NPO法人SIDS家族の会へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、NPO法人SIDS家族の会に79万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「子孫」をテーマに推薦を募集し、「NPO法人ピルコン」「NPO法人SIDS家族の会」「ペトログリフ研究家 武内一忠氏」の3候補があがり、藤岡達也、三上遼の推薦したNPO法人SIDS家族の会が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

http://www.sids.gr.jp/

3年前、妻が妊娠して始めて知ったのが、流産、死産や突然死の確率の高さでした。

子供は望んだからといってすぐできるわけでもなく、そしてようやく妊娠したとしても流産の確率は全妊婦の15%ほどもあります。安定期に入るまでは毎度の検診が気が気でなく、「今流産してしまったら夫婦共に正気ではいられないかもしれない」と強く感じました。「母子共に健康」という言葉の重みが身にしみます。

今回推薦する「SIDS家族の会」はSIDS(乳幼児突然死症候群)や死産、流産によって子供をなくした両親を精神的に支えるボランティアグループです。医療が著しく発達した現代日本においてさえも、流産や突然死は依然として他人事ではなく、これを支える「SIDS家族の会」のようなものは、人々にとって非常に大切な存在であると強く思い、候補とさせていただきました。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 少し前に無事に子供がうまれた。母子共に健康。本当に奇跡だと感じられる。今も成長を楽しみながらどこかでさまざまな心配がある。これだけ尊い奇跡を失ったらどれだけのものなのか計り知れない。子供の奇跡を感じているのはその過程にいる親であると感じる。不安な日々の支えが大きな存在だと感じた。(赤熊純)

  • 日本の出産時死亡率、乳幼児死亡率は低いが、現代では稀少児も多く、ひとりの子の死がもたらす影響は大きい。絶望の底にある方々へのメンタルケアこそが重要であると考える。次の世代に繋がる活動に一票を投じたい。(泉宏明)

  • 突然死や死産・流産という、どんな親にも起こり得るできごとに対して、微力ながら支援ができればと思い、この寄付先を選びました。突然死の原因が医学的に解明されきっていない中で、啓発活動などを通じて突然死の防止に取り組んでいることにも感銘を受けました。(朝野椋太)

  • 流産や死産について日本においてもこれほどの確率で起こることであり、継続的にサポートが行われることの必要性をとても感じました。(中島真)

  • こどもを亡くす、こどもと暮らす親である自分にとってそれは何よりも辛いことです。そういった方が生きるために活動されていること、とてもありがたく思います。(稲田遼太)

  • HPトップの「遺族支援をはじめとする活動をここまで続けてこられたのは、亡くした子どもたちとみなさまの支えのおかげです。」に胸を掴まれました。Befrienderという存在も初めて知りました。「ビフレンダーはSIDS家族の会の中で、子どもを亡くした遺族会員のうち、一定期間経過し、研修を受けて、お子さんを亡くしたばかりの会員さんの話を聞くボランティアをしている人のことです。」辛い経験をされた方が、その崖を登り越えて、似た経験をされた方を支援している。pay it forwardのような、果てしない過去と未来によって、現在が中間点でしかないのだと、救われる感覚を得ました。ぜひこの活動を応援したいです。(中垣智晴)

  • 苦しい思いをされている方のために長期間取り組みを続けられているSIDSさんを1位にしました。推薦分は簡潔ながら、活動の意義や特徴を的確に表していると思いましたし、拝見したウェブサイトも丁寧なトーンで作られており、心に寄り添っている活動をされているんだろうなと感じました。(金子遥洵)

  • 一位の決め手は、知らないことへの興味でした。乳幼児突然死症候群という病気があることも知らず、それによって悲しむご家族がたくさんいたことに驚きました。よりこういった活動が認知され、乳幼児突然死症候群の予防等の技術ができればと期待しています。(濱田太陽)

  • 今は「生きろ」というより「何も死ぬことはない」という気分なので(伝わりづらいですね)。(本間盛行)

  • 母子共にに健康ということは、当たり前のことではなく、命がけと聞いています。少しでも支えられたら、と思います。(白川みちる)

  • SIDSの研究、予防の為の環境や、SIDSによって深い悲しみにある方々に寄り添う十分な環境がより整う事を願い投票します。(守屋まゆみ)

  • 「死産、流産によって子供をなくした両親を精神的に支える活動」は、当事者や当事者になり得る全ての人にとって、セーフティーネットになり得ると思ったから。寄付というお金が流れるべきと実感している。(河合将樹)

  • 5歳の息子がいます。振り返ってみると、妻の妊娠中、産後数年間はやはり、彼の存在そのものの不安定さにそわそわしたものでした。加えて、私たち夫婦が子供を産み育てることに前向きになるまで時間が掛かったのも、女性の身体が抱えるリスクを受け入れるために必要なものでした。今やすっかりたくましく育った子供を見て、日々頭を悩ませる課題や不安は、もはやまったく次元の異なるものにはなりましたが、無事にやり過ごしてきた産後の数年間がなければ今の生活はないのだなとしみじみ思います。ひとりでも多くの母子の健康が守られてほしいし、悲しい運命に直面してしまった人たちを支える活動を、私も支援しなければと感じました。(森康臣)

  • SIDSを第一希望といたします。いま、やっと生まれてきたのに、そのまま亡くなるなんて、こんなつらいことはありません。当事者の気持ちを、私たちはぜったい判りようはないけれど、人に言えない、つらい気持ちを、ちょっとでも共有してるよ、と伝えたいです。(藤岡達也)

  • 今回は自分のまわりになるべく近しい課題意識という観点で選んでみました。(横山詩歩)

  • つい先日、知人が流産し激しく落ち込んでいたこともあり、SIDSを第一希望に選択させていただきました。(田中宏幸)

  • 自分の友人でも多くの人が流産で悩んだり、うつ病になったりを目の当たりにしてきた。SIDS家族の会のような活動がぜひ広まってほしいので1票。(高城晃一)

  • 助産院から病院へのシステムの移行により、子どもの死亡率が下がると共に、逆に母親の周産期うつが増えているという論文を読んだことがあります。いわゆるインパクトや効果測定の文脈では見落とされがちな「死」と「ケア」。改めてじっくり考えたいテーマだと感じました。(東詩歩)

  • やはりSIDSさんに寄付をしたいです。深い悲しみを抱えた方の支えとなる活動を30年にわたって地道に続けて来られた努力に心より敬意を表します。広報活動を通じてより多くの当事者の方にこの団体の存在を知って頂くために、またSIDSを減らすための啓発活動のために、私たちの寄付金を使って頂けると嬉しく思います!(坂本治也)

  • 今回は寄付先候補の相対から、明快に第一希望が決まりました。SIDSさんの活動が、そのいつかの 誰かの 助けになり続けられるようにと願いつつ。(masa)

  • コロナ時代を抜けてから日本人はオンラインでコミュニケーションを取れるということを知ってしまったが故に、オンラインで語り合う場が増えたと思います。そんな中でもオフラインで人の言葉を生で感じながら、自身の傷を語り合う場というのは非常に貴重なもので、なくしてはならないと思ったこと、長く活動を続けていることから本当に当事者たちのために活動しているんだなということを思い、SIDSさんに投票をしました。(佐藤みちたけ)

  • わたしたちに何ができるのかわかりませんが、言葉にならない一票を投じます。(桂大介)

  • 命の喪失はコミュニティ全体の問題。社会がそれを包み込むというメッセージとしての寄付行為・30年存続しているという継続的なニーズがある(世代が変わっても誰かが必要としている場)・交換ではなく贈与の関係性で社会が支えていく対象(中嶋愛)

  • 悲しみを分かち合うことは自分にはできませんが、そのような”場”を維持・運営され、多くの方の未来のサポートをしているSIDS家族の会に敬意をあらわしたいと思いました。(小澤 啓一)

  • 「閉じたイメージ」という言葉や「願い」というみなさまの言葉にSIDSは、やはり揺るがなかったです。(瀬田祐佳)

  • 個人でコントロールできないような偶然の出来事に対して、そっと手を添える活動にこそ贈与らしいと思い選択しました。(古川 哲)

  • これほど医療が発達した現代で「全妊婦の15%」という決して低くない確率に衝撃を受けました。オフラインでこのような場を提供しているSIDSさんの活動が、より多くの当事者の方たちに届いてほしいと思い、一票を投じます。(閏間絵里加)

  • 子どもの病気やグリーフケアといった、メジャーな医療からはこぼれ落ちてしまう領域だと思います。ご活動を応援したいと思います。(中川瞬希)

  • 私自身はSIDS家族当事者ではないものの、Webサイト上で紹介されているノンフィクション作品を小学生時代に共感的に読んだことを思い出しました。贈与論の議論では、互助団体的に閉じている/開いていることが選出の論点の一つとして上がりましたが、こうした団体の在り方に期待する意味を込めて投票しました。(佐々木優)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。