NPO法人マイフェイス・マイスタイルへ寄付を行ないました

新しい贈与論は、NPO法人マイフェイス・マイスタイルに万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「スティグマ」をテーマに推薦を募集し、「Japan Hair Donation & Charity」「NPO法人eboard」「NPO法人マイフェイス・マイスタイル」の3候補があがり、 渡辺健堂・小山田那由他の推薦したNPO法人マイフェイス・マイスタイルが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

https://mfms.jp/
スティグマという言葉は、もともと身体に刻まれた「印」を意味した。しかし、その印は恥辱の烙印であると同時に、キリスト教では聖痕という尊い印でもあった。同じ印が、社会の解釈によって正反対の意味を持つ。この反転こそが、私にとってスティグマというテーマの出発点である。
   人間の身体を考えると、腕や足や背中に比べて、顔ほど「意味」を背負わされた部位はない。顔は、視覚や聴覚、嗅覚、発話といった主要な感覚器官が集中する場所である。同時に、私たちはそこから感情や信頼、美醜、健康、年齢など、実に多くの社会的情報を読み取ろうとする。
   顔は、生物学的には「感覚器官の集合体」である一方、社会学的には「意味が最も過剰に投影されるスクリーン」でもある。無意識のうちに、その人の性格や能力、健康、さらには人生までも読み取ろうとしてしまう。他者から向けられた解釈は、やがて本人自身にも取り込まれていく。そして、その解釈が内面化した時、私たちは自分の顔に過剰な意味づけをしてしまう。
   
   認定NPO法人マイフェイス・マイスタイル(MFMS)は、「見た目に問題がある人」がいるのではなく、「見た目を理由とした偏見や差別によって生じる問題」があるのだと問い直す。この視点は、見た目の多様性を尊重しようという啓発活動に留まらない。身体ではなく、身体を解釈する社会の側へと問題の所在を反転させる、極めて本質的な実践である。
   私たちは、自分は他者を見た目で判断していないと思いながら、日々無数の解釈を重ねて生きている。だからこそ、この団体が変えようとしているのは、人の顔ではない。私たち自身の「読み方」であり、社会のまなざしそのものである。
   スティグマは、身体にある印そのものではない。その印に社会が意味を与えたとき、初めて生まれる。だから、その意味を書き換える営みもまた、社会にしかできない。
   
   MFMSの活動は、一人ひとりを支援する活動であると同時に、私たちの社会が他者をどう見るのかという、文化そのものを更新する挑戦である。代表の外川さんが配信する「ヒロコビッチの穴」では、当事者を「語られる存在」ではなく、「語る存在」として迎え入れている。その軽やかな対話の積み重ねこそが、MFMSの思想を最もよく表している。その挑戦は、市場原理や行政だけでは十分に支えられない。社会の解釈を少しずつ変えていこうとする、この静かで根源的な営みを応援したい。

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 見た目問題というのはSNSをよく見る若い人にもこれから広がっていってしまいそうだと感じたため、カルチャーを変える一助になればと思いました(今 啓亮)

  • 推薦人なので、まずは自分の推薦先を。(渡辺健堂)

  • 当事者だけで無く社会側を変えることに取り組んでいること、そしてその取り組み内容に心を動かされました。代表の外川さんが配信する「ヒロコビッチの穴」で語る当事者は、当然に一人の人間としての魅力があり、支援する側とされる側の非対称性を感じさせない軽やかさを感じました。長きにわたって続けていらっしゃる活動に敬意を表したいです。(東原大輔)

  • 誤解や偏見から分断が進む世界を良くしていくヒントがある活動だと思い応援したいと思いました。(伊藤慎悟)

  • 人とは異なる特徴を持つ顔と初めて向き合う時、自分の目線をどこに置けばよいか意識してしまうし、そのことに触れた方がいいのか気づかないフリをした方がいいのかもわからないので、当事者の方々の気持ちを尊重しながら、このような活動を通じて、あるべき振る舞い方が共有されていくと良いなと個人的には思います。(瀧澤 暁)

  • それぞれの団体のHP内容や見せ方に惹かれた順に選びました。ルッキズムは言葉としてもよく見聞きしますが、MFMSの活動はより根本的なところを眼差していると感じ、応援したくなりました。(栖原志歩)

  • とくに当事者を「語る存在」として浮かび上がらせている「ヒロコヴィッチの穴」の活動が興味深い。応援したいと思いました。(清水康裕)

  • NPO法人マイフェイス・マイスタイルのことは今回初めて知りました。推薦文を読んだり、団体のWebサイトをしっかり拝見して、当事者支援の活動として積極的に展開していることに共感しました。今回のテーマにも一番ふさわしい団体だと思い、投票しました。(山田泰久)

  • 顔という意味の過剰な身体部位を取り巻くスティグマの解消を社会から取り組む試みに感銘を受けました。(佐藤遼平)

  • 「社会課題」とされているものの中には、何か画期的なソリューションやたくさんのお金がなくても、人のものの見方が変わるだけでなくなるものもあるんだろうなと思いました。(それが難しいのですが、、、)(吉見新)

  • 素朴に「スティグマ」というテーマから思いを馳せて、なかなか理解されづらかったり、社会が深く内面化しているテーマだったりすると考えて選定しました(榎本大貴)

  • 「見た目」をテーマにして活動されており、スティグマというテーマに沿った活動をされている団体であるため。(生田和希)

  • NPO法人格取得前に出会ってまして、今回の推薦でまだ活動が続いていることを知れてうれしいです。外川さんたちは当時から姉弟で活動していたのがとっても印象的でした。この団体に寄付して具体的に解決されることはないと思いますが、この団体が活動を続けることは間違いなく社会を優しくすることにつながると思います。(宮本聡)

  • MFMSの目指すところにいちばん心が動きました。すぐに変化しなくても、ちょっとずつ、ちょっとずつ変わっていくことを信じて。いま、じぶんが応援したいと思いました。(藤岡達也)

  • 「社会規範を前提にしているのか、それ自体を変えよう」としているのかという観点で、1位はマイフェイス・マイスタイル。(嶋田暁文)

  • 顔は「意味が最も過剰に投影されるスクリーン」だという前提の上で、その「読み方」を変える活動を応援したいという推薦文がとてもよかったです。まさに「市場原理や行政だけでは十分に支えられない」活動であり、十全の同意を持って一票を添えます。(桂大介)

  • 見られる側から、見る側の射程の広さ、その広さ故の難しいチャレンジに寄付したいと思いました(小寺裕貴)

  • 今回マイフェイス・マイスタイルのことを知り、初めて「見た目問題」について考えることが出来ました。「見た目問題」解決に向けては、まだまだ、より多くの人がこの問題について知っていく必要があると思うので、マイフェイス・マイスタイルさんを応援したいと思います。(荒井和平)

  • 悩みましたが、代表の外川さんの著書を以前読んで教育的だな〜と思っていたので、こちらで。(佐々木優)

  • 顔の見た目を気にしている人は非常に多いと思います。なぜ気にするのか、どうすれば気にしなくて済むか、を立ち止まって考えることで、少しでも気が楽になる人が増えたらいいなぁ、と思います。この団体の活動を応援することで、立ち止まって考える機会は確実に増えるのだと思います。(坂本治也)

  • GLP-1や「すねハラ」といった言葉が蔓延し、「見た目じゃない、個性の時代だ」と言われる一方で、実際に起きているアクションはむしろルッキズムを助長するもの(それによって得をする人に都合のよい流れ)が多いと感じます。そして自分自身も、ぼんやり生きていると、自分が線を引いた範囲内での寛容さや尊重で満足してしまうところがあります。そうした社会の根本的な価値観そのものを疑っているのがマイフェイス・マイスタイルだと思い、選びました。(綿貫美紀)

  • 自分も生まれつき目の表面に腫瘍があり、それを摘出する手術をするかたまに考えることがあります。手術をしたとしても見た目以外に変わるものはなく、そこに執着するのもなと思ったり、人から取るのを勧められたりとなんだかモヤモヤしているところでした。NPO法人マイフェイス・マイスタイルの目指す世界の実現を少しでも応援できたらと思いました。(原拓海)

  • NPO法人マイフェイス・マイスタイルの推薦人です。今回のテーマであるスティグマは、奴隷への焼印という押しつけられた認識という意味もあれば、キリスト教徒の帰属と誇りとしての聖痕という与えられたものを通して自分の尊厳を獲得していく意味もある、と考えました。そうした時にMFMSの活動は、当事者の声を通して押しつけられ内面化してしまった認識を反転させる力強い活動だと思い応援したいと考えました。また、当事者を中心とした活動でありつつも、周囲のスティグマを生み出す視点を変容させる活動でもある点が魅力的だと感じました。(小山田 那由他)

新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。