共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人日本こども支援協会に対し42万円の寄付を行ないました。
新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっており、5月が8度目となります。今月は日本こども支援協会、日本学生支援機構(JASSO)、日本こども支援協会の3団体が候補にあがり、河原塚有希彦の推薦した日本こども支援協会が最多票を得ました。
投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。
全てのこどもが尊ばれるべきだと思うので、里親支援事業は応援したいです。(高橋祥子)
今回の3団体が捉える社会問題は相互に繋がりあっているものなので、なかなか悩みました。その中でも里親制度については、人生の「はじまり」にアプローチするという点で、先手を打てる課題解決だと思います。子供の貧困や虐待のニュースを目にするたびに心が痛み、里親制度について調べたこともありました。日本で里親制度がなかなか普及しにくい背景には、実親との関係に深く介入しにくいという制度上の課題について聞いたこともあります。今回の寄付をきっかけに、里親についての情報拡散につながればと思い、一票を投じます。(中村真広)
親と子というもの、考えさせられるテーマです。決して、自ら選んでなく、所与のものとして何も思わずに、受け入れてきました。親と子という関係は多くの動植物にもありますが、それにまつわるテーマがこれほど多い私たち人間。誰もが子どもという立場を経験していますが、その色はとりどり。そして、長じて、親になったり、なれなかったり。「親子」は改めて考えてみたいテーマですので、こども支援に一票投じます。(阿曽祐子)
活動の透明性と、現状を根本から改善する取り組みを目指している姿勢から投票しました。単なる「子供の支援」の枠組みを超えて、啓蒙活動・里親への支援・積極的な企業協賛による活動資金の確保など、状況改善のプロジェクトを多数動かしているのが、NPOとしてあるべき姿に近いと思い、ぜひ応援したいと思いました。(石田哲大)
日本では約4万7千人の要保護児童がいるということに驚きました。私自身、里親になることを考えたことがあるため、里親・実親の支援事業を行っているこども支援協会の取り組みが特に気になりました。今回、いずれの団体も未成年を対象に支援しており、重要性が高いと感じたため、順位づけはできませんでした。規模も大きく、個人的に支援しているJASSOはあえて第三候補とし、「子どもたちの現状」をデータと共に細かく解説していたNPO法人日本こども支援協会さんを第一希望とし、第2希望に「NPO法人なんとかなる」さんを選びました。(岩田宇史)
社会課題の中には、「知る人を増やす」ことが支援になる領域がいくつかありますが、里親制度をはじめとする社会的養護の領域は、まさにその中の一つだと思っています。里親制度は、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」を保証する大事な制度の一つですが、多くの人が「自分には関係ないこと」というイメージを持ち、遠く感じているのではないでしょうか。多くの人がイメージしやすい社会的養護の仕組みの一つが児童養護施設かと思いますが、残念ながら施設での養育は、どうしても職員さんによる「業務」の壁を超えられませんし、巣立った後の「実家」の機能が提供できません。その点で、里親制度は、親子のぶつかり合いも含めた深い関係性構築が期待でき、巣立った後の頼ることのできる場所にもなり得るので、その機能には大きな期待があります。(※すごく端折って文字にしているので100%正確な情報ではありません。)ただ、そんな制度として期待されている里親制度ですが、里親になる、里子になるということは、今の日本社会では社会や地域の無理解もあり、そんなに簡単なことではありません。「中途養育者」には、私たちには想像もできないような苦しみや葛藤があるようです。そんな彼らを支えていけるのは、制度への理解とpeer to peer の支え合いの促進だと思いますが、NPO法人日本こども支援協会はとてもうまく発信やコミュニティづくりができている団体だと認識していますので、今回の私の第一希望とさせていただきます。(宮本聡)
NPO法人日本こども支援協会さんを選択させてもらった理由は、「里親制度」がもっと日本でも一般的になったら良いなという思いから。「養子縁組」の制度を利用する人はハードルが高すぎて日本では時間がかかると思うので、手当がある分一般化の可能性が高そうな為。また、幼少期に虐待やネグレクトなく子供が育つことで、その他の社会課題の解決も可能性が高まると感じた為。(原田岳)
「里親」ということを考えたことがなかったのですが、活動のページを拝見した時に、子供側も里親側も、様々な事情でマッチングが行われているのだと知りました。「そもそも知らない」ということが一般的でもあるのだろうと思い、その認知によってこうしたマッチングが起こりうる、また実際に里親になった後の状況をシェアできるコミュニティ、環境を作り出すことに意義を感じたので投票させていただきます。(Sho T)
パートナーが妊娠する以前、養子を取ることを考えていた時期がありました。ぼくは、人間というのは環境の産物だと考えています。「親」と「子供」とは、一緒に過ごした時間のあり方がつくりだす関係性の呼び名であり、血が繋がっている子供であれ、そうでないのであれ、「親子」という関係性を築くにあたって決定的な差異はないのではないか、と。他方で個人的には、「子供を生む」という機会そのものが怖いという感覚もありました。ぼくは「男」で(素朴にこう言ってしまいますが)、自分が肉体的な負担を引き受けるわけではない。パートナーを健康や死のリスクに晒す、そんな機会を自ら招く行為にためらいを感じる。「自分が親になる」という可能性を考えるにあたって、すでに生を受けた子供たちを引き取るという社会的意義以前に、里親というものへの関心がありました。「親になる」とは、覚悟の問題なのだと思います。しかし、「親になるのは甘いことではない」という家父長制的な親の倫理とはまた異なる意味で、そう感じます。経済的に豊かになった現代では、子供を生み育てることに「意味」が必要になりました。ただ過剰な意味に囚われて行動を抑制する、というよりは、ある程度気楽に構えた方が上手くいきます。「親になる」という行為も、そういうものであってよいのかなと。今回推薦者の言葉を読んで、ふとそんなことを思い出させてもらい、投票先として選ぶことにしました。(森康臣)
里親は世界的に見ても日本ではまだ普及していない状況だと認識しています。里親になる方もお子さん自身もこういった機会がより一般的になることで得られるかけがえなのない機会が増えていくことを願い投票させて頂きます。(海野慧)
子どもを育てる大変さと素晴らしさは常々語られています。私には子供はいないけれど、だからこそ親として子どもを育てている方たちに「本当にすごいなぁ」と尊敬の念を抱きます。難しい環境に置かれている子どもたちを支えている里親のみなさんに、今回の投票で改めて興味を持ち、少しでも支援できたら良いなと思いました。(大政勇作)
推薦文にも書かれていますが、支援すべき子供達自身はもちろん、そのサポートに携わる意思のある里親の方々を支援するという視点は、問題解決を全体として考えた場合に非常に重要だと思いましたので選ばせていただきました。(加瀬雄一朗)
新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。
運営
法人名 一般社団法人新しい贈与論
代表理事 桂大介
設立 2019年8月1日
ウェブサイト https://theory.gift
連絡先 info@theory.gift
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「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。