更生保護法人日本更生保護協会へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、更生保護法人日本更生保護協会に78万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「悪」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人レスキュー・ハブ」「心理学者 澤田匡人」「更生保護法人日本更生保護協会」の3候補があがり、渡辺健堂、小澤啓一の推薦した更生保護法人日本更生保護協会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

https://www.kouseihogo-net.jp/hogokyoukai/index.html

L:師匠、自身の力を正しく善きもののために使いたいと考えています。
Y:ホッホッホッ、良き心がけじゃ。
L:はい、世の中の“悪なるモノ”に対峙して正義を貫きたいと。
Y:ハテ、“悪”とは何じゃ?
L:やはりそれは人を傷つけたり罪を犯すことかと・・・。
Y:かの親鸞はこう言った。「悪人とは、自らの力で迷いを離れることができない人」。すなわち、煩悩から逃れられぬ衆生は皆悪人だとな。そしてそんな悪人こそ、救われるべき存在だと言っておる。
L:・・・そうか、悪人正機ですね。では救済のために私の力を使うにはどうしたら良いでしょう?
Y:まずはググるのじゃ、そして感じるのじゃ。

【後日】

L:師匠、日本には刑務所などに服役している人が約4.1万人、そしてそのような人の立ち直りを支える民間ボランティアの保護司の方が4.7万人もいることが分かりました。
Y:フム、全国保護司連盟にたどり着いたか。して、どうする?
L:はい、私はこの団体も一員である更生保護ネットワークに何らか貢献したく思います。
Y:「人はみな、生かされて生きていく」― 彼らが掲げている言葉じゃ。保護司、保護施設、就労支援を広くサポートしている団体群を見つけたか、さすが我が弟子、スジが良い。
L:はい、このグループでも中心的な存在である『日本更生保護協会』に力を寄せたいと思うのですが・・・。
Y:が?
L:この協会は既に長い伝統と強い基盤があるようなのです。果たして私の力を使うべきところかどうか・・・。
Y:弟子よ、ヒロイズムや得たい影響力に囚われておらぬか。ダークサイドは誘惑に満ちておる。無心で感じた団体をしっかりと推すのじゃ。
L:ありがとうございます、分かりました。「“立ち直りを支える人”を支える」をスローガンとして、110年にわたり活動している『日本更生保護協会』に寄付を届けたいと思います。彼らは、様々な関係団体への助成や研修開催、そして立ち直り支援への理解や応援を得られる社会づくりの啓蒙、応援の輪を広げていくことを行っています。マスター・ヨーダ、私は縁の下のまたその下からフォースを捧げます。
Y:ルークよ、善悪難定(ぜんあく さだめがたし)、そして我々は誰もが道を踏み外すことがある弱き存在じゃ。立ち直ろうと決意した者たちを支えられる社会でありたいものだの。
まもなく5月。5/21は親鸞の生誕日、そして5/4はスター・ウォーズの日じゃ。
フォースとともにあらんことを。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 今回も大変迷う投票でした。今回はマスター・ヨーダとルークの会話を世に出したいと思い、日本更生保護協会を選びました。『ケーキの切れない非行少年たち』を読んでから、かなり関心の高い分野でもあります。フォースとともにあらんことを。(鈴木亜香里)

  • 『悪』というテーマで私が推薦人だったら、立ち直り支援の団体にしたいという希望がもともとあったので、更正保護協会にしました。映画『プリズンサークル』に影響を受け、「自分たち善人」とは完全に切断処理された「悪」によって問題は起きるのだという幻想について考えることがありました。私の中にも悪はあり、それも普段の私と薄紙一枚を隔てたような私の中の場所にある気がしています。他人事じゃないという思いもあり、一票を。(藤井ゆき)

  • 今回はストレート? に日本更生保護協会に投票させていただきました。個人的には善悪というような言葉があまり好きではないのですが、そういったところも若干共感できる推薦文だったかと思います。(三上遼)

  • 「更生・保護」や「保護司」について、なんとなく知っている人は多いと思うのですが、それでもまだ光の当たりにくい世界だと思います。長らくこの活動に尽力されてきた日本更生保護協会の助けになればと思い、この寄付先を選びました。(朝野椋太)

  • 今回は推薦文の面白さが決め手になりました!更生支援については、明石市の前市長である泉房穂さんのインタビューで関心を持ちました。我が家にも発達障害の子どもがおり不注意や衝動性のせいで故意でなくとも罪を犯すことがリアルに想像できてしまうので、被害者だけでなく加害者の更生支援も大切な取り組みだなと常々感じています。(溝口奈緒美)

  • 推薦文の「無心で感じた団体をしっかりと推すのじゃ。」が決めてでした。SWはEpisode 6の最後のセリフは心を入れ替えた瞬間だったと言えるのかもしれません。(金子遥洵)

  • 刑務所に一度入り、罪を償い「更生」したはずの人が、けれど過去の罪の影から逃れられず、生活が向上せず、再度罪に手を染める、という循環を断ち切り、真の意味での「更生」を手助けする長らくの営みに共感し票を投じます。同時に、推薦文の手法と魅力にやられました…(笑。(志賀響子)

  • 推薦文の面白さ(文体)で選んでしまいますが、活動内容は推薦文だけでは全然ピンと来てなかったという不思議な寄付。ま、新しい贈与論メンバーの推薦先なら大丈夫だろう。笑(森康臣)

  • 「終わりのない立ち直り支援」ウェブサイトの、この文言にノックアウトでした。頭が下がります。(藤岡達也)

  • 推薦文が面白かったw(綿貫美紀)

  • いつも邪な心が立ち上がってきてはいかんいかんと思い直すことがあります。私も何度も悪いことを子供の頃にしましたが、更生する機会がなければ それを改めて思い出させ、そのことを守ろうとする組織を第一希望にしようと思いました。(濱田太陽)

  • 推薦文に惹かれ、投票します!!(上西雄太)

  • 人はミスをする生き物だと教わった。大小あれミスをしてそれを修正し少しずつ「人」が形成されていると感じる。それを修正するかしないかがまたその人を決めていく。なんならそれを実行したときは善と思っていたのだと。その後「他の世界」を知ることで自分がしたいことではなかったと後で気づいたりもする。向き合うもよし逃げるもよし。人には選択する権利がある。その選択できるものが多いほど、人の「気づく機会」が多くなるのではないかと感じた。(赤熊純)

  • 躓いた後の”立ち直り”には様々なサポートが必要であることを知り、包括的に支援を届ける観点で日本更生保護協会を推したいと思います。(小澤 啓一)

  • あえて今回は違う角度からの日本更生保護協会さんを選択しました。(日吉良太)

  • 個人的な想いは傍に置き、テーマと事業内容の関連について最も腹落ちした日本更生保護協会を希望しました。(佐々木 優)

  • 「立ち直りを支える人を支える人」を支える、という図式に可能性の広がりを感じました。「支援者の支援者」は通常は支援の対象として認識されていないところがあると思います。しかし支援者と受益者だけで閉じてしまうと問題(悪)の原因まで届かないのではないかと考えました。見かけ上の組織の大きさや相対的な予算の大きさが見えづらくするのが非営利団体の間接費の大きさです。寄付者は寄付が受益者に直接届くことを望みますが、支援者や支援者の支援者なしには寄付が持続的に受益者に届いていくことは難しく、そうした意味でも「支援者の支援者を支援する」ということに意義があると思った次第です。(中嶋愛) 

新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。