会員インタビュー|贈与について知りたい、ファンドレイザーとして

鈴木亜香里さん
NPO法人地球市民の会ミャンマー駐在員・ファンドレイザー

ミャンマーに駐在しながら、ファンドレイザーとして「寄付人口を増やしたい」という思いで活動されている鈴木亜香里さん。様々な寄付の実践を行っており、「毎日寄付」という取り組みで2021年の寄付月間大賞にも選ばれています。

「世界は贈与でできている」という本を読んで自分が考えていることが言語化された感覚があり、贈与についてさらに学びたい、と思っていたタイミングで新しい贈与論の存在を知り入会されたそうです。

■寄付をしたいと思ったきっかけは、感動に触れたため

私が働いているのはお給料の安い業界だったので、もともとは、寄付をするという選択肢がありませんでした。身近にいるのも多額の寄付をしている人たちだったので、自分にはできないと思っていました。

ただ、お金持ちになったら寄付したいとは思っていました。国際協力をしていると、寄付によってできた学校の案内を、寄付していただいた大口ドナーさんに対してする機会があります。その時にドナーさんが感動して泣いたりしていて、「こんなに感動するならやりたい」と。

■寄付は誰でもできる

日本にいる時、営業という仕事が好きだったんです。商品の魅力を伝えて、買ってもらうことが好きで。ミャンマーではそのような仕事がなかったのですが、寄付集めも同じような仕事だと考え、ファンドレイザーを始めました。勉強目的で自分も寄付をしていくうちに、お金持ちじゃなくてもできると思うようになりましたね。買い物はお金で買ったものが返ってくるけれど、寄付はお金以外のなにかが返ってくる。それだけの違いだと感じています。

■「寄付をしたい」という感情

ミャンマーは寄付ランキング上位の国で、よく寄付をする国民性です。その文化が最も現れていると感じたのが、手紙の最後に書く「今よりもっと寄付できますように」という決まり文句です。初めて読んだのは私たちの寄付を受け取った人の手紙で、「もっと欲しいということ?」と最初はとまどいました。「今よりもっと稼げて寄付できたら、あなたも私もハッピー」といった意味なんです。日本の定型文である「ますますのご発展をお祈りします」と似ていますね。

今では私もその文化に染まり、日本でいう「人として与えられる存在になりたい」といった願いと同じように、「もっと寄付できるようになりたい」と自然に思っています。

■入会に興味がある方へ

楽しいし、お得です。寄付ができるし、さらに勉強もできる。読書会もとても楽しいです。他で贈与の本を教えてもらえることってなかなかないし、お勧めしていただいた本にハズレがなかったので。

読書会もそうだし、寄付先という観点からも、自分だけでは出会えないものと出会えるのは新しい贈与論の価値だと思いますね。


Author:市村彩