吉岡純希氏へ寄付を行ないました

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 共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、吉岡純希氏に対し52万円の寄付を行ないました。

 新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっています。2021年02月はNPO法人プレーパークせたがや、メディカルデザインエンジニア・吉岡純希氏、日本玩具博物館の3候補があがり、西信好真・吉見新の推薦した吉岡純希氏が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

メディカルデザインエンジニア/NODE MEDICAL 代表取締役
https://technurse.jp

今回、私たちが推薦するのは、病院でデジタルアートをつかった子ども達のケアや、3Dプリンタを使い患者に寄り添ったオリジナルの介護器具を作っている吉岡純希(よしおかじゅんき)さんという個人の方です。吉岡さんは、元看護師のエンジニアという異色の経歴の持ち主です。

看護師として働いていた頃、高度な医療ケアが必要なために病院の外に出ることのできない子ども達に、映像や音でディズニーランドに行ったような体験を届けるため、独学でプログラミングを学び、デジタルアートの制作を開始しました。平行して3Dプリンタを用い、患者さん一人ひとりの身体や、各々が抱えている課題に寄り添ったカスタムメイドの介護器具なども作っています。

デザインとテクノロジーで支援するケアの領域を拡張し、看護ケアの質を飛躍的に向上させる「メディカルデザインエンジニアリング」という、新しい看護の領域を、一般レベルにまで普及させ、発展させるための活動に取り組んでいます。デジタルアート、メディカルデザインエンジニアリングといっても、あまりピンとこない方も多いと思います。ぜひ下のリンクの記事や、動画をご覧ください。

◆看護師からエンジニアを目指した理由。新しい看護ケア文化をつくる◆
https://advanced.massmedian.co.jp/article/detail/id=3913

◆デザインエンジニアリングとケア(取り組みの全体的な枠組みの説明)◆
http://jnapcdc.com/LA/yoshioka/

◆(動画)Digital Hospital Art 2014-2015◆
https://www.youtube.com/watch?v=GX9rYtJVc1o

病院の壁に絵を描くことが一般的なホスピタルアートの世界で、吉岡さんの活動はもう一歩踏み込み、アートが一人ひとりの患者のケアに寄り添うことを目指しています。痛みを伴うリハビリが必要な子どもが、身体の動作に合わせて動く光に思わず手を伸ばしたくなるような仕掛け。わずかに目を動かすことしかできない子どもでも、その動きだけで自由に表現ができるような仕組み。「寄付」や「贈与」というと、とかく支援する側も、される側もシリアスさが求められることが多くなります。吉岡さんの活動は、真摯でありながら、「遊び」心や美しさ、テクノロジーの力で、病院という無機質な世界を軽やかに飛び越えていきます。自然と笑顔がこぼれる、気がつけば参加したくなる、そんな周囲を巻き込むような活動をされている吉岡さんを、皆さんにもイイね!と応援していただけると嬉しく思います。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 今の時代だからできる、看護の個人化、オーダーメイド化を、テクノロジーとアートを使い、自分のできる範囲から着実に実践し広めようとしている吉岡さんを応援したい。そして「メディカルデザインエンジニアリング」という活動が全国に広がり、ケアを受ける側、ケアをする側ともに、もっと充足した時間を過ごせるような未来が訪れると良いなと思っています。(西信好真)

  • 医療、アート、エンジニアリング…従来それぞれの領域として認知されてきた境界を自然体として超えていく様子に、吉岡さんみたいな人がどんどん増えるといいなって思いました!取り組まれている活動もすばらしい!(中島真)

  • 自身がエンジニアということもあってか、こういった分野の課題に対してエンジニアリングを用いて寄りそう吉岡氏の活動にとても共感しました。(三上遼)

  • "メディカルデザインエンジニアリング"" ということば、はじめて目にしました。テクノロジーを使って、病気や障害を持つひとたちの多くが、すこしでも世の中の「楽しいこと」「便利なこと」に触れることができればいいな...と思い、選択しました。(白川みちる)

  • 大変難しい選考でしたが、第一希望に吉岡 純希氏を挙げます。看護師としての経験から出た発想ということで、実際に医療現場でのニーズに応えるためのアイディアであり活動であると思いますし、療養やリハビリとなると、やらなきゃいけないこと感が出そうな一方で、純粋に子ども達がやりたい、楽しい!となる発想に驚かされました。多くの医療機関でも子どもに限らず今後も活用が進められそうな期待も込めての第一希望です。(浅井美絵)

  • 「メディカルデザインエンジニアリング」という言葉は、初めて知りました。寄付によって、吉岡さんが新たな作品を生む助けになれば良いと思いました。長期入院している患者さんたちの癒しや刺激、リハビリ支援になることを願います。(西山裕子)

  • 実践だけでなく研究もされているので、今後の広がりが期待できると思いました。(鈴木亜香里)

  • 遊びという共通するお題で、こんなにも色々な活動をされている方がいるのだなと感銘を受けました(それを見つけて来る推薦者のアンテナにも)。私自身にも2歳の子供がいます。自分たちの頃とは違う環境もあれば、数十年前に親である自分たちも同じ体験をしたであろう遊びや歌に触れて、追体験をするような日々を送っています。その意味では、プレーパーク、日本玩具博物館には親近感を覚えました。他方で、吉岡さんの活動は自分の周囲にはこれまでなかった発想に満ちていました。活動の意義の大きさはもちろんですし、個人の方への寄付というのは団体に対して行なう行為とはまた違った意味合いがあるかもしれないなと、こちら側の興味も含めて、票を投じたいと思いました。(森康臣)

  • 取り組みがユニークで支援したいと思いました。(高橋祥子)

  • 推薦人のひとりとして、第一希望には吉岡純希さんを選びました。医療の領域におけるアートの可能性を拡げる先駆的な取り組みをされている吉岡さんの活動を皆さんにご紹介できたことを嬉しく思います。(吉見新)

  • テクノロジーやアートを医療の領域で応用されていて、素晴らしい活動だと思いました。応援しています。(碇和生)

  • とても気になる選択肢ばかりだったが、掛け算の可能性にとても期待したい。(藤井宏二)

  • 「遊び」というテーマに照らした際にもっとも意外で興味が湧いた活動に投票いたします。(加藤めぐみ)

  • 病院の、あの独特の空間はなんとかならないか?とずっと思っていました。高齢化社会において、今後ますます必要になるデザイン、アート、テクノロジーだと感じます。吉岡さんのような活動をきっかけに、このようなアプローチが社会にもっと拡がればいいなと思います。(姜花瑛)

  • 楽しく明るく活動されているのが印象的でした。特に、絵を描くことは、直接の医療ではないけれど、一人一人にとってかけがえのない場所を作っていく活動だと思います。(阿曽祐子)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。