NPO法人SIDS家族の会へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、NPO法人SIDS家族の会に79万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「子孫」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人ピルコン」「NPO法人SIDS家族の会」「ペトログリフ研究家 武内一忠氏」の3候補があがり、藤岡達也、三上遼の推薦したNPO法人SIDS家族の会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

http://www.sids.gr.jp/

3年前、妻が妊娠して始めて知ったのが、流産、死産や突然死の確率の高さでした。

子供は望んだからといってすぐできるわけでもなく、そしてようやく妊娠したとしても流産の確率は全妊婦の15%ほどもあります。安定期に入るまでは毎度の検診が気が気でなく、「今流産してしまったら夫婦共に正気ではいられないかもしれない」と強く感じました。「母子共に健康」という言葉の重みが身にしみます。

今回推薦する「SIDS家族の会」はSIDS(乳幼児突然死症候群)や死産、流産によって子供をなくした両親を精神的に支えるボランティアグループです。医療が著しく発達した現代日本においてさえも、流産や突然死は依然として他人事ではなく、これを支える「SIDS家族の会」のようなものは、人々にとって非常に大切な存在であると強く思い、候補とさせていただきました。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 少し前に無事に子供がうまれた。母子共に健康。本当に奇跡だと感じられる。今も成長を楽しみながらどこかでさまざまな心配がある。これだけ尊い奇跡を失ったらどれだけのものなのか計り知れない。子供の奇跡を感じているのはその過程にいる親であると感じる。不安な日々の支えが大きな存在だと感じた。(赤熊純)

  • 日本の出産時死亡率、乳幼児死亡率は低いが、現代では稀少児も多く、ひとりの子の死がもたらす影響は大きい。絶望の底にある方々へのメンタルケアこそが重要であると考える。次の世代に繋がる活動に一票を投じたい。(泉宏明)

  • 突然死や死産・流産という、どんな親にも起こり得るできごとに対して、微力ながら支援ができればと思い、この寄付先を選びました。突然死の原因が医学的に解明されきっていない中で、啓発活動などを通じて突然死の防止に取り組んでいることにも感銘を受けました。(朝野椋太)

  • 流産や死産について日本においてもこれほどの確率で起こることであり、継続的にサポートが行われることの必要性をとても感じました。(中島真)

  • こどもを亡くす、こどもと暮らす親である自分にとってそれは何よりも辛いことです。そういった方が生きるために活動されていること、とてもありがたく思います。(稲田遼太)

  • HPトップの「遺族支援をはじめとする活動をここまで続けてこられたのは、亡くした子どもたちとみなさまの支えのおかげです。」に胸を掴まれました。Befrienderという存在も初めて知りました。「ビフレンダーはSIDS家族の会の中で、子どもを亡くした遺族会員のうち、一定期間経過し、研修を受けて、お子さんを亡くしたばかりの会員さんの話を聞くボランティアをしている人のことです。」辛い経験をされた方が、その崖を登り越えて、似た経験をされた方を支援している。pay it forwardのような、果てしない過去と未来によって、現在が中間点でしかないのだと、救われる感覚を得ました。ぜひこの活動を応援したいです。(中垣智晴)

  • 苦しい思いをされている方のために長期間取り組みを続けられているSIDSさんを1位にしました。推薦分は簡潔ながら、活動の意義や特徴を的確に表していると思いましたし、拝見したウェブサイトも丁寧なトーンで作られており、心に寄り添っている活動をされているんだろうなと感じました。(金子遥洵)

  • 一位の決め手は、知らないことへの興味でした。乳幼児突然死症候群という病気があることも知らず、それによって悲しむご家族がたくさんいたことに驚きました。よりこういった活動が認知され、乳幼児突然死症候群の予防等の技術ができればと期待しています。(濱田太陽)

  • 今は「生きろ」というより「何も死ぬことはない」という気分なので(伝わりづらいですね)。(本間盛行)

  • 母子共にに健康ということは、当たり前のことではなく、命がけと聞いています。少しでも支えられたら、と思います。(白川みちる)

  • SIDSの研究、予防の為の環境や、SIDSによって深い悲しみにある方々に寄り添う十分な環境がより整う事を願い投票します。(守屋まゆみ)

  • 「死産、流産によって子供をなくした両親を精神的に支える活動」は、当事者や当事者になり得る全ての人にとって、セーフティーネットになり得ると思ったから。寄付というお金が流れるべきと実感している。(河合将樹)

  • 5歳の息子がいます。振り返ってみると、妻の妊娠中、産後数年間はやはり、彼の存在そのものの不安定さにそわそわしたものでした。加えて、私たち夫婦が子供を産み育てることに前向きになるまで時間が掛かったのも、女性の身体が抱えるリスクを受け入れるために必要なものでした。今やすっかりたくましく育った子供を見て、日々頭を悩ませる課題や不安は、もはやまったく次元の異なるものにはなりましたが、無事にやり過ごしてきた産後の数年間がなければ今の生活はないのだなとしみじみ思います。ひとりでも多くの母子の健康が守られてほしいし、悲しい運命に直面してしまった人たちを支える活動を、私も支援しなければと感じました。(森康臣)

  • SIDSを第一希望といたします。いま、やっと生まれてきたのに、そのまま亡くなるなんて、こんなつらいことはありません。当事者の気持ちを、私たちはぜったい判りようはないけれど、人に言えない、つらい気持ちを、ちょっとでも共有してるよ、と伝えたいです。(藤岡達也)

  • 今回は自分のまわりになるべく近しい課題意識という観点で選んでみました。(横山詩歩)

  • つい先日、知人が流産し激しく落ち込んでいたこともあり、SIDSを第一希望に選択させていただきました。(田中宏幸)

  • 自分の友人でも多くの人が流産で悩んだり、うつ病になったりを目の当たりにしてきた。SIDS家族の会のような活動がぜひ広まってほしいので1票。(高城晃一)

  • 助産院から病院へのシステムの移行により、子どもの死亡率が下がると共に、逆に母親の周産期うつが増えているという論文を読んだことがあります。いわゆるインパクトや効果測定の文脈では見落とされがちな「死」と「ケア」。改めてじっくり考えたいテーマだと感じました。(東詩歩)

  • やはりSIDSさんに寄付をしたいです。深い悲しみを抱えた方の支えとなる活動を30年にわたって地道に続けて来られた努力に心より敬意を表します。広報活動を通じてより多くの当事者の方にこの団体の存在を知って頂くために、またSIDSを減らすための啓発活動のために、私たちの寄付金を使って頂けると嬉しく思います!(坂本治也)

  • 今回は寄付先候補の相対から、明快に第一希望が決まりました。SIDSさんの活動が、そのいつかの 誰かの 助けになり続けられるようにと願いつつ。(masa)

  • コロナ時代を抜けてから日本人はオンラインでコミュニケーションを取れるということを知ってしまったが故に、オンラインで語り合う場が増えたと思います。そんな中でもオフラインで人の言葉を生で感じながら、自身の傷を語り合う場というのは非常に貴重なもので、なくしてはならないと思ったこと、長く活動を続けていることから本当に当事者たちのために活動しているんだなということを思い、SIDSさんに投票をしました。(佐藤みちたけ)

  • わたしたちに何ができるのかわかりませんが、言葉にならない一票を投じます。(桂大介)

  • 命の喪失はコミュニティ全体の問題。社会がそれを包み込むというメッセージとしての寄付行為・30年存続しているという継続的なニーズがある(世代が変わっても誰かが必要としている場)・交換ではなく贈与の関係性で社会が支えていく対象(中嶋愛)

  • 悲しみを分かち合うことは自分にはできませんが、そのような”場”を維持・運営され、多くの方の未来のサポートをしているSIDS家族の会に敬意をあらわしたいと思いました。(小澤 啓一)

  • 「閉じたイメージ」という言葉や「願い」というみなさまの言葉にSIDSは、やはり揺るがなかったです。(瀬田祐佳)

  • 個人でコントロールできないような偶然の出来事に対して、そっと手を添える活動にこそ贈与らしいと思い選択しました。(古川 哲)

  • これほど医療が発達した現代で「全妊婦の15%」という決して低くない確率に衝撃を受けました。オフラインでこのような場を提供しているSIDSさんの活動が、より多くの当事者の方たちに届いてほしいと思い、一票を投じます。(閏間絵里加)

  • 子どもの病気やグリーフケアといった、メジャーな医療からはこぼれ落ちてしまう領域だと思います。ご活動を応援したいと思います。(中川瞬希)

  • 私自身はSIDS家族当事者ではないものの、Webサイト上で紹介されているノンフィクション作品を小学生時代に共感的に読んだことを思い出しました。贈与論の議論では、互助団体的に閉じている/開いていることが選出の論点の一つとして上がりましたが、こうした団体の在り方に期待する意味を込めて投票しました。(佐々木優)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

認定NPO法人日本雲南聯誼協会へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、認定NPO法人日本雲南聯誼協会に79.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「民族」をテーマに推薦を募集し、「沖縄科学技術大学院大学(OIST) ヒト進化ゲノミクスユニット」「岡崎広樹氏」「認定NPO法人日本雲南聯誼協会」の3候補があがり、秋山福生、阿曽祐子の推薦した日本雲南聯誼協会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

中国雲南省の母系民族「モソ族」を支援するために日本雲南聯誼協会(https://jyfa.org/about-us/)への寄付を提案します。

◆雲南省

「民族」から、多様な民族、消えゆく民族へと連想を広げ、文化の多様性維持のためにも、ステキだと思う民族に貢献しようという方針を立てました。グローバル資本主義や覇権者による同化政策の影響で、少数民族の言語は2週間に1つのペースで消滅しているそうです。

辿り着いたのが中国雲南省に住む「モソ族」。推薦者はそれぞれ雲南省渡航経験者。雲南人に助けてもらったことがあります。緯度は熱帯なのに都市部でも標高2000mあり、過ごしやすい気候です。美味しいプーアル茶とキノコ料理に過橋米線という大胆な麺料理。雲南の人たちの明るい表情も魅力です。

◆モソ族

モソ族は最後の母系社会と言われています。世界的な課題の女性の社会的価値向上の観点でも注目を集めています。
・「おばあちゃん」が家長を務め、女性が働き男性が育児をする、
・結婚制度がなく大家族で結束し支え合って生きる。
・結婚の代わりに女性のもとに男性が通う。(走婚と呼ばれる)

数分でよいので、映像をご覧ください。美しい民族衣装を纏い力強く生きる人々の姿があります。
https://www.youtube.com/watch?v=eh7sADTOq9A

一方で、モソ族の社会にも、スマホや都市文化が流入しています。若者は漢民族との結婚、安定した生活を望み、土地を出ていくことを夢見ます。思いは様々ながらも、生きぬくモソ族の人々の姿に惹かれました。

◆寄付先選定

日本雲南聯誼協会は、雲南省の少数民族の貧困対策に取り組んでおり、モソ族も含まれています。日本からモソ族に繋がる数少ない団体です。

 ★オジサン主導の日本に生きる私には、女性主導で社会が回ってることが衝撃!この文化が成立していることに希望を持つ方も多いはず。美しい民族衣装などの文化も素敵で魅了されます。(推薦人A)

 ★そもそも人類は母系社会。命を生みだす母胎への信仰のもと自由な男女の結びつきがあった。やがて男女の争いが発生し、安定の一夫一婦制・父権社会へ移行したとのこと。私たちのマザーなるものへの恋慕を呼び覚ますモソ族の存在を知ることができてよかったです。(推薦人B)

<詳しくはこちらの記事もどうぞ>
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/17/082100199/
https://courrier.jp/news/archives/92904/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 第一希望は、少数民族のために積極的な活動を行い民族多様性を減らさないようにしている日本雲南聯誼協会さんにしました。(金子遥洵)

  • 「民族」がテーマということで、どんな団体が推薦されるのだろうと、とても楽しみに候補団体の案内を待っていました。なるほど、三者三様で「民族」というテーマにアプローチしているのがとても勉強になりました。国内の「今」を感じさせる民族、海外の少数民族、歴史から考える民族など。その中で、以前からある活動の雲南聯誼協会を第1希望にしました。

    同団体は15年前以上に活動を知っていましたが、今でも継続して発展して活動をしているということがうれしくなり、応援したいと思いました。個人的な縁で選びました。そして、推薦文の「推薦者はそれぞれ雲南省渡航経験者。」ということもすごいご縁ですね。(山田泰久)

  • 恥ずかしながら、「モソ族」という民族の名前をはじめて知りました。日本でも家族のありかたが多様化しているとはいえ、男女逆転の働きかたがスタンダードにある社会にとても興味があります。そのくらしには、どんな喜びや悲しみ、どんな幸せがあるのだろうか。まだ見ぬ土地と文化に思いを馳せて、投票します。(姜花瑛)

  • モソ族に限った話ではなく、教育機会の平等に取り組んでいるという観点で日本雲南聯誼協会に一票。教育の機会が与えられることでモソ族のような文化は今後どんどんとなくなっていく可能性も感じ、第三者としては寂しさも感じるが、一人一人が自分で自分の人生を決められる世界になると良いなと思う。(高城 晃一)

  • 「自分では見つけられない寄付先」という観点で順位をつけさせていただきました。寄付でつながったその先にどんな気づきがあるのか、楽しみです。(宮本聡)

  • 今回もすごく面白い推薦先だった。「推薦者はそれぞれ雲南省渡航経験者」というのが説得力があるなと思い一位にしました。私もいつか行ってみたいなぁ。(綿貫美紀)

  • 贈与を通じてモソ族と繋がりができるということ自体に何かちょっとドキドキしました。相互理解を持つきっかけはこんなものでいいのかも。(中村雅之)

  • 民族という概念の多様さをまんま反映したような悩ましいラインアップでした。推薦人の叡智に感謝・困惑です!どこになっても新しい贈与論らしいなとおもいつつ。「美味しいプーアル茶とキノコ料理に過橋米線という大胆な麺料理」このパンチラインで決めました。プーアル茶もキノコも麺も大好き!(本間盛行)

  • これまでモソ族という存在は知りませんでしたが、調べていく中で、日本や西洋の社会とは大きく異なる独自の社会構造、そしてある種の現代的な価値観を中心とした文化があることに驚きました。人類全体のグローバル化に伴って、マジョリティではない文化を受け継ぐことの難易度が上がっていますが、一度文化が衰退してしまうと、復活させることは大変難しくなります。モソ族の伝統の存続と一族への敬意を示して、寄付をしたいと思いました。(疋田裕二)

  • 最初は母系民族の「モソ族」に興味を持ち、その後、ホームページから活動内容や報告がしっかりしていることに関心を持ちました。さらに「Our Mission」に記載されている「教育こそが、貧困や偏見から抜け出せる最大の武器」が決定打で、「日本雲南聯誼協会」を選びました。(熊谷友幸)

  • フシギがいっぱいの推薦でした。母系社会ってどんな社会なのか。走婚とはなんなのか。将来はどうなるのか。なぜ推薦者の二人は雲南省渡航経験者なのか。この広い世界の下で、見知らぬ民族への贈り物ができる機会に感謝して、日本雲南聯誼協会に投票します。(桂大介)

  • 国境を越えて、少数民族と連帯しようという意思が素晴らしいと思ったので、雲南協会にしました。(坂本治也)

  • 民族という概念の危険性について考えさせられました。「民族の団結」を呼びかける政府が少数者を迫害した例はあげるまでもなく皆様ご存じかと思います。とはいえ、私たちは民族という概念から逃れがたいとも感じます。今回は、皆様の意見を聞いた結果、概念を追及するというより実際に存在する「民族とされているもの」への支援を考えました。候補の中でも、その希少性からモソ族の方々への支援に一票を投じます。「あなたたちは母系社会で希少だから援助します」というのも、まるで相手を標本のように見ている暴力性を感じないのではないです。ただ、希少な形態をとる社会(あえて民族とは言わない)に援助することは、多様なヒトの在り方に資するものと考えます。(泉宏明)

  • 今までの寄合で一番悩んだような気がします。この贈与が民族と民族をつなぐ縁となりますように。(中川瞬希)

  • 雲南は、モソ族初めて知ったし、面白い。そして、ご縁を感じました。寄附を通じて、モソ族が広く知られるきっかけになったら、うれしいです。(嶋田暁文)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

一般社団法人宗教2世支援センター陽だまりへ寄付を行ないました

新しい贈与論は一般社団法人宗教2世支援センター陽だまりに83.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「恨」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人アクセプトインターナショナル」「特定非営利活動法人アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」「一般社団法人宗教2世支援センター陽だまり」の3候補があがり、森康臣、坂本治也の推薦した陽だまりが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

かつて、私の恋人はおそらく宗教2世だった。

当時の私は新興宗教に関する知識がまるでなかったし、恋人Aさんが抱える複雑な家庭環境について深く話し合うだけの強さを、まだ10代の二人は持ち合わせていなかった。

「ハタチになったら、お見合いとかさせられるんだろうな」

“恋愛禁止”というAさん一家のルールに面食らいつつも、“両親非公認”のどこか後ろめたい交際を受け入れていた私だが、やるせなく、それも唐突に吐き出されたAさんの一言に、一体どんな反応を返せばいいか分からなかった。ちょうど今くらいの季節。肌が切れそうな寒い夜だった。

あれから何年も経って、私はその夜のことなんかすっかり忘れていた。ところが安倍元首相銃撃という凄惨な事件が起き、旧統一教会の報道を耳にするなかで、急に色々と思い出すようになる。

宗教2世に限らず、家族関係には恨みごとがついてまわる。私自身、恨みの類はそれなりに身近にあったから、怒りとか呪詛的な感覚は知っているつもりだった。その点では、Aさんから恨みの情念を感じることは少なかった。ただ代わりに、明るく笑う彼女の表情はいつもどこか哀しげで、諦めにも似た気配が漂っていた。

ある研究報告によると、「うらみ」とは、「許せなさ」「不公正感」「無力感」が同時に体験された時に起こる感情らしい。

今にして思えば、Aさんにもやはりあったのだろう。自身の人生を縛る、様々な“決まりごと”に対する怒りや無力感。しかも分かりやすい敵がいるわけでもない。矛先の定まらない、“静かな恨み”とでもいうべきものが。

「自分には彼女を救えないのかもしれない」――そんな無力感に私もまた打ちのめされた。

「宗教 2世支援センター 陽だまり」は、代表理事の秋本氏自身が宗教2世で、社会問題化するはるか以前の90年代後半から「宗教2世問題」に取り組む団体だ。宗教2世にとって最も困難な時期のひとつが、教団をやめた後、あるいはまさにやめようとしているタイミングである。「陽だまり」はそんな彼らが相談できる数少ない窓口になっている。

今年7月、クラウドファンディングで300万円強の支援金を集めることに成功し話題になったが、これまでの運営はほぼ手弁当。資金面での課題は小さくないようだ。継続的な活動を支援できればと思う。

結局、私とAさんは別れてしまった。だから彼女のその後は分からない。罪滅ぼしなどとおこがましいことを言う気もさらさらない。ただ、彼女と過ごした時代の「重さ」は心の澱のように残っている。自分にできるのは、Aさんの人生にきっと誰かが寄り添い続けていてくれること、それを願うのみだ。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 宗教2世問題、自分はその問題性についてあまり考えたことがなかったことからも長らく孤立化していたのだと心苦しくなります。国内に数百万という宗教2世がいると思うと、「宗教2世支援センター陽だまり」さんのような相談をまず受ける場所があることは、とても大切だと思いました。(中島真)

  • 解決が難しいと思った所から順位をつけて投票します。自覚なき被害者やその周りの人達を救済する(これ自体規範の押し付けかもしれませんが)のは本当に難しく、悩ましいなと思いつつ。そして世界には今もたくさんの紛争があり血が流れていることに想いを馳せます。アカデミックな場所でも紛争は尽きないでしょう。しかし世の中に解決できない問題はないと信じて、解決の一助になればと思います。(泉宏明)

  • 推薦文に惹かれ、陽だまりを第一希望としました。生まれる家は選べない。2世として生まれてきて困っている方の助けになると良いと感じます。(鈴木亜香里)

  • 誰にも信仰の自由があり、生まれながらにして信仰が束縛されている状況は、その人の生き方や価値を否定することと同義だと思います。宗教二世の問題は、自分の両親や家族を否定することとも言え、その宗教から脱会するということは相当の覚悟と決断が必要になると想像します。そんな複雑な状況にいる方々の居場所づくりをされている陽だまりさんを支援したいと思いました。旧統一教会については一時期に比べ報道は減少していますが、まだ苦しんでおられる方がたくさんいらっしゃるとのことで、継続的な資金調達ができることが理想的だとは思うのですが、、人の生を輝かせることができる宗教が人々を悪い方向に向かわせてしまっていることは悲しく、今回の支援が少しでもそういった状況を断ち切ることに繋がればうれしいです。(姜花瑛)

  • 私もかつて「宗教2世」でしたが、大学生のときに自分の力で「洗脳」を解きました。いえ、自分の力だけではないですね。当時私の周りにいた友人や知人、大学の先生やアルバイト先の仲間など、様々な人とつながり話をしていく中でその決断に到ったのだと思います。人はひとりで生きているわけではなく、人とのつながりの中で生かされているのだという事実をあらためて噛みしめています。「外の世界」の人と語り合うことが特定の価値観や世界観から一歩踏み出してみるきっかけとなることを期待して、陽だまりさんの活動を支援したいと思います。(徳久圭)

  • 近しい、もしくは近しいと感じる距離感とその中で生まれる問題というのは「恨」という概念に非常にはまると感じました。その意味で宗教二世の問題は家族という近くて遠い存在を照らし返し、時代性という意味でも改めて考えられるべきテーマだと考えますので、第1希望として投票させて頂きます。(阪本圭)

  • あらためて、各団体のWebサイトを拝見して、それぞれの活動について、とても勉強になりました。今回はお題の重たさゆえでしょうか、各団体の活動も本当に大事な取り組みだと思いました。その中で、一番、自分が知らなかった世界である宗教 2世の問題と、また支援のための団体がすでにあることに知って、「宗教 2世支援センター 陽だまり」にしました。(山田泰久)

  • 子ども時代に日本国憲法が保障しているはずの「信教の自由」を謳歌できなかった多くの人々の痛みが少しでも和らぐことを祈念し、「一般社団法人 宗教 2世支援センター 陽だまり」に投票いたしました。(松木耕)

  • 個人の懺悔という形での推薦文がなぜか心に響きましたそこを導入に活動の素晴らしさがすっと腹落ち出来ました(稲田遼太)

  • 推薦文に導かれ、普段考えなかった社会問題について考えるきっかけをいただきました。自分はそういった恨みを今は持たないからこそ、何か思うところがありました。(原拓海)

  • 今回は、私だったら選べない(見つけられない)団体順にしました。(宮本聡)

  • 3つとも素晴らしい推薦先で大変悩みました…。個人的な自分の課題意識から、そして家族関係につきやすい「恨み」というテーマがより如実にあらわれる宗教二世の課題への「無力感」から、『陽だまり』さんに投票します。(横山詩歩)

  • 居場所も逃げ場もなく、恨みごとを言うことすら許されない。それほどまでに追いつめられた人々を支援する活動を応援したいと思います。(中川瞬希)

  • これまでの投票でいちばん悩みました。どれも手放してはいけない問題だなと感じます。そのなかで、なんとか絞り出しました。辛いです。
    二世問題は広く知られたとはいえ、家族を「恨みきれない問題」というのは個人のなかに残る複雑な気持ちだと思います。解散命令なども話題になっていますが、複雑な気持ちを受け止めるには、金銭的支援だけではなく、人と心を交わすことが不可欠ではないかと思います。最後の決め手は、緊急TELの存在に背中を押されました。(東詩歩)

  • 自身の問題を克服し、そこから同じ思いをする人たちを救い出そうと行動するにはどれほどの覚悟とパワーを必要とするのだろうと。ホームページを拝見すると「適正な対応方法があるのではないか」と書かれており、今ほど宗教二世が世間から注目される以前から、知見をため、データベース化し、それを適用してブラッシュアップされてきたのだろうと、そこに「何とかするのだ」という強い重い意志を感じます。一人でも多くの方が、自分の人生を取り戻せますように。(金野潤子)

  • 「宗教2世」という言葉を知らなかった子どもの頃の記憶に、その存在は刻まれています。盆踊りの練習に参加せずに、校庭の片隅で体育座りをして授業の様子をじっと見ていたあの子も、平日の昼間に母親に連れられて家々を訪ねて歩いていたあの子も、何も知らなかった当時の私の記憶と心に、小さなトゲを残し、それは今もふとした瞬間によみがえってきます。家族という分かち難い営みのなかに生まれ、行き場のない「静かな恨み」が、必要とされたとき助けにたどりつき、解き放たれることを願っています。(吉見新)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設ゆきレオ保育園へ寄付を行ないました

新しい贈与論はNPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設ゆきレオ保育園に81.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「猫」をテーマに推薦を募集し、「株式会社無駄」「一般財団法人水俣病センター相思社」「NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設ゆきレオ保育園」の3候補があがり、綿貫美紀、林実香の推薦したゆきレオが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

フリースクール×保護猫活動 に取り組む「NPO法人フリースクールゆきレオ」を推薦します。

【ゆきレオとは?】
不登校や心のケアが必要な子ども達が、保護猫達と一緒に自由に自分のペースで過ごしたり、保護猫活動のお手伝いをしたりすることで、猫と人が自信と心の元気を取り戻す居場所。
日本ではまだ広がっていない猫のアニマルセラピーを、保護猫活動を通じて広げていくことをビジョンに掲げています。

【推薦理由】

(林)
猫と聞いてすぐに「保護猫」が思い浮かびましたが、「保護」には猫と対等ではない印象から、違和感が残りました。そんな時、猫にフリースクールという組み合わせ。ゆきレオの猫と子どもたちの関係は「保護する・される」、「支援する・される」ではない、「お互いに助けあっている」とも言えるものです。

ゆきレオでは子どもたちが猫と触れ合う事で本人も心が癒され、猫も人に慣れる事が出来ます。さらに子どもたちは、猫のための活動に参加することで、自分の可能性を広げ、自己肯定感を高めます。写真撮影、SNS投稿、フリーマーケットでの販売など、彼らが行う活動は多岐にわたります。

大人たちが自由に過ごせる場所を整備して、子どもがその中で自由に過ごす形態の多いフリースクールですが(私が過去に訪れた所もそうでした)、ゆきレオでは来ている子どもたち自身が自分や猫の居場所を維持するためにも活動しているのが素敵だなと思いました。

ゆきレオは、代表の福本亜弥さんとその娘である小学6年生の凛さん、この親子二人で始めた小さな団体です。福本さん親子の事務所兼自宅の保護猫部屋を居場所(フリースクール)にしているため、当然たくさんの子どもや猫を受け入れるキャパシティはありません。

寄付により、ゆきレオの取り組みが波及し、他のフリースクールや保護猫団体でも猫と子どもたちの対等な関係が生まれることを願います。

(綿貫)
今回はテーマをストレートに「猫」のまま解釈した上で、
〈対等な猫との関わり〉にフォーカスしようと決めました。

というのも、初めての候補決め会にて、実香さんから
「叔母が拾ってきた捨て猫を飼っていて、よく遊んでいる。
しかし、猫アレルギーで長時間一緒にいられない。本当はもっと交流したいのに...」
というお話をまず聞いたからです。

その話から、「伴侶」「家族の一員」などの役割ありきではなくても、強い結びつきのある関係って作れるよなぁ。と思いを馳せがなら候補先を選びました。

==

NPO法人フリースクールゆきレオへの投票をどうぞよろしくお願いします!!

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 取り組みとして初めて見るもので、寄付によって活動が継続したり広がるのを見てみたいと感じたからです。(中村タカ)

  • 居場所のなさを糊代にしてつないだ活動。手触りあるホームページにもほっこりしました。(阿曽祐子)

  • 「お互いに助けあっている」関係性、実現するのは限られた時間だけかもしれないけれど、それを目指すことをあきらめてはいけないと感じて、ゆきレオさんを第一希望にしました。私自身猫と遊びたい、という気持ちを思い出しました。アニマルセラピーは和むイメージがありますが一方で効果検証も気になるところではあります。いつか、ゆきレオで猫たちと過ごした方々の声が聞こえるようになってくるといいなと思います。(金子遥洵)

  • 猫とお互い支え合う、対等な関係にグッときました。(鈴木隆一)

  • ゆきレオはダイレクトに猫の可能性、人間との関わりを感じられて、素直に良いなと思いました。アニマルセラピーは犬が多いのかな、という印象ですが、猫にもその独特の距離感の中に癒しを感じる人も多いのだと思います。(渡辺健堂)

  • 日頃から保護猫活動に関心を持っています。ゆきレオさんの活動報告を見て「頑張ってるな〜」と素直に感じました。過酷な環境で暮らす野良猫たちは怪我や病気も多く医療費が高額になりがちですが、かかった費用は寄付がなければ持ち出しです。猫が可愛いという気持ちだけでは続けられないと、つくづく思います。
    また、保護猫活動にフリースクールを組み合わせるという発想も素敵です。動物と触れ合うと本当に癒やされますし、やるべきこと(猫のお世話)があるということが毎日の生活のハリになったりもしますよね。我が家も不登校・発達障害の子育て真っ最中ですので、ゆきレオさんこれからも応援したいです!(溝口奈緒美)

  • ゆきレオさんの収支を拝見し、猫の医療費が寄付金収入を上回っているのをみてゆきレオさんに決めました。やはり猫の写真を見てしまうと寄付先を迷っていても誘惑されてしまいますね(中村祥眼)

  • 率直に素敵な事業だなと思いました。猫の保護活動とアニマルセラピーは、頭のなかでそれぞれ全く別のものでしたが、それが「助け合う関係性」で結びつくことに驚きました。そんなアイデアを実現する方々がいること、簡単ではないことを想像すると、応援したい気持ちが湧いてきます。(中村雅之)

  • サイトに書かれている体験談も読み、子どもと猫の関係性に心を惹かれたため、ゆきレオに投票します。心のケアが必要な子と、様々な事情を持つ保護猫が、何かの役割をお互いに求めるわけでなく、自然な関わりを持つことで、お互いの助けになっていくのが素敵だなと感じました。個人で運営されているように見え、収支報告を見ても資金繰りが厳しそうなこともあり、今回の寄付が、こういった居場所を続け、増やしていく一助となればと思います。(広井健一郎)

  • 猫好きなので、ストレートに(布田尚大)

  • 対等な猫との関係というキーワードとアニマルセラピーがここで繋がるのか!と目から鱗でした。(阪本圭)

  • いろいろ悩みましたが、ケアする-されるが行ったり来たりする関係に心惹かれました。また、かつてわたしも子どもの時に、たくさんの方に寄付をいただき活動を支えていただいた経験があり、理事長さんに敬意を込めて、ゆきレオさんに投票させていただきました。(東詩歩)

  • 「ゆきレオ」は、保護猫との関わりを通じて、猫と人が自信と心の元気を取り戻す居場所をつくるっていう発想、「対等」っていう発想が面白いし、意義深いなと思い、大いに共感して、第1希望にしました。(嶋田暁文)

  • 「立ち上げたのは不登校の小学5年生の女の子」「日本ではまだ広がっていない猫のアニマルセラピーを保護猫活動を通じて広げていきたい」という点から、「レモネードスタンド活動」のように広まっていったら素敵だな、と思いました。(熊谷友幸)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

スナック都ろ美へ寄付を行ないました

新しい贈与論は「スナック都ろ美(一般社団法人mogmog engine)」に81万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「味」をテーマに推薦を募集し、「淀川キリスト教病院 緩和医療内科・ホスピス」「スナック都ろ美」「認定特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」の3候補があがり、茂木大輔、熊谷友幸の推薦したスナック都ろ美が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

スナックと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?暗いレトロな店内、カウンターに座る常連、あるいはかつての美人ママ…人はスナックに何を求め、訪れるのでしょうか?

今回は、一風変わったスナックの物語をお届けします。

この物語の舞台は"スナック都ろ美"。しかし、これは通常のスナックとは異なります。特別な悩みを抱えた人たちが集う場所です。

その悩みとは、「食事が苦痛!!」

友達との食事会、家族や子どもと楽しむ特別な日の外食、誰にでも待ち遠しい食事の時間があると思います。ところが、世の中には食事の時間が近づくことに恐怖を感じている人もいるのです。嚥下障害を持つ子どもたちは「食べる」という行為を困難に感じているのです。

都ろ美の共同代表のさくらママ、玲子ママはこう語ります。「“おいしい”を皆で共有したい。誰もが食べられるメニューを増やしたい。」これがここで展開される活動の中心です。我々が無意識に楽しむ家庭料理や外食の喜び。それを子どもたちにも感じてもらいたい。それが、スナック都ろ美の存在意義です。

皆さんは子どもの頃、家族とのお出かけを覚えていますか?動物園でのお弁当、デパートのお子様ランチ、屋台の焼きそば…美味しくなくても思い出深い味がありますよね。しかし、嚥下障害を持つ子どもの親は、どこで何が食べられるか、持ち込みは可能か、といった計画を立てなければならず、その準備は簡単なことではありません。

その問題を解決するために、「もぐもぐBOX」が登場しました。東京大学、東京医科歯科大学、新渡戸文化学園との共同開発により、「かんさい」で好評発売中のこの商品は、子どもたちが外出時にも安心して食事を楽しめるように設計されています。さらに、Soup Stock Tokyoとのコラボなど、他の企業との連携により、美味しくて気軽に取れる味の広がりと共に子どもたちの体験の場が拡大しています。

スナック都ろ美では、「支援しなければ」という重圧や、「栄養バランスを考えなくては」という義務感はありません。もっと気楽に家庭で楽しめる美味しいレシピを共有したい、外で皆と同じテーブルで味わいたい。そんな悩みを持つ人々が、生活の中で気軽に立ち寄り、共に笑い、安らぎを求める場所なのです。

それは正にスナックにオヤジたちが求めているものと同じではないでしょうか?

そんな「味」のある"スナック都ろ美"に皆さんも立ち寄ってみませんか?

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 嚥下障害の子どもに向けた取り組みというのを初めて知ったのもありますが、とかく真面目くさくなりがちなこうした活動に「スナック」という、昭和の懐かしさとちょっとふざけた感じが参加する人たちや支援する人たちを勇気づけるのではないかと感じて関心しました。そのだに一印象のまま投票しました。(渡辺健堂)

  • 気楽さとあったかさ、求めている人はかなり多いのではないでしょうか(稲田遼太)

  • 2年前に亡くなった父が、最後に嚥下障害となり、食べられるものの種類が極端に減って困ったという話を母から聞いていました。私にとって食べること=生きること。元気なころの父もそうでしたし、実際食べられなくなってからめっきり体力や生きる気力も落ちたのではないかと思います。子ども達にとって、食べることが苦痛というのは本人も保護者もどんなに辛いかと。なんて思いながらスナック都ろ美のWebサイトを覗いたら、そんな沈んだ気持ちを吹っ飛ばしてくれるようなポップなデザインと、懐かしい昭和レトロ感に心が軽くなります。同じ悩みを持つ人たちが立ち寄り、愚痴をこぼしたりしながら、ママから励まされたり、お隣のお客さんからいい情報を教えてもらってちょっと元気になって帰っていく。そんな風景が想像されました。このような場があることを、多くの親御さんたちに知ってもらえますように。(浅井美絵)

  • 嚥下障害を持つ子がこんなにいるというのをこれまで知りませんでした。嚥下障害を持つ子にとって食事はきっと苦痛で。でもだからこそ、みんなで同じものを食べて、おいしいを共有できるって想いがとても素敵だと感じ、投票させていただきました。(山浦清透)

  • 赤ちゃんとお出かけをすると、毎回頭を悩ませるのは食事です。離乳食提供のお店も目にするようになりましたが、安心のためにお弁当を持参したり、お昼までに帰宅するなど、気を使うことが多いです。離乳食の調理でも、日々工夫をしながら準備をしていました。そんな中でも片栗粉を使ったトロミづけには助けられました。あれこれ気遣いをしているうちに、大変という気持ちに追い立てられてしまいがちな食事ですが、気楽においしいを皆で共有したいという思いに深く賛同します。(大政勇作)

  • 「いいことを楽しみながらやっていい」という遊び心をとても感じるのが素晴らしいと感じました。(阪本圭)

  • かなり悩みましたが「都ろ美」としたいとおもいます。嚥下障害だと確かに食べれるものが限られるので、食の楽しみがなくなってしまうなと感じました。(福原寛重)

  • webサイトを見て、スナックの世界観の楽しさに撃ち抜かれました。支援者のことはパトロンと呼ぶようですね。素敵な寄付先を推薦いただき、ありがとうございました!(鈴木亜香里)

  • 食事は美味しくて楽しいが当たり前な世の中で、そうではないマイノリティな人たちもいる。なかなか焦点が当たりづらい分野だと思うので応援できると良いなと思った。(高城 晃一)

  • どの団体も素晴らしい活動をされており、あらためて食事というものの根源的な価値に触れました。食は生物的な健康、文化的な社交、個人的な記憶と不可分に結びついており、食が人生に与える影響は計り知れないのだということをあらためて知りました。一つを選ぶことは難しかったですが、これだけ魅力的な世界観を持つ都ろ美がまだあまりサポーターの多くないことを受け、こうした活動が広く知られて欲しいという願いもこめて、一票を投じます。(桂大介)

  • 都ろ美さんの社会問題へのカジュアルな接近の仕方に好感がもてたし、ファンドレイジングの呼びかけとしても魅力に感じた。支援者とコミュニケーションしようという意思を感じる。(坂本治也)

  • 知ってもらうための工夫や努力は、その活動を広げてゆく意味や力の第一歩だと。そして、遊び心にエロティシズムは、人を引き付けるとも。さらにアグレッシブに取り組んで、場末から始まる贈与が、広く根付くように成功してほしい♡(masa)

  • スナック都ろ美を支援します。新しい贈与論での支援先を選ぶ基準として、今まで感じたことのない感覚を得られたかというエンターテインメント性も大切にしており、寄付先の”ママ”たちに逆に元気を貰えたことが、支援者であり被支援者になったような感覚が面白かったことも、一位に選んだ理由の一つです。(松本慕美)

  • 洒落っ気にやられてしまいました。一方で、当事者の方はもちろん、ご家族や周りの方を含め、切実なご苦労や困難も同時に抱えられているのだろうと想像しました。加えて、都ろ美だけに限らず、洒落と切実さを兼ね備えた団体に光が当たることを願って一票を入れます。(東詩歩)

  • 都ろ美を一位に推したいと思います。困難な境遇でも”ユーモア(徹底したコンセプトおふざけ)”を連帯のための潤滑油としている部分に惹かれました。あまり眉間にシワを寄せずに振舞うしなやかさを感じます。”行きつけ”とまではいかなくても、たまにフラっと立ち寄るスナックにします。(小澤 啓一)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

社会福祉法人日本視覚障害者団体連合へ寄付を行ないました

新しい贈与論は「社会福祉法人日本視覚障害者団体連合」に80万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「字」をテーマに推薦を募集し、「社会福祉法人日本視覚障害者団体連合」「NPO法人離島経済新聞社/有人離島専門メディア『ritokei』」「天文学振興募金」の3候補があがり、中村雅之、小澤啓一の推薦した日本視覚障害者団体連合が最多票を得ました。

推薦文はこちらの再生ボタンから、お聞きいただけます。

社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合 会長 竹下義樹様、

はじめまして、一般社団法人新しい贈与論と申します。私たちは寄付や贈与について学び、実践していくコミュニティです。「新しい贈与論」のロンは、論理や議論のロンですが、年齢や職業もバラバラな会員たちが、寄付や贈与を通じて新しい社会の在り方を考えています。

私たちは毎月3つの寄付先候補を検討し、投票によって会費をまとめた寄付をお届けする団体を決めています。そして2023年9月のテーマが「字」でした。テキストを意味する文字の「字」です。このテーマをきっかけに検討を進める中で、日視連のホームぺージに出会いました。

日本の識字率はほぼ100%と言われているものの、国内には視覚に障がいがある方が約30万人いること。そんな中で日視連は設立から75年が経ち、全国各地計60の視覚障害者団体を束ねる組織であること。また、行政への働きかけや啓発活動、点字図書の制作、点字器など用品の開発支援まで、多岐にわたる活動を行っていることを知りました。

そして、そのような情報でさえ当たり前のようにインターネット上の文字情報で知った私たち推薦チームは、墨字の読み書きが困難であるという境遇にしばし思いをめぐらせました。

私たちの寄付はこれまで46回を数えます。そして寄付金のお届けとともに、団体推薦文や投票した会員のコメントをテキストデータとして寄付先にもお送りしてきました。

今回、コミュニティ内での推薦文も兼ねながら、寄付先へのご挨拶文として、さらに(このように)読み上げる音声ファイルでもお届けするのは、私たちとしても初めての試みです。

この原稿を文字として記し、読み上げて録音し、そして日視連の皆さんが受け取っているタイミングはそれぞれ異なります。でも、起こりうる未来を想像しながら時間や困難さを越えて思いを紡ぐことは、少し愉快なことでもあります。そして奇しくも、私たちが議論を交わした9/28は、ユネスコが定めた「情報へのユニバーサル・アクセスのための国際デー」でした。

「見える人と見えない人が、豊かに、共に生きるー。」

推薦チームが特に惹かれた、日視連ホームぺージにあった言葉です。緩やかでも多くの人たちが繋がることで、情報や物語、そしてそれぞれの思いをさらにスムースにやり取りできる ― そのような「まだ見ぬ世界を共に感じられる」ように、またその一助になればと考えて寄付をお届けいたします。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 歴史ある所には却って寄附が集まりにくいということへの抵抗として視覚障害の方への寄附に一票を入れます。人間の受ける情報の8割くらいは視覚情報だと聞きます。それが奪われているということの重大さを思う時、視覚を奪われた方へ手を差し伸べることはいつでも有意義だと思うのです。(泉宏明)

  • 日常の課題と直結するため、日本視覚障害者団体連合さまを選ばせていただきました。普段、年末調整や入社・退社の手続きなどを行なう企業向けの労務システムの開発をしていますが、デジタル化の推進≠音声読み上げツールで利用可能であることを痛感します。形と音が1:nな漢字が普通、また区切り方もさまざまな日本語の国に暮らす視覚障害者にとって、形しか持たない字から意味を読み取ったり、文書の全体像を把握することはとても困難です。また給与明細や源泉徴収票、健康診断の結果などのように、おいそれと他人に見せたくない情報も、誰かのサポートが必要な環境に置かれれば見せざるを得ない現実があります。晴眼者にとってはあまりにも身近な「字」が視覚障害者から遠ざからない一助になれればと思います。(稲垣景子)

  • 最初は何が何だかわからなくて混乱しましたが、推薦文が寄付先へのご挨拶文(音声ファイル)になっている演出にノックアウトされました!こういう遊び心というか、洒落た感じが新しい贈与論らしさだなぁと思いましたので、投票しました。(鈴木亜香里)

  • 会員が寄付先を推薦し、投票で1つに決定するという「新しい贈与論」の枠組では、「これまで知らなかった」「面白い」寄付先が選ばれることも多いですが、今回の「日本視覚障害者団体連合」さんの取り組みや活動を拝見すると、やはり全国規模の障がい当事者団体が果たす役割の大きさを感じます。これからの安定的な活動に少しでも力添えができればと思い、本団体に投票します。(朝野椋太)

  • 日本視覚障害者団体連合を推薦します。テーマとの関連としても興味深くまた、メッセージにあった、見える人と見えない人が、豊かに、共に生きる、は個人的な考え方とも合致しためです。多言語の壁はテクノロジーの発展である程度解消されつつありますが、視覚障害者との壁はまだ大きいなとおもいます。割合は忘れましたが、6割程度の方が線路に転落などの経験があるような話も聞きました。黄色い線は目の不自由な方の道だからと私は避ける様にしていますが、街を歩くとそこまで気にしてる印象はありません。あのプレートも記号であり一種の字だともおもえます。近くて遠い課題であるとおもうのと、音声読み上げへの配慮は我々のアティチュードとして良いものだとおもいました。(福原寛重)

  • 今回はちょっと消極的な理由というか、他の候補があまりピンとこなかったのでこちらに投票させていただきました。(三上遼)

  • 75年という自分の人生も優に超える期間ずっと、視覚に障がいがある人たちを支える組織があるというその歴史に畏敬の念に堪えません。(中島真)

  • 離島と迷ったのですが音声ファイルのお届けは面白そうだと思ったのでこちらにしました。あと推薦先のHPに白黒反転ボタンがあるのも興味深かったです。(茂木大輔)

  • 同じく、「見える人と見えない人が、豊かに、共に生きるー。」に共感を得たからです。ユニバーサルデザインにも興味があるため。(白川みちる)

  • 自分にとっての当たり前の大きなものの一つが、やはり五感に関わることだと思います。字というテーマからはやはりこの視覚は大きい。インターネット社会でアクセシビリティは前から問われていたけど、目先の様々なことに優先されがちなところも、改めて感じさせられました。他の2つもそんな活動もあるんだ!という気づきに溢れていましたが、最も考えさせられたという意味でこれを選ばせて頂きます。(阪本圭)

  • 国内には視覚に障がいがある方が約30万人ということに驚きました。音声で推薦文を作成する心意気も素敵です。視覚に障がいがある方も社会の構成員であり、仲間だという思いを寄付で伝えられたらなと思い、投票しました。(稲田遼太)

  • 「見える人と見えない人が、豊かに、共に生きるー。」この言葉を見えない人は見ることができないという、見える人には当たり前のことの境目がなくなり、共に豊かに生きられるよう、選択させていただきました。(海野慧)

  • 今回の推薦団体を見て、文字というものに、離れた時間、距離、前提にあるもの同士をつなぐ力があることに気がつきました。あらゆるものにアクセシビリティが求められる昨今の流れにやや億劫さを感じることもある自分自身への自戒をこめて、第一希望は日本視覚障害者団体連合さんにしました。(吉見新)

  • 小説『ハンチバック』などをきっかけに、障碍を持つ方とともに生きるということを、最近個人的に関心を持っているため。音声ファイルでもお届けするアイデアも素晴らしいと思いました。(横山詩歩)

  • 子どものころから、「字」が大好きでした。見ても、読んでも、成り立ちを調べても、新しい世界を私に見せてくれるものでした。幼き日に、表意文字と表音文字があると知ったときも、世界の表現方法がいろいろあるのだと、感動して興奮しました。自分の気持ちを表現するときに、人間は、言葉を使わざるを得ません。それをどう表すか。そして記録に残すか。方法は違えど、みんなが尽力してきたのだと思います。自宅の近所に、聾学校があります。手話で会話しながら、行き来する子どもたちと日々すれ違います。表現方法は一つではない。そこに分け隔てがなくなる方法がどこかにあると思っています。テクノロジーが、なにかが、そういった障壁を取り去ってくれる未来を夢見ています。(金野潤子)

  • 日本で視覚障害をお持ちの方は31万人ほど(人口のおよそ0.2%)いらっしゃるそうです。今まで生きてきて私は、彼らと関わる機会が全くなかったということに、推薦文を読んでいて気付きました。知っているような気がしていたのはピアニストの辻井伸行さんやパラリンピックのことだけでした。同じ社会の中に確実に存在しているのに、晴眼者(この言葉も初めて知りました)とは別の世界に暮らしているように思えるような、ちょっと遠い人たち。完全にインクルーシブな社会は難しくとも、もう少しお互いに交じり合うような社会になったらいいなと思います。(溝口奈緒美)

  • 日本は海外と比べて障害のある方に対するサポートが不足していると感じている。離島メディアもニッチながら価値のあるプロダクトだと感じたが、やはり深刻度の高い視覚障害のサポートにお金を回したい。(高城晃一)

  • 推薦人の小澤さんの話を聞いて、ダイアログ・イン・ザ・ダークに行ったときのことを思い出しました。もう十年近く前だったと思いますが、あのときの衝撃は克明に思い出すことができます。「見える人と見えない人が、豊かに、共に生きるー。」という言葉を励起すべく、一票を投じたいと思います。(桂大介)

  • 「目が見えることで見えなくなってしまうもの」が、目の見えない人と共に生きることで見えてくる。そこまでは「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」などを通じて分かっていたことでした。しかし、「視覚に頼らないことで、心が触れ合い、仲良くなれてしまう」、逆に言えば、「心の触れ合いを視覚が邪魔している」っていうのは、今回、初めて気づかされました。「目に頼らないことで、心の目が開かれる」。そんな気付きを与えてくれた「視覚障害」を1位としたいと思います。推薦文も本当に素晴らしかった!(嶋田暁文)

  • 墨字が読めるという自分の中で当たり前になっていたことを改めて気づかしてくれた推薦文から1に決めました。見える人と見えない人が共に感じられる世界にワクワクします。投票日の議論の中で話題に上がった「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」にも今度足を運んでみようと思います。(原拓海)

  • 今回、日視連の推薦者です。繰り返しとなりますが「見える人と見えない人が共に生きる」というフレーズは、さまざまな贈与がいきわたる未来像とシンクロしている気がしています。(小澤啓一)

  • 今回の推薦をきっかけにあらためて「目が見えないこと」を想像しました。話の中でダイアログ・イン・ザ・ダークなどの新しい情報も知ることで改めて今後向き合ってみたい議題、になったことに感謝です。(熊谷友幸)

  • 自チームの推薦先である「ritokei」に未練を残しつつ、寄合でうかがったお話の刺激から、第一希望を「社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合」に変更しました。視覚障害者の方の不自由さを緩和する、というところを超えて「まだ見ぬ世界を共に感じられる」ように、という展望に惹かれます。(加藤めぐみ)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
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連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

原爆の図保存基金へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、原爆の図保存基金(公益財団法人原爆の図丸木美術館)に80万円の寄付を行ないました。

原爆の図保存基金 | 公益財団法人原爆の図丸木美術館

『原爆の図』は、近年ますます歴史的、社会的意味が大きくなっており、将来的には人類共通の財産と認められる可能性もあります。しかし丸木美術館では、建物の老朽化にともない、虫食いや紫外線などによって作品に傷みが出ており、このままでは永続的な展示が難しい状況です。そのため、2017年の開館50周年を期に「原爆の図保存基金」を立ち上げました。かけがえのない作品を次世代に引き継ぐために、お力添えをお願いいたします。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「菌」をテーマに推薦を募集し、「国境なき医師団日本」「原爆の図保存基金」「南方熊楠記念館」の3候補があがり、渡辺健堂、宮本聡の推薦した原爆の図保存基金が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

「菌」を調べたところ、「菌」そのものは元来「きのこ」を指す、とあった。私たちが普段目にするきのこは、暗くてジメジメした場所で繁茂するイメージが強い。また、昨今のコロナウィルスなどで、ウィルスや細菌とも紛らわしい。「除菌」「抗菌」という言葉が使われて、ますます「菌」という言葉をめぐるイメージは混沌としていて捉え所がない。

菌は人類にとっては時に感染症を引き起こす厄介な敵であり、善とも悪とも言い難い。そんなことをこの8月に考えていた時に頭に浮かんだのは、戦争、原爆のことだった。この数年の世界的なウィルスの流行と久々の戦争。これを期に改めて戦争と原爆について考えながら寄付先を選定した。

丸木美術館
https://marukigallery.jp/

「原爆の図」とは、水墨画家の丸木位里(1901~95年)と妻で油彩画家の丸木俊(1912~2000年)が、1950年から82年までの間に共同制作した全15部からなる連作の屏風画だ。72年までに断続的に合計14の作品群が制作された。その後10年の時間を空けて82年に発表された「長崎」で完結した。

丸木美術館は、1967年に作品を誰でもいつでも見られるようにとの思いを込めて、夫妻が建てた美術館だ。周辺は、比企丘陵の緑が広がり、近くに流れる都幾川のせせらぎが聞こえるとても自然豊かな環境だ。

その丸木美術館が近年一部施設の老朽化で大規模な補修が必要となり、2017年に「原爆の図保存基金」が立ち上がった。今年末までに3億円を目標として資金を集めようということになり、6月末現在で286,267,356円まで集まってきている。

 もう一つ、我々がこだわりたいことがあった。

菌は日の当たらない場所で活動する。日の当たりにくい活動にこそ、新しい贈与論からのメッセージを届けるのにふさわしいのではないか。広島の陰に隠れて、注目されにくい長崎だ。

 丸木夫妻は72年から81年の間は、原爆の図から派生した様々な作品を描いていく。そして、82年、原爆の図の最終作品「長崎」を完成させて、この15連作に終止符を打った。「長崎」だけは、長崎原爆資料館に所蔵されている。長崎が最後なのだ。

 戦争と原爆という悲劇を決して忘れていけないし、様々な方法で人々にその悲惨さを伝えていくことは大切だ。その意味からも、この「原爆の図保存基金」に寄付をしたい。

我々はもう二度ときのこ雲を見たくない。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 小学生のときに、学校行事で丸木美術館の見学に行ったことを今でも覚えています。日本人として忘れてはいけない記憶だと思いますので、原爆の図保存基金に一票を投じます。(鈴木亜香里)

  • 原爆に関する資料は未来永劫残すべきだと考えているため(中村タカ)

  • 丸木美術館の事は初めて知りました。目標まで期間、金額共にあと少し、2017年から地道に活動されている関係者の皆様への敬意と賛同、励ましの意を表したく第1志望としました。(守屋まゆみ)

  • 推薦者さまと同じく「我々はもう二度ときのこ雲を見たくない」という思いから、原爆の図保存基金さまを応援したく、第一希望と致しました。(松木耕)

  • 過去の悲劇が繰り返されぬよう、原爆の図が残されることを願って(海野慧)

  • 目標額・期日が明確でこの寄付でも確かに助けになるだろうとおもいました。中学生の時に修学旅行で丸木美術館へ行った思い出&衝撃体験がふっとよみがえり、こちらを第一希望としました。(綿貫美紀)

  • 推薦人です。菌という手すりから、多様性社会に対話が膨らみ、最終的に平和への願いに行き着いたプロセスがとても楽しかったです。奇しくも本日、私は広島で平和を考えるイベントに参加していますが、8月に世界平和について考えるよい機会をいただきました。丸木美術館、ご興味ある方がいたらぜひ一緒に行きましょう。人類がきのこ雲を見ることはもうないことを願って。(宮本聡)

  • 反戦・反核を訴える存在は、いままさに起きている戦争・紛争の現場で血と汗を流している取り組みに比べると、どうしても喫緊ではないように感じられます。けれど存在することで時間軸も含めたより広い範囲にその想いを届けるのはこういう取り組みの役割で、それには「存在し続けること」に意味があると思った為、原爆の図保存基金に一票を投じたいと思います。原爆の日、というと、どうしても8/6が想起されます。なぜだか8/9も同じ重みでは思い出さないのです。そのなんとはなしの後ろめたさに「広島の陰に隠れて、注目されにくい長崎だ」の一言が刺さりました。(志賀響子)

  • 私は日本人の両親の元生まれ、日本で育った日本人である。国境で人間の境界線を引くことに強い共感はないが、とはいっても先人の歴史として原爆・戦争があった事は事実である。後世に語り伝えていく為にも、原爆の保存基金を推薦する。(河合将樹)

  • 二度と見たくない核の被害、その思いが作品という形で長く残していくには改修をふくめ思いもよらぬ努力が必要と改めて思います。思いやりを持ったひとの胞子が広がるイメージを持ち、投票します。(金子遥洵)

  • 日本では戦争や原爆、命について改めて考える8月です。ですが、最近SNSを賑わせた映画「バービー」と「オッペンハイマー」に関連するミーム騒動からは、海外や若い世代にあの原爆の雲の下で人々に何が起こっていたのかが伝わっていないという印象を受けます。丸木美術館に所蔵されている原爆の図は、その原爆の雲の下で起こったことを等身大に残している貴重な絵画だと思います。被爆体験を伝えてくれる方々はもう本当に少なくなってしまいましたが、作品は伝え続けることができます。次世代に歴史を伝えるということも大切な贈与だと思い、こちらに投票させていただきます。(浅井美絵)

  • ②のコメントにあった「新しい贈与論」がサポートするべきは日陰の存在、という趣旨はシンプルにそうだよねぇと思いました。さまざまな環境や条件のせいで繁殖しづらい?”善玉菌”を増やす努力やサポートをすることは、個人も社会も大切な気がします。(小澤啓一)

  • テーマとの接続は無視して8月なので選んだというのが正直なところです。いきた語り部がいなくなっている中、こう言ったアートなどで次の世代に生々しい悲惨さを保存し伝えることは重要だと思います。(中村祥眼)

  • 私の父は、東京大空襲を生き抜いた人ですが、いま85歳です。終戦当時は小学校低学年でした。一方東日本大震災の時、私の子どもは当時の父と同じくらい年齢でした。いまもう成人年齢になったわが子と話をしていると、当時の記憶を、85歳になる父がどれほど正しく記憶しているのだろう、そう考えるたびに、語り継ぐことの難しさと重要さを感じます。8月は、戦争を語らなくてはいけない月だと考えています。語り継ぐために、学ばなくてはいけないのだと思っています。8月です、その後押しをしてくれるであろうこちらに投票いたします。(金野潤子)

  • ピカは人が落とさにゃ落ちてこん。丸木スマさん(丸木位里さんのお母さま)の残した言葉です。原爆を落としたのも人間、被爆したのも人間。日本は被爆国ですが南京や真珠湾では加害者でもありました。戦争とは、被害者にも加害者にもなるということです。私の父方の祖父はシベリアから帰還しましたが、頑なに何も語りませんでした。母方の祖母は東京大空襲の話をしてくれました。祖父母たちはすでに皆亡くなり、私の子どもたちは戦争体験者の語る言葉を聞けません。丸木夫妻がたくさんの人の話を聞いて描いた原爆の図。戦争を生き抜いた人、そして亡くなった人の声を届け続けてきた原爆の図を、次の世代にぜひ残したいと思うのです。(溝口奈緒美)

  • 国境なき医師団は会計情報まで明確に公開されており、存在価値も非常に高いので迷ったが、今回は原爆の図保存基金に1票。今後、戦争の体験者が急激にいなくなる中、決して忘れてはいけないことを語り継ぐものとして、残って欲しいと思います。(高城晃一)

  • 当時のことを直接経験した語り手が少なくなっていく中、こういった作品がこれからも形として残り、多くの人の目に触れることができる状態であることに意味を感じました。(古川哲)

  • 8月というタイミングと、幼少期に広島で過ごしたパーソナルな理由から「原爆の図保存基金」に投票します。大規模な補修が必要とのことですが、工事に入られる前に丸木美術館に訪問してみたいと思います。(横山詩歩)

  • 戦争と夏の記憶は、田舎の祖父から受け継ぎました。そして私は誰に引き継ぐのかを思った時、一人では寄付をしないこの基金に、勇気ときっかけをこの場でもらった気がしました。今日の選択を、この暑い夏の思い出にします。そして丸木美術館に夏のうちに出向きたいと思います。(masa /タケウチマサノリ)

  • 「菌」の探究は目に見えないものの実感をどう組織するかという実践でありました。コロナ禍を経、菌からウイルスに実感の対象が代わりつある「人類の進歩と調和」感。ところが、こうやって教育されてきた「微細」への感覚がいまだ追いつかないものがあります。80年前に原子力爆弾が解放した「核種」の圧倒的な非道です。その瞬間と永続を、マクロとマイクロを受け止め損ねたまま生きる一人として「原爆の図保存基金」に今回、投じます(本間盛行)

  • どの推薦文も非常に示唆に富んだ面白いものでした。原爆の図保存基金は私が存じ上げていなかったこともあり、「菌は日の当たらない場所で活動する。日の当たりにくい活動にこそ、新しい贈与論からのメッセージを届けるのにふさわしいのではないか。」という文が心に刺さりました。近いうちに足を運んでみようと思います!ありがとうございました。(原拓海)

  • 夏・8月・戦争・原爆。「菌→きのこ雲」の発想はとんちかもしれないが、とんちのようなユーモアもまた良いなぁと。原体験として戦争を伝えられる人がいなくなっていく今、一目で伝わる「絵画」の素晴らしさを後世残せる一助になれば幸せな事だなぁ、と思いました。(熊谷友幸)

  • 原爆の図保存基金を第一志望にいたします。寄合の最後で意見をいただいた、「目に見えないものへの責任をどのように果たすのか」という視点にグッときました。その当時を知る人が高齢になり、体験した人がいない世界に突入する中で、その凄惨さから感情までのすべてを、体験できなかった者へ繋ぐことは、資本主義では賄えない、寄付の形で私たちがやるべきことだという気持ちになりました。また、菌→きのこ、菌→日の当たらない→長崎、8月→原爆、という推薦人のイマジネーションも素敵だなと感じ、全体を通して「今、この贈与論のスタイルで、寄付をすること」の必然性を感じました。(松本慕美)

  • 推薦文がとても響きました。あと1人が反対したら戦争にならなかったのに、とならないよう、残したいものを守る一助になれればと思いました。また、贈与と季節を紐づけて考えたことがほぼなかったので、寄付と季節性、夏と死のにおいという話題が興味深かったです。(立花香澄)

  • 原爆の図保存基金は、「菌は日の当たらない場所で活動する。日の当たりにくい活動にこそ、新しい贈与論からのメッセージを届けるのにふさわしいのではないか」。という一文に強いメッセージを感じました。また原爆、戦争の話題は注目されやすい分野ではあるものの、こうした地道な活動は継続にあたり長きにわたる人の協力が欠かせないと思いました。(東詩歩)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

認定NPO法人育て上げネットへ寄付を行ないました

新しい贈与論は、認定NPO法人育て上げネットに77万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「罪」をテーマに推薦を募集し、「Community Nurse Company 株式会社」「認定NPO法人育て上げネット」「法テラス(日本司法支援センター)」の3候補があがり、三上遼、原拓海の推薦した認定NPO法人育て上げネットが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

今回の探求テーマ「罪」。その内側で出会ったのが「罪悪感」というキーワードとこの体験記*1でした。

「ひきこもるようになったのは大学を辞めたころでした。一番辛かったのは罪悪感をずっと抱えていたこと。「何もしていない自分」への不安や申し訳なさを感じるたび、家族と顔を合わせるのも嫌になりました。朝は出勤する人や学校に行く人たちの存在が罪悪感を強くするんです。どんどん、朝が来るのが怖くなって夜更かしが続くうち、昼夜逆転の生活を送るようになりました。しばらくはそんな状態でとにかく自分を責めて、責めて、どうにかしなければと思うのですが、どうしたらいいかわからない。」

私自身はひきこもりの経験はありませんが、この「罪悪感」にはどこか共感する部分があります。例えば、朝になってもなかなか起きられず、隣室から聞こえる家族の生活音に胸が痛むとき。最初は小さかった「罪」の意識が負のループに取り込まれることで自己増幅され、いつのまにか自分の手には負えない存在になってしまうのではないのでしょうか。このひきこもり問題は、遠い他人事ではなく、自分たちに襲い掛かってもおかしくないと、この体験談を読む中で勝手ながらに考えてしまうのでした。

この体験記の掲載元でもある認定NPO法人育て上げネットは、就労訓練プログラムをはじめとした若者とその家族への援助を行う団体です。そして、この「罪」の意識の連鎖から抜け出す一助を出来るのが同団体なのではないかと考えます。

また、Webサイトや代表インタビュー記事*2にも多く登場するのが「社会投資」というキーワードです。自分自身に直接利益をもたらすものではなく、時を超えて社会全体に利益をもたらし、その良好な社会が最終的に自分に帰ってくるという考え方。これは、投資でありながら贈与でもあるのではないかと私は感じます。

7月の囲炉裏では「東浩紀の贈与論」として「誤配」の概念に触れました。投資に大きな余白を忍ばせ、交換の思想と贈与の思想を一致させることが出来るのが、まさに同団体への寄付なのではないでしょうか。

*1 https://www.sodateage.net/6596/
*2 https://note.com/sodateagenet/n/n869ea911f394

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 罪を感じ投票を後回しにしてしまう自分を楽しみながら、今回は早めに投票しました。投資でありながら贈与、贈与でありながら投資。推薦文を読んで、そういうことがしたいという気持ちになりました(稲田遼太)

  • 2012年のデータで34歳、ということは今は10年後のデータで鑑みると44歳...きっかけはさまざまでしょうし、今もなお苦しんでいる方もいらっしゃることと思います。少しでも前に進められている方がいることに希望を持ちたいですね。(白川みちる)

  • 罪悪感にはいつも悩まされています。罪悪感を抱けば抱くほど、行動ができなくなっていき、つらい思いをします。それを支援されている育て上げネットさんに一票(鈴木亜香里)

  • 若者への就労支援を軸に据えつつ、社会貢献ニーズのある企業と協働して幅広い教育・支援プログラムを実現させている団体であり、応援の気持ちで寄附先に選びました。(朝野椋太)

  • 一度引きこもると、ややもすると引きこもった本人が「落語者」「自分なんて」と感じてしまいがちだと思っています。自分自身へのそういった罪悪感を減らす一助になればと思い、投票いたします。(山浦清透)

  • 何もしていないことの罪悪感が、さらにひきこもりを強めていったという体験者の言葉にはっとさせられます。私たちは日々の生活の中で、常に小さな罪悪感と共に生きている。その付き合い方や乗り越え方を教えてもらえる機会や環境が無ければ、飲み込まれてしまうこともあるのですよね。育て上げネットさんの活動は日本の若者支援をこれまでもリードしてきましたが、再スタートが難しい社会だからこそまだまだこの領域への支援が必要だということもあり、一票入れさせていただきます。(浅井美絵)

  • 自分も引きこもりではないですがその気質があるのでよくわかります。自分は就職氷河期世代でしたが家族を含め親切な人たちに囲まれていたからこそ引きこもりや無職になっていなかったと思うときがあります。時々、他の就職氷河期のニュースを見てなんとも言えない罪悪感を感じることがあります。(茂木大輔)

  • 推薦文のキーワードである「罪悪感」が決め手になりました。贈与と負債(≒罪)は表裏一体とよくいわれますが、必ずしも負わなくてよかったはずの罪、その意識を和らげる贈与につながればいいなと思いました。(中川瞬希)

  • 今回も知らないことばかりで嬉しい発見のある推薦文でした。特に育て上げネットの推薦文にとても共感したので1位にしました。(綿貫美紀)

  • 「ひきこもれない」若者、トー横(新宿)や、グリ下(大阪)に行けない人たち、いったい、いったい、どこまで追い込まれるんだろう。社会の端へ、隅へ、逃げていく先に「希望」を見つけることは、今とても困難な時代なんだろうと感じます。敬意を表して「育て上げネット」に投票します。(藤岡達也)

  • マイノリティの支援についてこのところ考えていました。友人から勧められて読んだ本の内容が、特殊性癖を持った人の孤独と生きづらさ、そして犯罪についてだったのです。
    社会のシステムや常識から逸脱した人、という括りで言えば引きこもりも特殊性癖も同じ。彼らは社会とのつながりがほとんどない状態です。適切な支援を得られなければ何らかの罪を犯す可能性が高くなってしまいます。
    引きこもる人たちが社会の中に居場所を見つけられるように、寄付を通じて支援していきたいと思いました。(溝口奈緒美)

  • 「自分が何もしていない」という罪悪感に囚われ、身動きが取れなくなってしまう、という状態には覚えを感じること、そして、その自縄自縛の状態にジョブトレーニングで風穴をあけ、社会とつながりを取り持つ、という活動に意義を感じた為。(志賀響子)

  • 私が長い間応援している団体の一つが育て上げネットです。引きこもりの若者支援だけでなく、少年院の入所者・出所者支援をしていることもぜひみんなに知ってほしいです。選ばれますように!(宮本聡)

  • 今回も非常に迷った。育て上げネットの代表挨拶にあった「社会投資」について、今後自分の人生において時間をかけて考えていきたいと思った。特に日本において最大の課題とも思える若者支援に少しでもお金が回るといいなぁ。(高城晃一)

  • やはり支援が急務なところに、寄付をしたくなりますね。法テラスさんは、どうして被害者がいないにも関わらず、寄付という行動で罪を償う必要があるのだろうと思ってしまいました。(松本慕美)

  • 育て上げネットを第一希望とします。「働きたいのに働けない」という人たちがいること、そしてそのブレーキに「罪悪感」があるという課題意識に共感しました。そのループから抜け出すには支援が必要だと思います。全ての人が働かなければならないとは思っていませんが、私自身が若者の一人であるため、若者の社会的に自立していくことの困難を想像して活動に意義を感じました。(市村彩)

  • 推薦文、特に体験記に対しての推薦人の「最初は小さかった「罪」の意識が負のループに取り込まれることで自己増幅され、いつのまにか自分の手には負えない存在になってしまうのではないのでしょうか。」というコメントに惹かれました。(横山詩歩)

  • 投票の話し合いの中で、ブラブラしていることに「罪悪感」なんて抱かなくて良いというコメントにとても共感しました。そんな社会を作って欲しいという願いも込めて、若者支援をする同団体に寄付をしたいと思います。(原拓海)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

一般社団法人unistepsへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ 新しい贈与論は、一般社団法人unistepsに72.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「恋」をテーマに推薦を募集し、「一般社団法人unisteps」「NPO法人森は海の恋人」「原貫太氏」の3候補があがり、布田尚大、福原寛重の推薦した一般社団法人unistepsが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

今回のテーマ「恋」に関して、いくつかの方向の議論の末に、最終的にファッション領域に絞られておこないました。

ファッションは人を彩るものであり、相手の為に美しくありたい、人に良く見られたいなど「恋」の触媒としても昔から男女を問わず意識されて来たものだと思います。同時にファッションそのものへの「恋」も存在すると思います。特定の服、ブランド、デザイナーなどに好きな服にある種の「恋」をすることもあります。そのような「恋した服」を着た時に人の気持ちは高揚され、自信がみなぎったり、前向きな気持ちになる経験があるのでは無いでしょうか?

もちろん恋愛的な文脈からも青年期の恋、多様性を踏まえたLGBTQなどへの恋、老いてなお恋する終生の恋など多様な恋の形態は考えられましたが、我々はもっと消費や社会に根ざした領域でのファッションについて考察しました。

サステナブルファッションに関する教育やプロジェクトを行う一般社団法人unistepsを推薦します。同団体の活動は業界団体のマネージからコンシューマー向けのラーニングプログラムまで多岐に渡りますが、その中で勇気と志を持った未来のファッションデザイナーを発掘し、称え、そして育むファッションフロンティアプログラムを行なっています。

その団体のディレクターがプレゼンの場で話した「人類が服を着始めてから5000年。次の5000年、人類は何を着ているのでしょうか。それを探求していきたいんです」という発言が、忘れられません。ビジネスは基本的に今生きている人間の欲望を対象にします。そんな中で5000年後を射程にするクリエイタープログラムは、強い困難性を孕む営みです。

クリエイティブという文脈でいうと、日本はクリエイティブに理解が低く、文化への着意に乏しい国だと常々思っています。世界的な日本人デザイナーは今はいますが、将来いなくなるかもしれません。若い世代がファッションの夢や希望を持てなくなると業界はどんどん先細っていくでしょう。

若者の挑戦を寄付によって称えつつ、5000年後も地球環境が壊れきっていないことを祈りつつ、5000年先も人類は喜劇的な、悲劇的な恋愛を繰り返しているのか夢想するのは、愉しい行為なのではないかと思います。

unisteps「FASHION FRONTIER PROGRAM」
https://unisteps.or.jp/FFP

FASHION FRONTIER PROGRAM
https://ffp.jp/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 推薦文を拝見し、個人的な「恋」の記憶においてファッションの存在感が大きいことに気づかされました。ファッションを千年単位で考えることは、人間の自己表現も同じ射程で考えることであり、そのような取組を是非支援したいと思いました。(上西雄太)

  • ファッションという自己表現の世界で、一つの価値観を絶対視するのではなく、選択肢を増やしていくという方向性に共感して選びました。(朝野椋太)

  • 未来のファッションデザイナーを見出して活躍をサポートするFASHION FRONTIER PROGRAMはとても素敵な取り組みだと思いました。私は、私の好きな服を着て過ごすことを、大事にしています。いっそう魅力的な衣服たちがうまれてくることを楽しみにしています。(大政勇作)

  • 恋をキーワードに、対象への恋が、視野を広げて環境や地球への恋、に広がっていったら良いなと夢想し、投票いたします。(金子遥洵)

  • 自身を「服好き」としておきながら、リサイクル以外でサステナブルと紐づけて考えてきたことがありませんでした。ファッションを楽しむだけではなく維持可能な状態に導くことに共感しました。(白川みちる)

  • 「その団体のディレクターがプレゼンの場で話した「人類が服を着始めてから5000年。次の5000年、人類は何を着ているのでしょうか。それを探求していきたいんです」という発言が、忘れられません。ビジネスは基本的に今生きている人間の欲望を対象にします。そんな中で5000年後を射程にするクリエイタープログラムは、強い困難性を孕む営みです。」私もこの言葉にはぐっときました。誤解を恐れずに言えば「5000年後を射程にするクリエイタープログラム」というのは「強い困難性を孕む営み」どころか「妄想ギリギリ」だと感じました。(言い方!)そんな領域を架構しておいて、広く賭けを呼びかけることのあまりに人間臭さ!「若者の挑戦を寄付によって称えつつ、5000年後も地球環境が壊れきっていないことを祈りつつ、5000年先も人類は喜劇的な、悲劇的な恋愛を繰り返しているのか夢想するのは、愉しい行為なのではないかと思います。」私も全くそう思います。死語を使えば禿同です。ノッた!(本間盛行)

  • ファッションは、恋と同時に礼(礼節)にも近い場所にあると思います。恋をしつつ、他者や未来への礼を忘れない取り組みを素直に応援したいと思いました。(加藤めぐみ)

  • 服には人の行動を変える力があります。フォーマルな服を着るとシャキっとするし、Tシャツジーンズならフランクな所作になるし、グレースウェットだとダラダラしがちですよね。また誰かのために服を選ぶこともありますね、特に恋をしているときは。あの人の好みに合う服、でも私の元々のイメージとかけ離れないように、ああでもないこうでもないとクローゼットを引っ掻き回した経験、きっと多くの方がお持ちではないでしょうか。恋する気持ちに力を貸してくれるもの、それがファッション。そういうわけで「恋」というテーマに一番しっくりきたunistepsに一票を投じます。サステナブルというのは、ファストファッションとはなかなか相容れないものです。ユニクロにオーガニックコットンやリサイクルポリエステルの服は並んでいません。安くて可愛い服の裏側には、大量に農薬を使った綿・劣悪な労働環境・環境負荷の高い染料と排水…その他諸々の問題を抱えているということを知らない人はたくさんいます。サステナブルファッションがもっと根付くために、unistepsに寄付することで少しでも貢献できたらと思います。(溝口奈緒美)

  • 消費・欲望のシンボルのようなファッション。そのファッションに、多角的に切り込んでいくのが、かっこいい。身に着けているものの前後にどんな世界があるのか、どんな人たちがいるのか、もっとしりたくなりました。(阿曽祐子)

  • 個人的にファッションへの思入れが強く、サステナブルな観点というよりも、新たなデザイナーの発掘を小さいながらも支援できたらと思い、Unistepsさんを第一希望にさせていただきます。(小川哲兵)

  • 洋服好きです。高いお金を払って購入する、つまり等価交換しているわけですが、それでもやっぱり「洋服からもらったもの」の方が大きい気がします。今回はその返礼の意味も込めて一票を。推薦文にも、とても共感しました。この共感が連鎖し、次の5000年に続いていくことを祈って。(桂大介)

  • とにかく日本の若者を応援したい気持ちからunistepsを一位にしました。ファッションに関わらず、日本の様々な文化が発展することを祈ります。(岩井謙治)

  • unistepsさんの話をしているときの「サステナブルってお金がかかる」という言葉を後からふっと思い出しました。良いことをしているのに余計にお金がかかってしまうなんて、、この団体も数多の「やりたいけどお金が尽きた」団体たちを乗り越えて頑張っているのかもしれないなぁ、、と思うと寄付したくなる気持ちが芽生えました。(綿貫美紀)

  • モノづくりをする1人として、クリエイター文化を育む投資というところに、最終的に一番価値を感じました。(中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

KIFUBARへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、KIFUBARに75万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「酔い」をテーマに推薦を募集し、「KIFUBAR」「Allotment」「淡路島 あめつち農園」の3候補があがり、市村彩、桂大介の推薦したKIFUBARが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。なお推薦文で触れている共催については、現在KIFUBARと協議しております。少し異なる形になりそうですが、決定し次第あらためてお知らせいたします。

寄付というのは、勇気や大義を必要とする行為だと思われています。何かしらの前向きな決意や、大胆で熱い想いや、もしくは気高い志が必要だろうと思われている。寄付をする人は、よほど徳が高いか、財産にひどく余裕のある人だと思われている。しかし、ここにいるみなさんは既にご存知のように、寄付をするのにそんなものは必要ありません。

人間というのは自分のためだけに生きて、自分のためだけに死んでいけるほど強くない。そう言ったのは三島由紀夫でしたが、まったくその通りだと思います。誰かのためになりたいというのは、人間の根源的で普遍的な欲動ではないでしょうか。であったなら、人を寄付や贈与に駆り立てるものは、そう壮大であるはずがない。いわば私有という石堤に、ちいさな穴を開けるだけでいい。そこから水は流れ出します。

しかし、世の中は絶えず強固な石堤を築き上げることを要求しています。日本経済がどうとか、国債がどうとか、年金がどうとか、恐怖ばかりを煽ります。もっともっと高く強く石を積み上げねばと、心配が募ります。人のために生きる余裕なんて、今の自分にあるのだろうか。そういう不安を吹き飛ばすには、どうすればいいでしょう。

簡単です。酒を飲めばいいのです。酔っ払えばいいのです。

好きなお酒を傾けリラックスしていると、体の奥からふつふつと幸せが湧き上がってきます。うまくいかない仕事のこととか、将来への漠然とした不安とか、誰彼との根深いトラブルとか、そういうことはすべて消え去って、純粋で全体的な陽気だけが脳髄に広がっていきます。すべてがどうでもよくなる。これでいいんだ、という気分になる。

人間にはそういう時間が必要ではないでしょうか。不確かな未来という軛から自由になって、いまここに確かに生きていることの享楽を味わう時間が。心地のよい酔いは、世俗の喧騒から人間を救出します。そういうとき、人は本来の魂を思い出し、人のためになることをしよう、損したっていいじゃないかと思えるのだと思います。

KIFUBARは、参加費やドリンクの購入金額の一部が寄付になるBARイベントです。これまでの開催は50回超。コロナで休止していましたが、2022年7月から再開が始まりました。当選した場合には、KIFUBARと新しい贈与論で共催回を開き、今月の寄合分を当日の寄付額に上乗せして寄付するイベントにしてみたいと思います(難しければ運営費として寄付します)。酔いからはじまる新しい寄付の形を、ともに見にいきましょう。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 寄付をする人はよほど高貴な人だろうと思われているという疑念と,三島由紀夫氏の言葉を引用しながら自分のためだけに生きようとしながらも誰かのために生きたいという欲望があるという主張,それをゆるく包み込んでくれるような,酒で酔いながら実は誰かのための寄付になる形の活動のご紹介.私自身も,誰かとお酒を飲みに行くという行為を通じて,「奢る」「奢られる」のような身近な贈与とも考えられるお金を媒介した何かのやり取りや駆け引きをする自分自身を深く理解したいと思い,このコミュニティに参加しました.お酒を飲みながら,当日の段取りやお会計までを含めたコミュニケーションは大変興味深く,KIFUBARさんと新しい贈与論コミュニティが関わりを持つことで,私自身の問いも少し深まるのではないかという未来も想起できました.(宮木光)

  • 僕はお酒を飲めないのでバーは普段行かないのですが、こういったイベントなら参加してみたいと思いました。一般的に関係が遠いと思われるような寄付とお酒を組み合わせるのは面白いですね。(三上遼)

  • 生きる目的、働く目的は歳を重ねるほどに「誰かのため」でありたくなります。推薦文に惹かれました。(白川みちる)

  • 寄付へのハードルを下げるというKIFUBARのコンセプトは、この「新しい贈与論」と非常に近いものがあります。寄付先の候補の中にKIFUBARを見つけたとき、そのコンセプトへのシンプルな共感もありましたが、このような"同業者"を寄付先の候補にできる「新しい贈与論」の柔軟さも感じました。「寄付のための寄付」というのは普通あまりないことかもしれませんが、投票というフォーマットだからこそ可能な寄付として、また寄付文化の広がりを願って今回はKIFUBARを選びました。(朝野椋太)

  • 寄付という行為は多くの日本人にとって身近なものではないです。ですが贈与という行為は日本文化に根付いています。寄付と贈与の違いを考える時に、「身近かどうか」というのは1つのキーワードだと感じています。KIFUBARは寄付をBARイベントと絡めることで寄付を身近にできる取り組みの一つだと思い、希望させていただきます。(山浦清透)

  • 新しい贈与論でも、参加メンバーの贈与観に小さなうねりを起こし、それがバタフライエフェクトのように社会に広がっていくことが起こせるのではないかな、社会へのインパクトにつながるかなと思っています。また、贈与につきまとう「高尚なもの」を「酒の席」という特殊な時空間により解きほぐすこともできそうで、「真面目でありながら不真面目」という心地よいミックスが巻き起こせそうだと思っています。応援したいです。(野口福太郎)

  • KIFUBARはシンプルに新しい取り組みで面白そうと思った。新しい贈与論との共催回があればぜひ参加してみたい!(高城晃一)

  • KIFUBARは、「当選した場合には、KIFUBARと新しい贈与論で共催回を開き、今月の寄合分を当日の寄付額に上乗せして寄付するイベントにしてみたい」というのが響きました。(嶋田暁文)

  • 推薦文がすばらしくてグッときました。新しい贈与論と似た部分のある活動だと思い、共感の意味も込めて寄付したくなりました。(伊藤亜紗)

  • 肩の力を抜いて、気軽に寄付をできるのがとても魅力的です。おいしいお酒を飲める、というちょうどいい理由もあります。寄付をするのに強い動機や目的なんてなくていい、むしろ目的から離れて自由に贈る豊かさを楽しめる素敵なBARだと思いました。(大政勇作)

  • 一読、KIFUBARに決めました。そう。お酒を飲めばいいんです。この世の中で最も難しいことの一つになってしまった「切断」がただちにそこに現れるから。共催会、ぜひ実現したいです。万難配して参加する意向です!(本間盛行)

  • 余白の少ない現代において、酒は余白を作り出す装置だと思います。余白と寄附は相性がいいのかなと紹介文を読んで感じました。(稲田遼太)

  • 楽しみが寄付に変わるという発想が面白いと思い、KIFUBARを第一希望にしました。新しい贈与論とのイベントも見てみたいと思います。(志賀響子)

  • 推薦文の軽やかさに惹かれたのと、以前から興味を持っていたため、KIFUBARに投票します。毎月の寄合では、どうしても集まった金額を寄付する意味合いを考えてしまいがちですが、このカジュアルさを併せ持つのが、新しい贈与論の面白さだなと改めて思いました。(広井健一郎)

  • 酒に飲まれるのが好きだから、「酔っていること」にちゃんとこだわっている推薦理由がいいなと思いました。(綿貫美紀)

  • 寄付なんてそんなものでいいんじゃないかと思えるような推薦文に共感しました。(中村雅之)

  • 自分のように寄付に興味のなかった人がReHacQで寄付に興味を持ったようにお酒の力で寄付に興味を持つ人が出てくる可能性に賭けてみたい!(茂木大輔)

  • 難しい決断でした。資本主義な東京で寄付をしながら酒を飲まないでどこで酒を飲むのだと思いました。案外お酒って地方への資本の分配が進まないんですよね。例えばビールですと国内消費の99%が大手の商品であり、地ビールやクラフトビールの消費は1%であると示す調査もあったりします。お酒を飲むという行為を通じて、地方と都市の資本格差が埋まるのであれば、これほどいい循環はないと感じました。気持ちよく酔えるのではと思い、一票投じます。(中村 祥眼)

  • 参加するのが初めてなのもあり、議論を交えていく中で、3つに序列をつける様々な指標が頭をよぎりましたが、今回は自分があったら応援したいものとして、他人と酔える場としてKIFUBARを応援したいと感じました。(小川哲兵)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

特定非営利活動法人ぐるんとびーへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、特定非営利活動法人ぐるんとびーに71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「山」をテーマに推薦を募集し、「特定非営利活動法人ぐるんとびー」「公益財団法人全日本スキー連盟」「公益社団法人モリウミアス」の3候補があがり、金子遥洵さん、稲田遼太さんの推薦した特定非営利活動法人ぐるんとびーが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

概要

ぐるんとびーは、株式会社とNPOという2つの法人格を持っている。
株式会社としては、神奈川県藤沢市にて、小規模多機能型居宅介護施設を中心とした事業を行っている。

その一方、NPOでは、介護施設の運営だけではまかないきれない、地域の人たちとかかわっていく予防的な取り組みなど、その他事業を不定期で運営している。
今回はNPO法人としてのぐるんとびーへの寄付を推薦したい。

推薦理由

利用者とともに「生活の中で小さな幸せを得るひとつの要因として、豊富な選択肢の中から本人が自分にとっての最適なものを自由に選」びながら、「ほどほどな幸せ」を目指すというのがぐるんとびーの根底にある考え方だ。

普段人は山から水や果物、空気等多くの恵みを享受している。山は当たり前にそこにあるものとなっており、山の中ですべてがうまく回っており、それが未来永劫続くかのような感覚を覚える。ぐるんとびーの活動は、寄付で財源を確保する前から、受益者である地域の利用者のために手を伸ばすような活動を始めていることからも、周りに色んなものを還元していく山のような存在に感じられた。団体は、一見すると山と同様、何の問題もなく存続し続けられるようでありながら、その実、資金面等、色々な課題を持っていることが多い。

地域で活動する団体は、山とそこに住まう動物の関係のようにサービスの受益者と”持ちつ持たれつ”の関係の中で、感謝されたり、興味を持ってもらったり、時にはお金をもらったりしている。その地域で暮らす人間の集まりではない団体からの贈与・寄附は、そういった双方向的な関係にないところからの働きかけであり、特別な意味を持っているように思う。

ぐるんとびーでは、ルール通りの運営から踏み込んで、96歳の利用者に深夜3時半にラーメンを提供(https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/grundtvig-ramen)したり、若手職員が朝7時半からのラジオ体操を利用者のためでもなく、自主的に続けたりする(https://note.com/yushi_5fin/n/nfb9593872496)といった通常起こらない出来事が起こっている。

また、若年認知症の方・ご家族など、行政からの手が届きにくい領域を見つけ、地道にサポート等もしている。
これらは日々の積み重ねによりかかわる人の「ほどほどに幸せな暮らし」にいたるための過程になっている。継続されることにより、異なる角度で日常をとらえなおすという態度が地域内やメディアを通じて広がってほしいと感じている。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 株式会社+NPO、の形は最近増えつつあると思うのですが、ぐるんとびーさんの活動を読み、「NPOの活動が株式会社の持続可能性を支える役割を持つ」ことの実践を垣間見た気がしました。今回のテーマの「山」も、自然の摂理、複雑性を活かしながらも人が適度に介入することで(間伐など)市場価値も生みながら持続可能性が担保される、という関係にも通ずるところがあるなと思いました。業界によってはこのような仕組みが合っている&求められることもあると思うので、更に広がっていくことを願っています。(上西雄太)

  • この中で人道的な要素が強く、より寄付を必要としている団体なのではないかと思ったため。(清水絵理)

  • ぐるんとびーは、株式会社とNPO法人で機能補完的に活動されているアイデアが面白いと感じます。公式サイト等をみると、団地のなかに小規模多機能型施設をつくることでナナメの人間関係づくりを構想したり、美容業界✕ケアでコラボしていたりと、遊び的発想にもとづく実践がすばらしく心惹かれました。(森康臣)

  • 介護を通じて、地域を、大きな一つの家族にするという街づくりコンセプトに可能性を感じました。(金均)

  • 96歳の利用者に深夜3時半にラーメンを提供の投稿と、そのTweeterでの議論の様子などを見ていて、ぐんとびーさまが良いとおもいました。理由はシンプルで、自分が高齢になった時には、こういうスタンスの人々に支えて貰えたら、きっと嬉しいと思ったためです。
    ちょうど先日個人的に「治療のために長期入院した場合」というケースの議論をしていました。誰にも未来はわかりませんが「根治」して100%回復する前提であれば、制限された食事も、家族と会えない期間も、全て100%で受け入れるでしょう。一方で、治療のために入院し、治療にコミットしたが全く改善が見込めず生命の最後の時期だけ(治らないのでしかたなく)日常的な生活に戻れたり、もしくは入院中に体調急変してそのまま亡くなるかもしれません。確かに治療しないと余命も短くなったかもしれませんが、何が良いのでしょうか。まず「何が正しい」のかは無いのかと思います。「何が本人にとって好ましかったのか」は本人希望なので有ると思います。(福原寛重)

  • 高齢化が深刻化する中で、「安全性」と「本人がどう生きたいのか」のバランスは非常に難しいところであり、今後議論を進めることは非常に大切なことだと思う。記事にも書かれていたように社会から一定の批判も浴びるため、強いポリシーがないと続けられない活動だと思う。ぜひ応援してみたいと思った。今後の日本の経済を考えるとスキー連盟も応援したいが今回はぐるんとびーに1票。(高城晃一)

  • BuzzFeedの「深夜に96歳の男性が「ラーメン食べたい」と言ったら、どうしますか?」を読んで泣けました・・。ほんとこれ。長生きするために生きたいんじゃない、やりたいことをやるために生きたいんですよね。安全が最上位ではなく、利用者の「ほどほどの幸せ」を最上位に置いて、そのためには少しリスクがあってもそれを受け入れていくという経営者やスタッフの方々の姿勢を尊敬します。(浅井美絵)

  • 高齢者住宅の再生事業に関わった経験があることもあり、ぐるんとびーさんの特殊性とすばらしさは以前から存じ上げています。言うは易し行うは難しな取り組みに挑む彼ら姿勢は尊敬に値するものであり、第一希望とします。寄付という余剰が彼らに与える余白が生み出すであろう効果には期待しかありません。(宮本聡)

  • 96歳の利用者が深夜にラーメンを食べる動画見ました。単純ないい悪いではなく、願いを叶えるためには引き受けるリスクもある。そのバランス感覚を、ケア領域だけじゃなくて地域の関係づくりの事業でも広げていってくれたら素敵だなと思いぐるんとびーに投票します。学生生活を送った地域で、こんな素敵な活動があったことも知れてよかった。(飯島拓郎)

  • 地域で必要とされていることを提供している感があり、ささやかな幸せを支える活動なんだなというのが伝わってくる。応援したい。(中村雅之)

  • ぐるんとびーの取り組みは、どうしても通常のルールからすると逸脱しているものかと思いますが、その方がよりその人らしく生きることのサポートに繋がるのだとすると、あらためての幸福追求につながるのではないかと思いました。(海野慧)

  • 助け合いの形を介護施設だけではなく地域規模で設計されていることに感銘を受けました。事業としても興味津々です。「ほどほどな幸せ」、共感します。(横山詩歩)

  • 推薦文を読んで、私も日常の小さな「ずれ」から自由か生まれるきっかけが増えたらより生きやすい世界になるのではと思い、ぐるんとびーを選択しました。(古川哲)

  • 思いと行動、自分と目の前の誰か、やろうと思えばつなげられそうなものをつなげられないでいることに気付かせてもらいました。大事なのはほんの少し思考を止めてまず体を動かし始めてみることなのかもしれないと思います。「明日からできることをやろう」、「住んでいる地域で繋がりをつくりたい」、その一歩が変わらず踏み出され続けることの一助になれたら嬉しいです。(稲垣景子)

  • ただただ直感的なものですが、それぞれのエピソードに人間味が溢れていて自分もこれくらい自然に物事に向き合いたいという気持ちでぐるんとびーに投票いたします。(藤原麻耶)

  • 皆さんのお話を聞いて最後、ちょっと揺れました。というか、第一と第二を変えました。(橋口佐紀子)

  • 単純に面白そうだと思ったのと、PLAN75という映画を見てから、いかに高齢者の生活が制限されているのかを知ったので、こんな癖の強い場所が残っていくといいなという気持ちからです。(東詩歩)

  • 自分が歳を重ね老人になっても、体力が衰えて気力に陰りが見えても、病に蝕まれるようになっても、「ほどほどの幸せ」とともにありたいと思いました。高齢者の日日増えていくこの国で、「どれだけ歳をとっても幸せを追求する権利はある」ということを大切にしたいと思い、ぐるんとびーに一票を投じます。(桂大介)

  • 推薦先を決めるmtgに参加させていただいたことで、思い入れが増したというのが大きいです。活動の世界観も応援したくなるものでした。(市村彩)

  • ぐるんとびーさんの個別に最適化した事例から最善を帰納的に考える姿勢に強く惹かれました。(これは私の生業が影響していると思われます。)Buzz Feed記事内の「介護かどうかはあとで考えるようにしていますから」とコメントがありますが、本来は多様であるはずの終末期の幸せがある中で、現場では規格化された介護がひろく実践されているのではないかと思います。そういったいわばポリコレ?にも近い道徳的で大人しい1億人の最大公約数的な寄り添い方をしない姿勢に強く共感しています。1人の幸せを考え実践し、そういった普通に考えればコストがかかってしまうやり方が増えるといいなと思い、一票を投じさせていただきます。(中村祥眼)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETYへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETYに71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「旅」をテーマに推薦を募集し、「特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY」「NPO法人School Voice Project」「森達也 劇映画監督作品 映画『福田村事件』」の3候補があがり、藤岡達也さん、松木耕さんの推薦した特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETYが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

 「人生と旅」は、お互いよく使われるメタファーですね。さて、100年生きることが現実的になった現代でも、その人の旅路において拠点となる「場所」は必ず存在します。私は日本に生まれましたが、将来国外に住むことがあるかもしれません。同様に、何らかの理由から日本で生活する外国人は、在留許可者のみで約300万人、それに11万人といわれる非正規の滞在者が加わります。その8割以上がアジア系です。

 特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY(APFS:http://apfs.jp/)は、おもに在住外国人の人権擁護のための調査・研究・提言・相談活動などを通じて、日本人との垣根を取り払い、文化を理解しあい、多民族・多文化社会の実現に寄与しようという団体です。

 支援の対象は現在、東南・南アジア出身者が中心で、最近アフリカ出身者も増えているとのこと。イラン、インド、韓国、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ミャンマー、ネパール、アフリカその他各国です。

 APFSは、コロナ禍での食料援助、ワクチン接種のサポートをはじめ、在留外国人のふだんの生活への援助を行っています。さらにAPFSのウェブサイトには、「在留特別許可と非正規滞在外国人」というページ(http://apfs.jp/visa)があり、そこには、彼らが援助する対象のうちの「非正規滞在外国人」とくに1980年代以降アジア各国から日本に出稼ぎにやってきた「外国人労働者」の子どもたちについて記されています。日本で生まれたときから在留資格がなく、健康保険にも入れず、進学の夢も叶わない若者たち。自分の選択ではないのに、親の国の言葉は話せず、収容の可能性や送還の恐怖を日々感じながら生活しています。こうした若者への支援は公的にも私的にも皆無、奨学金や生活保護も使えません。APFSでは、このような非正規滞在外国人に対して、正規に在留許可が出るようサポートしています。しかしながら、在留特別許可が出るには高い壁があります。

 旅する人生において人との縁は大切なもの。同じ国、同じまちに暮らす人々への気遣いは一緒と考えます。多文化共生の時代へのひとつの答えとして、APFSへの寄付を提案いたします。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 「旅する人生において人との縁は大切なもの。同じ国、同じまちに暮らす人々への気遣いは一緒と考えます」を今まで感じていたものの貢献する機会がなかったため。(中村たか)

  • ファーストインプレッションとして、APFSは見るからにボラインティアで成り立っている印象をうけました。こういう団体を応援したいなと個人的にはおもいました。
    社会背景的にみても、日本は移民や外国人の移住者を本質的には嫌ってる国だとは常々思っています。入管の事件もそうでうし、そもそも外国人居住者を行政などのレベルではなく、国民ひとりひとりがあまり好意的に思っていない印象だなと個人的には思っています。
    人と接する時にバイアスを持たない様にする姿勢、人を知ろうとする姿勢、人を理解しようとする姿勢、人には善性があると信じる姿勢(悪意を無視するわけではありません)、など、人と接する時にこちら側が持つスタンスは「その人の美しさ」につながると個人的には思っています。そういう美しさを日本人として、多くの日本人にナチュラルボーンで持って欲しいと思う一方で、やはり外国人に対する心理的なバリアが高いなと思う現実を感じる次第です。教育的視点で多くは解決できると思いたい一方で、日本人しかいない学校に行き、知的障害クラスの無い学校に行き、外国人と話す機会や、仕事をする機会が少なく、海外渡航する機会も多くないと、多様性を感受できないというのは、日本人の多くにとって必然的なことかもしれません。(悲観的ではないですが、悲しいなとは思います)そのような事も踏まえ、APFSには頑張って欲しいなと思ったしだいです。(福原寛重)

  • システムの中ではなかなか支援が行き届かないところに手を差し伸べられるのが、個人による寄付のメリットだと思います。在留資格を持たない外国人も、公的な支援は受けられず、周囲の理解も得にくい中で不自由な暮らしを余儀なくされています。彼らを支えつつ、適法な在留資格を得られるように行政側にも訴えかけているAPFSの活動に共感し、この団体への寄付を選びました。(朝野椋太)

  • 自分では寄附先として思いつかなさそうな反面、推薦文が魅力的だったから(稲田遼太)

  • 現在の日本は、多くの社会課題、人権問題を抱えています。以前、中高生の人権教育の現場で講師を勤めている方から、「今のトレンドはLGBTQ。在日外国人問題はあまり興味を持たれていない」というような内容のお話を聞いて、違和感を持ったのを記憶しています。人権の問題は、常に人権を脅かされている人のそばにあり、現在進行形の問題です。にもかかわらず、その問題にトレンドがあるとは、、。わたし自身は在日韓国人で、日本の永住許可を持っていますが、日本でくらすことが難しい外国人の話を見聞きすると、とても人ごととは思えず、いつももやもやしていました。この問題に関して、わたしは特に何もできておらず、うしろめたさを感じることも多いです。APFSのことは恥ずかしながら知りませんでしたが、そのような思いを前向きなアクションにすべく、一票投じたいと思います。(姜花瑛)

  • 在住外国人の人権擁護と旅とは、どちらも異文化と触れ合うことで理解を深めていく点では同じものだと感じました。他者への理解を深め、多様性を受け入れ、共生する。それが旅であり、また在住外国人の人権擁護であり、その支援ができればと思い特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETYに投票いたします。(山浦清透)

  • 小泉義之という哲学者が「移動の自由こそ自由のすべてだ」(大意)と書いていたことがあります。旅や観光を考えるとき、いつもこの言葉が想起されます。多くの日本人が意識することなく移動の自由を享受する一方、少なからぬ非日本人が「移動の不自由」を強いられ続けています。ということで、APFSに投票します。「非正規滞在外国人」の問題にも高度経済成長の末期(バブル経済)が影をおとしていることをHPで知りました。人を単なる労働力(道具)として扱わない。少しずつですが社会はそのように変わってきているとは思います。この「人」が、すみやかに一つの例外もない『全ての人』となりますよう。(本間盛行)

  • 今後日本はますます労働人口が減る中で移民の仕組みも、在留外国人に対する制度も整っていないため、少しでも在留外国人に役立つ支援になればと思い選びました。在留資格がない状態で生まれてきた子供に罪はないだけでなく、それぞれの事情により在留が必要になった人もたくさんいるのでサポートは必要不可欠なことだと感じます。(高城晃一)

  • APFSを1位にしたのは、最も資金に困っていそうで、かつ、切実な問題に取り組んでいると思ったから。切実な想いを感じました。(嶋田暁文)

  • 日本にたどり着かれた理由は人それぞれでしょうが、何らかの縁があって日本に住むことになった方々が、生活を脅かされたり、子どもの未来が制限されたりすることは悲しいことです。海外からの旅行者に対しては「おもてなし」をアピールする日本ですが、住んでいる海外にルーツを持つ隣人に対しては、ずいぶんと冷たい国、という印象があります。短期間訪れた人ももちろんのこと、一緒に暮らしていく人にも温かく、来てよかったと思える国になりたいですね。APFSさんのご活動を応援します。(浅井美絵)

  • 外国人労働者の子どもの不遇の話には、子を持つ親として単純に何とかしてあげたいと感じるし、日本が強い国になるためにもまずこういう足元の、共生の問題に向き合うことは必要なことだろう思いました。私の日常では直接関わりがないからこそ、寄付では選択してみたいです。(中村雅之)

  • APFSのサイトを見て、昨年見た映画「マイスモールランド」のことを思い出しました。家族が施設に収容された後に残される子どもたちが、生活を制限され、進学や仕事も自由に選べない姿を見て、彼らの置かれた環境の厳しさに心が痛みました。また、APFSの事務所は、自分がこどもの頃によく通っていたエリアにあり、縁を感じるとともに、そこでの活動の難しさも感じました。会計報告を見ても厳しい状況のように見えたので、同じ場所で暮らす人達への支えになればと思い、APFSに投票したいと思います。(広井健一郎)

  • > 旅する人生において人との縁は大切なもの。同じ国、同じまちに暮らす人々への気遣いは一緒と考えます。多文化共生の時代へのひとつの答え
    という部分に共感したから。旅の楽しさは、多様な文化があるからこそ実現していると思うか(石崎智也)

  • APFSを選びました。理由は、今回のテーマが旅行ではなく「旅」だからです。旅の不思議は、計画性の無意味さと、自分の意志以上の力がはたらくことだとおもいます。そしてそれは、良い作用も悪い作用もある。そんなことを思いました。(高野冬馬)

  • この団体が作成したYoutube動画があるのですが、胸を打つものでした。贈与先がこちらに決まったら、ぜひご覧いただけたらと思います。https://www.youtube.com/watch?v=wTBvJxkOCH8(河原塚有希彦)

  • 私は旅が好きで、これまで多くの国で多くの人に助けてもらいました。人種の隔たりがなく、共に生きる社会は、我々人類が目指すべき社会であると思う一方で、日本はまだまだ外国人が住みづらいと感じる国だと感じています。少しでも日本が、出生地や人種に関わらなく、住みやすい国になりますように。応援しています。(疋田裕二)

  • 私は学位論文で「日本の労働人口の低減と対外リソース獲得施策としての技能実習制度」と題して論文を執筆いたしました。その際、実際に日本に来ている外国籍の方々と接している中で、いかに日本の受け入れ態勢が杜撰で海外籍の方が権利的に虐げられているか知りました。私にとって身近な問題です。これから日本に来てくれる海外籍の方が、十分な権利保障をされる中で日本に滞在できるように、心から願っています。(中村祥眼)

  • 皆さんのお話を聞いて、今回は「応援のしがいがあるところ」という観点で、1を1番にしました。
    更新が少ない、活動が見えづらい、など、同じ非営利団体で働く身として自分にも刺さるコメントが多く、なんとか応援したいという気持ちになりました。また、9か国の言葉で用意してある相談窓口の案内がPDFで、そのけなげな感じ(大変勝手な感想ですが…)も心に響きました。(立花香澄)

  • 国際社会の中でどんどん存在感が薄くなっていく日本。その理由の一つが外国人に対する不寛容さだと思います。そんな日本が国際社会からの信頼を回復していくためには、APFSのような在住外国人支援の活動は欠かせないものではないでしょうか。私はこの推薦文を見るまでこの団体を知りませんでした。推薦されなかったらきっと出会わなかったでしょう。つながったご縁に感謝し、第一希望とします。(宮本聡)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

江北図書館へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、江北図書館に67万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。2023年2月は「探す」をテーマに推薦を募集し、「ウィキメディア財団」「江北図書館」「認定NPO法人難病の子ども支援全国ネットワーク」の3候補があがり、立花香澄さん、阿曽祐子さんの推薦した江北図書館が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

「探している」という状態は、「見つかっていない」とも言い換えられる。

見つかっていない状態を受け入れることは、大抵の場合、苦しい。
私たちは、「なぜここに?」と生きる意味を探し、「どこかにあるはず」と居場所を探し、よりよいものや状態を探し続けて生きている。「見つからなかった」と割り切れない探しものは、特に、つらい。

しかし、すべてが見つかったとき、私たちは幸せだろうか。

「探している」からこそ、「見つかっていない」からこそ、私たちはまた一歩を踏み出すことができる。何も探さなくてよくなったとき、私たちは絶望を感じるのではないか。
そう考え、私たちは「探している」ことを、もっとポジティブにとらえたいと思うようになった。「見つかっていない」状態にあることを幸せに受け入れることができれば、私たちはもっと健やかに生きていけるのではないだろうか。そこで今回は、「探す」を、素敵なもの、ポジティブなものとしてとらえるための推薦先を考えた。

◆推薦先:江北図書館 ~地域が守り続けてきた滋賀県最古の私立図書館~
http://kohokutoshokan.com/

たくさんの本の間で、どの本を手に取るかと行き来する時間は格別な時間だった。私がまだ知らない世界が潜んでいる。数多ある中から、たった数冊を選び抜く只中にいる私は、普段の何もかも忘れ、ただ一点に向かうことができた。見つかっても見つからなくても、その時間は私を幸せにしてくれる。

推薦人Aが暮らす滋賀県に県内最古の私立図書館「江北(こほく)図書館」がある。
明治以降、日本に図書館設立の機運が高まるなか、伊香郡余呉村(現長浜市余呉町)出身の弁護士・杉野文彌が「未来を支える子どもたちと地域に暮らす全て人たちの文化向上のために」という想いで設立された。明治39年のことだった。当初は、伊香郡役所の支援も得てスタートし、地域の青少年の知的啓発に大いに力を注いだ。昭和の大恐慌、第二次世界大戦による資金難や後継者難で多くの図書館が閉鎖されるなか、何とか持ちこたえ、若者たちに図書と触れる機会を提供を続け、「貧者の一灯」として地域に存続してきた。

今や、図書館を巡る環境は大きく変化した。インターネットで手軽に書籍が手に入ってしまう時代である。設立から120年近くを経た江北図書館に建物の老朽化という課題が迫る。現在の図書館法により公的資金を受けることができない私立図書館は後ろだてがない。

「地域に身を置く図書館の役割とは何であろう?」

地域の人たちが再び立ちあがり始めた。理事やサポートメンバーを中心に、未来に残すための手入れが行なわれている。
ここには、多くの人たちが、未だ手にしていない「知」を求めてやってきた面影がある。喪失に直面しても、なお「この図書館を残したい」と願う人々は、かつて本の間の渉猟を楽しんだ子どもでもあったはずだ。先達が与えてくれたその体験を途絶えさせるわけにはいかないのだろう。
はかないながら「探す」の意味を問いなおす図書館と、その意義が「見つかっていない」からこそ残さんと動く地域の人々に敬意を表し、ここに推薦したい。

『江北図書館の建物について紹介します。』
https://www.youtube.com/watch?v=eElxL4bNk_g

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 本当に個人的ですが最近図書館のヘビーユーザーで、図書館に恩恵を受けていていつも使っている図書館への寄付を検討していたところでした。探すというテーマに図書館というのも、とてもしっくりきます。(横山詩歩)

  • IT業界に身を置いてはいるが、図書館に支えられて育ったので、図書館を肯定し続けたい。そして、図書館が、今後のあり方を探している状態も肯定し続けたい。人生をやっているとだいたい未解決しかないし、常に探しているので、人生観と被るからかもしれない。図書館も要るか要らないかじゃない。そう応援することで、自分を肯定したいだけかもしれない。(中村雅之)

  • 公共施設や公共スペースの役割の再定義が行われている昨今ですが、その中でも図書館は特に、情報や書籍がオンラインで簡単に入手できるようになったことでより議論があるかもしれません。でも便利に情報が手に入るようになったからと言って、本を読まなくて良くなったわけではないし、本がネット注文で簡単に手に入るようになったからと言って、良書に出会えるわけでもない。そんな利便性を超える何かがそこから生まれるからこそ、江北図書館を残そうという動きがあるのだと思います。

    私たちは日々の生活の中で、公共の場を次世代に残そう、そのために支援しよう、ということはあまり考える機会が無いように思います。それはきっと、そこにあって当たり前のものだと思っているから。ですが、このままでは存続ができない、という危機に直面した時にはじめて、その施設やスペースから得ていた恩恵について、考え直すのではないでしょうか。

    120年もの長い歴史を紡いできたこの図書館は、きっと図書館の機能を超えた役割を地域で担ってきたのだと思います。また、基本方針にも、これからも「地域の未来に貢献する」という役割をこれからも担っていく場所であるということを明記しています。こういう場を守り、繋いでいくことがどのように地域の未来を支えていくのかにとても関心が沸きます。

    図書館という場が、地域づくりの拠点となる実践に期待と応援を込めて、一票を投じます。(浅井美絵)

  • 寄付を行うことでのインパクトが大きいと感じました。また、このような良い場所を1つでも残して行ければと感じました。(福原寛重)

  • 江北図書館のような、いろんな地域に根ざした私設図書館があればいいなあと思い選びました(中島真)

  • 私立図書館という言葉は初めて聞きました。「私設」だと、個人のこだわりのコレクションの展示、あえて「立」を使うことで公共財の意味が感じられますね。さて、クラファンのサイトの、今後の方針についての記述、当を得ていますが、地元に閉じてしまうと、人口減少でいずれなくなってしまうのではと思います。湖北地域→滋賀県や福井県、京都と、外に開く「何か」を、育てていくことも考えてみてはと。決して地域外の業者に丸投げするのではなく、です。(藤岡達也)

  • 図書館には多くの知の宝が保管されていて、本を探すことを通じて新たな発見や出会いの機会が提供されています。それは、インターネットで探すことでは出会いにくい発見や機会です。地域から図書館が失われると、そのような機会がなくなってしまいます。地域の子供たちから機会がなくなるのを防ぐと同時に、図書館で探すという行為が持つ価値に光を当てる一助にもなればと思い、江北図書館を推薦させていただきます。(山浦清透)

  • 東京で育ってきた私にとっては、当たり前に図書館が近くにあるものだったため、今回の推薦文を読むまで、図書館が存在しない地域があるとは思いもしませんでした。また、私立図書館という存在も初めて知りましたが、その歴史的な成り立ちや、地域における価値はとても貴重なものであるように思います。

    自分が子どもの頃に図書館に毎週通った体験が、今の自分の一部を形作っているため、江北図書館が、地域の子どもたちにとっても、そういう場として存在してほしいという願いを込めて票を投じたいと思います。(広井健一郎)

  • 成長した何かに「なる」ことだけでなく、問いを持って「ある」ことの意義を照らしてくださる江北図書館に投票します。最後の一文に強く心が揺さぶられました。効率や成果を当たり前のように求めるばかりでは、意味や役割を問い続ける存在は窮地に追いやられてしまう。今回の場合はそれが「私立図書館」という姿でしたが、翻って一人ひとりと社会の関係にもつながるものだと感じました。(稲垣景子)

  • かつてこの場で兵庫県の私設博物館を推薦したことがあります。今、生死に直結するような活動すら「まず自助で」と言えてしまう時代の空気があり、一方で公的文化施設に民間のノウハウをという流れがある中、文化・教育分野での活動を民が行うことの意義の見えづらさを感じます(たった今も感じています)。江北図書館のHPを見て、明治中期の日本に図書館設立の機運が高まった時期があったことを知りました。その「機運」を我が身に引き寄せて実感することの難しさ。それは日本が十分に豊かになったということの証左なのかしら。未来とか進歩とかを素直に喜べない自分(万博を目の前にしてすら)が「私たちはもっともっと新しくなるんだ」という希望の輝きを忘れないために、江北図書館に投票します。(本間盛行)

  • 私立図書館という概念を今回初めて知りました。図書館法第26条では「国及び地方公共団体は、私立図書館の事業に干渉を加え、又は図書館を設置する法人に対し、補助金を交付してはならない。」とされています。これは「干渉されない自由」の代償として、多くの寄付が私立図書館の存続に必要だと考え、第一希望に選びました。(今田公基)

  • 本が大変好きなので江北図書館に投じています。私も図書館にはかなりお世話になって育ちました。ど田舎で塾などの教育機関が整っていなかったので、図書館で参考書を借りてコピーして取り組んでいました。それ以外にも、田舎では出会えないような価値観が記された本に出会ったりと、田舎だからこそ図書館は私にとって重要でした。私の地域の図書館は人口減で閉館してしまいましたが、江北図書館には存続していただきたいです。(中村祥眼)

  • 自分とは縁もゆかりもない場所の古い図書館。一読した際に、寄付の候補からは外れていましたが、youtubeを見て胸を撃たれました。素敵な図書館をイキイキと紹介する理事の皆さんの明るさ。この図書館が大好きだと言う気持ちが伝わってきました。(鈴木亜香里)

  • HPにあった「 私立図書館でなければできない図書館活動は何か、を見つけ実行すること」ということが、その施設の存在意義というものが開かれているというところにこそ、その図書館が図書館たらしうる自由になるのだと思いました。時代や人によってその図書館の存在意義が開かれていること、そういった開かれた意義というものにこそ寄付であったり、新しい贈与論の活動にあっているのではないかと思い、江北図書館を選びました。(古川哲)

  • 江北図書館、地方で育った身として、本に人生を変えてもらったといっても過言ではなかったので、時間軸を遠くに置き、贈与を未来に投げるような感覚になり、時間軸の長い贈与をしてみたいという気持ちから第一希望としました。さらに、自分でも本を読む文化を育てるために運営している喫茶店で本にまつわる取り組みを自分でやってみて、文化を育て、継続することの大変さを身にしみて感じているので、やはり歴史に完敗しました。推薦文の「探している」という状態は、「見つかっていない」とも言い換えられる。という一文にやられました。書き出しが素敵でした。(東詩歩)

  • このコミュニティとして寄付するのであれば、コミュニティの流れに乗っかりたい気分の自分がいます。自分の主観で評価して良いと思ったところではなく、推薦文の言葉が今のタイミングの自分にフィットしていると思ったから、図書館にしました。(綿貫美紀)

  • 図書館を1位とした理由は、寄附という行為を通じて、お金だけではない貢献(おせっかい)ができると考えたからです。当該図書館への共感を抱く一方、このままでは持続的ではないのではないかという感想を持ちました。そこで、「お金の贈与」という意味での寄附というよりは、関わり・おせっかいの契機としての寄附というツールの可能性を考えて1位にした次第です。(嶋田暁文)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークに67万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。2023年1月は「遠い」をテーマに推薦を募集し、「独立行政法人国立文化財機構」「認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワーク」「NPO法人全国自死遺族総合支援センター」の3候補があがり、古川哲さん、河原塚有希彦さんの推薦した認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

この法人は税理士・公認会計士といった専門家が「自発的に様々な社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、人々から共感され、活発になる社会を目指」して活動しています。

(https://npoatpro.org/about.html)

ここ最近SNSを中心に、非営利法人の会計に関する話題がニュース性を持って流れています。

話題となる背景として政治的側面なども言及されていますが、根底にあるのは「①非営利法人への不信感」「②公費を使うことに対する市民感情」というのがあると私たちは考えました。

今回の贈与テーマ「遠い」に沿って考えると、①については、非営利法人の存在自体が身近ではなく「遠い」ため、知らぬものへの忌避感情があり、②については、公費の性質として国民から税金が徴税されてから使われるまでが直接的ではなく「遠い」ため、会計監査や数字上で清廉さを示すことでしか公費を伴う活動に関する説明責任を果たせない点に課題があると考えました。

私(推薦人の一人)も公的機関で働く一人の人間として高い倫理観をもって、経費執行に当たらねばならない責任感を重く受け止めて業務に取り組んでいます。現場で働いている人間の実感として、会計の透明性の観点において、公的資金の中には使途が厳重に制限されている予算も多く、説明責任を果たすため、本来、直接期待されている業務以外の事務手続きの負担も大きいです。

NPO法人の活動に目を向けてみますと、公費の使用によらず上述の公的機関同様の説明責任を求められるため本質業務を圧迫してしまうことすらあるようです。

例えば、「NPO法人は、年に1回(毎事業年度はじめの3ヶ月以内)、事業報告書などを作成して行政庁に提出しなければなりません。また、それらの書類は事務所に常に備え付ける必要があり、閲覧を求められた場合には応じなければならないのです。このため、NPO法人の事務は、他の任意団体や法人に比べて煩雑になりやすく、理事等の負担は大きくなりがち」と言われています(https://blog.canpan.info/npotokyo/ より引用)。

以上からNPO法人では
・市民からの信頼を獲得すること
・本質業務に集中しながら、きちんと会計業務を行う実務力の向上
の両方が必要になるといえます。

こうしたNPO法人の課題に対してNPO@PROでは各種サポートを提供しています。信頼獲得に対しては、共通の会計ルールを設計することで市民にわかりやすい会計を導入する活動を行っており、会計実務力の向上については会計の専門家がNPOの活動に則した教育啓蒙活動をされています:

信頼を得るための「NPO法人会計基準」の策定:

「NPO法制定以来、NPO法人には会計基準がなく、各団体が作成する計算書類はバラバラで、比較検討もできませんでした。NPOが情報公開を行って周囲から賛同を得るためには共通の会計ルールが不可欠であるとして、市民にとってわかりやすいこと、信頼性の向上に資することを基本的理念」としたガイドラインを策定されています。

会計実務力を高めるための 書籍出版・啓蒙活動:

「NPO法人における日常の会計業務をより簡便に行い、また、NPO法人会計基準に準拠した会計書類の作成」のための「NPO法人向け会計ソフトの紹介」を行っているほか、「NPO法人実務ハンドブック」の出版や、専門家による無料電話相談の窓口のなどを設置されています。

このような活動を通じ、NPO法人がよりその業務に集中しながら社会から信用されることで、交付金や助成金、寄付を含む外部からの支援が獲得しやすくなり、よりNPO法人の活動が社会に広がっていくことが期待されます。

 今回の寄付を通じて、非営利法人が今まで以上に社会から信用され、市民との距離が縮まり、社会的課題に取り組む活動がより広がってほしいという願いを込めて、本法人を推薦いたします。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • NPOが社会で担う役割の重要さを踏まえて、NPO会計税務専門家ネットワークさんは社会のペインのど真ん中に直球を投げているような存在ではないかと思いました。(松木耕)

  • NPOの会計に関するガイドラインの制定など今後の非営利団体にとって重要な取り組みをされていると感じたため。(清水絵理)

  • 今回の推薦文を拝見して、あらためてNPOは遠い存在ということを感じました。そんな中で、会計、それに伴う情報開示で説明責任を果たすことで、NPOがより身近な存在となるように活動をしているNPO会計税務専門家ネットワーク(NPO@PRO)という視点は、なるほどと思いました。ここを第1位として投票しました。今回も、社会問題とは「遠い」テーマだったので、推薦団体もそれぞれ全く違う視点で選ばれていて、勉強になりました。(山田泰久)

  • NPO ではありませんが、自分自身も非営利団体の運営に関わっており、意義があることと理解しつつも、プライベートのほとんどを費やしながらの会計事務処理が負担にならないといえば嘘になります。よってここの活動は多くの団体の助けになるのだろうな、と感じました。(白川みちる)

  • 今回は、テーマに沿って、自分から一番遠そうなものの順番で投票してみます。何かしようとしたときにどのようにお金を集めて回すか。それは社会や他者とコミュニケーションすることでもあるのだろうけど、難しいなと思ってしまいます。そういう経済の事だけに留まらずにまるごと支援してくれそうなNPO会計税務専門家ネットワークに投票します。(阿曽祐子)

  • 今月も素晴らしい推薦先ばかりでした。悩みました。推薦人の皆さんありがとうございます。結果、NPO会計を第一希望としました。活動がNPOの諸領域を横断し、かつ会計・税務という分野に特化している点に興味を惹かれました。また、専門家としてNPO活動をアシストするだけではなく、税理士・会計士側へのNPOに関する研修やサポートなども行っているとのことです。「私たちは、自発的に様々な社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、人々から共感され、活発になる社会を目指します」というビジョンを専門家ならではの見識と立ち位置で具体化されているように感じました。「遠い」というテーマにも触発されて、直接社会課題を扱う活動よりも、一階梯抽象的な活動に投票することとします。(本間盛行)

  • 行政や民間企業が取り組めない社会課題の受け皿として、NPOの存在は欠かせないものだと感じています。そんなNPOの本来の主たる取り組みとは異なる「会計税務」業務のコスト負担をミニマムにすることができれば、本来の取り組みの加速に繋がると考えます。社会的課題の解決に取り組むNPOの活動が、もっと活発になる社会作りを応援したく、寄付させていただきます。(疋田裕二)

  • NPO法人には会計基準がない、とは知りませんでした。非営利団体が支援をうけるための正当性を示していくことは重要です。同時に、公的支援を受けるための手続きそのものが業務負荷を増やす一因になっていると聞きますので、その両面で支援をされている「NPO@PRO」に投票したいと思います。(森康臣)

  • 寄付や公金を原資にした活動を確実にドライブしていくために、会計などの業務支援を非営利で行うことの意義は大きいと思います。組織は時に「やらざる得ないこと」をやり通すために、目的ではないものを目的化するケースがよくあると思います。手段が目的になり、目的が二の次になることは良くあると思います。こういうケースで社会を改善させる可能性のある原資を無駄にしてしまうことは良くない事だと思います。活動するエンジンを空回りさせないために、税金や寄付者からの資金を無駄にしないための、ほんの1つかもしれませんが、有益な活用だと思いました。(福原寛重)

  • 「NPO会計」の推薦人の方の「NPO法人では・市民からの信頼を獲得すること・本質業務に集中しながら、きちんと会計業務を行う実務力の向上の両方が必要になるといえます」に全く賛同します。大阪での肌感覚ですが、巷では、「NPOって何してんの?」「ボランティア?お金なくて大変やなー」で終わっちゃう。「儲からへんやろ、な! まぁがんばりやー」NPOはなぜここまで清貧を求められるのか。遠いんです。なんとか今の固定観念を変えていってほしいです。(藤岡達也)

  • 寄付先に正解はないということを多面的に認識できた議論でしたが、そう考えると、寄付を堂々と主観的に行いたくなりました。NPOが説明責任を果たすということに必要以上の労力をとられていることはもっとも実感に近いことと、それも含む監視社会のようなものへのNoのメッセージとして、この寄付先を選びたいと思います。(中村雅之)

  • 相変わらずNPOへの不信は根強くありますが、その最たるものはお金にまつわるものと思います。法人の会計は極めて重要であるにもかかわらず、敷居や専門性が高く、団体起業や運営の大きな足かせにもなりかねません。NPOが気軽に立ち上げられる社会の実現に向け、こうした団体の支援が極めて重要だと思います。(桂大介)

  • 推薦文に賛同いたします。私はNPOで働いており、NPO@PROの存在に支えられていることを実感しています。
    NPOの現場で働く者としては、もっと受益者と向き合う時間をとりたいのに、報告や会計などにかなり手間をとられてしまい、ストレスがたまる毎日です。報告や会計は、信頼を獲得するために大切なことだと理解してはいますが、本来かけるべきところに力をさけなくなるので、できるだけ省力化したいのです。新しい贈与論のメンバーでの議論の中で、「最近は監査社会になってきている。NPO@PROに寄付することは、この流れを肯定してしまうことにつながるのではないか」という意見が出て、NPO@PROを選ぶかどうか迷った瞬間もありました。
    もし、NPO@PROが存在せず、様々な団体がバラバラに悩みながら会計をしていたとしたら、今よりもっと無駄が多い社会になっていたかと思うので、NPO@PROに投票いたします。(鈴木亜香里)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人心に響く文集・編集局へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、NPO法人心に響く文集・編集局に対し65万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。2022年12月は「待つ」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人心に響く文集・編集局」「公益財団法人日本骨髄バンク」「NPO法人日本移植者協議会」の3候補があがり、中村タカさん、高野冬馬さんの推薦したNPO法人心に響く文集・編集局が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

推薦人の一人が、「待つとは時間軸が必要な、一時点では完結しない行為」と話してくれました。

今月のテーマである「待つ」は、必然的に時間がかかります。そしてそれは、待つ人が来たる何らかの可能性を信じ続けている証拠でもあると思うのです。

今回推薦するNPO法人心に響く文集・編集局は、長らくの間、そんな「待つ」という行為を続けてきた団体です。

2022年、社会福祉を特徴づけることを一つ挙げるとすれば、アウトリーチでしょう。行政や病院をはじめ既存の福祉では、一歩踏み出す勇気や気力がある方、症状が出た方にしか、必要な支援を届けることができていませんでした。
しかし近年では潜在的に困難を抱えている方、困難を抱えているが支援につながっていない方に、支援者側からアプローチする「アウトリーチ」という手法が積極的に取られるようになってきました。

しかしどんなに手を伸ばしても、届かない人や場所、時間は必ず生み出されます。
支援が届く前に限界が訪れることも。

NPO法人心に響く文集・編集局は、2021年には東尋坊で45人を保護し、この数字は前年度に比べて36%も自殺企図者との遭遇が増えたことを意味します。無論、2021年はコロナ禍が2年目を迎えた年です。

では、代表の茂さんをはじめこの団体の人々は、ただひたすらに自殺を止めているだけなのでしょうか。私自身はそれ自体にも意味があると思っていますが、ここで考えたいのは、団体の方々が「何を待っているのか」ということです。

茂さんは2010年のインタビューで、こんなことを話しています。

.”..この様に多くの自殺企図者から話を聞いて分かったことは、全員が「まだ、死にたくない・・」「誰か、助けて欲しい」「出来るものなら、もう一度人生をやり直したい」と叫んでいたのです。[...]彼らは常に、「支えてくれる人」「頼れる人」「逃げ場所」を求めています。しかし、それが叶わないために天国を目指してしまうのです。[...]最終的には、「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」の実現に向けて今後もこの活動を続けていきたいと思っています。”

世の中の課題は、常に現在進行形で生み出されていくオープンエンドな営みと言っても過言ではありません。どれだけ細分化されたとしても、課題と認識される前の社会の欠陥、自分だけにとっての悲しみなど、「逃げ場所」が用意されない人々は複合的に生まれていきます。

2021年8月に東尋坊にきて声をかけた、「逃げ場所」がない方々の声(自殺企図の動機)を抜粋します。

①関東在住の30代男性:職場の仲間内からのパワハラを受けそれを苦に
②福井県内の若年層女性:かねてからのうつ病を苦に
③中京の20代女性:長年の同棲生活にピリオドを付けるために
④関東在住の40代男性:500万円の借金を苦に
⑤関西在住の20代女性:転職を希望しているのに両親に反対され転職出来ないため
⑥甲信越在住の30代男性:サザエさんのマスオさん的生活に疲れて
⑦九州在住の20代男性:上司との折り合いが悪くなり
⑧九州在住の20代男性:就活したが働き口が見付からないため

茂さんをはじめ団体の方が待っているのは、自殺を企図している人であるのに加え、その人々が抱えている痛みであり、同時に、「まだ、死にたくない」という意思と願いです。

それは翻って、「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」なのかもしれません。
団体は自殺を止めるだけでなく、その後の生活の自立まで伴走支援をしています。

この活動に寄付することで、何か社会がよくなるかはわかりません。ただこの活動は、「社会より前」の課題に困難を抱える人々を待つ場所として、そしてその人々の願いを信じ続ける、「待つ」という営みとして、必要な活動であると思うのです。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 福井の東尋坊といえば自殺の名所として知られているわけですが、この団体が長年活動を続けてきたことにより、この地が「本当は死にたくない人」が最後に駆けつける拠り所になって来ているようにも感じています。孤立が大きな社会問題となっている今だからこそ、この団体を応援する意義があるのではないでしょうか。(宮本聡)

  • 「社会的な理由」で死に追いやられることがない世の中を夢見ます。戦争による死や生活苦による自死がない世界。今回はどの団体も「生きること」に直結していましたが、「心に響く文集・編集局」に投票します。HPのストレートさや、この活動をはじめてから東尋坊での自殺者が1/3に減ったという事実に信頼感を覚えたからです。東尋坊の「美しい」と一言ではくくれない厳しい風景を思い出しました。(本間盛行)

  • 個人的にだが、今年はとくに自死の話を聞いた。生きたいのに生きられない。なんてつらいんだ。でもこうして、当事者じゃなくて第三者として、ぎりぎりの場所で話を聞いてくれる人がいる。そんな茂さんに、頭が下がる。ほんとうは、東尋坊に観光以外で行く人の数を、私たちが減らさないといけないのだけれど。ただ、いつ自分も崖を目指すことになるかもしれないわけで。それでも、それでも、死んだら終わりなのだ。(藤岡達也)

  • 非常に難しい選択でしたが、記憶の中にある東尋坊の景色の中に、今この瞬間にも待っている人がいるということに心を動かされました。今回の贈与が、自殺企図者の「誰か、助けて欲しい」という叫びを、知ってもらうきっかけとなればと願います。(吉見新)

  • 6-7年前ですが、福井で仕事の際に知人にこちらのお店に連れて行っていただいたことがあります。東尋坊は美しい絶景の観光地でもあり、荒れる日本海と断崖絶壁は恐怖も感じさせる場所でした。そんな場所に、行き先のない悩める人たちが全国から来て吸い寄せられていくのも分かると思いましたが、まだ迷いのある、誰かが止めてくれることを待っている人に声をかけてくれるパトロール隊がいてくれることに心救われました。声をかけて思いとどまらせるだけでなく、その後いじめを受けている職場まで一緒に乗り込んでいった話や、うまくいかない家庭へのサポートまでする話も伺いました。お店でいただいたお茶とお餅は温かく、追い詰められてここまで来た人たちがたどり着く場所がこのお店であって欲しいと心から願ったことを思い出します。この活動を続けてくださっていることへの感謝を込めて、一票を投じます。(浅井美絵)

  • 推薦文に「この活動に寄付することで、何か社会がよくなるかはわかりません」とありました。私もそう思います。この活動も声をかけたからといって何か見返りが返ってくる、そういうものではないと思います。
    そういう期待の外側にあるような贈与があってもいいなと思いましたし、私も彼らの活動またその活動によって救われる人を、「こうあって欲しい」という期待なしにケアしているというメッセージを送りたいと思い、第一希望とさせていただきました。
    寄付という活動自体の意味にも関わってくるとは思うのですが、待つという行為には何かしらの期待をはらんでいるものの、わたしはこの寄付を通じて、「こうして欲しい」とか「こうなって欲しい」とかいう期待せずにただただ何かが起きるのを待ってみたいです。(古川哲)

  • 北陸に住んでたことがあるので東尋坊での活動は縁を感じました。私も苦しい時期にじっと待つような経験をしましたし、今思うとたくさんの方に手を差し伸べてもらいました。NPO法人心に響く文集・編集局さんの活動を応援したいと思いました。(大政勇作)

  • 本来であれば自然の素晴らしさや豊かさを体感できる場所が、誰かが命を捨てる場所になってしまっていること、人間の想像力の残酷さに胸が痛みます。
    NPO法人心に響く文集・編集局は、ある特定の場所で起こってしまう自死を止める最後の砦としての活動。「自殺防止」と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、彼らにとって、自殺志願者がその場所に来ることを断ち切る術はなく、そのひとが現れるまで「待つ」ことしかできない。いつか誰も待たなくていい日が来るまで、活動を継続し続けていてほしいという思いを込めて。(姜花瑛)

  • 活動の中身のみならず、団体名の「心に響く文集・編集局」が素敵。刺さりました。自殺を止めることだけではない、きっと大事にしている部分が表れた名前なんだなと思いました。(掛川悠矢)

  • いつ来るかわからない人をパトロールをして待ち続ける活動。待っていること自体が自殺を減らすことにつながっているのだと思います。推薦文にある「健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会」、その実現を私も一緒に待ちたいと思います。(鈴木亜香里)

  • 「自殺の名所」と言われるほど有名になってしまった身投げが頻繁に行われる東尋坊を、持ち回りでパトロールを実施し怪しい動きをする人物がいれば声をかけ話を聞き、適切な支援を施すという活動を長らく続けていることがまず素晴らしいと感じています。
    また、そういった極端な選択を企てる人々の事例を書籍にまとめ、東尋坊以外で困窮している方々にも極端な選択を避ける道を指し示す(いわばレバレッジを効かせた)活動も素晴らしいと思っています。(中村祥眼)

  • 逃げ場がないと感じる状況に置かれることには自分自身にも覚えがあります。この団体の活動である自殺抑止にフォーカスすることはちょっと特殊に思えましたが、周りが見えなくなってしまう状況に陥る怖さを思い出すと、ごく身近な価値を感じられました。形式的な活動では成り立たないと思える活動を、何か応援できればと思います。

    (中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

映画「いまダンスをするのは誰だ?」へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、映画「いまダンスをするのは誰だ?」 https://imadance.com/ に対し136万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年11月は「気まぐれ」をテーマに推薦を募集し、「アーティスト飯山由貴さん」「映画『いまダンスをするのは誰だ?』」「日本高次脳機能障害友の会」の3候補があがり、山田泰久さん、宮崎あおなさんの推薦した映画『いまダンスをするのは誰だ?』が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

先に、このチームで候補先を選出した、気まぐれの軌跡を紹介します。

今回のテーマが「気まぐれ」ということで、最初の打合せは「まずは気まぐれなアイデアや候補などを適当に持ち寄りましょう!」という軽い感じで実施しました。

その中で、キマグレン、猫、臨機応変、柔軟、しなやか、普段選ばない、定着しない、消えてしまう、期限や時期があるものなどのキーワードが出てきました。また、今回は2回分の資金で大きな金額になるので、新しい贈与論として、なるべく純粋の贈与となるようなもの、つまり、寄付者と最終的な受益者との関係性が遠くなるものだったり、気まぐれで選ぶからこそ、選ぶことや支援することに責任を持たない、希薄な関係性となるものを選びたいねという話しにもなりました。

さらに「気まぐれ」をテーマにディスカッションをしていき、

①気まぐれらしく、これまでの「新しい贈与論」で選ばれないようなものを
②例えば、クラウドファンディングで、締切間際で達成が少し難しそうなものを探したり、
③寄合で選ばれたら、そのままクラファンを支援をする
④それが達成できるかどうか、わからないというのも、気まぐれらしく一興
⑤NPOが行う継続的な活動ではなく、イベントやプロジェクトベースの気まぐれ感を
⑥例えば、年末までに行われるイベントなど、そのまま無くなってしまうもの、寄付がすぐに使われるもの

という方向性で選んでいこうとなりました。

打合せの後は、それぞれが気になったプロジェクトを選んで、そこから候補を絞っていくことになりました。
それぞれが気になるプロジェクトを複数見つけた後は、Slackベースで打合せをして、チームとしての最終候補4プロジェクトを選定しました。
そして、二人だけの決戦投票です。各自、第1位から第4位までのランキングをつけました。その結果、第1位1票、第2位1票が入ったプロジェクトが最上位となり、今回推薦するプロジェクトが選ばれたわけです。

候補の選び方は気まぐれでしたが、決め方はだいぶシステム的になってしまいましたね。

【プロジェクトの紹介】

今回、推薦したものは、映画のスポンサーです。
映画「いまダンスをするのは誰だ?」https://imadance.com/sponsor/

最初に、このプロジェクトを候補に挙げた推薦人Aからの紹介です。

『気まぐれとは程遠い堅物な中間管理職の主人公がパーキンソン病を患ったことをきっかけに自分らしさや家族や仲間との絆を強める物語。テーマは「自己受容」。贈与も、受け取られることによって贈与となる。受け取ることができるようになるきっかけは、神様の気まぐれとも、運命とも言えるかもしれない。映画を多くの方に届けて、らしく生きることがより自然になっていくといいなと、思いました!監督は、推薦人両方とつながりがあることも、推薦の後押しとなりました。縁を感じ、のっかった所存です。よろしければ、あなたも、乗っかってみませんか?気まぐれOKです。』

次に、もう一人の推薦人Bからの推薦コメントです。

『映画のスポンサーというのは、今までの「新しい贈与論」にないような気まぐれです。クラウドファンディングで映画の制作支援をするプロジェクトは結構あり、支援した経験のある方もいらっしゃると思います。でも、100万円オーバーのスポンサーを経験する機会はかなり貴重です。100万円以上の支援ということで、シルバースポンサーになります。これで、新しい贈与論の名前がチラシやエンドロールに載るのも一興ですね。映画のスポンサーの寄付は、一義的に映画の製作陣が受益者となりますが、最終的には映画の鑑賞者が受益者となります。映画というメディアを通じてより多くの受益者を生み出す仕組みに寄付するというのも乙なものだと思います。また、新しい贈与論のメンバーが、この映画を鑑賞することで、自らが受益者になることもできます!映画を見ることで、利他が利己になる瞬間を一緒に味わってみませんか?』

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 推薦人です。そして、推薦文のまま、推薦先を第一候補にしています。私たちがいちばん『気まぐれ』さがあると、自負しています!(←そういう話じゃない笑)最終受益者は映画を観る人という遠いところに届ける感覚が、とても気に入っています。(宮崎あおな)

  • 映画で表現として選ばれている「ダンス」も、今ではもちろん様々な型があるとはいえ、根源的には気まぐれなものから生まれたような印象があり、選び方も含め、全体からいい意味での「気まぐれさ」を感じ、投票させていただきます。(上西雄太)

  • 病は突然やってきますね。パーキンソン病はこの映画の主人公のような「堅物な中間管理職」的な性格の方に多く発症すると言われているようです。気まぐれからは程遠そうな人がこの病になって、どう向き合っていくのがとても興味が湧き、映画を観たいと思いました。(白川みちる)

  • 人生へ少し悲観的になる問題を乗り越えてきたとき、その問題の捉え方とか人生観を調整して消化してきた覚えがある。だからこの映画のテーマである「自己受容の大切さ」には想像が及ぶ。でも、自分だけでは消化が難しいような問題に接したときにどうなるのか、経験ではよく分からない。この映画で、もっと想像力を高めてみたい。そして寄付先としても、たまにはインパクト重視というのも面白いと思う。(中村雅之)

  • 迷いましたが、新しい贈与論らしくない「きまぐれ」ということで、いまダンスを選びました。「スポンサーとしてパンフレットに掲載されるのは、贈与ではなくて広告枠の購入だ!」と思いますが、きまぐれにこういうことをしてもいいのかな・・・と。(鈴木亜香里)

  • 「選ぶことや支援することに責任を持たない」という一文に面白みを感じました。贈与/寄付のハードルが高い要因の一つは、支援対象を選んだあと自分自身が納得できるか?という点であると考えています。今回は「気まぐれ」に第一希望を選んでみました。(今田公基)

  • イベントベースのもので、締切が近く「うまくいってほしい」という思いを乗せる事ができればと思い「いまダンス」に投票しました。(松木耕)

  • 今回は推薦人なので、純粋に、自分で推薦したものを第1位にしました。気まぐれでは人を楽しませることも、傷つけることもあると、あらためて思った各推薦候補でした。その中で、人を楽しませる気まぐれに一票を投じました。(山田泰久)

  • 新しい贈与論として映画をスポンサードする、という点におかしみを感じました。こういってしまうとアレですが、内容に対する評価は棚上げして(面白そうですが笑)、クラウドファンディングにコミットするという経験は、おそらく個人ではなかなかしないもので、まさに今回のテーマにピッタリという感じがします。(森康臣)

  • 正直選ぶのはしんどい。2か月分だから3等分したい気持ち。ただ、いまダンスは、作品を作るところからの話なので、そこを応援したい。(藤岡達也)

  • 最近映画制作に関わって、これくらいのサイズの映画制作がいかに大変かということを知りました。今回はそういうご縁に託し、「いまダンスをするのは誰だ?」に投票したいと思います。インターネットを中心に情報が莫大に溢れかえる今日において、「映画」というメディアの力を信じたいと思います。(桂大介)

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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、おれんじドア実行委員会(一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎ)」に対し71万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年9月は「忘れる」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人みなと計画」「震災遺構中浜小学校(宮城県山元町)」「おれんじドア実行委員会(一般社団法人認知症当事者ネットワークみやぎ)」の3候補があがり、広井健一郎さん、澤正輝さんの推薦した認知症当事者ネットワークみやぎが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは、丹野智文さんが代表を務める「おれんじドア実行委員会」を推薦します。

おれんじドアは、認知症当事者が自分らしく、生き生きと生活できる「安心して認知症になれる社会」を目指し、認知症の人のための相談窓口を開いています。
代表の丹野さんは、39歳で若年性認知症を発症した当事者でもあり、ご自身の経験を元に、おれんじドアを立ち上げ、現在は自動車販売会社で働きながら、全国各地で認知症に関する講演活動も行なっています。

今回の推薦にあたって「忘れる」というテーマから、「刻を忘れる」「風化」などの方向も検討しましたが、身近で聞くことも多い「認知症」という病気に対して取り組む団体を選びました。

認知症は、一般的に高齢者が発症することが多く、物忘れなどで意思疎通を行なうことが難しくなるため、「社会生活が営めなくなる」というイメージがあります。
しかし、65歳未満で発症する「若年性認知症」の場合、平均発症年齢は 51歳で、働き盛りで家計を支えていることも多く、発症したからといって、会社を辞めて介護を受けるわけにもいかないという現実があります。
また、身体は健康なので今まで通りの生活を続けたいという希望を持った場合にも、認知症に関する情報は予防や介護に関するものが多いため、当事者やその家族はどこに相談すればいいのかわからないという問題も存在しています。

おれんじドアでは、このような問題に対して、若年性認知症に限らない認知症当事者のための相談窓口や講演によって、当事者や支援者をサポートする活動を行なっています。

今回、私たちがおれんじドアを推薦した大きな理由のひとつは、「認知症当事者への優しさが、自立を奪っている」という、丹野さんの言葉でした。

==================================
認知症になると、周りの人は少しでも症状の進行を遅らせたいと思う。でも周囲の優しさが、本人を陥れているところもあるんです。 当事者同士で話していると、『財布を持つのを禁止された』『一人で出かけるのを禁止された』という人がとても多いんですよ。なぜかというと、周りが失敗しないように先回りをするから。それは優しさなんだけど、結果的に当事者の自立の機会を奪っている。何もできない人にしているのは、周りの人たちでもあるのではないかと思います。
==================================
当事者同士が話す場を作って、たくさんの人と会うと、本当に皆、よく話すんですよ。家族は、当事者に対して『この人話せないんです』などと言いますが、確実に話せます。できるのにできないと言われて、できなくなっているだけ。支援者はボールを転がしたりするレクリエーションが当事者を笑顔にすると思っているけれど、自分は『普通に誰かと話すこと』が、当事者を笑顔にすると思うんですよね。でもそれも、たくさんの当事者に会って気づいたことで、会わなかったら気づかなかったと思います
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周りが良かれと思って行なっていることが、本人の意思とは違っている。
さらに、支援者の間では、それが当たり前のこととして受け入れられている。
こういったことは、認知症に限らず、他の病気や障害でも起きているように思います。

丹野さんは「支援者はレクリエーションが当事者を笑顔にすると思っているけれど、自分は『普通に誰かと話すこと』が、当事者を笑顔にすると思う」と語っており、おれんじドアの活動は、当事者にしかわからない悩みや情報交換ができる場として大きな価値をもっていると感じています。

現在のおれんじドアの活動は、相談会などを中心に活動する他の団体と同じく、コロナ禍によって、対面での活動に制限を受けるなどの影響を受けていますが、当事者同士が会えないことのマイナス面を憂慮し、感染対策やオンライン開催などを続けています。

また、おれんじドアの活動モデルは、丹野さんの地元である仙台から始まり、現在は、東京、名古屋、岡山、徳島など、他の地域にも広がってきています。
2023年には、丹野さんをモデルとした映画の公開も予定されており、このタイミングでの寄付は、この問題を知る機会を増やす一助になるとも考えています。

丹野さんは当事者としての経験を持ちながら、支援者としても活動してきたからこそ、当事者同士がサポートし合うことで相乗効果が生まれ、それが彼らを支える家族のケアにもつながるという、新しい支援の形を展開できています。このことは、おれんじドアが目指す「安心して認知症になれる」社会にとどまらず、さらなる希望の連鎖を生み出す可能性も持っています。
おれんじドアの活動は、安心して病気になることができ、衰えられる、人生100年時代において誰もが生きやすい社会づくりのヒントにもなるように思い、本団体を推薦します。

【参考記事】

「自分で決めて、自分で動く」ことが当事者や家族の笑顔に
https://www.sompo-egaoclub.com/articles/topic/845

39歳で認知症になったパパと家族の9年間を描く「オレンジ・ランプ」23年公開
https://eiga.com/news/20220920/4/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 当事者にとって同じ境遇の先輩と繋がれることは、直ぐに役立つことも知れるし、励みになると思いました。当事者のお悩みは想像するくらいしかできずもどかしいですが、寄付の形で今回は関われたら嬉しいです。(宮崎あおな)

  • 急激な高齢化が進行する中で、認知症の方に制約を課し結果的に社会から隔絶するのではなく、社会として受け入れていく方策を考える必要性が高まっている中で、このような活動をされていることに非常に共感し、投票させていただきます。(上西雄太)

  • 子育てをしていると、子供の思いを後回しにして、禁止や過剰な予防によって先回りをすることで、失敗の機会を奪ってしまいたくなることが本当に良くあります。自分で考えてやってみて、失敗も含めて経験して、またやってみて、という日々の繰り返しが、人の生きる楽しみを生み出すサイクルの1つなのだろうと思います。忙しい日常を過ごしていると、ついついそういったことも忘れてしまいがちなのですが…。認知症の当事者でつながりながら、禁止や予防ではなく自分で決めて過ごしていくことを応援している、おれんじドアさんに投票します。(大政勇作)

  • 個人的に認知症に関心がありますが医療系の会社のソリューションばかり知っていたので、NPOとしての活動は初めて拝見し、応援したいと感じました。(中村タカ)

  • 認知症は今後日本社会の大きな問題になっていくと思う。おれんじドアは当事者が運営を行っており、当事者にとって本当に必要な支援が行われることが期待できると思う。また、今後は認知症に限らず、他の希少な病気に対してもおれんじドアのような支援を行う団体が増えていき、当事者が安心して暮らせる社会ができていったらいいなと思って投票します。(高城晃一)

  • 認知症の方が自分で訪ねられる相談窓口、そしてその応対をするのも認知症当事者というコンセプトを知り、今まで自分が持てていなかった視点に気付かされました。このような取り組みにこそ、寄付という形で支援を行いたいと感じました。(朝野椋太)

  • なかなか理解されにくい若年性認知症。どこにも欲しい情報がないことはどれだけ不安だったか。自分の居場所が世界に無いにようなものでもあったかと推測しました。他者と繋がってしか人は生きられないことを改めて突き付けてくれました。(阿曽祐子)

  • 今回は「おれんじドア」に投票させていただきます。周囲が優しさから行動を制限する事が、当事者の自由や尊厳を奪う事にも繋がりかねないという話は特に共感しました。この辺りのバランスは難しい問題だと思いますが、両親が高齢となった自分にとっても決して他人事ではないのもあり、こちらにいたしました。(三上遼)

  • おれんじドア実行委員会の推薦人です。認知症に取り組む団体は数多くある中で、おれんじドアに着目したきっかけは、前回の推薦時に知った、以下の言葉でした。
    > 障害者の周りにはさまざまな「利他的」な行為が行われているが、一見「利他的」な行為が本人のためになっていない、ということがたくさんある。
    推薦を重ねることが、贈与したいと思う団体選びにも影響するというのは面白い体験でした。本団体の活動意義はもちろん、個人的には前回の推薦とのつながりも感じたため、おれんじドアに投票したいと思います。(広井健一郎)

  • 今年70歳になった母が、認知症になることが怖いと口にするようになりました。私はそれを聞いて、そうか、記憶を失うというのは怖いことなんだと改めて感じるようになりました。それがまだ働き盛りの世代で仕事や家庭を抱えていれば尚更なことかもしれません。どの病いでも同じように、付き合い方や乗り越え方があるのだと思います。それを実践されている方の存在がなによりも勇気になるでしょうし、同じ当事者同士でしか分かり合えない事もたくさんあるでしょう。
    おれんじドアさんの活動は、当事者同士が、自分たちで生き方を選ぶ方法を分かち合える貴重な場なのだろうと感じました。わたしも「安心して病気になれる、衰えられる」社会を願っていますので、応援の一票を投じます!(浅井美絵)

  • 今回はどの団体も自分に引き寄せられる身近で重要な課題を扱われていて、出会えて嬉しかったです。その中でも認知症はいつ遭遇するのかわからないし、そうなった時にどうすれば良いのかわからないまったく手に負えないもののように感じられて、そんな状況の助けになってもらえるおれんじドアを応援したい気持ちになりました。(藤原麻耶)

  • 「安心して認知症になれる」というコピーに驚きましたが、誰もが抱える「忘れてしまうことへの恐怖」に応えたいなと思いました。。」(姜花瑛)

  • 若年認知症の方への支援をこえた、「忘れる」ことへの恐怖や不安という「呪い」から人々を解き放つ可能性を感じました。出会いに感謝です。(澤正輝)

  • 寄付金の使途や団体へのインパクトの大きさ、社会への広がりの大きさと寄付をする上でも軸が様々にあることを感じられた、よい初参加回でした。最初と順位は変わりませんでしたが、いくつもの判断軸が入り込んだ結果この順位になりました。特にどれだけ身につまされるかというところが大きいと感じました。自分もある日突然会社の同僚の名前が思い出せなくなったら…と思うとゾッとします。今回どの団体に寄付がされることになるか、分かりませんが、どんな広がりを持っていくのかに期待を膨らませています。(掛川悠矢)

  • 若年性認知症というものをなんとなく耳にしたことはありながら、これまでリアルに考えたことはありませんでした。代表の丹野さんが発症された39歳までわたしもあと少し。当時の体験談を拝読しながら、自分にもこういうことが起こりえるんだということを想像しました。もし自分がそうなったときには、同じ若年性認知症の方と話し合いたくなるだろうと思いました。丹野さんの活動に大きな敬意を表するとともに、今後さらにこうした活動を広げ、当事者をつないでいって欲しいと願います。(桂大介)

  • 認知症の当事者が自立して社会参加し続けられる、という取り組みの支援に価値を感じ、資金を投じたいと思いました。(志賀響子)

  • 誰かとの大切な思い出や、大切な誰かの存在そのものを忘れてしまうことの怖さ、ひるがえって、誰かに忘れられることの悲しさ。今月の「忘れる」というテーマを目にしたときに真っ先に思い浮かんだのがそのことでした。正直なところ「おれんじドア実行委員会」様の理念にまっすぐに共感できているわけではなく、「安心して認知症になれる社会に暮らしたい」よりも「認知症にならずにいたい」気持ちの方が強いです。でも、目を背けていた、先送りにしていた問題に対して、このような活動をされている団体があるのだと知れたことは、とてもありがたく、投票先として選びたいと思いました。(加藤めぐみ)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
メディアキット ダウンロード

 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

観森へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ新しい贈与論は、「観森」に対し71万円の寄付を行ないました。

観森

森を観ること。 それは美しい造形や巧妙な戦略の世界へ、畏敬の念と共にアクセスすることを意味します。 森を観て、感性を磨き洞察を深める。 そして自然の美しさをネイチャーガイドやプロダクト、様々なメディアへと加工し発信する。 こうして「観る時を増やす」ことをミッションに、北海道白老町を中心として活動しています。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年8月は「匙」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人グリーンウッドワーク協会」「特定非営利活動法人おりづる広島」「観森」の3候補があがり、阿曽祐子さん、東詩歩さんの推薦した「観森」が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。なお推薦文および投票理由では、「観森」にかわって当時の名称である「野だて」が用いられています。

●「匙」とは

 私たちは日常の中で「匙」という言葉を使うことはほとんどない。たいていはスプーンという言葉で済ませている。改めて「匙」について考えを巡らせてみた。
 『銀の匙』という中勘助の小説を、手元に持っていながらずっと積読状態にしてしまっていると推薦人Aが吐露した。この小説は、なかなか開かなかった古い茶箪笥の引き出しから見つけた銀の匙をきっかけに幼い頃の思い出を辿る話のようだ。
 そうなのだ、匙は懐かしいと推薦人Bが吐露する。子どもの頃に風邪をひくとお医者さんが甘い飲み薬を処方してくれた。この時とばかりに兄弟から母を独占して、匙で薬を飲ませてもらう喜びを感じたものだった。苦さと甘さ、相反する気持ちが交錯する時間だった。
 手が届きそうで、届かないような非日常のもの。憧れと同時にもどかしさも内包している、それが私たちにとっての「匙」だ。

●「野だて」について

北海道・白老町に佇む「野だて」。
野草民泊というキーワードは、全国の探求者を惹きつける。
私(推薦人A)は、この場所に通う中で「美しさ」とは何かというシンプルな問いを突きつけられた。
野だては、宿泊事業、自然ガイド、白老の自然を生かしたプロダクトづくり、町で唯一の移動本屋さんを運営している20代3人のユニット活動。
森を観る、五感で森を体験する。山椒を食べてみる。まだ若くてすごく辛い。木の裏をじっと見る。あまりにも身近で普段見ているはずなのに観ていないことに気付く。美しさについて互いに語り合う。森を出る頃には、世界が全く違って見える。美しいとは何かという問いが止まらなくなる。そんな自然体験を得た。
宿に帰ると、森で採れた野草でお茶を振る舞ってくれる。家主同居型の民泊で、ぼーっとしていると、なんだか懐かしい気分になる。近所のコンビニは0:00で閉店する。
居候本屋さんのまたたび文庫は、鮭の木箱を背負って町のお店や施設を日々転々とする。ここにはベストセラーは並ばない。店主の一癖ある選書が光る。
季節と共に移ろう生命体のような「野だて」、知っているという意識のおぼつかなさに手を伸ばしたくなる、そんなユニット、空間を含めて推薦します。

▼野だて HP:https://nodateyasou.life/

●「見ていく」生き方

 私たちにとって森こそ近くて遠い存在ではないだろうか。『森のくまさん』や『赤ずきんちゃん』など、幼い頃に親しんだ歌や話には森を舞台にしたものも多い。なのに、実は私たちは森にはそれほど親しんだことがない。
 「野だて」のHPに掲載された写真、そこにはたくさんの森の姿がある。私たちはいかようにでも森の姿を見ることができる。見ていないだけだったのだ。本当は大切なもの、見るべきものがあることを、私たちは知っている。なのに、積んであった小説をいつしか無かったものにする、母を独占する私の裏で寂がる妹の姿を見えなかったことにする。
 喜びと後ろめたさ、甘さと苦さ。私たちは、相反するもののなかで引き裂かれそうになると、つい忘れてしまう。推薦人Aが「野だて」で体験したのは、そういう相反をゆっくりと見ていくという生き方ではなかったか。そういう人と場所がこの世界にあること、私たちにも作れるかもしれないこと、それが私たちを生かしてくれる。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 長い期間都会に住んいることもあり、自分自身が一番実感の沸かないゆえに、面白く感じたのが野だてさんでした。推薦人の方が様々な気づきを得た自然体験は、逆に言えばそれだけ日常的に得られない経験なのだと思います。またウェブサイトやインスタで上げられている写真は綺麗で目を引くものでした。非日常な自然に接すれば必ず美しく前向きな体験を得られるか?といえば当然そんなことはなく、そこにはある種の加工が入るものだと思います。野だてさんは運営側の選び取るセンスも良いなと思いました。(河原塚有希彦)

  • これまで寄附先を選ぶ際、多くはその活動の社会的意義に共感して多かったのですが、今回の「野だて」についてはアーティストを応援するような発想で選ばせて頂きました。北海道白老町という舞台と、自然というテーマを軸に持ちつつ、プロダクト・本屋・民泊など変幻自在に活動されているこのユニットのこれからに興味を惹かれました。(朝野椋太)

  • 自然と触れ合う野だての雰囲気がよかったのでこちらに投票させていただきました。(三上遼)

  • 自然の面白さを知るということは、人の助けがないとなかなか難しいなというのを時々感じています。そうしたことを知る機会の創出を、詳しい方が体を張って民泊という形でやっているのは面白いと思いました。(中村雅之)

  • さて、今月も悩みましたが、「野だて」に1票投じます。「匙」がテーマでしたが、匙のようなシンプルで小さな方法で、自然という大きな存在の一部分をそっと掬い取り、誰かに届けるような活動に感じられました。推薦人の皆様、熱い推薦文をありがとうございました!(浅井美絵)

  • もう1名の推薦人と「匙」について語らう中で出てきた「野だて」でした。彼女の体験談を聞きながら「野だて」のホームページの言葉と写真を見たら、私の心は白老町に飛んでしまいました。その場所に身を置いて、恐いけれども、見ずに済ませてきたものを見たいと思いました。他の二つの候補も素晴らしい。折鶴のもつ二面性にはハッとしました。グリーンウッドワークの推薦文の「「知らない」ことほど、罪深いものはありません。」。これだと思います。(阿曽祐子)

  • webサイトを見て、とても魅かれたので投票します。いつか行ってみたいです。(鈴木亜香里)

  • とにかく写真と文章が美しい。推薦文を読み野だてのホームページを見ながら、もしこの場所にわたしが滞在することができたらと、思いを巡らせてみました。温かくてとろっとしたスープが匙でやさしく口の中に運び込まれて、日々せわしなく都市で暮らしている自分の身体中にじんわり染み込んでいる様を想像して幸せな気持ちになりました。地球環境との共存や、大切さについて学ぶ機会は数あれど、自ずと清らかで厳かな気持ちになれそうな雰囲気が伝わってきます。野だてでの体験が、またはじまる日々を少し変えてくれそうな気がします。いつか行きたいリストに加えました。(姜花瑛)

  • 森と一緒に生きていく、というところに美しさを感じました。厳しい大地である北海道ですが、美しさとともに豊かになって欲しいと思い、投票しました。(白川みちる)

  • これほど森にある美しさを探求できるフォーマットが揃っていることにおどろきました。自分もですがたくさんの方に体験してもらいたいなあと思います。(中島真)

  • 推薦先なので、やはり第一希望にしました。これまで、団体/企業などが続いてきましたが、ユニットのような生命体のような彼らに寄付をしてみることで、何が起きるのかが気になり、推薦してみました。また、推薦文にも書きましたが、文章だけでは分かりづらい活動だからこそ、彼らから贈られた「美しさとは何か」というシンプルですが、奥深い問いについて語り合うきっかけになればいいなと思いました。(東詩歩)

  • 「匙を投げる」という言葉には、悔しさとうしろめたさが強く含まれているように思います。本当は、小さな道具の先端に願いを掬って、対象と関わり続けたい。本当は投げたくない。そういったある種のあきらめの悪さ、愛情、雨垂れ石を穿つことへの執念のようなものを、推薦先のいずれもが持っているように思いました。今回は、その愛着への共感のままに順位をつけます。(加藤めぐみ)

  • いつもは「どこに寄付すべきか」を考えていましたが、今月は寄付を募集していない団体が多く、「ここに寄付することはどんな意味を持つのか」ということを考えました。たいした目論見も持たず、欲してもいない人にただ贈り物をする。そういう贈与の純粋さに戯れてみたいと思いました。他の二つも素晴らしい団体で、いつもと違う角度で、よく悩んだ月でした。(桂大介)

  • シンプルにどうやってこの寄付を使ってくださるのか、とても気になりました。 推薦文を読んでいるだけで、森の中にいるような感覚になりました。(成田好)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人ろう教育を考える全国協議会へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人ろう教育を考える全国協議会に対し69万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年5月は「音」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人ろう教育を考える全国協議会」「特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス」「一般社団法人森と未来」の3候補があがり、前原祐作さん、三上遼さんの推薦したNPO法人ろう教育を考える全国協議会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

今回我々は「音」に関わる団体として「NPO法人ろう教育を考える全国協議会(以下、本協議会)」を推薦します。

本協議会はろう、難聴教育に関する討論集会や書籍物販売、学校支援、普及啓発等をしている団体です。

「音」と「ろうあ」という事で若干ストレート過ぎるかもしれないとも思ったのですが、今回色々と寄付先を調べていく中でこちらの団体を推薦したいと強く思いました。

本協議会の活動内容の一例として、「ろう学校の専門性向上のために」という提言を紹介させてください。

本提言ではろう教育の専門性の必要性が説かれ、現在の機械的な異動ではその専門性が損なわれてしまうという事の問題点が指摘されています。ここで私が驚いたのは、「なぜろう教育に専門性が必要なのか」という事に関連するのですが、「日本語と手話は別言語である」という点です。

言われてみればその通りなのですが、手話は我々が普段使用している日本語とは別の言語ですので、ろう者の母国語はあくまで手話であり、日本語は彼らにとっては第二言語という事になります。ですから、それを教える教育者の側にも「手話(という別言語)に精通している」ことと「日本語を教える事に精通している」ことが求められるとの事でした。

このようにろう教育をとりまく環境にはまだまだ問題があり、自分も今回初めて知ったことがたくさんありました。ろう教育には「9歳の壁」という言葉もあり、第二言語にあたる日本語の学習が充分でなかったため、抽象的思考が十分にできない、あるいは文章能力を含めてコミュニケーションのレベルが小学3、4年程度で停滞してしまうような方も多くいらっしゃるそうです。そしてこれが原因仕事で昇進できない等のハンディキャップを抱えている。

先天的なろう、難聴とは別に、後天的な教育の問題によって読み書き等に不自由を抱えてしまうことは、社会によって解決できる課題であると思います。本協議会の活動がこの様な課題を解決する事を祈って推薦させていただきます。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • たまたま、今、聴覚障害に関する本を読んでいました。ろう教育、手話教育の必要性も出てきました。あらためて、NPO法人ろう教育を考える全国協議会という団体があり、こういった活動を行っているのを初めて知りました。やはり教育はとても大切です。障害があっても適切な教育を受けられるような取り組みは本当に大事だと思いますので、NPO法人ろう教育を考える全国協議会に投票しました。(山田泰久)

  • 子供の教育ほど重要な投資はないと考えていますが、それはろう教育も例外ではないなと思いました。そして、聞こえない・聞こえにくい子どもが、教育によって得るものの1つが「ある種の高度な言語スキル」だと理解すると、それは専門学校であり、教え手に専門性が必要なことは明らかだなと感じました。(中村雅之)

  • ろう教育に関して、ろう学校や聴覚障害者団体の存在は前から知っていましたが、より良いろう教育のために出版や集会を行うこのような団体があるということは今回初めて知りました。HPを拝見すると、コロナ禍で全国集会が中止となり、これまでのような活動ができていない様子が見て取れます。歴史のある団体の活動継続の助けになればと、今回はこちらの団体を選ばせて頂きました。(朝野椋太)

  • 調べてみたところ日本には聴覚障害者が約30万人いるとのこと。彼らが社会から取り残されないよう、このようなNPOを支援していく必要がある。(太田睦)

  • 手話言語条例が各地の自治体で制定されつつあります。手話の認知度はかつてに比べれば深まっていると思われますが、肝心の中身はあまり知られていないのが実情でしょう。少子化の時代は、子供一人一人にかけられる資本を増やせるはずの時代でもある、と聞いたことがあります。(経産省の若手官僚のプロジェクトで取り上げられていた気がします)障害児を人生の長きにわたって不利な状態におとしめるきっかけが、社会の側の不備にあるとするなら、それはあまりにも勿体無い。教育の充実は全てに優先すると思います。(福本大吾)

  • NPO法人ろう教育を考える全国協議会に投票します。好きな写真家に齋藤陽道さんというろうの方がいるのですが、その方が「働くろう者を訪ねて」という連載をしています。

    https://co-coco.jp/series/hataraku/harumichi_saito/

    これが面白く、それをきっかけにろうについて知りました。一言にろうと言っても、症状の程度も違えば、教育を受ける外的要因によって各人様々な状況があることがわかります。補聴器をつけて話す方や、「手話ネイティブ」の方。手話一つとっても、象形文字のような表現もあれば、表意文字のような表現もあり、更に国ごとに違う、、、。そんな中で、当団体のような活動に意味があると思いまして、こちらに投票いたします。(河原塚有希彦)

  • 日本語と手話は別言語で、専門的な教育が必要であるということは、日本語中心で考えていた自分は気づかなかったことでした。ろう教育を考える全国協議会の取り組みを応援したいと思いました。(大政勇作)

  • 「音」というテーマに対しストレートであると同時に、私を含めまだまだ認識が足りていない分野なのだということにハッとさせられました。「9歳の壁」や抽象的思考に直結することもお恥ずかしながらこの寄合で初めて知りました。今回みなさまのお話を聞き、ろうの深刻さに対して解像度が上がったことは大きな学びでした。少しでも「NPO法人ろう教育を考える全国協議会」さんの活動を通じ、私の今日のような学びが増えて欲しいということも選ばせていただいた大きな理由です。(横山詩歩)

  • 今回挙げられた候補について、問題が問題として認知されにくいと思ったものから、寄付先の希望順序を決定しました。推薦者の方が紹介いただいた「ろう教育の専門性の必要性」について、なかなか触れる機会が個人的にも少なかったこともあり、新しい贈与論を通じてつながりたいと思い希望いたしました。(古川哲)

  • 5感の中で、ふだんあまり重視していない聴覚がない世界は、実は目が見えないよりも辛いらしい。とどこかの本でヘレンケラーが語っているのを知り、関心がむいていたところでした。深刻さでいうと、命にかかわる地雷を取り扱うテラ・ルネッサンスの方が深刻かもしれませんが、すでに不自由さを抱えている耳の聞こえない人たちの、見えづらいもう一つの不自由さにより重要さを感じたので、第一希望をろう教育とします。(市村彩)

  • 音というテーマからストレートに心に響いたのはこの団体でした。ろう教育の抱える課題をこれまで知らずに来ました。教育の専門性がないがしろにされがちなのは何故なんでしょう。という憤りと共に。(本間盛行)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



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法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。

NPO法人風テラスへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、NPO法人風テラスに対し73.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年7月は「逃げる」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人風テラス」「NPO法人スウィング」「日本脱カルト協会」の3候補があがり、白川みちるさん、今田公基さんの推薦したNPO法人風テラスが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

私たちは「NPO法人 風テラス」を推薦します。

「逃げる」という言葉単体にはマイナスイメージが付きがちです。
しかし、「問題がある現状から助けを求める」ことを「逃げる」と表現する事が多々あります。

多くのひと(成人)は想定外の出来事にあっても、「逃げる」手段を自分で調べ、ある程度適切な支援先(行政・福祉・法律家等)に相談することができます。

しかし、逃げる手段を想像できない、「逃げる方法が分からないひとたち」もいます。
では、「逃げる方法が分からないひとたち」は最終的にどこへ行きつくのでしょうか。

やはり、男性は路上生活、女性は性風俗等へという流れがあることは、論文等でも指摘されています。
参照:自治体問題研究会 月刊『住民と自治』 2017年8月号掲載
https://www.jichiken.jp/article/0055/

ここには、軽度知的障害があったり、育った環境から行政、福祉、法律と繋がり支援を受けられるということに思い当たることがない人たちが含まれています。

※必ずしも性風俗等で働いている人全員が「逃げ先」・「逃げ方が分からないひとが行き着く先」として性風俗等を選んでいる訳ではなく、矜持を持って働いている方も多くいらっしゃいます。

この「逃げる方法が分からないひとたち」の支援先として想定したのが、「NPO法人 風テラス」でした。

この団体は、性風俗業で働く人に、ソーシャルワーカーと弁護士での相談会をお店で開き、福祉と法律に繋がれるように支援をして、社会的に孤立してしまうことを防ぐ活動をしています。

「性風俗にかかわる部分」はアンタッチャブルと考える方々もいますし、新しい贈与論の支援先としてもこの領域を推薦する方は、(私たちが調べた限り)これまでいなかったのですが、だからこそ、「逃げる」という様々な支援先が想定できるテーマで、この領域に支援する意味があると思っています。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 先日、”たとえ正しく納税していたとしても、性風俗ではコロナの持続化給付金が給付対象外” というルールに対する裁判が行われ、東京地裁で判決が下りました。曰く「大多数の国民の性的道義観念に照らし相当でないとの理由と解される」とされ、問題ないとされたとのことです。”大多数の国民の性的道義観念”とされる、ふわっとしたものでルールが決められ排除するのは、はたして道義的なのでしょうか。また、この問題は性風俗業の従事者だけの問題でしょうか。これがまかり通るならば、他のマイノリティも同じロジックで排除されることにつながらないでしょうか。などと考えつつ、風テラスに入れました。(河原塚有希彦)

  • 自立とは、ちっちゃな逃げ場所をたくさんつくることだ。そんな言葉を最近目にしました。私は昔から、なんかあったらここに逃げよう、と、何もないのに逃げることばっかり考えているので、テーマ「逃げる」は共感ワードでした。「あしたの嬢」なんて、嫉妬するくらいのネーミングセンスのある、そして為になる、愛のある、マンガの連載など、性風俗で働く方への支援を行う、風テラスを第一希望にしました。「助けたい」「応援したい」と思ったとき、方法は無限にある、と感じさせてもらい、前向きな気持ちになれました。(宮崎あおな)

  • 問題/現状(性風俗で働く困窮の女性)と活動(ソーシャルワーカー)が明確でイメージしやすかった。ソーシャルワーカーについて日頃考えることはほとんどないのですが、こういった人たちの活動が必要なのだろうと思った。(Sho T)

  • 坂爪さんの書籍を読んだことがあり、とても素晴らしい活動をされていると思っていたため、風テラスを第一希望にしました。(鈴木亜香里)

  • 現代の「駆け込み寺」として1番ふさわしい団体がどこなのかを基準に考えてみました。場所を用意するのでは無く逃げ方を伝える、というところに現代らしさを感じました。(福本大吾)

  • 風俗店に勤務していてトラブルにあった人が「だけど、自分から働きにきたわけだし…」というように自責の念にかられて自分が被った損害を主張しきれなかったという記事をよんだことがあって、そうやって明らかに被害を受けた人が虐げられてしまうことがこの世に存在することがシンプルに不快だった。性風俗は名目上自由恋愛をしていることになっていたりいろいろグレー極まりないことは確かだが、それ以前に、他者を見下しぞんざいに扱おうとすればそれ相応の結果は免れないというごくごくあたりまえのことが常識であることを、ありつづけることをねがって、風テラスさんへの寄付を希望します。(根本真吾)

  • コロナにより収入が苦しくなり性風俗に流れる人が多いと聞きました。このような団体を支援することで、そこで悩む方々に少しでも希望を与えたいです。(太田睦)

  • 「逃げる方法がわからない」という言葉が響きました。逃げればいいじゃんと言うのは簡単だけど、当事者はどうしてよいかわからないケースはどこにでもありそうだなと思いました。(中西晶大)

  • わたしは当人の気付けなさ、構造として根深そう、対処可能性の3点で検討しました。風テラスを第一にしたのは、女性の選択肢が少ないという問題が最もプリミティブで、早く解消されるべきと考えたためです。(chokushanikko)

  • 風テラスの代表坂爪さんの「観念的な是非論や道徳論を唱えていても意味はない」というスタンスで、目の前の困っている人たちの相談に乗りながら課題を解決しようとしている姿が印象的で応援したくなりました。(大政勇作)

  • 風俗は社会課題の集積地というキーワードにハッとさせられました。こういった取り組みが必要になると思います。(海野慧)

  • 本人が逃げたいのにどうしていいのかわからない、そんな時に他者が適切に導くことが重要なのではないかと感じました。そのナビゲーションが明確であり、逃げることにこそ価値があると感じさせる団体を選びました。(成田好)

  • 活動内容が明確で、非常に多くの方の支えになる活動だと思ってので、風テラスに1票。
性風俗は決して楽にお金を稼ぐ手段などではなく、最後の手段として勤めている人が多くいると思う。
そんな人たちが他の逃げ道(手段)を知れたり、次の一歩を踏み出すきっかけになるといいなと思いました。(高城晃一)

  • 割と全てが重要な活動だと思ったので、直感です(高野冬馬)

  • 「風テラス」の " 風俗ではたらいている方へ " ページ末尾に<生活に困っている方に、食品を無料でお送りします>という支援の呼びかけがあります。そこに注記がありました。「現在風俗で働いている方(キャスト・内勤・ドライバー・店長)が対象になります。」この一文で決めました。(本間盛行)

  • 最後の最後まで揺れ動きましたが、風テラスがもともとデッドボールから始まったというエピソードにガツンとやられました。性風俗は楽に稼げると思われていますが、実は様々な困難があり、複合的な課題が交わる点であると感じています。性風俗産業の問題は、ある程度は知られるようになりましたが、投票日の対話を通じて、まだまだ一般的には語りづらい問題なんだなと感じました。風テラスのような団体が、もっと明るみに出ていき、当事者が頼りやすい状態になるといいなと感じました。 (東詩歩)

  • 「誰にも・どこにも相談できない」「逃げる手段を想像できない」という問題は、深刻だと思いつつ、それでいて実はつい目を背けてしまっているのかもしれないと感じた。これは、当事者以外の、社会の問題でも、自分自身の問題でもあるのかもと初めて思った。(中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。