共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人BONDプロジェクトに対し58.5万円の寄付を行ないました。
新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。今月はNPO法人Class for Everyone、NPO法人BONDプロジェクト、NPO法人e-Educationの3団体が候補にあがり、西山裕子、荒川陸、白川智樹の推薦したBONDプロジェクトが最多票を得ました。
推薦文は以下の通りです。
生きづらさを抱える、10代・20代の女の子の支援をする団体です。ドメスティックバイオレンス(DV)等で帰る場所の無い子の保護や、人間不信に対するメンタルケア・カウンセリングの実施、就業・生きがい・社会参画できる機会の提供をしておられます。
刈安座は、特定非営利活動法人BONDプロジェクトを推薦します。チームメンバーの一人が、数年前にテレビで活動を知りました。悩みを抱え、行き場所もなくさまよう女性の相談にのり、パトロールをし、シェルターで一時保護をするなど、大変なご苦労の様子でした。LINE相談などもされています。
警察庁の統計によると、全国の自殺者数が7-9月を通じて男性がほぼ前年並みだったのに対し、女性の自殺者の増加率は7月16%増、8月40%増、9月28%増です。女性の雇用問題とDV被害が背景と言われています。
男性を失業に追い込んだ過去の不況と異なり、コロナ禍は女性の雇用を直撃しています。5月の労働力調査によると、前年同月に比べ、非正規労働者は61万人減。つまり、それに近い数の人が職を失ったと考えられますが、そのうち47万人が女性であるという事実があります。4月には、女性の就業者数が前年比で約8年ぶりに減少しています。https://bit.ly/2UwGaz2
また、女性のDV問題について、BONDプロジェクトによる6月のアンケート結果(950人回答)によると、約6割の回答者が家のことで「困ったことがあった」と回答。「家族からイライラをぶつけられる(32%)」「暴言を言われる(22%)」「たたく・蹴る・物を投げつけられる(8%)」などを訴えています。また、自分の体や心について「心配なことが増えた(75%)」「やる気が起こらない(74%)」「消えたい・死にたい(69%)」「独りぼっちだと感じた(61%)」となっています。https://bit.ly/38J4Yw8
周囲に頼れる場所が少なく、弱い存在に押しやられてしまった若年女性に、地道ではありますが話を聞いて保護をして励ますこの団体の活動は、コロナ禍の今、とても重要だと思います。3000円で一人の女の子に温かい食事や飲み物が提供でき、5000円で虐待や犯罪被害で家に帰れない子を緊急保護することができます。
チームメンバーの一人は、個人的に古本の寄贈などをしていました。新しい贈与論を通じて多くの寄付がし、たくさんの女の子が救われることを願います。
投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。
日本に限らず世界中で、「縁」が多様化・細分化し、一見普通に暮らしているように見えても、人知れず生きづらさや孤独を感じている方は多いと思います。社会とのかかわりやその中での自信は些細なことでも壊れてしまいますが、一方でそれを再び創るのも些細なことの積み重ねでしかないと思います。そういった前向きな積み重ねはBONDさんのような草の根の直接的な支援が重要だと感じ、投票させていただきます。(上西雄太)
推薦先の扱うテーマが、2件の「遠方/未来/教育/子供」と1件の「近隣/現在/困窮/女性」で、どちらに希望を出すのか、それは何故か、という点に悩みました。前者は未来にむけての取り組みであると同時に、対象となる方々にとっての現在をも充実させることは間違いなく、後者は喫緊の手当てを主としつつも、対象となる方々の未来を、社会的にも生命そのものとしても守ろうとする活動です。また、前者の推薦文が2件とも、遠方と我々を包む、余所事ではない大きな構造に触れられている点にも心動かされました。ただ、今回は、投票のタイミングで希望先を選びました。コロナ禍については、ワクチン開発の明るいニュースがある一方、感染者が再び増え始め、自宅に留まる圧力が強くなることが予想されます。生きづらさの前線で支援をされているBONDプロジェクト様に、前回のPOSSE様とも重なる願いを込めて、投票します。(加藤めぐみ)
暗黙的に選択肢が狭まっている状況を変えていくことと、目の前で困っている人を救うこと。どちらも大事だけれど、強いて選ぶとしたら後者でした。日々大変な状況と向き合っているであろうBONDプロジェクトさんを応援します。(大政勇作)
BONDの推薦人でした。他の二つも途上国での教育に貢献するとても大事な取り組みだと感じました。特にClass for Everyoneのサイトのトップ画像にある、ストリートで女の子がパソコンをもっている写真はとても響きました。迷ったのですが、推薦した+コロナで特に深刻な問題となっているメンタルケアに貢献する活動をサポートしたいという思いから、BONDに投票します。(荒川陸)
今回の3つからは、国内である、より身近な事である、ということを意識して、BONDプロジェクトに1票を。自分で選ぶ事が出来ない親、兄弟。貧しくとも温かい思いやりがある家族なら助け合えるけど、まだ自立出来ない年齢の時に家の中で暴言、暴力を受けるのは、本当に毎日辛いと思います。怒り任せの暴力は絶対にいけない。傷付いた子達を守ったり保護したり、話を聞いたりの活動はとても大切。貴重。有難い。応援したいです‼︎(鈴木美香)
第1希望はbondにした。ウェブサイトや動画から、当団体が心のケアという難題にしっかりと向き合って戦っているということがわかり、感銘を受けた。他の2つの団体も本当に素晴らしいと思ったが、bondは最も地味でお金が集まりにくそうであるという点を考慮して希望を決めた。(境駿伍)
推薦文にもあったようにコロナ禍は特に社会的弱者を直撃したとおもいます。また男性と女性で自殺率の増加率が異なるというのは初めて知り衝撃を受けました。まず自助と言われてしまうこの国で、BONDさんのような活動がますます広がり、大変な境遇にいる方々が安心して過ごせるよう願っています。(桂大介)
表に出しにくい、声をあげにくい傷や痛み、生きづらさを抱える女性たちへのサポート活動、いま、必要なことと感じて投票しました。(鈴木悠平)
最も弱い立場にある多様な人々に多様なアプローチによる支援が必要だと思います。そのような活動を応援したいと思いました。(寺田英司)
どれを1番にするのかとても悩ましかったです。日本という国に生まれ、男性に生まれた自分にとって、どれも最も自分ごとにしづらいものでした。先月はもっとも遠い存在というキーワードで選びましたが、今回はその軸だけでは選びきれませんでした。どうしようもない差としてほんの少しだけ国よりも性別が勝り、BONDを第一希望としましたがうまく言語化できません。遠い存在と言いながらも、3つに差を見つけられないと近い存在に意識が向いたのかもしれません。(中西晶大)
支援対象に届きやすいように選ばれた、情報発信方法の選択に支援者の切実な思いを感じる。機能していない家庭や家族だけでも厳しい環境なのだが、更にしわ寄せが強くいく若い女性への支援は必然性を感じる。本取り組みもマストだが、家族制度、家庭感、親権、養育、あらゆる仕組みも同時に見直す必要があるのではと思う。(西信好真)
一番気づいていなかった問題に気づかせてくれたのがBondだったから(成田悠輔)
とても悩みましたが、国内の課題に対して再分配したいと考えたこと。もともと課題が存在していたところに、より課題が深刻化する事象が起きているという点から、BONDさんを選びました。(モリジュンヤ)
BONDが少額の寄付を一番有効に使えそうな気がしたから。支援するところが比較的社会的に蓋をしたい部分にされてる気がするので匿名で寄付をするという「新しい贈与論」向きだなと思った。(藤井宏二)
コロナ感染拡大は社会の脆弱性を露呈にしました。ひとり親家庭や女性がいまとてもしんどい思いをしています。なので、女性支援団体を応援したい。また、以前BONDプロジェクトの代表の方のお話を聞いたことがあって、とてもいいお話だったでの選びました。(田代伶奈)
今回は国際的なプロジェクトが多く、どれも素晴らしかったのですが個人的には国内での活動を支援したいという思いがあり、BONDさんを選ばせていただきました(碇和生)
女性の自殺者の増加率、本当に増えているのですよね (年齢層も幅広く)。ものすごく深刻な社会問題だと思っています。(白川みちる)
DV被害がコロナ禍で深刻化しているのでそのサポートの意を示したいという点と、なかなかDVは助成金や寄付金獲得が難しいのでその意味でも。(浅井美絵)
なかなか見えにくい世界。ホームページから何とかして伝えたいという工夫とあたたかさが伝わってきます。(阿曽祐子)
新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。
運営
法人名 一般社団法人新しい贈与論
代表理事 桂大介
設立 2019年8月1日
ウェブサイト https://theory.gift
連絡先 info@theory.gift
メディアキット ダウンロード
「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。