一般社団法人unistepsへ寄付を行ないました

共同贈与コミュニティ 新しい贈与論は、一般社団法人unistepsに72.5万円の寄付を行ないました。

新しい贈与論では毎月会員の投票により宛先を決定する共同贈与を行なっています。今月は「恋」をテーマに推薦を募集し、「一般社団法人unisteps」「NPO法人森は海の恋人」「原貫太氏」の3候補があがり、布田尚大、福原寛重の推薦した一般社団法人unistepsが最多票を得ました。

推薦文は以下の通りです。

今回のテーマ「恋」に関して、いくつかの方向の議論の末に、最終的にファッション領域に絞られておこないました。

ファッションは人を彩るものであり、相手の為に美しくありたい、人に良く見られたいなど「恋」の触媒としても昔から男女を問わず意識されて来たものだと思います。同時にファッションそのものへの「恋」も存在すると思います。特定の服、ブランド、デザイナーなどに好きな服にある種の「恋」をすることもあります。そのような「恋した服」を着た時に人の気持ちは高揚され、自信がみなぎったり、前向きな気持ちになる経験があるのでは無いでしょうか?

もちろん恋愛的な文脈からも青年期の恋、多様性を踏まえたLGBTQなどへの恋、老いてなお恋する終生の恋など多様な恋の形態は考えられましたが、我々はもっと消費や社会に根ざした領域でのファッションについて考察しました。

サステナブルファッションに関する教育やプロジェクトを行う一般社団法人unistepsを推薦します。同団体の活動は業界団体のマネージからコンシューマー向けのラーニングプログラムまで多岐に渡りますが、その中で勇気と志を持った未来のファッションデザイナーを発掘し、称え、そして育むファッションフロンティアプログラムを行なっています。

その団体のディレクターがプレゼンの場で話した「人類が服を着始めてから5000年。次の5000年、人類は何を着ているのでしょうか。それを探求していきたいんです」という発言が、忘れられません。ビジネスは基本的に今生きている人間の欲望を対象にします。そんな中で5000年後を射程にするクリエイタープログラムは、強い困難性を孕む営みです。

クリエイティブという文脈でいうと、日本はクリエイティブに理解が低く、文化への着意に乏しい国だと常々思っています。世界的な日本人デザイナーは今はいますが、将来いなくなるかもしれません。若い世代がファッションの夢や希望を持てなくなると業界はどんどん先細っていくでしょう。

若者の挑戦を寄付によって称えつつ、5000年後も地球環境が壊れきっていないことを祈りつつ、5000年先も人類は喜劇的な、悲劇的な恋愛を繰り返しているのか夢想するのは、愉しい行為なのではないかと思います。

unisteps「FASHION FRONTIER PROGRAM」
https://unisteps.or.jp/FFP

FASHION FRONTIER PROGRAM
https://ffp.jp/

投票にあたり会員よりあがった理由の一部を抜粋し紹介いたします。

  • 推薦文を拝見し、個人的な「恋」の記憶においてファッションの存在感が大きいことに気づかされました。ファッションを千年単位で考えることは、人間の自己表現も同じ射程で考えることであり、そのような取組を是非支援したいと思いました。(上西雄太)

  • ファッションという自己表現の世界で、一つの価値観を絶対視するのではなく、選択肢を増やしていくという方向性に共感して選びました。(朝野椋太)

  • 未来のファッションデザイナーを見出して活躍をサポートするFASHION FRONTIER PROGRAMはとても素敵な取り組みだと思いました。私は、私の好きな服を着て過ごすことを、大事にしています。いっそう魅力的な衣服たちがうまれてくることを楽しみにしています。(大政勇作)

  • 恋をキーワードに、対象への恋が、視野を広げて環境や地球への恋、に広がっていったら良いなと夢想し、投票いたします。(金子遥洵)

  • 自身を「服好き」としておきながら、リサイクル以外でサステナブルと紐づけて考えてきたことがありませんでした。ファッションを楽しむだけではなく維持可能な状態に導くことに共感しました。(白川みちる)

  • 「その団体のディレクターがプレゼンの場で話した「人類が服を着始めてから5000年。次の5000年、人類は何を着ているのでしょうか。それを探求していきたいんです」という発言が、忘れられません。ビジネスは基本的に今生きている人間の欲望を対象にします。そんな中で5000年後を射程にするクリエイタープログラムは、強い困難性を孕む営みです。」私もこの言葉にはぐっときました。誤解を恐れずに言えば「5000年後を射程にするクリエイタープログラム」というのは「強い困難性を孕む営み」どころか「妄想ギリギリ」だと感じました。(言い方!)そんな領域を架構しておいて、広く賭けを呼びかけることのあまりに人間臭さ!「若者の挑戦を寄付によって称えつつ、5000年後も地球環境が壊れきっていないことを祈りつつ、5000年先も人類は喜劇的な、悲劇的な恋愛を繰り返しているのか夢想するのは、愉しい行為なのではないかと思います。」私も全くそう思います。死語を使えば禿同です。ノッた!(本間盛行)

  • ファッションは、恋と同時に礼(礼節)にも近い場所にあると思います。恋をしつつ、他者や未来への礼を忘れない取り組みを素直に応援したいと思いました。(加藤めぐみ)

  • 服には人の行動を変える力があります。フォーマルな服を着るとシャキっとするし、Tシャツジーンズならフランクな所作になるし、グレースウェットだとダラダラしがちですよね。また誰かのために服を選ぶこともありますね、特に恋をしているときは。あの人の好みに合う服、でも私の元々のイメージとかけ離れないように、ああでもないこうでもないとクローゼットを引っ掻き回した経験、きっと多くの方がお持ちではないでしょうか。恋する気持ちに力を貸してくれるもの、それがファッション。そういうわけで「恋」というテーマに一番しっくりきたunistepsに一票を投じます。サステナブルというのは、ファストファッションとはなかなか相容れないものです。ユニクロにオーガニックコットンやリサイクルポリエステルの服は並んでいません。安くて可愛い服の裏側には、大量に農薬を使った綿・劣悪な労働環境・環境負荷の高い染料と排水…その他諸々の問題を抱えているということを知らない人はたくさんいます。サステナブルファッションがもっと根付くために、unistepsに寄付することで少しでも貢献できたらと思います。(溝口奈緒美)

  • 消費・欲望のシンボルのようなファッション。そのファッションに、多角的に切り込んでいくのが、かっこいい。身に着けているものの前後にどんな世界があるのか、どんな人たちがいるのか、もっとしりたくなりました。(阿曽祐子)

  • 個人的にファッションへの思入れが強く、サステナブルな観点というよりも、新たなデザイナーの発掘を小さいながらも支援できたらと思い、Unistepsさんを第一希望にさせていただきます。(小川哲兵)

  • 洋服好きです。高いお金を払って購入する、つまり等価交換しているわけですが、それでもやっぱり「洋服からもらったもの」の方が大きい気がします。今回はその返礼の意味も込めて一票を。推薦文にも、とても共感しました。この共感が連鎖し、次の5000年に続いていくことを祈って。(桂大介)

  • とにかく日本の若者を応援したい気持ちからunistepsを一位にしました。ファッションに関わらず、日本の様々な文化が発展することを祈ります。(岩井謙治)

  • unistepsさんの話をしているときの「サステナブルってお金がかかる」という言葉を後からふっと思い出しました。良いことをしているのに余計にお金がかかってしまうなんて、、この団体も数多の「やりたいけどお金が尽きた」団体たちを乗り越えて頑張っているのかもしれないなぁ、、と思うと寄付したくなる気持ちが芽生えました。(綿貫美紀)

  • モノづくりをする1人として、クリエイター文化を育む投資というところに、最終的に一番価値を感じました。(中村雅之)

 新しい贈与論は今後も共同贈与という形の寄付を毎月続けて参ります。現在は新規会員も募集中ですので、ご興味ある方はトップページよりご確認ください。



運営

法人名     一般社団法人新しい贈与論
代表理事    桂大介
設立      2019年8月1日
ウェブサイト  https://theory.gift
連絡先     info@theory.gift
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 「新しい贈与論」は寄付や贈与についてみなで学び、実践してゆくコミュニティです。オンラインの交流をベースに、時折イベントや勉強会を開催します。個人主義や交換経済が蔓延り、人間や人間的関係がますます痩せ細ってゆく現代において、今一度、贈与という観点から社会について考え行動する場をつくりたいと思います。