一般社団法人ひとり親支援協会へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、一般社団法人ひとり親支援協会に対し65万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年06月はNPO法人キッズドア、一般社団法人ひとり親支援協会、郡上八幡観光協会の3候補があがり、藤野荘子、尾澤雄青の推薦したひとり親支援協会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

ひとり親を「孤立」から守るために活動している団体です。
https://skuru.site/

一般社団法人 ひとり親支援協会(エスクル)は、ひとり親を「孤立」から守るために活動しています。エスクルは、6月のテーマである「喪」とも深く関わりがあります。というのも、エスクルは、配偶者を亡くしてひとり親とその子どもたちに向けて、「エミナル」という集いの場をも提供しているのです。

2015年の国勢調査では、日本では母子世帯の世帯数がおよそ75万世帯(全世帯の1.42%)、父子世帯がおよそ8万世帯(全世帯の0.16%)にものぼることがわかっています。とりわけ母子世帯については、その平均年間就労収入が200万円にとどまり、子育てをするにあたって大変厳しい生活を強いられているのが現状です(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」)。

ひとり親になり、経済的にも厳しくなるうえに、何より母または父と子どもが残されると、家事も2倍以上になるし、何より精神的な余裕がなくなってしまうのは容易に想像がつきます。そのうえ、実際、若年層で死別した方のコミュニティは非常に少なく、ひとり親に至ってはほぼ皆無であるといわれます。「エミナル」では、配偶者と死別したひとり親の方々との間で、お互いが「ひとりじゃない」と思えるような関係性を構築することを目指しています。

―—推薦者がこの団体を選んだ理由

私は、4月に祖父を亡くしました。
親戚を亡くしたのは、初めてでした。

祖父が危ない状況だと知ったとき、実感がわかず、普通に毎日を過ごしているつもりだったのですが、精神的に余裕がなくなり、会社を休みました。実際に亡くなったときも、なかなかいつも通りの生活に戻るまで気力を使いました。

そんなことを思い出しながら、今回のテーマである「喪」を調べているときに、気になったのは「デス(Death)エデュケーション」でした。子どもが就学しているときに、いつか自分にも訪れる、そして、それより早く周りに訪れる死をどう受け入れるかなどを学ぶ教育です。

海外では、デス・エデュケーションはされています。教育として学ぶ必要があるぐらい、「死」というものを乗り越えたりすることは難しいということです。

これが子どもだったら、どうでしょうか。
「死」が何かということも分からないし、それを知ったとしても、受け入れることが難しいということは容易に想像できます。
だからこそ、私は今回、エスクルを推薦いたします。

―—参考

運営団体「エスクル」について

エスクルの特徴は、それぞれ得意分野を持ったひとり親自身が支援者やサポーターとなり、自主的に運営しているところにあります。代表の今井智洋氏も職場での人間関係によるメンタル不調から「孤立」に苦しんだ経験があり、その経験が、ひとり親やその子どもが抱えうる「孤立」への共感につながったとしています。

エスクルの活動は多岐に渡りますが、主に以下三つの機能を提供しています。

① 定期的な交流イベントの実施を通じて、子育てなどの悩みを共有・相談できるような関係構築の促進(懇親会、BBQなど)。
② 行政と連携して相談を実施、ひとり親の声を集めて国や地方行政への政策提言。
③ パートナーづくりに関する相談や街コン等の適切なイベント情報の提供。

エスクル公式サイト
https://skuru.site/

代表・今井智洋さんのインタビュー記事
https://soar-world.com/2020/01/14/tomohiroimai/

「エミナル」について
https://skuru.site/tsudoi/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000036563.html

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • どこも寄付したい先です。ただ、金銭的な切迫具合が高そうなところから優先順位を付けさせて頂きました。(武井浩三)

  • 親だけでなく、子どもにとっても支えになりそうな活動だから。デス・エヂュケーションは大切だと思いました。(藤野荘子)

  • 昨今、シングルマザーやファザーについての記事を読むことも多く、理解や支援は増えていると思っていました。しかし、ひとり親世帯は全世帯の1%ほどしかなく、まだまだ「孤立」を感じがちだと知りました。先日仕事相手から、「配偶者が死別して、子育てに奮闘している」と聞きました。しかし、どのように反応して良いかわからず、「大変ですね」としか言えませんでした。同じ境遇の人なら、もっと的確なことを話せたと思います。代表の今井さんの志や、当事者ではないのにこの団体を立ち上げ、運営されている点にも感心しました。ぜひ継続していただきたいです。(西山裕子)

  • 私も最近、親族を亡くしました。その時に家族、特に核家族の構成がいかに脆く、「喪」の経験が人々の生活を急激に、かつ予測不可能に変えてしまうかを強く実感しました。高齢化により、この傾向がより強くなっていくことが予想される中、ひとり親という観点ではありますが孤独・孤立から個人を守るという取り組みに強く共感し、「エスクル」を第一希望とします。(上西雄太)

  • ひとりで子どもを育てる人が暮らしづらさや肩身の狭さを感じることが多いのではないかと思います。そんな状況に対して、ご自身はひとり親という立場ではないにもかかわらず、支援の活動を積み重ねられているのが素晴らしいと思いました。当事者に近い非当事者として、「ひとり親」というカテゴリーの中の多様性に目を向けたからこそ、配偶者と死別した親の場づくりができているのかなと思います。そんな丁寧な実践を応援します。(嶋田康平)

  • 家族の死を受け入れること。これはとてもプライベートのことのように思いますが、この堪え難い経験をもっと社会として受け止めることもあっていいと思いましたし、孤立しやすい今だからこそ応援したいです。(古川哲)

  • ジャンルが似ているので迷いましたが、より資金を必要としていそうな団体を選定しました。(中村多伽)

  • 代表の今井さんのインタビューに心打たれました。当事者ではいらっしゃらない中で、この取組みを主導する難しさを「当事者ではないから出来ることがある」という思いで「公園の管理人」としての佇まいを持ち、運営されている姿勢を応援したいと感じました。(志賀響子)

  • ひとり親の精神的経済的負担は非常に大きいと感じており、その負担軽減に少しでもなれたらと思います(海野慧)

  • 人は生まれたときから孤独で、死ぬ時とひとりである、とはわかっているものの、いずれ訪れる本当の孤独は恐ろしいものです。その恐怖や不安を和らげる手段になればよいと思い、この団体を選択しました。(白川みちる)

  • ひとり親には想像しきれない孤独さがあるだろうなと感じたので。自分自身にそういう経験がないこと、父母両方いる家庭で育ったこともあり、だからこそひとり親を支援したいと思いました。(中西晶大)

  • 子育ては1人でするものではないと思っているので、少しでも社会全体で支えられるといいなと思っています。(高橋祥子)

  • 一人親世帯は経済的な面から負担を強いられるだけでなく、誰にも頼れない孤立状態に陥ることで、精神的な負担をも被ることになる。しかもその世帯主だけでなく、子どもが抱える負担も大きい。一人親世帯同士のつながり作りをサポートすることで負担軽減を図るエスクルの取り組みを、是非とも支援したい。(尾澤雄青)

  • コロナ等で困難が多いこの時代を生き抜くには、コミュニティーが大切だと実感しています。代表の今井さんが、当事者ではない立場からコミュニティーを支えているのが素晴らしいと感じました。また、贈与のインパクトが大きそうだとも感じたため、エスクルを選びました。(鈴木亜香里)

  • ひとり親家庭はちょっとしたことで誰にでもなり得る家庭にも関わらず、社会から孤立しやすいという状況は、社会にとって大きな損失だと思います。ひとり親家庭の方々が、孤立せずに少しでも過ごしやすい社会になるように、寄付を使っていただけたらと思います。(疋田裕二)

  • 手作り感にあふれる活動。行き届いた情報提供。当事者が当事者のために動く場をつくった代表者・助けることが生きる楽しみになっている運営メンバーたちの一体感と信頼感が感じられるホームページの言葉たち。悩みが違うモノへと変容する可能性が見えてきます。(阿曽祐子)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。