが365日体制で相談を受け、関係機関と連携し、自立に向けてサポートしています。

・居場所づくり

居場所のない妊婦が安心安全な場所で信頼できる誰かと出会える場所としてのproject HOMEの運営。第1号は豊島区内の一戸建てで、医、食・職、住を提供しています。

シェルターではなく、地域にひらかれた場所として運営されており、自宅でもあるが、人との出会いなどが生まれていく場所としています。ピッコラーレだけではない頼る先ができる。出身者が戻ってきてまた担い手になっていく。そんな場作りをされています。
特設サイト:https://home.piccolare.org/

・研修・啓発

支援者養成のための研修や、セミナー・講演会などの開催。東京・神奈川・埼玉の小学校・中学校・高校で性教育出前授業の実施などを行っています。

・調査・政策提言

妊娠葛藤相談窓口から見える社会課題解決のために、研究者との共同研究、行政府のヒアリング協力、要望書提出、政策提言等を行っています。また、2021年4月にはこれまで相談窓口に寄せられて声を集めた「妊娠葛藤白書」が発行されました。

ピッコラーレさんは、新しいいのちに向き合いながら悩みを抱えたり葛藤したりしている人々に寄り添い、支えている団体であり、今回寄附というかたちで応援したいと思い推薦します。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 新しい贈与論を通じて、いつも「限られた選択肢から選ぶ」ということの難しさと葛藤を感じています。コロナでも命の選択が迫られたケースがあると聞きます。選んだものしか救えない。そんな社会自体をどうにかしたい。良くしたい。変えたい。そう思わざるを得ません。今月も選ぶことの難しさを強く感じる3つの選択肢でした。(武井浩三)

  • 生命というテーマと出産というテーマに非常に強い繋がりを感じております。命のはじまりである出産を、良い形で迎えられる方ばかりではなく、病院にすら行けていない方々がいることを伺いました。少しでも新しい命が良い流れで育まれるように、ピッコラーレさんを推薦致します。またこの度ピッコラーレさんはタイミング良く、初めて当団体宛にご連絡を頂きました。新しい贈与論が少しずつ社会に認知されてきたことであり、そのご縁も嬉しく感じております。(海野慧)

  • 推薦人の皆様のコメントを拝見し、各団体の活動の意義の大きさについて良く理解できました。素晴らしい要約をしてくださりありがとうございました。今回はその中でも特に共感した、特定非営利活動法人ピッコラーレさんの活動を支持します。包摂的な社会の実現に向けて、妊娠を望む夫婦や妊婦の支援、老若男女問わず性教育水準の向上は、特にジェンダー問題に遅れを取っている日本国内において重要課題の一つであり、かつ、本団体の取組は事業を通じた解決が難しい領域であると考えているためです。目の前の課題解決に取組ながら調査・政策提言を通じて構造改革を目指す姿勢や透明性の高い開示からは、非営利団体の模範となるような運営体制がうかがえました。今回の候補の中から支持を決めた理由の一因です。本寄付が当団体の周知拡大と事業発展に寄与することを願っています。(菅井夏樹)

  • 少子化で、出産・子育て支援についてとりだたされる中で、自殺する妊婦さん、産んですぐ死ぬ赤ちゃんがいることに、矛盾や怒りを覚えます。支援の必要のない人はどんどん産んでください。そんな感じ。自分の妊娠や胎児に対して嫌悪感を覚える、そういう事情での妊娠もあると思います。でも、妊婦さん自身も、赤ちゃんも、大切な命で、存在するだけで素晴らしいということを、ピッコラーレの取り組みで感じてもらえるのではないか。そう希望を持てました。妊娠=自己責任という考え方に対して一石を投じている点も惹かれました。妊娠~育児に限らず、病気療養や介護も、単一の家族だけで取り組む、と考えるのではなく、社会で見守ることが理想です。ソーシャルファミリーという考え方がじんわりと広がるうえで注目すべき団体と感じました。(宮崎あおな)

  • ピッコラーレさんが取り組む領域はとても重要だと思います。この手のニュースで特に子供が死ぬケースを見るたびに悲しさを通り越して、怒りを感じる事がよくあります。かなり悩みましたが、ピッコラーレさんを推したいと思います。この課題は、生活環境の改善としての社会全体としての、社会保障、所得の上昇、仕事の機会の提供、シングルマザー、ファーザー、妊婦に対する考え、などに対する理解など、多くの課題を有していると思います。そのそれぞれに、政策、啓蒙、マインドセット、自己努力の全てが必要でタフなアジェンダだと思います。その点だけでも支援したいという気持ちになります。ピッコラーレさんの日々の活動にリスペクトしつつも、より政策提言や、啓蒙活動、教育活動に力をいれていただきたいという思いを込めて、応援したいと思いました。(福原寛重)

  • 現代が生んでしまった「孤独」に対してサポートをしている団体を支援したいと考えました。(細野真悟)

  • 「母親が新生児を・・・」というニュースが定期的に報道されます。子どもを持つ身になってその事件の重みが痛切にわかるようになりました。主な原因としては妊婦(産後含め)のおかれている社会的状況が大きいと思います。ピッコラーレさんの活動で少しでもhappyな妊婦さん、そして子供が増えるといいと思います。(老木悠人)

  • 身近に流産や中絶を経験を経験した事のある方を存じ上げており、とても身近な課題と感じたため(黒澤剛)

  • “「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく…”とHPに記載されていますが、いま実際に孤立している状況の具体を知るにショックを覚えました。ピッコラーレさんが掲げるビジョンが実現され孤立のない世界に近づくことを願ってます。(中島真)

  • 今回も各組様々な方向から生命をとらえ、推薦先を決めていることにこの「新しい贈与論」のおもしろさを感じます。わたしはピッコラーレさんを推薦しましたが、お話を聞いたなかであった「妊娠出産は自己責任という社会の空気感を変えたい」という思いにとても共感しています。(泰松美衣子)

  • 今回の3つを見ながら、いのちは言葉にならないコトバを持っているのだと感じました。いのちのコトバを受け止めていくことが大切だとおもいました。いのちの始まりは、祝福と葛藤がセットだと思います。生の現場に人間社会の表も裏もギュッと詰まっています。「いのちの葛藤」に目を向けていくことが、何かを動かしていくように感じました。キャラクタのなかにあらゆる生が込められているのがとても印象的です。これ見るだけでも優しくなれる!(阿曽祐子)

  • 毎回勉強になる推薦文ですね。ここまでまとめてくださる推薦者のみなさんに感謝です。また、どの団体を推薦するのか、推薦者の葛藤やご苦労、本当にお疲れ様です。さて、今回はNPO法人ピッコラーレを第1希望に選びました。推薦文をじっくり読んでいる中で「人間の生命の始まりにフォーカスし」という箇所が強く印象に残りしました。生命の始まりといえば本来祝福されるべきことですが、その場面で葛藤している方、悩まれている方が日本にはたくさんいらっしゃるという事実があります。その問題に積極的に取り組んでいる団体がいるというのは希望だと感じました。ピッコラーレはもともとよく知っている団体ですが、推薦者の第三者の言葉で語られると、あらためて団体や活動の価値を再認識することができます。(山田泰久)

  • 少子化の日本において、妊娠しやすい環境づくり、妊婦のサポートが何よりも大事だと感じたから。(前田健志)

  • HPの最初の言葉に感銘をうけました「ピッコラーレは、「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せに生きることができる社会の実現を目指します。」私は「にんしん」に関与できても(おそらく生きている間は)、その当事者になれない生物学的性を持っています。生命がいまこうしてある非対称(オスとメス)が、まず、ある。それもまた生命のワンダーの一つです。けれどその非対称を男社会が無自覚に援用し、妊娠をめぐる諸問題についてはそこから「男」がすっぽりと抜け落ちたまま語られる構造がある。二重に間違っている。性という仕組みへの驚きを忘れた点において、そして、その上で妊娠を個人に閉じ込めてしまう点において。当事者でないから言えるお気軽な言葉なのかもしれませんが、本来、妊娠・出産とは生命(蔓延るもの)にとって、最大級の贈り物であるはずです。妊娠された方が健やかに生きることと、新しい命の誕生を皆で祝福することと、その双方が<常に><ともに>出来る社会を、これは生きているうちにつくりたいです。(本間盛行)

  • ピッコラーレについて、妊娠に関わる問題は従来「10代の妊娠」という点に焦点が当たりがちであるが、それにとどまらない範囲で様々な妊娠に関する問題に取り組んでいる部分が今の社会で必要と感じた。(今田公基)

  • 子育てをしていて核家族で育てるのはかなり大変だと感じていて、これからの家族について考える良いテーマであると感じました。自己責任論が強くなりすぎている今の社会よりも、もっと出産と子育てを社会でカバーできる方向になると良いなと思いました。(宮本涼輔)

  • 虐待死は0ヶ月0日死亡が最多、というのは知らなかったですがなかなか辛いですね。ピッコラーレさんのサイトに相談事例が掲載されているのですが、どれも当事者の心苦しい気持ちが伝わってくる内容。https://nsost.jp/cases 一方なぜ世知辛いかというと、「孤立していること助けてと言えないこと自己決定できないことこそが問題だと考えます。」と書かれているように相談先や同じ境遇の人がいなく孤立してしまっているのも理由なのかなあと思われました。
    (主語が大きいのですが)インターネットメディアはその成立以来、孤独孤立に手を差し伸べていたと思うのですが、いざTwitterで10代の妊娠アカウントを見つけようと思ったら結構難しい。(ただしシンママは結構見つかる。点か線かの違いがあるんでしょうね)。Twitterにすら書けない悩みに対してNPOがどうリーチできるか、なかなか難しいように思われますが、だからこそ。(河原塚有希彦)

  • 少子化が社会にとっても経済にとっても大きな影響を与えている中、出産にまつわるセーフティーネットの脆弱さを補う活動として、非常に意義を感じました。(上西雄太)

  • 必要な活動を、地に足がついた形でしっかりされている団体だという印象を受けました。正直なところ、ピッコラーレさんから新しい贈与論に連絡が来たと聞いたときは、「受け取る側が求めてしまったら、贈与ではなくなるのでは?」などと思ってしまいました。が、ビジョンの実現にむけて、できることは何でもするという姿勢が素晴らしいと感じ、一票入れさせていただきます。私も子供がいますので、個人的にも思い入れが強い分野でもあります。(鈴木亜香里)

  • 10代の望まない妊娠。二人の娘を持つ父親として他人事ではありません。うちの娘がもしもそんな状況になってしまった時、きっと父親には相談しないでしょう。母親にだって相談できないかもしれない。そんな時に相談できる場所があること、頼れる場所があることはどんなに心強いことでしょうか。社会にそんな場所を作ってくれている団体があることで、娘たちには安心をしてほしいし、いざという時には大切な命が守られてほしい。年頃の娘を持つ父親からこの活動があることへの感謝を込めて、寄付先の第一希望とさせていただきます。(宮本聡)

  • 寄付への逆アプローチと、そのタイミングの絶妙さに可能性を感じたい。困ってるときは素直に助けてと言えるような社会になれば良いなぁ。(藤井宏二)

  • 新しい命との向き合いを支えるお仕事は本当に必要なことだと思いますし、何より団体さん自らが新しい贈与論にアプローチしてきてくださったという積極性が素晴らしいと思いました!(浅井美絵)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

認定NPO法人日本クリニクラウン協会へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、認定NPO法人日本クリニクラウン協会に対し71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年08月は「笑い」をテーマに推薦を募集。照天神社、特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ、認定NPO法人日本クリニクラウン協会の3候補があがり、西山裕子、河野淳平の推薦した日本クリニクラウン協会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

日本クリニクラウン協会は、赤い鼻がトレードマークのクリニクラウン (臨床道化師)を小児病棟に派遣し、入院している子ども達が、笑顔になれる環境をつくる活動をしています。
http://www.cliniclowns.jp/

今月のテーマ「笑い」に関する寄付先として、私達は、芸人や喜劇に関する団体を考えました。連想を進めるうちに、ピエロが入院患者を訪問する団体の記事を思い出し、「子ども達に笑顔を届ける」という活動が、趣旨に合うと思いました。よりリアルな一次情報取得のために、2021年8月26日に協会を訪問し、事務局長の熊谷恵利子様と対面でお話ししました。

歴史

もともと、この活動はオランダの財団が行っており、オランダ総領事館の文化紹介で日本に紹介され、それを知った日本の医療関係者が、2005年から始めました。オランダでは有名な団体で、寄付だけで年間10億円集まります。欧米では、寄付をするのは当たり前で、野球チームを応援するように、どの人もひいきの団体があり、「私は動物保護に寄付している」「君は環境問題だね」「私はクリニクラウンを応援するわ」という会話が、日常的に成り立っているそうです。

日本クリニクラウン協会も、発足当初は寄付だけで運営していました。しかし、2008年のリーマンショックの際、寄付額が激減し、活動の継続が危ぶまれました。それでも、子ども達を定期的に訪問してほしいという病院からの要望があり、また、希望する病院も増えたためクリニクラウンの交通費や謝礼を払ってもらう自主事業を、一部提供しました。2019年度には48施設、のべ288回の訪問をし、9588名に関わりました。ところが、コロナの影響で2020年2月から訪問が制限され、病院の経営も悪化し、自主事業はほぼ中止となりました。

現状

コロナで病院への一般の人の面会は制限され、入院患者の子どもが遊ぶプレイルームも利用できなくなり、子どもが他者との交流を通じて得られる成長機会がほとんど失われています。厳しい環境に置かれた子どもと親のために、日本クリニクラウン協会は、2020年4月にWeb事業を立ち上げ、4つの取り組みを始めました。

・ YouTubeクリニクラウンチャンネル動画配信 
・ インスタライブやYouTubeライブ配信
・ クリニクラウンWeb訪問(バーチャル訪問)
・ 新型コロナに負けない!小児病棟の療養環境を支えるプロジェクト(タブレットの貸し出し)

2020年度のWeb訪問は18施設、訪問回数97回、自宅療養中の子ども達とも146回アクセスし、Webで出会った子どもは849名になりました。

Web訪問は、Zoomを使って双方向に話し合い、リアルと同じワクワク感をもたらします。Webならではの利点もあり、従来の活動では接することのできなかった移植前の患者が入る「クリーンルーム」にも、タブレットを一台置いて訪問できます。一般病棟にも一台、クリニクラウン側で一台、合計3台でコミュニケーションをとります。クリーンルームにいる手術前の子ども達は、辛い治療をしていることを、一般病棟の子ども達は知っています。普通は会えないのに、タブレットを通じて顔を見て、「あー、Aちゃん!」と大喜び。クリニクラウンと一緒に、歌って踊って、笑顔が生まれることで入院中の苦しみを一瞬でも忘れ、前向きな気持ちになることができるのです。

長期入院している子ども達は、単調な生活になりがちです。しかし、月2回のクリニクラウンの訪問は、子どもも親も、そして病院スタッフも励みや喜びとなります。昼からのWeb訪問なのに、「ピエロさんが来るよ!」と早起きして待つ子ども達もいます。

課題

コロナ禍で分かったのが、病院にはWeb訪問するための機材やWi-Fi環境が不足していることです。電子カルテなど、病院でパソコンが使われていますが、個人情報もあり、一般患者が使うことはできません。そこで日本クリニクラウン協会では、タブレットPCを貸し出し、通信費を負担するなども行っています。活動を継続するために、クラウドファンディングもしています。
https://readyfor.jp/projects/cliniclowns2021

病院経営が厳しくなってきた昨今、Web訪問は無償で提供しています。協会は、一般の方に活動をもっと知ってもらい、継続的な寄付を募りたいとのことです。このタイミングだからこそ、私達も支援する価値があると思います。

長期入院する中で、クリニクラウンの訪問後、旅立ってしまうお子さんもいらっしゃいます。5歳で亡くなった女の子のお母さんから協会に手紙と似顔絵が届き、新聞記事ともなりました。
http://www.cliniclowns.jp/wp/medialist/20200627yomiurinews

熊谷さんは、「多くのこどもに笑顔を届けたい」と1時間近く、熱く語ってくださいました。

「新しい贈与論」が目指す寄付文化の発展、「笑い」を病気の子どもたちに届けるという今月のテーマとの適合性、熱心に取り組む団体の活動を応援したいという3つの理由から、私達は、日本クリニクラウン協会を、寄付先として強く推薦いたします。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 世界の未来を作り上げていく子どもたちの笑顔を作っていく活動に共感したため。(前田健志)

  • 3つとも魅力的な寄付先だなと感じました。ピックしてくださった方ありがとうございます。色んな活動をされている団体があるのを知れて、その人達の想いに少し触れられたように思います。子どもの孤独に向き合うというコンセプトが素敵だなと思い第一にさせてもらいました。(卜部宏樹)

  • どのチームも「笑い」を違う角度からとらえているところがおもしろいなと思いましたが、ストレートに笑顔を届ける活動をされているクリニクラウンさんを支援したいと思いました。
    コロナ禍で病院の中はお見舞いに来られる方も減り、医療従事者の方々も慌ただしく、そこで過ごす子供たちにも余裕がなくなってしまっているのではないかと想像します。少しでもたくさんの方々に笑顔が届けれられるといいなと思います。(泰松美衣子)

  • 子供が入院したことがあるのですが、その間期間できるや、させてあげること少なく、子供も親としても気持ちが下がってしまう経験があったので、笑いが増える機会が増えるのは素晴らしいと思い、子供に笑いを届けるクリニクラウンの活動を応援したいともいました。(宮本涼輔)

  • 推薦人でもありますが、日本クリニクラウン協会は、病気の子どもたちに笑顔を届けるために、熱心に活動されているので応援したいです。コロナ禍で、面会が制限され、病院からお金も取れない苦しい状況を、私たちで少しでも助けられれば幸いです。第二希望にした照天神社は、初めて知りましたが、確かに必要な活動ですね。頭が下がります。(西山裕子)

  • 「すべての子どもに子ども時間を」この言葉が響いて、クリニクラウンを第一希望にしました。長期入院する子どもたちのことに想いを馳せた時、その親御さんのお気持ちを想像しました。
    「自分に何ができるか。変わってあげたいけれどそれもできない。」悔しい、もどかしい、辛い。そんなお気持ちを想像しました。そしてこのコロナ禍。会いに行くことすら自由にできないのは、親としてとてもつらいと思います。そんななかクリニクラウンさんのWEB訪問の取り組みは親御さんにとっても、嬉しい・安心できるものだと思います。
    また、従来の活動では接することのできなかった移植前の患者が入る「クリーンルーム」にも、WEB訪問なら会いに行けるというお話も、さらなる可能性を感じるすてきなものでした。ぜひこれからも、子どもが笑顔になる取り組みを続けてほしく、寄付という形で応援したいです。今回は、上記の気持ちと、直接事務局の方にお話を聞きにいかれた熱量も汲みたく、クリニクラウンを第一希望にいたしました。コンボ、照天神社も素晴らしい取り組みで、今後もアンテナを伸ばしていきたいと思いました。(宮崎あおな)

  • 闘病生活によって、自由を奪われ、辛い思いをしている子どもたちも少なくないと想像できます。そんな子どもたちに笑顔を届ける活動をしていると拝見し、寄付したいと思いました。
    子どもの笑顔には平和な社会を作る力がある思っています。子どもの笑顔を見ていると元気でポジティブな気持ちになるのは私だけでは無いのではないでしょうか。頑張っている子どもたちのために、また闘病生活でストレスのたまっているご家族や、まわりの医療スタッフのためにも、活動を応援しております。(疋田裕二)

  • 今回の3つの推薦先を見て、いのちは言葉にならないコトバを持っているとを感じました。いのちのコトバを受け止めていきたい、強く思いました。いのちの始まりは、祝福と葛藤がセット。生の現場に人間社会の表も裏もギュッと詰まっています。ピッコラーレさんの「いのちの葛藤」に目を向けていく活動が、何かを動かしているよう。キャラクタのなかに、あらゆる生が込められているのもとても印象的です。これ見るだけでも優しくなれる!(阿曽祐子)

  • 子どもの成長機会がコロナ禍で損なわれることは、大いなる損失だと考えました。子を持つ親として純粋に、共感したためこの順位にさせていただきました。(大前宏輔)

  • クリニクラウンの実施している内容にはとても共感できました。子供は大人と同じような感性を持ちながら、大人とは同じ時間感覚や経験を有していないので、日々の過ごし方も大きく異なるとおもいます。自分ではどうにもできない環境を変えてくれる力をクリニクラウンは提供していると思います。子供にはとにかく笑顔を提供してあげたいと思っています。(福原寛重)

  • 今回もみなさんの推薦文をなるほどなあと思いながら読みました。「笑い」の解釈も三者三様ですね。その中で、「笑い」をストレートに捉えた認定NPO法人日本クリニクラウン協会に投票しました。
    ちょうど昨日、NHKの朝のニュースで日本クリニクラウン協会の取り上げられていて視聴したのも何かのご縁です。ニュースでは、新型コロナ禍で病院に訪問できない中でオンラインでクリニクラウン活動をされている様子が映っていました。オンラインでも同じように笑顔を届けていましたが、参加しているお子さんの笑顔がとても印象的でした。その笑顔をもっと広げていただきたいと思い、日本クリニクラウン協会を応援します。(山田泰久)

  • クラウンの写真を見ると、訳も分からず涙が出そうになります。コロナ禍でも、いろいろと工夫をされている姿勢に感銘を受けました。また、直接お話を聞きにいかれたという推薦者様の熱意にも胸をうたれました。(鈴木亜香里)

  • 今月も悩みました・・・。クリニクラウンさんの活動はまさに「笑い」を届ける活動。コロナ禍で、待っている子どもたちに会いに行けない苦悩は察するに余りあり、さらにWeb訪問をしようにも病院のオンライン環境が整っていないという課題も乗り越える必要があるという点で資金ニーズがより強くあるということで第一希望に選びました。(浅井美絵)

  • 笑顔を届ける活動は尊いです。(大政勇作)

  • 支援団体の活動を通じて『笑い』が届けられているかどうかという観点で具体的に想像した時にクリニクラウンが最も適していると思ったから。笑いが起こることで子供達が生きる希望を昨日より今日持てることに社会的な意義を感じました。(河野淳平)

  • コロナ禍の今、必要なところにタイムリーにという思いで選びました。実際のところはわかりませんが、なるべく想像力を働かせて…という意識です。(前原祐作)

  • 笑いというテーマがなければこの団体に出会わなかったのではないか。それくらいテーマにぴたりとあった、ユニークな団体だと思います。これぞ奇縁というものでしょう。そして奇縁に寄付を託していきたい、と思います。ぼくも笑うこと、楽しいことが大好きです。とても素晴らしい取り組みだと感じました。(桂大介)

  • 3団体とも、とても社会的価値と意義のある取り組みを行っていると思いました。昨今の社会課題は、そもそも金銭的価値に換算しにくいものが多く、貨幣経済偏重の社会に憤りと無力感を覚えます。
    今回第一推薦をさせて頂いたクリニクラウンさんは、そんな社会の鬱憤や滞りを、優しく軽やかに笑いに変えてくれる、素敵な印象を受けました。私自身3人の子育てを通じて、すべての子供の健やかな生活を心から望んでいます。クリニクラウンさんを通じてこの共同寄付がその活動の一助になれば嬉しいです。(武井浩三)

  • テーマからの展開が素晴らしく、推薦人の方の発想の広がりに感嘆する月でした。全く異なる軸で選ばれた3つはどの活動も必要なシーンが浮かび、とても比較が難しいように感じました。
    今回は金銭面で大きく活動が制限されていることが、明確に推薦文から伝わってきたクリニクラウンを第一希望に選びます。病児医療の世界にもたらされる笑顔は、医療とは別のアプローチで子どもたちの回復に大きく寄与しているのだろうと感じられました。(志賀響子)

  • 闘病をしている子供達は当然気が滅入りがちになるかと思いますが、そこで後ろ向きになってしまうことでどうしても悪いスパイラルに陥りがちなものと想像しております。少しでも明るく笑顔になれると、そのスパイラルを食い止め、プラスのスパイラルに変わるのではないか。そんな想いでクリニクラウンを推薦致します。(海野慧)

  • リーマンショック時における活動の危機に自主事業で対応し、今回のコロナ禍における難しい状況に対してもオンライン化で取り組みを止めない姿勢に感銘を受けました。これほどの困難に対して臨機応変にスピーディーに活動されている姿から、多くのNPOで取り組まれている課題の重さを再認識します。子どもには笑顔でいてほしいと心から思います。日本クリニクラウン協会さんへの寄付を希望します。(中島真)

  • コロナ禍であっても新しい取り組みに挑戦されるなど、前向きな姿勢に共感しました。時代が落ち着いたら、またこどもたちに直接笑顔が届けられるよう願っております。(碇和生)

  • コロナが広がり始めてからすぐに面会方法を変更したことなど、今後も柔軟に先進的な活動を進めていける団体だと感じました。推薦人の方々が実際に団体を訪問された推薦文の説得力も、日本クリニクラウン協会を選びたいと思う一因になりました。(広井健一郎)

  • この世を良い方向へ変える、時間が多い寄付者順に。生きてる間の幸せを最大化してあげたい。(山口公大)

  • 今回クリニクラウン協会さんに決めたのは、推薦者さんの直接話を聞きに行かれた熱意、子供の支援という点もさることながら、多くの技術的選択肢はありながらも、病院に必要なリソースが行き届いてない現状を改めて痛感しました。医療という私たちの生活基盤を支えてくださるみなさんが、様々なかたちで奮闘されていることに改めて胸を打たれ、支援の一票を投じたいと思います。(森康臣)

  • 病気を忘れてこどもたちが、ただただその場が楽しいと思える「笑顔」になる時間を過ごすことを通して、こどもたちの成長を支えることに共感したことと、そしてこどもたちだけでなく、御家族や医療従事者への配慮もあり、とても魅力的な活動で応援したく、人と人とがクリニクラウンさんを第一希望とさせていただきました。(古川哲)

  • 現在は、病院職員が変わりの役をしてることも多く職員と患者の適度な距離を保つためにも外部からドンドン入る方が良いと思います。(藤井宏二)

  • 医療がリーチできない領域に踏み込んでいて、かつ「機材やWi-Fi」という事業上の課題が明確であり、寄合のお金をご活用いただけそうなイメージがあったからです。(河原塚有希彦)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人ぷるすあるはへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人ぷるすあるはに対し65万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年07月は「言葉」をテーマに推薦を募集。NPO法人ぷるすあるは、公益社団法人3.11みらいサポート、映画作家・牧原依里氏の3候補があがり、横田龍欣、嶋田康平の推薦したぷるすあるはが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

★「言葉」とメンタルヘルス

「言葉」と聞いた時あなたはどのような言葉が浮かびますか。私たち推薦人2名が初めて話した時、多彩なテーマが候補として上がりました。アイヌ語の保護、AIの言語処理、国語教科書の改正、「言葉」にまつわる社会テーマは多種多様です。その中から私たちはメンタルヘルス、というテーマを選びました。実は過去に二人ともメンタルに不調を感じたことがある私達だからこそ、伝えられる「言葉」を今ここに書きました。

では「言葉」とメンタルヘルスとはどのような関係があるのでしょうか。私(推薦人1)は現在「より多くの人に希望を伝えたい」という想いでコーチングの勉強をしています。その中で一番に感じていることが今まで仕事社会を生き抜く中で「自分」の強さやスキルを磨くことばかりを考えていた自分が、コーチングを一緒に学ぶ「仲間」のために必死になり、今まで自分一人では越えられなかった壁を越えられていることです。「自分」から「仲間」、どのような言葉を使って私たちが自分の人生を語っているかは想像以上に私達のメンタルを形作っているのではないでしょうか(参考記事に裏付け研究もあります)。

「障害」という言葉には激しい二面性があります。それは病気という形で患者や家族が自責をしないで済む「救い」の側面もあれば、病気や障害という言葉に貼られたレッテルとしての「責め」の側面もあります。メンタルヘルスと言葉、この難しい関係性とどのように付き合うことができるでしょうか。簡単に答えを出すことはできないですが、メンタルヘルスに関わる感情と葛藤をもっと言語化する、言葉にして理解しようとする中で答えを模索し続けることはできます。

★なぜ「ぷるすあるは」なのか。

ご自身がうつ病になったら、子どもにどのように伝えますか。

「ぷるすあるは」は、絵本やウェブサイトなどのコンテンツを通して、精神障害を抱えた親とその子どもを応援する団体です。そして、子どもたちと家族が安心と希望をもって生活できる社会を目指しています。精神科の看護師や医師などが中心となり、うつ病に限らず、子育てや不登校など様々なテーマについて、かわいく親しみやすいコンテンツをつくっています。

コンテンツ一覧:https://kidsinfost.net/shop/

活動の始まりは『ボクのせいかも…─お母さんがうつ病になったの─』という1冊の絵本。うつ病でイライラしたり、元気がないお母さんに混乱する子どもに、「キミのせいじゃないんだよ」という言葉を届ける本です。そして、親のうつ病について、誰がどのように伝えるべきかを考えるきっかけとなる本です。

こころの問題で通院する人は約419万人(2017年)。しかし、親の心の病気について、子どもの65.8%が何の説明も受けていない。説明やケアがないことは、子どもに大きな影響を与えます。

自分のせいじゃないか・・・

周りの人に言っちゃいけない・・・

自分がもっとがんばらないといけない・・・

そんな時に「あなたのせいじゃないんだよ」と伝えられたら、子どもの心に安心が生まれていくかもしれません。

★いくつかの声

・当事者の声(事業報告書より)

とても辛くて、手がつかない時、どうにか堪えていた日に、ぷるすあるはさんに出会いました。片手を繋いでもらえた様に思います。大人になっても、頼っていいんですね。子供達のためにも、自分のためにも我慢せずに、でも頑張ります。 これからもぷるすあるはさんの活動がどんどん広がって長く続いていきます様に。

・支援者の声(推薦人2)

私は非行をした子ども(いわゆる非行少年)を支援する保護観察官でした。親が精神疾患を抱えている子どもにも会いました。その多くは、どうしたらいいか分からない状況の中で、必死に生きていました。自分も親のようになってしまうかもしれない、親を支えなくちゃいけない、将来はどうなってしまうんだろう。非行の奥には、そんな様々な思いが巡っていたのだと思います。私は、周りにいる大人の一人として、伝えられる言葉を持っていたのか、そして実際に伝えられていたのか。今でも考えることがあります。

言葉を見つけ伝えることは大変だからこそ、果敢に取り組むぷるすあるはを推薦します。

【参考記事】

https://www.researchgate.net/publication/254221761_Language_Use_of_Depressed_and_Depression-Vulnerable_College_Students
・「精神疾患の親を持つ子ども 誰にも言えない苦しみ」 https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/74/
・「親や家族がこころの病気や不調を抱えた子どもたちに、絵本や冊子を通じて「1人じゃないよ」を伝える」
https://jammin.co.jp/charity_list/pulusualuha/
・子ども情報ステーション
https://kidsinfost.net/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 「社会的弱者」という言葉が嫌いです。あるのは「構造的弱者」だと思っています。
    だから個人的に、社会構造自体を変えていきたいと思い、活動をしています。
    弱者を弱者にしてしまう社会自体が、変わるべきときに来ていると思っています。
    でもそのためには、気づいた人、手を差し伸べる余裕のある人、いま動ける人が、アクションを起こしたり、支援をしたり、とにかく一歩踏み出すことが必要なんだと思っています。

    今回も全ての支援候補に共感をしましたが、個人的な関心の高い候補を選ばせていただきました。
    人が人らしく生きられる社会を願っています。(武井浩三)

  • 特に資本が集まりづらそうな問題に対して支援したいのと、子供が親の精神状況に強く影響を受けることによって新たな社会課題への連鎖するのを身を以て感じているため、その根本から防ぐ可能性のある団体になると考えました。(中村タカ)

  • 家族の精神疾患にどう対応するか、は非常に難しい問題と思います。少し違いますが、親が娘を精神病棟に入院させた結果、ひどい対応をされたということが話題にもなりました。
    病院で診療をしていると、子供が精神疾患のある親を支えているという形もちらほら見ます。とても献身的で、いい子供さんだな、と思っていました。
    が、これもおそらくは生存バイアスで親が精神疾患で家庭がうまくいかないケースが目に見えてこないのでしょう。そのことに今回気付かされました。

    改めて考えると、ぷるすあるはの現状の活動内容は正直なところ必要な人に届かないのでは、という疑問があります。しかし、それは資金やさまざまな問題があっての判断だと思います。
    ただ問題点としてはもっとも共感できて、今回の寄付で、より広く届くようになるといいなと思いました。(老木悠人)

  • 私自身、メンタルヘルスで苦しんだ(正確には、今も付き合い方を模索している)経験があります。個々人で経験は全く異なるとは思いますが、私自身にとっては自身や他者とどう向き合うか、それを言語化し再構築していく、というプロセスでもありました。
    当時は独身だったものの、パートナーと出会ってからはその言語化の重要性を痛感しました。自分自身でもコントロールしきれない、説明しきれない自分の感情や状況は、他者にとっては不安であり、それがすれ違いを加速していく、、、親子の関係において、それがお互いにとってより重荷になってしまうことを想像すると、胸が痛みます。
    言葉だけで解決できるものではないですが、少しずつでも言葉にしていくことの意味を強く感じ、NPO法人ぷるすあるはを推薦したいと思います。(上西雄太)

  • 今回は推薦文の中で一番切実さを感じた NPO法人ぷるすあるはを選びました。
    伝える方(親)にも、伝えてもらう方(子ども)にも、「言葉」の切実さを感じました。今回の寄付で活動が少しでも発展することを強く願います。(山田泰久)

  • 精神障害そのものへの理解やケアは進んできたように思いますが、精神障害を持った親の子どもたちは、どのような気持ちを持って日々を生活しているのでしょうか。自分も成長期で不安定な時期に、親の障害を受け入れられない子どももいるのではないかと思います。増えるヤングケアラーの親の状況に関しては、身体障害の次に精神疾患、依存症が続くという記事も見ました。対象の子どもたちが、ぷるすあるはの絵本やコンテンツに出会うことで、家族の障害を理解でき、受け入れられるといいなと思います。(同時に、社会全体でケアできる仕組みや取り組みも必要だと思います。)(姜花瑛)

  • 今回は本当に甲乙つけがたく悩みに悩みました。順位をつけることに罪悪感を感じるほどどの活動も素晴らしく決して比較して良いものではないと感じさせられました。
    そんな中でも「ぷるすあるは」さんを第一希望とさせて頂きました。
    「精神障がいを抱えた親とその“子ども”を応援する」という点に感銘を受けました。
    子供はもちろん、親も合わせて乗り越えていかなければならないこの課題にこそ、その状況を理解して共にいてくれる支援者が必要だと感じました。
    是非一人でも多くの方々の笑顔が生まれるよう、ご活躍を応援しております。(海野慧)

  • 親が精神障害を持った時に子どもが受ける影響は、甚大なものがあると思います。なかなか届きにくい問題に取り組んでおられること、大変意義があると感じました。(西山裕子)

  • 説明が適切かわかりませんが「子供を教育する」という視点に共感しました。必ずしもとはいえませんが、子供の持つ世界は狭く限られているとおもいます。情報獲得にも限界があり、あらゆるケースを想像するだけの経験も練度もないとおもいます。本来ではれば子供の負担にならないように親が直接丁寧に説明すべきだとおもいますが、親自身が疾患を負っているとそれもままならないケースも多いと想像できます。(できていても、適切ではない可能性も含め)。
    子供の世界や視野を広げることや、視点を提供または代理することで、子供に適切な知識や判断するための材料、証拠、理由、などが提供されるのだろうとおもいます。子供は子供であっても考えられないわけではありません、単に経験や知識や視座が足りないだけだとおもいます。補ってくれる人やサービス、支援があることは、一人で悩むこどもとって明るいものとなるとおもいました。(福原寛重)

  • ちょうど最近、介護する子ども「ヤングケアラー」について人と話し合う機会を持ち、個人的にタイムリーな課題とリンクしたため「ぷるすあるは」さんに投票させていただきます。
    血の繋がり、かつ2世代で閉じがちな現代の社会において、親の精神疾患に直面する子ども・また子どもに伝える言葉を失う親の両面に目を向け、閉じない社会を目指す取り組みを支援したいです。(稲垣景子)

  • 親を支えることが子どもの人生に大きな影響を与えると思いますし、1人を支えることが何人もを救うことになるのだなと活動内容に共感し支援したいと思いました。(高橋祥子)

  • ぷるすあるはが応援している「精神障がいを抱えた親の子ども」は、最近になってその支援の必要性が強く叫ばれているヤングケアラーの一つだと言えます。ヤングケアラーとは、法令上の定義はありませんが、一般に、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアを引き受け、家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。このような状況下に置かれた子どもたちは、自分の意思で勉強したり休んだり遊んだりという当たり前の選択ができる「子どもの権利」が侵害されていることが往々にしてありますが、これが「家庭の問題」と放っておかれている現状が今の日本にはあります。このような問題にもっと光が当たるように、ぷるすあるはさんを今回の贈与先の第一希望とします。(宮本聡)

  • 桂さんの「新しい贈与論もまた、お金とともに言葉を贈る団体です」という文章から、今回はお金だけでなく言葉をともに贈りたいと思った団体を選びました。
    当事者が抱える問題には気づけても、子どもや家族など周囲が受ける影響までは想像が及びづらいというのは、前回のエスクルにも通じる重要な問題だと感じています。
    不安を感じている子どもたちに、あなたたちのことをちゃんと見ている人がいるというメッセージを伝える意味を込めて「ぷるすあるは」に投票したいと思います。(広井健一郎)

  • 自分がうつ病になったら家族にどのように伝えるのか。身近な人がうつ病になったら自分はどのようにするのか。そうなってみないと分からない。でも、そうなった時には考える余裕なんてないのかもしれない。そんな時に、ぷるすあるはの絵本が、「よりよく生きる」ためのヒントになってくれるのだろうと思いました。そういうヒントをもっとたくさんつくっていってほしいです。(嶋田康平)

  • 参加してからいままでで一番迷いました。どれも自分が今まで持たなかった視点で社会にアプローチされていた為、比較・順位付けが非常にしづらかったからです。
    その中で「ぷるすあるは」さんを選んだのは、一番この活動によって支えられる人の姿を切実に感じたからです。
    身近に精神疾患を抱える知人の顔が浮かび、その子供たちの顔が浮かびました。程度にも勿論よりますが、精神疾患は本人も周りにとっても付き合っていくのがとてもむずかしく、けれど長い付き合いを強いられる病だなと思っています。その病を抱える大人を庇護者とする子供は本当に困難を感じるだろうと思いました。その子どもたちに支援の手を差し出すことで、親を支えることにもなるこの活動を支援したいと感じました。(志賀響子)

  • 家族が心の病を抱えているとき、それが特に子供と親の距離が近いときは、子供の性格形成にも大きな影響を及ぼします。正直このケースは、実際に問題が起きてからでないと救えないことも多いと思いますが、それに対して向き合っている、この団体を応援したいと思います。(白川みちる)

  • 身近にもメンタルヘルスに困難を抱えた人がいるので、活動に共感しました(碇和生)

  • 精神疾患を抱えた親元で育てられた友人が数多くおり、とても身近な問題に感じたので、投票させていただきました。精神疾患は遺伝ではないですが、伝搬していく負の連鎖のようなものがあると感じているので、その子供を応援するというテーマに共感しました。(三上遼)

  • 家族の前にひとりひとりの個人として個々が存在する以上親だからとかではなく、個人個人として向き合える環境づくりはとても大切だと思うので。たまたまそこに存在してしまった子もまた然りで親に頼りすぎないサポート体制が取れるのはとても良いことだと思う。(藤井宏二)

  • 「NPO法人ぷるすあるは」さんに。今現在特にコロナ禍で孤独になりやすく、精神疾患が無かった大人も精神的に追いつめられて疾患を患ってしまったりが増えていると思っていたので。子ども達にはまず安心安全の土台が無いと全てが崩れやすくなってしまい夢も希望も持てない。親も子どもも温かく受け入れて深いケアをされている活動を応援します。(鈴木美香)

  • メンタルヘルスという課題は、私にとって最も身近なものでした。小児うつを患っていた幼少期、自責を繰り返す両親に対して「あなたのせいじゃないんだよ」という言葉は、もっとも伝えたくて、伝えられなかった言葉でした。親と子、立場は違っても、この取り組みによって救われる心があることを確信できます。多くの人に届いてほしいと願っています。

  • ぷるすあるはさんは、私も精神疾患を持っていたり、産後うつで自殺されたお母さんを持つ子が友人にいるため、個人的にも応援したい活動です。

  • 「どのような言葉を使って私たちが自分の人生を語っているかは想像以上に私達のメンタルを形作っている」「メンタルヘルスに関わる感情と葛藤をもっと言語化する、言葉にして理解しようとする中で答えを模索し続ける」こうした抽象の地平(非難ではないです)から突然「ご自身がうつ病になったら、子どもにどのように伝えますか。」と実にリアルな言語運用の問いを突き付ける「NPO法人ぷるすあるは」を推します。書き言葉を、今、そこにいる具体的な人に語ることばと接合することは、とてもとても難しい。私自身がメンタル不調になったときもその難しさに囚われていたような気がします。素晴らしい活動を知る事が出来ました。(本間盛行)

  • ぷるすあるはさんの活動は、これまであまり支援を得られていなかったであろう子どもに差し伸べられた大切なサポートだと思いました。親が精神疾患を抱えているということは日常生活に色々支障をきたすこともあるでしょうし、経済的な問題につながっていることも多いと思います。そんな子ども達がこのサイトや本にたどり着けたら、どんなにほっとするだろうかと。気になる家族や子どもに出会ったときにも、頼りになる情報が沢山あると思いました。(浅井美絵)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

新しい贈与論の寄付が累計1000万円に達しました!新規会員も募集します。

2019年10月にオープンした共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」の累計寄付額が、このたび1000万円に達しました。これを記念して、新規会員も募集いたします。

新しい贈与論は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくオンライン・コミュニティです。

日本の寄付についてはしばしば「日本は寄付が少ない」「寄付文化がない」と言われていますが、こと贈与という観点で見直せば、そうした指摘が必ずしも正しいとはいえません。中世頃から日本は類い稀な贈答文化を育んできた国であり、〈与える・受けとる・返す〉という贈与の一連のプロセスは、今日わたしたちの生活のさまざまな場所に発見することができます。

引越しの挨拶、旅行の土産、誕生日のお祝い。人と人の関係するところに、贈与が灯ります。一方で、お中元や結納のような贈与儀礼が廃れてきたこともまた事実としてあり、無尽や八朔といった習俗にいたっては、一部の地方にその姿を残すのみとなりました。個人主義や交換経済の際限なき拡大によって、古くから続く贈与の習わしの多くが煩わしいものとされ、簡略化や廃止が進んでいます。

わたしたち新しい贈与論はこうした日本古来の贈与文化や、モースをはじめとする諸外国の贈与論の研究からヒントを得て、日常に新たな贈与の光を引き込むために生まれました。


新しい贈与論は贈与の新たな実践として、これまでにない形の寄付を行っています。これをわたしたちは「共同贈与」と名づけました。

ふつうの寄付が好きに宛先や金額を選べるのとはちがって、共同贈与では決められた会費を納めたのち、毎月一度の推薦・投票により寄付先を決定し、全員の会費をまとめて寄付します。自身のお金にもかかわらず、推薦先・投票先に寄付できないことがままあるという、不自由で脱個人的な贈与です。

これまで21団体に寄付を行ない、2021年7月には累計が1000万円に到達しました。寄付先は以下の通りで、非営利か否か、法人か否かにかかわらず幅広い寄付先が選ばれてきたことが特徴的です(寄付日付順)。

任意団体FREEUSHIKU / NPO法人フリースクール全国ネットワーク / 一般社団法人日本プレミアム能力開発協会(プレミアム親子食堂) / 認定NPO法人3keys / 有限会社海の種 / 認定NPO法人国境なき医師団日本 / 一般社団法人Colabo / NPO法人日本こども支援協会 / 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい / NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム) / 社会福祉法人浦河べてるの家 / NPO法人OVA / NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター / NPO法人BONDプロジェクト / NPO法人となりのかいご / NPO法人キープ・ママ・スマイリング / ギークな看護師 吉岡純希氏 / NPO法人Babyぽけっと / NPO法人WorldOpenHeart / 旅行会社櫻スタートラベル 櫻井純代表 / 一般社団法人ひとり親支援協会(エスクル)

新しい贈与論の会員は現在64名。内訳はさまざまで、NPO関係者やファンドレイザーの方もいるものの、ソーシャルセクター外の方が多くを占め、寄付に無縁だった方も多数参加されています。寄付先もまたそれを反映するように、専門家的見地とはまったく異なった視点から採択されています。


新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続け、よりよい社会のあり方を考えてゆきたいと思います。

現在、新規会員も募集しておりますので、ご興味のある方はトップページより条件等をご確認の上、ぜひお申し込みください。

ご参加を心よりお待ちしています。


運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
理事      中島真・河原塚有希彦
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

一般社団法人ひとり親支援協会へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、一般社団法人ひとり親支援協会に対し65万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年06月はNPO法人キッズドア、一般社団法人ひとり親支援協会、郡上八幡観光協会の3候補があがり、藤野荘子、尾澤雄青の推薦したひとり親支援協会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

ひとり親を「孤立」から守るために活動している団体です。
https://skuru.site/

一般社団法人 ひとり親支援協会(エスクル)は、ひとり親を「孤立」から守るために活動しています。エスクルは、6月のテーマである「喪」とも深く関わりがあります。というのも、エスクルは、配偶者を亡くしてひとり親とその子どもたちに向けて、「エミナル」という集いの場をも提供しているのです。

2015年の国勢調査では、日本では母子世帯の世帯数がおよそ75万世帯(全世帯の1.42%)、父子世帯がおよそ8万世帯(全世帯の0.16%)にものぼることがわかっています。とりわけ母子世帯については、その平均年間就労収入が200万円にとどまり、子育てをするにあたって大変厳しい生活を強いられているのが現状です(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」)。

ひとり親になり、経済的にも厳しくなるうえに、何より母または父と子どもが残されると、家事も2倍以上になるし、何より精神的な余裕がなくなってしまうのは容易に想像がつきます。そのうえ、実際、若年層で死別した方のコミュニティは非常に少なく、ひとり親に至ってはほぼ皆無であるといわれます。「エミナル」では、配偶者と死別したひとり親の方々との間で、お互いが「ひとりじゃない」と思えるような関係性を構築することを目指しています。

―—推薦者がこの団体を選んだ理由

私は、4月に祖父を亡くしました。
親戚を亡くしたのは、初めてでした。

祖父が危ない状況だと知ったとき、実感がわかず、普通に毎日を過ごしているつもりだったのですが、精神的に余裕がなくなり、会社を休みました。実際に亡くなったときも、なかなかいつも通りの生活に戻るまで気力を使いました。

そんなことを思い出しながら、今回のテーマである「喪」を調べているときに、気になったのは「デス(Death)エデュケーション」でした。子どもが就学しているときに、いつか自分にも訪れる、そして、それより早く周りに訪れる死をどう受け入れるかなどを学ぶ教育です。

海外では、デス・エデュケーションはされています。教育として学ぶ必要があるぐらい、「死」というものを乗り越えたりすることは難しいということです。

これが子どもだったら、どうでしょうか。
「死」が何かということも分からないし、それを知ったとしても、受け入れることが難しいということは容易に想像できます。
だからこそ、私は今回、エスクルを推薦いたします。

―—参考

運営団体「エスクル」について

エスクルの特徴は、それぞれ得意分野を持ったひとり親自身が支援者やサポーターとなり、自主的に運営しているところにあります。代表の今井智洋氏も職場での人間関係によるメンタル不調から「孤立」に苦しんだ経験があり、その経験が、ひとり親やその子どもが抱えうる「孤立」への共感につながったとしています。

エスクルの活動は多岐に渡りますが、主に以下三つの機能を提供しています。

① 定期的な交流イベントの実施を通じて、子育てなどの悩みを共有・相談できるような関係構築の促進(懇親会、BBQなど)。
② 行政と連携して相談を実施、ひとり親の声を集めて国や地方行政への政策提言。
③ パートナーづくりに関する相談や街コン等の適切なイベント情報の提供。

エスクル公式サイト
https://skuru.site/

代表・今井智洋さんのインタビュー記事
https://soar-world.com/2020/01/14/tomohiroimai/

「エミナル」について
https://skuru.site/tsudoi/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000036563.html

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • どこも寄付したい先です。ただ、金銭的な切迫具合が高そうなところから優先順位を付けさせて頂きました。(武井浩三)

  • 親だけでなく、子どもにとっても支えになりそうな活動だから。デス・エヂュケーションは大切だと思いました。(藤野荘子)

  • 昨今、シングルマザーやファザーについての記事を読むことも多く、理解や支援は増えていると思っていました。しかし、ひとり親世帯は全世帯の1%ほどしかなく、まだまだ「孤立」を感じがちだと知りました。先日仕事相手から、「配偶者が死別して、子育てに奮闘している」と聞きました。しかし、どのように反応して良いかわからず、「大変ですね」としか言えませんでした。同じ境遇の人なら、もっと的確なことを話せたと思います。代表の今井さんの志や、当事者ではないのにこの団体を立ち上げ、運営されている点にも感心しました。ぜひ継続していただきたいです。(西山裕子)

  • 私も最近、親族を亡くしました。その時に家族、特に核家族の構成がいかに脆く、「喪」の経験が人々の生活を急激に、かつ予測不可能に変えてしまうかを強く実感しました。高齢化により、この傾向がより強くなっていくことが予想される中、ひとり親という観点ではありますが孤独・孤立から個人を守るという取り組みに強く共感し、「エスクル」を第一希望とします。(上西雄太)

  • ひとりで子どもを育てる人が暮らしづらさや肩身の狭さを感じることが多いのではないかと思います。そんな状況に対して、ご自身はひとり親という立場ではないにもかかわらず、支援の活動を積み重ねられているのが素晴らしいと思いました。当事者に近い非当事者として、「ひとり親」というカテゴリーの中の多様性に目を向けたからこそ、配偶者と死別した親の場づくりができているのかなと思います。そんな丁寧な実践を応援します。(嶋田康平)

  • 家族の死を受け入れること。これはとてもプライベートのことのように思いますが、この堪え難い経験をもっと社会として受け止めることもあっていいと思いましたし、孤立しやすい今だからこそ応援したいです。(古川哲)

  • ジャンルが似ているので迷いましたが、より資金を必要としていそうな団体を選定しました。(中村多伽)

  • 代表の今井さんのインタビューに心打たれました。当事者ではいらっしゃらない中で、この取組みを主導する難しさを「当事者ではないから出来ることがある」という思いで「公園の管理人」としての佇まいを持ち、運営されている姿勢を応援したいと感じました。(志賀響子)

  • ひとり親の精神的経済的負担は非常に大きいと感じており、その負担軽減に少しでもなれたらと思います(海野慧)

  • 人は生まれたときから孤独で、死ぬ時とひとりである、とはわかっているものの、いずれ訪れる本当の孤独は恐ろしいものです。その恐怖や不安を和らげる手段になればよいと思い、この団体を選択しました。(白川みちる)

  • ひとり親には想像しきれない孤独さがあるだろうなと感じたので。自分自身にそういう経験がないこと、父母両方いる家庭で育ったこともあり、だからこそひとり親を支援したいと思いました。(中西晶大)

  • 子育ては1人でするものではないと思っているので、少しでも社会全体で支えられるといいなと思っています。(高橋祥子)

  • 一人親世帯は経済的な面から負担を強いられるだけでなく、誰にも頼れない孤立状態に陥ることで、精神的な負担をも被ることになる。しかもその世帯主だけでなく、子どもが抱える負担も大きい。一人親世帯同士のつながり作りをサポートすることで負担軽減を図るエスクルの取り組みを、是非とも支援したい。(尾澤雄青)

  • コロナ等で困難が多いこの時代を生き抜くには、コミュニティーが大切だと実感しています。代表の今井さんが、当事者ではない立場からコミュニティーを支えているのが素晴らしいと感じました。また、贈与のインパクトが大きそうだとも感じたため、エスクルを選びました。(鈴木亜香里)

  • ひとり親家庭はちょっとしたことで誰にでもなり得る家庭にも関わらず、社会から孤立しやすいという状況は、社会にとって大きな損失だと思います。ひとり親家庭の方々が、孤立せずに少しでも過ごしやすい社会になるように、寄付を使っていただけたらと思います。(疋田裕二)

  • 手作り感にあふれる活動。行き届いた情報提供。当事者が当事者のために動く場をつくった代表者・助けることが生きる楽しみになっている運営メンバーたちの一体感と信頼感が感じられるホームページの言葉たち。悩みが違うモノへと変容する可能性が見えてきます。(阿曽祐子)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。