NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)へ寄付を行ないました

 共同贈与コミュニティ新しい贈与論(代表:桂大介)は、NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)に対し53万円の寄付を行ないました。

 新しい贈与論では毎月会員の投票により決定される寄付である共同贈与を行なっており、7月が10度目となります。今月はNPO法人こえとことばとこころの部屋、NPO法人自殺対策支援センターライフリンク、NPO法人コモンビートの3団体が候補にあがり、石黒好美の推薦したココルームが最多票を得ました。

推薦文は以下のとおりです。

 こえとことばとこころの部屋(ココルーム)は、大阪の釜ヶ崎と呼ばれる地区で、ゲストハウスとカフェの運営、「釜ヶ崎芸術大学」など「地域に暮らす高齢者の社会的つながりづくりとしての表現プログラム」、夜回りなどを行う団体です。
 釜ヶ崎は戦後間もない頃から日雇い労働者が集まった地域です。昔は野宿生活の人が多かったのですが、そうした人たちが高齢化し、今は生活保護を利用して暮らす方が増えています。
 ココルームは生活相談などもしていますが、それよりも様々な人たちの出会いの場としてのゲストハウスやカフェといった仕掛けを作り、釜ヶ崎に住む人たちと、その人たちと出会った人が生き生きと表現できる場(詩作、イベントなど)を生み出しています。
 ココルームによって貧困問題が解決するとも、日本全体に大きな変化が訪れるとも思いません。それでも、訪れる人にとってかけがえのない場であり、「貧困とは」「幸せとは」「生きるとは」といったことに多様な視点をもたらす場所が、小さくとも長く続いてほしいと思い、推薦します。(と、書いていたらゲストハウス滞在者にコロナウイルス感染者が出てしまったとのこと。大変そうなのでみんなで応援しましょう)

続いて、投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 釜ヶ崎は、父が育った町のすぐ近くにあり馴染みがあるという個人的な思い入れがあります。 日雇い労働者の町として全国的に有名な地区ではありますが、遠くの町から釜ヶ崎に訪れるのには少し勇気がいるという人もいるのではないでしょうか。 ココルームの、ゲストハウスやカフェ、各イベントの形態をとりながら、自然な形で町の外の人と釜ヶ崎の繋がりや接点をつくり続けていることが素晴らしいと感じ、応援したいと思いました。(姜花瑛)

  • 新規感染者数が3桁に達することが日常化し、著名人の自殺や米中の動向など、国内外でセンセーショナルな事件が続発する昨今。目を引くニュースがメディアを賑わせているからこそ、ニュースバリューは低いかもしれないけれど、確実に日々苦境に立たされている釜ヶ崎エリアへの支援を第一希望としました。生活相談のみならず、試作やイベントにまでカバー範囲を広げ、より講義の「幸福」を追究されている点も貴重だと思いました。(小池真幸)

  • 自分にとってココルームが活動する釜ヶ崎が遠い存在であるからこそ、分からないものにお金を流す機会としたい。(江藤遥平)

  • ココルームは、寄せ集め感満載だからこそ、自分の持っているもの(経験でも考えでも知識でも体力でも何でもOK)を無理なく出せる場になっているのだろう、と感じました。”試行錯誤しながら”が丸見えの運営だからこそ、生まれるもあたたかさがあるのでしょう。運営する人・利用する人の関係がなく、みなが同じ側にいるように見えました。(阿曽祐子)

  • 今回は、誰かにとってかけがえのない場所や、気づきを得られる場所、そういったことに支援できたら良いなと思いました。そういった場所に自分もとても助けられてきました。 毎度本当に悩みながら選んでいますが、今回もとても悩ましかったです。(大政勇作)

  • こんな時だからこそ、小さな地域の活動を応援する意義があると思っています。ココルームさんのことはこの推薦で初めて知りました。素敵な活動ですね。一度行ってみたいです。(宮本聡)

  • ・資金繰り ・事業特性上、注目が集まりやすいかどうか の二軸でココルームさんが寄付の重要性が高いと判断し寄付しました。 地域に根ざしているぶん、非営利団体がその土地の外からお金を引っ張ってくることはかなり難しいのではないかと考えます。(中西高大)

  • 第一希望のココルームは、何をやっている団体なのかさっぱり理解できません。カフェのふりをしている?出会いの場?表現?これ必要??まったくわけがわからないけれど、何故か惹きつけられるものを感じます。寄付をすることで、もっとこの団体のやっていることを知りたいと思い、ワクワクしながら選びました。(鈴木亜香里)

  • ○○を解決したいとか○○を救いたいと大きな声でうたうわけでもなく、このような場所があるといいと直向きに実践されている様子が私にとっては新鮮でもあり、元気づけられるものでした。”当事者”として取り組む(解決していく)プロジェクトはこういうことなのかと気づきがありました。かけがえのない1日をつくるために表現することを私も諦めたくないと思いましたし、これからの活動を応援したいと思います。(中島真)

  • 世界観に惹かれたのが一番の理由です。複雑で深刻な問題に向き合いつつも「生きる」ということを根本から肯定することで、明るくいきいきとした活動を展開されていると感じました。わたし自身が生きることに困ったら、こうした場所を訪れたいです。(桂大介)

  • ココルームの活動には前から関心があって、いつか行ってみたいと思っていた場所でした。今回の寄合で推薦されて嬉しい気持ちになりました。これもご縁、タイミングと、投票でつながりをつくりつつ、今年こそ実際に足を運んでみたいなと思っています。
    新型コロナに限らず、「大きな」社会的イシューによらず、そもそもに脆弱な状況にいる人たちと共にあること。そういう場を世界の片隅に1つでも2つでも残していくこと。それは市場経済ではなく贈与にこそできることなのかもしれないと感じます。推薦人の方の以下の文章に同感です。”それでも、訪れる人にとってかけがえのない場であり、「貧困とは」「幸せとは」「生きるとは」といったことに多様な視点をもたらす場所が、小さくとも長く続いてほしいと思い、推薦します。” (鈴木悠平)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。時折新規会員も募集いたしますので、ご興味をもたれた方はニュースレターへご登録ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。