横浜市青葉区子どもたち支援/ぷぷあ(私設図書館「ぷらに」)へ寄付を行ないました

新しい贈与論は、横浜市青葉区子どもたち支援/ぷぷあに85万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「アジール」をテーマに推薦を募集し、「横浜市青葉区子どもたち支援/ぷぷあ」「NAMNAM Space」「中洲 昼スナ 「役にたたなくてもいい場所」(フィッシュ明子)」の3候補があがり、 荒井和平・中村祥眼の推薦した横浜市青葉区子どもたち支援/ぷぷあ(私設図書館「ぷらに」)が最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

https://www.chiffon.studio/pupua

たまプラーザ中央商店街の一本裏に、25歳以上の大人は入れない図書館がある。

「ぷらに」という。寄贈本だけでつくられた、子ども・若者のための小さな私設図書館だ。本は読んでもいいし、読まなくてもいい。おしゃべりもゲームも構わない。家でも学校でもない場所で、ただ過ごす。

私たちはこの「ぷらに」を、今回の寄付先として推薦したい。

アジールという言葉を、私たちはつい「逃げ込める場所」「保護される場所」と訳してしまう。けれど本当に大事なのは、その手前だと思う。困っていると名乗らなくても、しんどさを言葉にできなくても、なんとなく立ち寄れること。「助けてください」と言わずに済む場所であること。

支援の入口に立つには、自分を支援される側だと認める必要がある。それは思っているよりも重い行為だ。本当のアジールは、相談窓口の手前にしか存在しないのかもしれない。

その点で、図書館という形式はよくできている。「本を読みに来た」と言える。事情を誰にも説明しなくていい。そして「25歳以上は入れない」というルール。これは結界だと思う。学校でも家でも、子どもや若者は誰かの目線にさらされ、何かを期待されている。その視線から物理的に切り離された場所が街にひとつあるだけで、息のしかたは変わるはずだ。

ぷらにに関わる大人たちのスタンスも独特だ。青柳さんは「これは趣味」と言い切り、教育者でも相談員でもない位置に立つ。並ぶ本は、見知らぬ誰かが「次の世代に読んでほしい」と置いていったものだ。通りすがりの50代男性が「子どもたちの元気がないから、おまじないにでもなれば」と一冊買って届けた話もある。親でも先生でも支援者でもない大人が、本を介してゆるく傍にいる。タテでもヨコでもない、この斜めの距離感が、ぷらにを成立させている気がする。

ぷらにはこの数年で姉妹館を2つ増やし、3館を束ねる団体「ぷぷあ」を立ち上げた。図書館を続ける中で、子どもたちの背後にある貧困が見えてきたため活動の範囲を広げている。今ではどの館にも、本のついでに差し出すように、こっそり補食や生理用品が置かれている。それでも入り口の合言葉は変わらない————「本を読みにおいでよ」

https://www.instagram.com/pula2_lib/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 子どもにとって本は、新たな世界を知り可能性を広げる重要な機会だと思い、その接点を増やす自由な場としての「ぷらに」を希望します。(上西雄太)

  • 25歳から大人になる、と思っていたので、25歳以上は入れないというルールがしっくりきます。逃げ込むように読んだ本が人生の角度を少し変えることがあると信じたいので、「ぷらに」を応援したいです。(佐伯ポインティ)

  • 居場所のない子供、若者に、入り口を開けて「本を読みにおいで」とだけ伝える図書館は、まさにサードプレイスの役割を提供しています。自分が、本があるだけで安心するからか、若者の為にこの場所を増やしてあげたいと思いました。(平田仁)

  • 子どもと若者の図書館。地元密着の活動をこれからも続けてほしいと思いました。(清水康裕)

  • 自分では自分自身の環境を変えることができない子供たちの居場所をつくるということに大変大きな意義を感じるのと、その場が交流を強制されない図書館であることが、よくできた仕組みだと思うから。(瀧澤暁)

  • コンセプトに惹かれた順に選びました。ぷらにについては、自分が中学時代に周りに馴染めなくて図書館に入り浸っていたこともあって、特に応援したいと感じました。大人であれば飲食店などをサードプレイスにできるかと思いますが、子どもたちにとって家と学校と習い事以外のこのような「斜めの距離感」の場所があることは救いになりうると感じます。(栖原志歩)

  • 誰かにとっての具体的な聖域でありつつ、みんなにとっての聖域であるような場所がよい、と感じて「ぷらに」を支援したいと思いました。
    小中高と図書館には頻繁に行って涼みつつさまざまな本を手に取り過ごしたこと、大学時代はオープンな場所がどうにも落ち着かず、ひたすら図書館で過ごしていたことなどを思い出し、思えば本というコンテンツを通して社会と繋がっていたのだなと思います。物理的な本という、誰かに簡単に贈ることができ、身体性を伴うものの持つ可能性も感じました。本を使った誰かの居場所がもっと増えることを願います。(小山田那由他)

  • 支援の現場で仕事している身としては、こういった「支援の手前」こそ重要だと思います。支援の手前の場所として、まさにアジールとして成り立っているような空間だと思いました。(榎本大貴)

  • どれも非常に大切な居場所で甲乙つけがたく悩みましたが今後のスケールの可能性という観点でぷらにさんを第一に選びました。(篠原陽子)

  • 私は現在、大学の図書館長を務めており、若者の図書離れや物価高騰による図書館予算の逼迫など、様々な問題に日々頭を悩ませています。そういう個人的背景もあって、私設図書館としてユニークな試みをされているぷらにさんにとても興味関心をもちました。あえて年齢で限定をつけることで、世間から引き離された楽しい空間を作ろうとするのがいいなぁと思いました。図書館の可能性を拡げる、新しい試みをどんどんやっていただきたいなぁと思います!私たちの寄付金が、そのチャレンジの後押しとなることを祈っています!(坂本治也)

  • SNSの写真から、静かに本と向き合える安心感と、人とのつながりがそっと感じられる温かさを感じました。そんな居場所が多くの子どもたちに広がりますように!(古賀翔子)

  • 「ぷらに」の推薦人です。私設図書館と聞くと、どこかの文豪が資産を成して逝去する際に開くものーーーというようなイメージがありましたが「ぷらに」さんは全く異なりました。アジールとは「結果的にできる場所」であると感じました。図書館が媒体となり、安全な場所が生まれる「ぷぷあ」さんの取り組みが、それを必要とするこどもへ届きますように。(中村祥眼)

  • 今回は順位をつけるのが難しかったので感覚です。直感順に。(宮本聡)

  • 支援される側だと認めることを求めない。結界。趣味だと言う運営者。斜めの距離感のデザインが素晴らしいと感じさせる、素敵な推薦文に一票。(中村雅之)

  • 大人が教える側や支える側として構えるのではなく、本を挟んでゆるく傍にいるだけ、という距離感に惹かれました。(原拓海)

  • 文学の中にばかり居場所を見つけてきた私にとってあまりにも刺さる推薦文でした(綿貫美紀)

  • 25歳以下しか入れない図書館というのがハードルさげて入りやすく活動に共感します。ペイフォーワード活動も贈与論との親和性を感じます。(石田篤史)

  • 読書好きとして多くの子どもたちにその機会が与えられてほしいとおもいました。

  • 贈与された本で作られた私設図書館で、子供のみが入れる場所というコンセプトがとっても魅力的だなと思いました。本があり、大人が入れない事によって、子供が大人の視線や期待から離れるための空間が作られている。その上で困ったときには他の子供や先輩に相談したり、支援もしてもらえる。こんな施設がもっと増えて欲しいなと思いました。(荒井和平)

  • 自分が子どものときと比べて、自由に行けるような場がなくなっている中で、このような場を作ってもらえること、図書館という形式で本という媒体を使って様々な人が関わることができる取り組みを面白いと思い、選ばせてもらいます。(高橋涼)

  • 個人的な解釈として『アジール』を、コミュニティやイデオロギー、ビジネスといったものから一番距離のある《出入り自由のニュートラルな内省の場》と考えてみました。駅前留学という英会話学校がありましたが、気が付いたらこっそりと駅前こども図書館が拡がっているとステキです。(小澤啓一)

  • 【アジール】【駆け込み寺】という言葉から、最初はもっと緊急性や危機的状況を想像していました。

    ですが「ぷらに」推薦文の、 「通りすがりの50代男性が『子どもたちの元気がないから、おまじないにでもなれば』と一冊買って届けた」 という一節も含めた、推薦文がとても好きでした。

    大きな支援や特別な立場ではなくても、誰かを想って、そっと本を通して想いを届けられる。 そんな人間になれたらステキだな、とも感じました。

    また、図書館という空間そのものにも惹かれ、 本を読まなくても、本に囲まれているだけで安心できる感覚。 本屋さんとは少し違う、静かで心地よい空間に、救われる方がきっといるのでは…と感じ、今回選ばせていただきました😌💓(せたゆうか)

新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。