共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人Babyぽけっとに対し54万円の寄付を行ないました。
新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年03月はNPO法人Babyぽけっと、一般社団法人HLAB、一般社団法人nukumoの3候補があがり、大政勇作、藤井宏二の推薦したBabyぽけっとが最多票を得ました。
推薦文は以下の通りです。
「Babyぽけっと」を推薦します。
Babyぽけっとでは、予期せぬ妊娠や経済的な理由などにより出産しても育てるのが難しい生みの親と、子供を授かることのできなかった夫婦でどうしても子供を育てたいという育ての親の願いを特別養子縁組を通してサポートをしています。
生みの親は、DVや経済的な問題に苦しんだり、生んでも育てられない罪の意識、子供の成長や幸せを心配します。育ての親は、実子ではないことでの子育ての難しさや関係性に思い悩んだりします。養子は、自分が実の子供でないことを知り悩み苦しんだりします。
特別養子縁組ですと普通養子縁組と違い親権は実親から養親に移り戸籍も「養子」ではなく「子」に移ります。そのため、法律上も実親との縁は切れ養親の実子扱いとなり、実親とは縁が切れてしまうことがほとんどです。こちらでは生みの親、育ての親、子供本人同士が交流を持てる機会などを作り手広くサポートしています。
例えば、生みの親には以下の様に母親専用のシェルターを作っていたり、
https://babypocket.net/real-parent/#shelter
育ての親には以下のような手順で迎える準備を進めます。
https://babypocket.net/adoptive-parent/特別養護施設から"子供を選んで"迎えるのではなく、生まれる前から引き取り手が決まっている場合もありどんな子か分からない状態で子を迎え入れる形をとっています。また、その子供が生まれる際には一緒に立ち会い、生まれたときから”自分の子”を受け入れられます。その際にも必ず生みの親に一度抱かせるといった取り組みなどもして生み、育て両親ともとても大切にしていることがうかがえます。
当法人の中でとても共感できた部分を抜粋します。
・この世に生まれてきた大切な「小さないのち」は、ペットのように容姿や好みで「選ぶ」ことはできません。ご自身で産んだかどうかに関わらず、「授かる」ものだということをご理解ください。
・真実告知は必ずしていただく方針です。
・妊娠中から当会に相談があり、産まれてきた子どもが必ずしも健康とは限りません。先天性の障がいがある場合、後から何らかの障がいが出る場合もあります。
・該当後に病気にかかる場合もございます。そのような事態にあっても実親と子どもが背負う背景がある事をご承知おきください。
・養子同士の交流会(たんぽぽ会)や養子縁組家族の交流会(すずらん会)など定期的な交流会と真実告知のシンポジウムも開催
・Babyぽけっとでは、お子さまを養親夫婦に託した後も、交流会などを通して親密な関係を保つことを心がけております。
・ご希望であれば一定の年齢まで育ての親が成長アルバムを作成しお送りいたします。家族とはとても不条理で、自分で唯一選べる家族は配偶者のみです。日本ではかつて家制度があり、血縁のつながりが、ときに "呪い" のように特別な意味を持つようになりました。子供はいつも巻き込まれる側です。幸せな場合もあれば、不幸な場合もあります。親子も刷り込みのようなものでお互いに”親子”だと認識することによって共同生活が成り立っています。
すなわち、家族において必要なのは、血縁ではなく互いの情愛だと言えます。そしてこれは古き良き一種の村社会の形かなと感じました。血縁にとらわれず、慈しみ合う家族のあり方が、今よりももう少し自由になっていくことを望みつつ、新しい家族のカタチというよりは、新しい社会のカタチが見えた気がしたので推薦させていただきました。
投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。
産みの親と育ての親が一致する意味は特にないと思っている。育児や教育に関しては、それぞれの性格や環境による適性も大きく存在し、次世代の社会の構成員となる子どもたちは、遺伝的な繋がりや家族制度の枠に押し込むのでなく、社会全体に開かれた形で、共同体として育てていくのが望ましいと感じている。そうした中で現行の養子制度を活用し、産みの親と育ての親をマッチングし、両者に対して、きめ細やかで実践的な支援を続けている、こちらの団体に1票を入れました。(西信好真)
小さないのちを守るということ、関係性を長きにわたって育むこと、ひとりにさせないという強い願いを感じるとともに、ここまでやるのかと自分の無知にショックを覚える一方で、ここまでやる必要があるという理解もしました。この社会にBabyぽけっとが存在してくれていることが、本当に心強いことですし感謝しかないです。(中島真)
全て素敵な取り組みですが、集めたお金をどこにお渡しするのが良いのかというのを考えた時、公共性が高く資本が集まりづらいところという観点で選ばせていただきました(中村タカ)
まだまだ養子縁組の少ない日本で、とてもしっかりとした活動をされている点に感銘を受けました。厳格な審査や受け入れサポートのみならず生みの親のサポートもされており、「家族」が包括的にケアされている印象を受けました。今回の寄付は微力なものですが、さらに幅広く活動が展開されていくことを期待しています。(桂大介)
恥ずかしながら特別養子縁組と普通養子縁組との違いもよく分かっておりませんでした。この世には望まれない子供はいないので、全てのお子さんがその生を全うできるような場が整うことを祈っております。(海野慧)
NPO法人Babyぽけっとさんに一票を。恐らくこちらで特別養子縁組をされたご家族のドキュメンタリーを見た事があります。様々な角度からしっかり話し合った末にお迎えした夫婦も幸せと同時に子育ての悩みや難題にぶつかってしまった時のサポートもされていることは心強いし、生みの親、育ての親共に尊重されている事もこちらの団体をとても応援したいです。(鈴木美香)
「この世に生まれてきた大切な「小さないのち」は、ペットのように容姿や好みで「選ぶ」ことはできません。ご自身で産んだかどうかに関わらず、「授かる」ものだということをご理解ください。」とても共感しました。特別養子縁組には様々な難しいことが伴うと思いますが、それをNPO法人という立場から、相談などの費用を負担させることなくサポートしている活動の意義を実感しました。(荒川陸)
「家族とはとても不条理で、自分で唯一選べる家族は配偶者のみ」という一文に共感しました。自分は生まれつきの全ての不平等は無くすべきと思っていますが、家族という単位は子供にのってどうしようもなく存在するものです。それは不条理でもあり、だからこそ愛が生まれる場所でもあります。生みの親、育ての親、どちらも大切にする当団体は尊い活動をしていると感じました。(境駿伍)
Babyぽけっとさんを選んだ理由は、命は大切と言いながら、一人親や未成年者の妊娠、経済的困窮・病気など親が子どもを育てるのが難しい状況の中で頼る先が無く自己責任論に追い詰められる社会に疑問があったからです。授かった命を自分自身が育てることが難しかったとしても、このような活動があれば自分や子どもを追い詰める悲しい事件は減らせると思いました。また真実告知をすることや、生みの親と子どもが交流を持ち続けられることは、難しいことも多いかと思いますが本人が自分のルーツについてや自分と家族について向き合うためにとても大切な取り組みだと思いました。(浅井美絵)
「家族とはとても不条理で、自分で唯一選べる家族は配偶者のみです。」という一文が刺さりました。そして、親となる側も "授かる" という考え方が、生まれてくるこどもにとっても平等なチャンスである、と感じました。単に少子化だから...というよりも、あたらしい家族のありかたに感銘を受けたので、選択しました。(白川みちる)
NPO法人Babyぽけっとに投票したいです。生んだ人だけでなく、養親との縁を取り持つところまで線をつないでいくのがよいと思いました。ぽけっとファミリーとか、親ばかサロンとか、言葉の使い方がうまい!と思いました。(阿曽祐子)
生みの親、育ての親の双方をサポートすることで子どもたちの幸せに寄与している活動に心をうたれました。子どもたちを巻き込んだ悲しい事件がたびたび騒がれる中、Babyぽけっと様の活動は1つの希望だと感じました。(中西晶大)
子供は授かりものとはよく言ったもので、どんなに望んでも手に入らなかった夫婦がある一方で、様々な事情によって「望まない妊娠」もまたあり得ます。「出産しても育てられない生みの親から、子どもを育てたくても授かることができなかった夫婦へ、命のバトンをつなぐ」という言葉にとても共感したので今回はこちらに投票させていただきました。(三上遼)
同性婚や夫婦別姓など、新しい家族の在り方が議論される機会が増えています。養子縁組についても同様に、色々な可能性があっても良い気がしました。とくに「血縁にとらわれず、慈しみ合う家族のあり方が、今よりももう少し自由になっていくこと」という推薦者の方のコメントに共感したので投票させていただきました。(碇和生)
3つの推薦団体がいずれも活動や特徴がまったく異なるため、比較して順位をつけることがとても難しかったので、シンプルにお題の「家族」というテーマとの親和性を感じる順番に選びました。ちょうど今月、一般社団法人ベビーライフという養子縁組団体が、いきなり廃業した上に、重要な個人情報を所轄行政に引き継ぎもせず、行方をくらませている、という報道があったばかりです。子どもの命と家族の問題を解決する一つの方法である特別養子縁組。正しい理解と誠実な運用が求められる今だからこそ、私たちがBabyぽけっとを応援する意義は大きいと思います。(宮本聡)
子どもは本来社会全体で育てていくものだと思いますので、理念にとても共感しました。(高橋祥子)
Babyぽけっとさんの活動がもっと多くの人の目に止まるといいなと思い、第一候補にしました。(太田睦)
家族というテーマに向き合おうとするたび、重苦しいきもちなる自分の価値観を認識する投票でした。複雑な家族のあり方を、整えたり、解したりせず、複雑なままに受け入れ、寄り添い続けるBabyぽけっとの活動に希望を感じました。(吉見新)
新しい親子の関係を作るために、尽力されている団体がある事を知りました。とても意義あると思います。(西山裕子)
新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。
運営
法人名 一般社団法人新しい贈与論
代表理事 桂大介
設立 2019年8月1日
ウェブサイト https://theory.gift
連絡先 info@theory.gift
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「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。