新しい贈与論は、特定非営利活動法人Light Ring.に87万円の寄付を行ないました。
新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「メリトクラシー」をテーマに推薦を募集し、「特定非営利活動法人 NPO birth」「認定NPO法人アサザ基金」「特定非営利活動法人Light Ring.」の3候補があがり、 渡辺麗斗・伊藤慎悟の推薦した特定非営利活動法人Light Ring.が最多票を得ました。
推薦文は以下の通りです。
「人と比べず人と競わず、自分自身を生きなさい」 — 老子
頭ではわかっているが、なかなかできない。誰かと自分を比べてしまう。そんな自分に嫌気が差しながらも、世の中に置かれている椅子の数は限られているし、自分自身が望む場所に座ろうとしても叶わないことも多い。比べたいわけでも、競いたいわけでもないのに、抗いようもなく、椅子取りゲームに参加させられている気分だ。
本当は、世界はもっと広いのに、小さな世界のなかではどうしても椅子が限られてしまっているように見える。学生のころの自分も、知らず知らずのうちに能力主義(メリトクラシー)の真っ只中にいたと思い返していました。
今回推薦する「特定非営利活動法人LightRing.」は、こうした多感な若者たちが、互いの悩みの受け皿となれるよう、10年以上にわたって子ども・若者の自殺予防や孤独・孤立対策に挑み続けてきた団体です。
最大の特徴は、専門家や大人に頼るだけでなく、若者自身が身近な友人や恋人の「こころの支え手(ゲートキーパー)」になるという「予防型社会」の構築にあります。活動の中心である「子ども若者自殺予防ゲートキーパー養成講座」は「基礎学習」「日常の実践」「仲間との振り返り」という効果的な3ステップで構成されており、これまでに約32,000人(2024年時点)もの支え手を養成してきました。
この実践的なプロセスを経ることで、若者たちは日常の些細な変化やかすかなSOSに気づく力を養うことができます。競争社会で見落とされがちな声を受け止め、そばに寄り添うための確かな連帯の輪が、ここから広がっていくのを感じました。
既に素晴らしい活動を行っていますが、今回私たちが強く寄付したいと思ったのは、年次報告書の作成が足元で止まってしまっていることが気になったからです。これまでの年次報告書からは、統計的手法を用いた科学的根拠に基づく介入効果の検証など、非常に緻密で誠実な運営がなされていることが分かります。これを継続して欲しいという想いとともに、今まさに支援を必要としている団体なのではないかと感じました。
能力主義の影で静かに悲鳴を上げている若者たち。その声を拾い上げる「こころの支え手」を絶やさないために、この連帯の輪を支えることができましたら幸いです。
投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。
たまたまですが、HPのマガジンのTOPに「支えるべきは当事者だけじゃない 「支え手」を“支える”ことの重要性とは」とありまして。この視点が刺さりました。(熊谷友幸)
個人的には少子化問題よりも若者の自殺こそ優先的に解決されなければならないと思っています。推薦理由にもある「静かに悲鳴を上げている若者たち」を、今回の寄付で支えたいと感じます。(清水康裕)
メリトクラシーの影響を一番受けやすい10代に真っ向からアプローチしている団体を選びました。(秋山福生)
Lightningさんの若者の自殺予防の活動を共感。更に介入効果の検証されている点が素晴らしいと思いました。年次報告書を是非出して頂きたいです。(平田仁)
理由は2つあります。
①エビデンスに基づく活動設計です。ゲートキーパー養成では信頼性・妥当性のある尺度で効果を検証しており、思いだけでなく実際の変化を確かめ続ける姿勢に信頼を感じました。
②若者自身が身近な人の「支え手」となる仕組みづくりです。支える/支えられるを固定せず、日常にゆるやかな支え合いを広げるあり方に大きな可能性を感じました。
年次報告書の作成は現在止まっているものの、これまでの報告からは誠実な積み重ねが伝わります。その活動が可視化され続けること自体に意味があると感じ、寄付で一助になればと思いました。(榎本大貴)「能力主義の影で静かに悲鳴を上げている若者たち」をさポートしている団体として推薦されていた特定非営利活動法人Light Ring.に投票しました。この団体のような地道な取り組みは本当に大切ですね。応援したいです。(山田泰久)
若者が自殺を選ばない社会が実現してほしいので、こちらの団体を選びます。(漢那宗泰)
美術系の大学出身なので、メリトクラシーと聞くと、美術予備校の実技の講評風景を思い出します。毎回、明確に順位が着き、何が改善点かは示されるものの、その改善の実践には手技と考え方の両面での熟達が必要で、足掻いても足掻いても思うようにならない……そんな苦しさも感じつつ、いま思えば強烈なままならなさと能力差を突きつけられることで得たものも多い、と半ば肯定もしてしまう。
長くなりましたが、結局私は能力主義的な社会に対してどうしていくべきか分からず悩み続けている気がします。なので今回は支える人を増やす、というアプローチを支援したくLight ring.を第一希望にしました。(小山田那由他)ゲートキーパーを増やすという考え方がとても素敵だと思いました。こころは誰かに支えてもらわねばならないものだと思っています。その役割を増やす行為は、世の中をよくすることに直接的に貢献していると思いました。(佐伯ポインティ)
こうした予防的な取り組みは、なかなか継続しづらいものですが、社会により浸透してほしいという期待と応援の気持ちを込めて選択しました。(古川哲)
今日ゆっくり書くつもりだったのですが体調不良により、順位だけ投票します。悩みました!(鈴木瞳)
若者も運用主体となり取り組んでいる「特定非営利活動法人LightRing.」に投票します。足元で寄付を必要としているかもしれないという点も気になりました。(鈴木弘人)
推薦文の強い寄付理由に共感しました。報告書の非更新が寄付によって解消されるのかは分かりませんが、これまで緻密で誠実な報告書を発信されていたことに感謝も込めて、寄付したいです。(古賀翔子)
こころの支え手を増やすという活動がシンプルに素晴らしいと思った。(高城晃一)
Light Ring.の現場と研究をつなぐ姿勢に惹かれました。(原拓海)
寄付による「インパクト度」で順位をつけました。Light Ring.テーマとの親和性が一番高いと感じたことと令和5年度から寄付集めに力を入れてきているのかなと思い、その3年目で役立てていただきたいと思い選びました。(石田篤史)
対処療法にとどまらず、若者など身近な人が支えるという仕組みで自殺や孤独・孤立の予防に取り組む活動を応援したいと思いました。(伊藤慎悟)
何かによって順番をつけるのは何かを選ぶことと同義だと思います。選ばれなかった人にとっては、その時には選ばれなくとも次の機会があると思えることが大切だと思うのと、選ぶ人も、必ずしも一番を選ばなくてもよいのかもしれず、その2つがうまく揃うといいのかなと。(瀧澤暁)
メリトクラシーは社会システムのあり方であると同時に、ひとりひとりの心の持ちようでもあるのではないか。つまり、あるひとつの基準に自分を当てはめ、他者と比較することによって優劣を感じてしまう。大人になるにつれて徐々に自身の生き方を見つけていけるだろうが、若者にとって自身を単一の物差しから外して捉えることは至難の業だと思う。その帰結として若者の自殺率の高さがあり、これは根本治療だけでは捉えきれない課題なのだろう。
ゲートキーパーを育成するという間接的でありながら効果的なアプローチで若者の自殺問題に取り組むLight Ringさんには、対症的にでも直向きに取り組む熱心でまっすぐな姿勢を感じられる。自殺問題はこのような直向きな姿勢によってしか解決し得ないのかもしれない。メリトクラシーの弊害の緩和を願って一票。(村瀬昌礼)人が集団でいる限り、他人と自分を比べることは避けられず、その過程でどうしても優劣が発生してしまいます。集団の中に入り、弱い立場となってしまう人が倒れてしまわないようにするという活動は、とても難しいと思いますが集団のセーフティーネットとして非常に重要な役回りだと思いますので、応援させてもらいます。(高橋涼)
新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。ご興味のある方はぜひご参加ください。
運営
法人名 一般社団法人新しい贈与論
代表理事 桂大介
設立 2019年8月1日
ウェブサイト https://theory.gift
連絡先 info@theory.gift
メディアキット ダウンロード
「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。
