映画「いまダンスをするのは誰だ?」へ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」は、映画「いまダンスをするのは誰だ?」 https://imadance.com/ に対し136万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2022年11月は「気まぐれ」をテーマに推薦を募集し、「アーティスト飯山由貴さん」「映画『いまダンスをするのは誰だ?』」「日本高次脳機能障害友の会」の3候補があがり、山田泰久さん、宮崎あおなさんの推薦した映画『いまダンスをするのは誰だ?』が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

先に、このチームで候補先を選出した、気まぐれの軌跡を紹介します。

今回のテーマが「気まぐれ」ということで、最初の打合せは「まずは気まぐれなアイデアや候補などを適当に持ち寄りましょう!」という軽い感じで実施しました。

その中で、キマグレン、猫、臨機応変、柔軟、しなやか、普段選ばない、定着しない、消えてしまう、期限や時期があるものなどのキーワードが出てきました。また、今回は2回分の資金で大きな金額になるので、新しい贈与論として、なるべく純粋の贈与となるようなもの、つまり、寄付者と最終的な受益者との関係性が遠くなるものだったり、気まぐれで選ぶからこそ、選ぶことや支援することに責任を持たない、希薄な関係性となるものを選びたいねという話しにもなりました。

さらに「気まぐれ」をテーマにディスカッションをしていき、

①気まぐれらしく、これまでの「新しい贈与論」で選ばれないようなものを
②例えば、クラウドファンディングで、締切間際で達成が少し難しそうなものを探したり、
③寄合で選ばれたら、そのままクラファンを支援をする
④それが達成できるかどうか、わからないというのも、気まぐれらしく一興
⑤NPOが行う継続的な活動ではなく、イベントやプロジェクトベースの気まぐれ感を
⑥例えば、年末までに行われるイベントなど、そのまま無くなってしまうもの、寄付がすぐに使われるもの

という方向性で選んでいこうとなりました。

打合せの後は、それぞれが気になったプロジェクトを選んで、そこから候補を絞っていくことになりました。
それぞれが気になるプロジェクトを複数見つけた後は、Slackベースで打合せをして、チームとしての最終候補4プロジェクトを選定しました。
そして、二人だけの決戦投票です。各自、第1位から第4位までのランキングをつけました。その結果、第1位1票、第2位1票が入ったプロジェクトが最上位となり、今回推薦するプロジェクトが選ばれたわけです。

候補の選び方は気まぐれでしたが、決め方はだいぶシステム的になってしまいましたね。

【プロジェクトの紹介】

今回、推薦したものは、映画のスポンサーです。
映画「いまダンスをするのは誰だ?」https://imadance.com/sponsor/

最初に、このプロジェクトを候補に挙げた推薦人Aからの紹介です。

『気まぐれとは程遠い堅物な中間管理職の主人公がパーキンソン病を患ったことをきっかけに自分らしさや家族や仲間との絆を強める物語。テーマは「自己受容」。贈与も、受け取られることによって贈与となる。受け取ることができるようになるきっかけは、神様の気まぐれとも、運命とも言えるかもしれない。映画を多くの方に届けて、らしく生きることがより自然になっていくといいなと、思いました!監督は、推薦人両方とつながりがあることも、推薦の後押しとなりました。縁を感じ、のっかった所存です。よろしければ、あなたも、乗っかってみませんか?気まぐれOKです。』

次に、もう一人の推薦人Bからの推薦コメントです。

『映画のスポンサーというのは、今までの「新しい贈与論」にないような気まぐれです。クラウドファンディングで映画の制作支援をするプロジェクトは結構あり、支援した経験のある方もいらっしゃると思います。でも、100万円オーバーのスポンサーを経験する機会はかなり貴重です。100万円以上の支援ということで、シルバースポンサーになります。これで、新しい贈与論の名前がチラシやエンドロールに載るのも一興ですね。映画のスポンサーの寄付は、一義的に映画の製作陣が受益者となりますが、最終的には映画の鑑賞者が受益者となります。映画というメディアを通じてより多くの受益者を生み出す仕組みに寄付するというのも乙なものだと思います。また、新しい贈与論のメンバーが、この映画を鑑賞することで、自らが受益者になることもできます!映画を見ることで、利他が利己になる瞬間を一緒に味わってみませんか?』

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 推薦人です。そして、推薦文のまま、推薦先を第一候補にしています。私たちがいちばん『気まぐれ』さがあると、自負しています!(←そういう話じゃない笑)最終受益者は映画を観る人という遠いところに届ける感覚が、とても気に入っています。(宮崎あおな)

  • 映画で表現として選ばれている「ダンス」も、今ではもちろん様々な型があるとはいえ、根源的には気まぐれなものから生まれたような印象があり、選び方も含め、全体からいい意味での「気まぐれさ」を感じ、投票させていただきます。(上西雄太)

  • 病は突然やってきますね。パーキンソン病はこの映画の主人公のような「堅物な中間管理職」的な性格の方に多く発症すると言われているようです。気まぐれからは程遠そうな人がこの病になって、どう向き合っていくのがとても興味が湧き、映画を観たいと思いました。(白川みちる)

  • 人生へ少し悲観的になる問題を乗り越えてきたとき、その問題の捉え方とか人生観を調整して消化してきた覚えがある。だからこの映画のテーマである「自己受容の大切さ」には想像が及ぶ。でも、自分だけでは消化が難しいような問題に接したときにどうなるのか、経験ではよく分からない。この映画で、もっと想像力を高めてみたい。そして寄付先としても、たまにはインパクト重視というのも面白いと思う。(中村雅之)

  • 迷いましたが、新しい贈与論らしくない「きまぐれ」ということで、いまダンスを選びました。「スポンサーとしてパンフレットに掲載されるのは、贈与ではなくて広告枠の購入だ!」と思いますが、きまぐれにこういうことをしてもいいのかな・・・と。(鈴木亜香里)

  • 「選ぶことや支援することに責任を持たない」という一文に面白みを感じました。贈与/寄付のハードルが高い要因の一つは、支援対象を選んだあと自分自身が納得できるか?という点であると考えています。今回は「気まぐれ」に第一希望を選んでみました。(今田公基)

  • イベントベースのもので、締切が近く「うまくいってほしい」という思いを乗せる事ができればと思い「いまダンス」に投票しました。(松木耕)

  • 今回は推薦人なので、純粋に、自分で推薦したものを第1位にしました。気まぐれでは人を楽しませることも、傷つけることもあると、あらためて思った各推薦候補でした。その中で、人を楽しませる気まぐれに一票を投じました。(山田泰久)

  • 新しい贈与論として映画をスポンサードする、という点におかしみを感じました。こういってしまうとアレですが、内容に対する評価は棚上げして(面白そうですが笑)、クラウドファンディングにコミットするという経験は、おそらく個人ではなかなかしないもので、まさに今回のテーマにピッタリという感じがします。(森康臣)

  • 正直選ぶのはしんどい。2か月分だから3等分したい気持ち。ただ、いまダンスは、作品を作るところからの話なので、そこを応援したい。(藤岡達也)

  • 最近映画制作に関わって、これくらいのサイズの映画制作がいかに大変かということを知りました。今回はそういうご縁に託し、「いまダンスをするのは誰だ?」に投票したいと思います。インターネットを中心に情報が莫大に溢れかえる今日において、「映画」というメディアの力を信じたいと思います。(桂大介)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。