共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人OVAに対し51万円の寄付を行ないました。
新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。今月はNPO法人リベルテ、NPO法人アレルギーを考える母の会、NPO法人OVAの3団体が候補にあがり、碇和生の推薦したOVAが最多票を得ました。
推薦文は以下の通りです。
検索連動型広告を使った情報提供や相談支援により、自殺予防の取り組みを行なっているNPO法人OVA(オーヴァ)さんを推薦します。 最近また著名人による自死の報道が増えていますが、WHOによるガイドラインに則ったケースは多くありません。またコロナ下においては直接的に人に相談したり、誰かの痛みに気づける機会も少なくなっています。 OVAさんでは2013年から悩みを抱えた人がインターネットで調べるであろうキーワードを事前に想定。そのキーワードで検索した人にリーチし、メールで相談。現実の相談機関へとつなげる活動を行っています。 報道をきっかけにインターネットで検索する人や、自分で抱え込んでしまっている人に対して、現在の生活様式にあった形で支援しつづけるOVAの活動を応援できればと思い推薦させていただきました。
参考記事:インターネットを使った夜回りが行き場のない孤独を救うーー若者の自殺予防に取り組む「OVA」伊藤次郎さん
https://soar-world.com/2016/08/23/ova/情報疫学(infodemiology)やマーケティング的な考えから手法・成果を生み出している点も面白いなぁと思っています。 自殺の危機にある人、1人にリーチするためのCPAが約137円など、相談による成功率まで定量的に考えられていて興味深いです。
参考リンク: https://ova-japan.org/?page_id=196
投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。
OVAさんは、「インターネット×福祉」「インターネット×社会課題」という視点でいち早く取り組んだ、先駆的な活動の団体の一つですね。 中長期で見ればデジタル社会が加速していること、短期的に見れば新型コロナ禍で8月には自殺の件数が増えたということなど、OVAさんの活動は必要な取り組みなので、一票を投じました。(山田泰久)
代表の伊藤さんの人間の見方に共感しました。⇒"弱いもの、そう思えるから愛しい存在だとまなざすことができます。私自身、とても弱い存在です。どれだけ弱い存在か。それを認めていく、受容していく。” そして、”痛みや苦労=悪”と捉えていらっしゃらない点も素敵です。ご自身の経験、冷静な人間理解、テクノロジーの活躍。個人から世界と世の中の流れを見渡した活動。”いま”だからこその取り組み方に期待したいです!(SOARのインタビューって素敵ですね。)(阿曽祐子)
情報疫学のソリューションに興味があり、選びました。(中村多伽)
自殺予防の取り組みに対する先進的なアプローチを支援したいと思いました。(高橋祥子)
今回は直感で選びました。OVAさんの他にはない取り組みをされているところが純粋に面白いなあと思い投票しました。(中西高大)
自死予防への取り組みに激しく共感するから(小畑眞一郎)
インターネットとスマホの普及による圧倒的な情報量が増えている社会において若者が自身の辛さを吐き出す先がなく、検索ではそこに応える術がないという世界観は言われてみればその通りですが盲点でした。こういった取り組みや活動で少しでも多くの方々の受け皿となればと思い、投票致しました。(海野慧)
最近、著名人の自殺がよく報道されており、影響を受ける人が増えるのではないかと気になっています。このような団体が、自殺予防に向けて働かれていることは、大変意義があると思います。インターネットを活用した防止方法も、現代の状況に合っていて良いですね。(西山裕子)
今回の私の視点は、「寄付を一番効果的に使ってくれそうな団体はどこか」でした。OVAさんのICTを使った自殺予防はこれから多く成果をあげてくれそうだ、他団体や社会全体にも波及できる活動だと感じたので選びました。(他の2団体も素晴らしい活動をされていると思いましたが、webで見た印象では組織が脆弱な感じがしてしまいました) 先日、ファンドレイジングジャパンの大会に参加した影響をかなり受けています。なので、今回は贈与という文脈よりも、NPO団体運営や発信をきちんとできているかという視点で見てしまいました。以前は「活動が面白い!」という印象で選んだりしていたのに。自分のインプットしていることのタイミングによっても、選ぶ先が変わりますね。タイミング大事!(鈴木亜香里)
推薦文にもありましたが、定量的な捉え方をされているところに感じ入りました。全てが数字で表せるわけではもちろんないですが、数値化して振り返る、訴える姿勢に強く共感しました。(本間盛行)
インターネットマーケティングを活用した遠隔自殺相談という、現代的手法での問題解決に関心が湧きました。 今後、テレイグジスタンスが充実していくことから、遠隔から世界へ影響を与えられることが増えていきます。このようなアプローチは、そのようなトレンドとも重なっていくと思われるため、非常に興味深いです。 また、初年度は1人の相談員、その後も2〜4人の少数の相談員で、毎年何百もの相談案件に乗っているという地道な活動にもとても感心を覚えました。 和光大学と臨床心理領域と連携している点も、新しい手法での分析・ノウハウ展開において広がりがあると良いなと思いました。 示唆のある活動であったため、今回はこちらを推薦いたします。(Sho T)
社会的な問題に対してテクノロジーを活用して定量的に分析し、解決しようとするアプローチがおもしろいなと思いました。デジタルマーケティングの手法を福祉に役立てるという考え方にとても共感したのでこちらに投票させていただきたいと思います。(三上遼)
命はお金ではかれない。けれども、命を救う活動にはお金がかかる。 やわらかく唯一のものをまもるために、ロジカルにシャープに動き続ける活動に感銘を受けました。(稲垣景子)
公的な制度とつながっていない、つながりにくい課題に取り組む団体を選びました。OVAは福祉や医療に、母の会さんは医療や自助グループにアクセスできない方への橋渡しをされている団体だと考えました。二つで迷ったのですが、OVAさんの方が資金が集まりにくいかな?という気がして選びました。(石黒好美)
直接的に生死にかかわる領域ということでOVAを第一希望としました。人間は他の生物と違い、自殺をすることがあります。精神の病はとても深刻な問題であると私は感じます。その他、取り組みが与えるインパクト、緊急性を考え、このような順番にしました。(境駿伍)
立て続けに若く身体は元気であろうはずの未来のある有名な方が自ら命を絶ってしまった事で、誰かにSOSは出来なかったのか..と考えていました。 私自身も明日朝目覚めなければいいのに、と毎晩眠る時身の回りをキレイに整えて寝ていた時期があります。恐らく周りの誰もそれは知りません。外ではニコニコしていたから。でも何だか身を粉にしてひたすら頑張る事は出来たので、その後ラッキーも沢山きてとても幸せな現在を過ごせています。 ダメージの強さや我慢し過ぎると心が病気になって全部捨てたくなる。身体も言う事聞かず動けなくなる。言葉がうまく見つからないけどもう少し気楽にSOSを受け止められる場所、人、これから更に重要になると思います。乗り越える事さえ出来たら、、 OVA関係者様、陰ながら応援したいです。(鈴木美香)
OVAさんのゲートキーパーのような活動を初めて知ったため。生きづらさと怖いもの見たさで自殺について検索を始めて、調べているうちに深みに飲み込まれてしまうということは容易に想像できますし、思い悩んでいる人に効率よくアプローチしている取り組みも興味深いです。(大政勇作)
私はビジネス上、SEOに深く関わる仕事をしており、自死の瀬戸際にある人たちに対して、適切な情報が検索エンジン上でデリバリーされていないことが問題視されている状況を認識しています。 OVAさんの活動は、検索エンジンのアルゴリズムに正しさを求めるだけでなく、マーケティング的アプローチで支援を届ける活動をされていると知り、希望を感じましたし、応援したいです。(森康臣)
添えていただいた参考記事を読み、2016年に騒動になったWELQ問題を対置する形で連想しました。心ない、時には悪意すらない夾雑物が氾濫するインターネットの片隅で、見知らぬ誰かが上げるかもしれない声に耳を澄ませる、待ち受ける。その取り組みがすてきだと感じました。わたし自身は、そういった窓口に直接相談したことはありませんが、もしかしたらかつて、OVA様の広告に出会って、夜回りする誰かのまなざしに救われたことがあったかもしれません。(加藤めぐみ)
日本は他の国に比べて自殺が多く問題になっている。自殺が多い社会は、多くの人にとって生きにくい社会であるだろう。そのため、そのような生きにくい社会にとってのセーフティーネットの役割は非常に重要だと思い、今回は選ばせていただきました。(加瀬雄一朗)
地縁・血縁など既存の扶助ネットワークが弱体化し、ネットカフェ難民など不可視化される困窮者も増加するなか、インターネットを用いたアウトリーチは極めて重要になりつつあると思います。活動を応援しています。(桂大介)
一人の人間の生死に関わる切実度で選択しました。(中西健輔)
テクノロジー×アウトリーチ。OVAさんの活動には大きな可能性を感じています。自殺にまで至る苦しさの原因は様々ですが、共通しているのは孤立。自分一人では解決できない問題を抱えたときに、「助けて」と言える社会になったらいいなと思っています。困りごとを抱えた人に、必要な情報やサポートが届きますように。(宮本聡)
新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。
運営
法人名 一般社団法人新しい贈与論
代表理事 桂大介
設立 2019年8月1日
ウェブサイト https://theory.gift
連絡先 info@theory.gift
メディアキット ダウンロード
「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。