スナック都ろ美へ寄付を行ないました

新しい贈与論は「スナック都ろ美(一般社団法人mogmog engine)」に81万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「味」をテーマに推薦を募集し、「淀川キリスト教病院 緩和医療内科・ホスピス」「スナック都ろ美」「認定特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」の3候補があがり、茂木大輔、熊谷友幸の推薦したスナック都ろ美が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

スナックと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?暗いレトロな店内、カウンターに座る常連、あるいはかつての美人ママ…人はスナックに何を求め、訪れるのでしょうか?

今回は、一風変わったスナックの物語をお届けします。

この物語の舞台は"スナック都ろ美"。しかし、これは通常のスナックとは異なります。特別な悩みを抱えた人たちが集う場所です。

その悩みとは、「食事が苦痛!!」

友達との食事会、家族や子どもと楽しむ特別な日の外食、誰にでも待ち遠しい食事の時間があると思います。ところが、世の中には食事の時間が近づくことに恐怖を感じている人もいるのです。嚥下障害を持つ子どもたちは「食べる」という行為を困難に感じているのです。

都ろ美の共同代表のさくらママ、玲子ママはこう語ります。「“おいしい”を皆で共有したい。誰もが食べられるメニューを増やしたい。」これがここで展開される活動の中心です。我々が無意識に楽しむ家庭料理や外食の喜び。それを子どもたちにも感じてもらいたい。それが、スナック都ろ美の存在意義です。

皆さんは子どもの頃、家族とのお出かけを覚えていますか?動物園でのお弁当、デパートのお子様ランチ、屋台の焼きそば…美味しくなくても思い出深い味がありますよね。しかし、嚥下障害を持つ子どもの親は、どこで何が食べられるか、持ち込みは可能か、といった計画を立てなければならず、その準備は簡単なことではありません。

その問題を解決するために、「もぐもぐBOX」が登場しました。東京大学、東京医科歯科大学、新渡戸文化学園との共同開発により、「かんさい」で好評発売中のこの商品は、子どもたちが外出時にも安心して食事を楽しめるように設計されています。さらに、Soup Stock Tokyoとのコラボなど、他の企業との連携により、美味しくて気軽に取れる味の広がりと共に子どもたちの体験の場が拡大しています。

スナック都ろ美では、「支援しなければ」という重圧や、「栄養バランスを考えなくては」という義務感はありません。もっと気楽に家庭で楽しめる美味しいレシピを共有したい、外で皆と同じテーブルで味わいたい。そんな悩みを持つ人々が、生活の中で気軽に立ち寄り、共に笑い、安らぎを求める場所なのです。

それは正にスナックにオヤジたちが求めているものと同じではないでしょうか?

そんな「味」のある"スナック都ろ美"に皆さんも立ち寄ってみませんか?

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 嚥下障害の子どもに向けた取り組みというのを初めて知ったのもありますが、とかく真面目くさくなりがちなこうした活動に「スナック」という、昭和の懐かしさとちょっとふざけた感じが参加する人たちや支援する人たちを勇気づけるのではないかと感じて関心しました。そのだに一印象のまま投票しました。(渡辺健堂)

  • 気楽さとあったかさ、求めている人はかなり多いのではないでしょうか(稲田遼太)

  • 2年前に亡くなった父が、最後に嚥下障害となり、食べられるものの種類が極端に減って困ったという話を母から聞いていました。私にとって食べること=生きること。元気なころの父もそうでしたし、実際食べられなくなってからめっきり体力や生きる気力も落ちたのではないかと思います。子ども達にとって、食べることが苦痛というのは本人も保護者もどんなに辛いかと。なんて思いながらスナック都ろ美のWebサイトを覗いたら、そんな沈んだ気持ちを吹っ飛ばしてくれるようなポップなデザインと、懐かしい昭和レトロ感に心が軽くなります。同じ悩みを持つ人たちが立ち寄り、愚痴をこぼしたりしながら、ママから励まされたり、お隣のお客さんからいい情報を教えてもらってちょっと元気になって帰っていく。そんな風景が想像されました。このような場があることを、多くの親御さんたちに知ってもらえますように。(浅井美絵)

  • 嚥下障害を持つ子がこんなにいるというのをこれまで知りませんでした。嚥下障害を持つ子にとって食事はきっと苦痛で。でもだからこそ、みんなで同じものを食べて、おいしいを共有できるって想いがとても素敵だと感じ、投票させていただきました。(山浦清透)

  • 赤ちゃんとお出かけをすると、毎回頭を悩ませるのは食事です。離乳食提供のお店も目にするようになりましたが、安心のためにお弁当を持参したり、お昼までに帰宅するなど、気を使うことが多いです。離乳食の調理でも、日々工夫をしながら準備をしていました。そんな中でも片栗粉を使ったトロミづけには助けられました。あれこれ気遣いをしているうちに、大変という気持ちに追い立てられてしまいがちな食事ですが、気楽においしいを皆で共有したいという思いに深く賛同します。(大政勇作)

  • 「いいことを楽しみながらやっていい」という遊び心をとても感じるのが素晴らしいと感じました。(阪本圭)

  • かなり悩みましたが「都ろ美」としたいとおもいます。嚥下障害だと確かに食べれるものが限られるので、食の楽しみがなくなってしまうなと感じました。(福原寛重)

  • webサイトを見て、スナックの世界観の楽しさに撃ち抜かれました。支援者のことはパトロンと呼ぶようですね。素敵な寄付先を推薦いただき、ありがとうございました!(鈴木亜香里)

  • 食事は美味しくて楽しいが当たり前な世の中で、そうではないマイノリティな人たちもいる。なかなか焦点が当たりづらい分野だと思うので応援できると良いなと思った。(高城 晃一)

  • どの団体も素晴らしい活動をされており、あらためて食事というものの根源的な価値に触れました。食は生物的な健康、文化的な社交、個人的な記憶と不可分に結びついており、食が人生に与える影響は計り知れないのだということをあらためて知りました。一つを選ぶことは難しかったですが、これだけ魅力的な世界観を持つ都ろ美がまだあまりサポーターの多くないことを受け、こうした活動が広く知られて欲しいという願いもこめて、一票を投じます。(桂大介)

  • 都ろ美さんの社会問題へのカジュアルな接近の仕方に好感がもてたし、ファンドレイジングの呼びかけとしても魅力に感じた。支援者とコミュニケーションしようという意思を感じる。(坂本治也)

  • 知ってもらうための工夫や努力は、その活動を広げてゆく意味や力の第一歩だと。そして、遊び心にエロティシズムは、人を引き付けるとも。さらにアグレッシブに取り組んで、場末から始まる贈与が、広く根付くように成功してほしい♡(masa)

  • スナック都ろ美を支援します。新しい贈与論での支援先を選ぶ基準として、今まで感じたことのない感覚を得られたかというエンターテインメント性も大切にしており、寄付先の”ママ”たちに逆に元気を貰えたことが、支援者であり被支援者になったような感覚が面白かったことも、一位に選んだ理由の一つです。(松本慕美)

  • 洒落っ気にやられてしまいました。一方で、当事者の方はもちろん、ご家族や周りの方を含め、切実なご苦労や困難も同時に抱えられているのだろうと想像しました。加えて、都ろ美だけに限らず、洒落と切実さを兼ね備えた団体に光が当たることを願って一票を入れます。(東詩歩)

  • 都ろ美を一位に推したいと思います。困難な境遇でも”ユーモア(徹底したコンセプトおふざけ)”を連帯のための潤滑油としている部分に惹かれました。あまり眉間にシワを寄せずに振舞うしなやかさを感じます。”行きつけ”とまではいかなくても、たまにフラっと立ち寄るスナックにします。(小澤 啓一)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。